1,307 / 1,315
第四十章
1292 まさか……
しおりを挟む
( マービン )
俺の顔色も多分酷い色になっているだろうなと思いながら、俺は続けて言った。
「 もしも王が援軍を送り、モンスター達が全て倒されてしまったとする。
その後に致し方なく< 聖令浄化 >を行えば……国民の中には ” 沢山の犠牲者を出したが、ニコラ王は出来うる限りの事をしてくれた。 ” という評価をする者達も多く現れるはずだ。
その余裕が、万が一モンスターボックスに似たこの謎のスキルを解明する手がかりへ導くかもしれない。
そう考えた ” 悪 ” の次に考える手はコレだ。
” だったら全てを消してしまおう ” 」
その思考に吐き気がして、最後は吐き捨てる様に言い放つ。
計画が崩れる事を想定した奴らは、証拠全てを根こそぎ消し去る様な圧倒的な ” 力 ” を用意しているはず。
それこそなにもかもを消し去ってくれる様な恐ろしい ” 力 ” を────……。
「 …………。 」
点と点が繋がりそうになり、その恐ろしい可能性の話が一気に現実味を帯びた時、突如……ドンッ!!ドンッ!!ドドドンッ!!!!という大きな爆発音と共に大地が揺れる。
その瞬間、俺のスキル< パーフェクト・マップ >に、初めて聞く様な、ビーッ!!ビーッ!!という大きな警戒音の様なモノが聞こえた。
「 なっ!!なんですか!?この爆発は!! 」
「 もしや、また新たなモンスターボックスですか’?! 」
グリムとスワンが叫ぶのを横で聞きながら、俺は< パーフェクト・マップ > に突如浮かんだ、8つの大きな魔力反応を確認し、サァァァ……と血の気が引いていく。
以前、何故かSランクモンスターが頻繁に姿を現した事件。
人的な要素も考えられていたが、結局はそんな事をしても誰一人として得をしないため、調査はそうそうに打ち切られたという。
その事件が頭の中にフッと浮かび ” まさか。 ” と思いたかったが……。
自分の最悪な予想が当たってしまった。
ソフィア様の能力で半分以上能力DOWNしているにも関わらず、初めて感じる禍々しい強大な魔力反応……間違いない。
「 Sランクモンスター……っ! 」
俺の声が聞こえた同志達は「 Sランク……? 」「 う、嘘だろう……? 」と動揺した声が聞こえたが、直ぐに全員が声を合わせて叫んだ。
「「「「 マービン様っ!!ご指示を!! 」」」」
勿論言われるまでもなく、既に俺はありとあらゆる戦略を練っているが……とてもではないが、今の戦力ではSランクと戦えない。
足止めすらも難しい……!!
現在この場所から最も近い場所に二体いて、恐らく一体はスタンティン家の子息がいるであろう方へ向かうはず。
そしてもう一体は……。
「 こっちに来る。
戦力を集めたくとも、ここに集結させてしまえば、防壁の守りが維持できずに街は壊滅する。
どうすれば……! 」
” 絶体絶命 ”
それを嫌というほど感じながらも、生存ルートを必死に模索していると……突然ここに近い場所にいるSランクの気配が小さく別れ始め、地下に一気に広がっていくのに気づいた。
一体……?
そこでハッ!!とした俺は、急いで同志達に指示を出す。
「 全員地下に向かって攻撃しろ────っ!!!! 」
「「「「 ────っ?!!は、はいっ!!! 」」」」
直ぐにスワンとグリムを始めとする、他の同志達が、全力の攻撃を地下に向かって放ち、俺も勿論地下に向かって魔法を叩き込んだ。
すると、地面からは火柱の様なモノが至る所で上がり、何か小さなモノが大量に地上へと飛び出してくるではないか!
《 ピ、ピギィィィィ────っ!!!! 》
その小さいモノはなんと小さな黒い子蜘蛛達で……地下への攻撃により、鳴き声をあげて散っていった。
それに安心したのも束の間。
今度はあり得ない程早いスピードで地下を移動する気配を感じ、更にソレは俺達の方へまっすぐに向かってくるのを感知する。
ゾッ!!としながら、俺はグリムに向かって叫んだ。
「 上へ!!急げっ!!! 」
「 承知しました!! 」
グリムは俺の指示を受け直ぐに虹色の風船を作り出す。
< 毒膳士の資質 > ( ユニーク固有スキル )
< レインボー気球 >
ガム型武器専用スキル
様々な属性を練り込んだ虹色の風船を作り出し、自在に空を飛ぶことができる
ただし、長距離移動には相当な実力が必要
(発現条件)
四種類以上の属性魔法の適正がある事
一定回数以上ガム型魔道具を使用した制作経験があること
一定以上の好奇心、無邪気、純粋がある事
虹色の風船を掴んだグリムに俺とスワンが飛びつくと、風船は一気に上空へと上昇したその瞬間────────!
────ガキンッ!!!!!
突然巨大な蜘蛛の手の様なモノが二本、地面から伸びてきて、俺達がいた場所を挟み込む。
「「「 ……っ!!! 」」」
上空からその様子を見て息を飲むと、その足はいたはずの俺達がいない事が不思議だった様で、何度かガチガチとその足を動かしていたが、突然二本の足に沢山の目が出現し、一斉にそれがパチッ!!と目を開けた。
ギョロ!!
ギョロギョロ!!
音が聞こえそうなくらい激しく目を動かしていたが、その一つが上空にいる俺達を見つけると、全ての目が俺達を睨んでくる。
俺の顔色も多分酷い色になっているだろうなと思いながら、俺は続けて言った。
「 もしも王が援軍を送り、モンスター達が全て倒されてしまったとする。
その後に致し方なく< 聖令浄化 >を行えば……国民の中には ” 沢山の犠牲者を出したが、ニコラ王は出来うる限りの事をしてくれた。 ” という評価をする者達も多く現れるはずだ。
その余裕が、万が一モンスターボックスに似たこの謎のスキルを解明する手がかりへ導くかもしれない。
そう考えた ” 悪 ” の次に考える手はコレだ。
” だったら全てを消してしまおう ” 」
その思考に吐き気がして、最後は吐き捨てる様に言い放つ。
計画が崩れる事を想定した奴らは、証拠全てを根こそぎ消し去る様な圧倒的な ” 力 ” を用意しているはず。
それこそなにもかもを消し去ってくれる様な恐ろしい ” 力 ” を────……。
「 …………。 」
点と点が繋がりそうになり、その恐ろしい可能性の話が一気に現実味を帯びた時、突如……ドンッ!!ドンッ!!ドドドンッ!!!!という大きな爆発音と共に大地が揺れる。
その瞬間、俺のスキル< パーフェクト・マップ >に、初めて聞く様な、ビーッ!!ビーッ!!という大きな警戒音の様なモノが聞こえた。
「 なっ!!なんですか!?この爆発は!! 」
「 もしや、また新たなモンスターボックスですか’?! 」
グリムとスワンが叫ぶのを横で聞きながら、俺は< パーフェクト・マップ > に突如浮かんだ、8つの大きな魔力反応を確認し、サァァァ……と血の気が引いていく。
以前、何故かSランクモンスターが頻繁に姿を現した事件。
人的な要素も考えられていたが、結局はそんな事をしても誰一人として得をしないため、調査はそうそうに打ち切られたという。
その事件が頭の中にフッと浮かび ” まさか。 ” と思いたかったが……。
自分の最悪な予想が当たってしまった。
ソフィア様の能力で半分以上能力DOWNしているにも関わらず、初めて感じる禍々しい強大な魔力反応……間違いない。
「 Sランクモンスター……っ! 」
俺の声が聞こえた同志達は「 Sランク……? 」「 う、嘘だろう……? 」と動揺した声が聞こえたが、直ぐに全員が声を合わせて叫んだ。
「「「「 マービン様っ!!ご指示を!! 」」」」
勿論言われるまでもなく、既に俺はありとあらゆる戦略を練っているが……とてもではないが、今の戦力ではSランクと戦えない。
足止めすらも難しい……!!
現在この場所から最も近い場所に二体いて、恐らく一体はスタンティン家の子息がいるであろう方へ向かうはず。
そしてもう一体は……。
「 こっちに来る。
戦力を集めたくとも、ここに集結させてしまえば、防壁の守りが維持できずに街は壊滅する。
どうすれば……! 」
” 絶体絶命 ”
それを嫌というほど感じながらも、生存ルートを必死に模索していると……突然ここに近い場所にいるSランクの気配が小さく別れ始め、地下に一気に広がっていくのに気づいた。
一体……?
そこでハッ!!とした俺は、急いで同志達に指示を出す。
「 全員地下に向かって攻撃しろ────っ!!!! 」
「「「「 ────っ?!!は、はいっ!!! 」」」」
直ぐにスワンとグリムを始めとする、他の同志達が、全力の攻撃を地下に向かって放ち、俺も勿論地下に向かって魔法を叩き込んだ。
すると、地面からは火柱の様なモノが至る所で上がり、何か小さなモノが大量に地上へと飛び出してくるではないか!
《 ピ、ピギィィィィ────っ!!!! 》
その小さいモノはなんと小さな黒い子蜘蛛達で……地下への攻撃により、鳴き声をあげて散っていった。
それに安心したのも束の間。
今度はあり得ない程早いスピードで地下を移動する気配を感じ、更にソレは俺達の方へまっすぐに向かってくるのを感知する。
ゾッ!!としながら、俺はグリムに向かって叫んだ。
「 上へ!!急げっ!!! 」
「 承知しました!! 」
グリムは俺の指示を受け直ぐに虹色の風船を作り出す。
< 毒膳士の資質 > ( ユニーク固有スキル )
< レインボー気球 >
ガム型武器専用スキル
様々な属性を練り込んだ虹色の風船を作り出し、自在に空を飛ぶことができる
ただし、長距離移動には相当な実力が必要
(発現条件)
四種類以上の属性魔法の適正がある事
一定回数以上ガム型魔道具を使用した制作経験があること
一定以上の好奇心、無邪気、純粋がある事
虹色の風船を掴んだグリムに俺とスワンが飛びつくと、風船は一気に上空へと上昇したその瞬間────────!
────ガキンッ!!!!!
突然巨大な蜘蛛の手の様なモノが二本、地面から伸びてきて、俺達がいた場所を挟み込む。
「「「 ……っ!!! 」」」
上空からその様子を見て息を飲むと、その足はいたはずの俺達がいない事が不思議だった様で、何度かガチガチとその足を動かしていたが、突然二本の足に沢山の目が出現し、一斉にそれがパチッ!!と目を開けた。
ギョロ!!
ギョロギョロ!!
音が聞こえそうなくらい激しく目を動かしていたが、その一つが上空にいる俺達を見つけると、全ての目が俺達を睨んでくる。
133
お気に入りに追加
1,993
あなたにおすすめの小説
聖女召喚!……って俺、男〜しかも兵士なんだけど?
バナナ男さん
BL
主人公の現在暮らす世界は化け物に蹂躙された地獄の様な世界であった。
嘘か誠かむかしむかしのお話、世界中を黒い雲が覆い赤い雨が降って生物を化け物に変えたのだとか。
そんな世界で兵士として暮らす大樹は突然見知らぬ場所に召喚され「 世界を救って下さい、聖女様 」と言われるが、俺男〜しかも兵士なんだけど??
異世界の王子様( 最初結構なクズ、後に溺愛、執着 )✕ 強化された平凡兵士( ノンケ、チート )
途中少々無理やり的な表現ありなので注意して下さいませm(。≧Д≦。)m
名前はどうか気にしないで下さい・・
勇者パーティーハーレム!…の荷物番の俺の話
バナナ男さん
BL
突然異世界に召喚された普通の平凡アラサーおじさん< 山野 石郎 >改め【 イシ 】
世界を救う勇者とそれを支えし美少女戦士達の勇者パーティーの中・・俺の能力、ゼロ!あるのは訳の分からない< 覗く >という能力だけ。
これは、ちょっとしたおじさんイジメを受けながらもマイペースに旅に同行する荷物番のおじさんと、世界最強の力を持った勇者様のお話。
無気力、性格破綻勇者様 ✕ 平凡荷物番のおじさんのBLです。
不憫受けが書きたくて書いてみたのですが、少々意地悪な場面がありますので、どうかそういった表現が苦手なお方はご注意ください_○/|_ 土下座!
【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成)
エロなし。騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
いいねありがとうございます!励みになります。
大好きなBLゲームの世界に転生したので、最推しの隣に居座り続けます。 〜名も無き君への献身〜
7ズ
BL
異世界BLゲーム『救済のマリアージュ』。通称:Qマリには、普通のBLゲームには無い闇堕ちルートと言うものが存在していた。
攻略対象の為に手を汚す事さえ厭わない主人公闇堕ちルートは、闇の腐女子の心を掴み、大ヒットした。
そして、そのゲームにハートを打ち抜かれた光の腐女子の中にも闇堕ちルートに最推しを持つ者が居た。
しかし、大規模なファンコミュニティであっても彼女の推しについて好意的に話す者は居ない。
彼女の推しは、攻略対象の養父。ろくでなしで飲んだくれ。表ルートでは事故で命を落とし、闇堕ちルートで主人公によって殺されてしまう。
どのルートでも死の運命が確約されている名も無きキャラクターへ異常な執着と愛情をたった一人で注いでいる孤独な彼女。
ある日、眠りから目覚めたら、彼女はQマリの世界へ幼い少年の姿で転生してしまった。
異常な執着と愛情を現実へと持ち出した彼女は、最推しである養父の設定に秘められた真実を知る事となった。
果たして彼女は、死の運命から彼を救い出す事が出来るのか──?
ーーーーーーーーーーーー
狂気的なまでに一途な男(in腐女子)×名無しの訳あり飲兵衛
【 完結 】お嫁取りに行ったのにキラキラ幼馴染にお嫁に取られちゃった俺のお話
バナナ男さん
BL
剣や魔法、モンスターが存在する《 女神様の箱庭 》と呼ばれる世界の中、主人公の< チリル >は、最弱と呼べる男だった。 そんな力なき者には厳しいこの世界では【 嫁取り 】という儀式がある。 そこで男たちはお嫁さんを貰う事ができるのだが……その儀式は非常に過酷なモノ。死人だって出ることもある。 しかし、どうしてもお嫁が欲しいチリルは参加を決めるが、同時にキラキラ幼馴染も参加して……? 完全無欠の美形幼馴染 ✕ 最弱主人公 世界観が独特で、男性にかなり厳しい世界、一夫多妻、卵で人類が産まれるなどなどのぶっ飛び設定がありますのでご注意してくださいm(__)m
奴隷商人は紛れ込んだ皇太子に溺愛される。
拍羅
BL
転生したら奴隷商人?!いや、いやそんなことしたらダメでしょ
親の跡を継いで奴隷商人にはなったけど、両親のような残虐な行いはしません!俺は皆んなが行きたい家族の元へと送り出します。
え、新しく来た彼が全く理想の家族像を教えてくれないんだけど…。ちょっと、待ってその貴族の格好した人たち誰でしょうか
※独自の世界線
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる