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第四十章
1284 クレア登場
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( クルト )
まるで統率された兵の様に、一糸乱れぬ動きで ” 宣誓 ” とやらをしたツギハギ人形達だったが……言い方がまるで幼い子供を連想させるモノだったので、背筋に悪寒が走った。
な、なんかこの人、変だ……。
クレアを見て、ジェノス時代に培った勘が痛いくらいにビシビシと体を叩く。
当の本人であるクレアは、俺や周りの仲間たちが漂わせている、固い空気など一切気にする事なく、涙を滲ませてツギハギ人形達に惜しみない拍手を贈った。
「 皆がとってもいい子になってくれて、凄く嬉しい!!
凄い凄い凄い凄い!!!
────じゃあ、頑張って働きましょうね♡
そしてあの悪い子たちもいい子にして、救ってあげましょう。
ザイール君、ボブ君、前へ。 」
「「 は~い! 」」
クレアが何者かの名前を口にすると、ツギハギ人形の中から二人の男性体をした人形が前に出てくる。
一人は乱れたパーマ髪に、長めの前髪をしているため目元は見えない、前衛職にしては多少痩せている男。
もう一人は、やたら筋肉質で、人の倍はありそうな男だ。
痩せ型の方は両手にタガーを持っている事からシーフ系などのオールマイティー型、そしてデカい方の男は巨大なハンマーを持っている事からパワー系前衛職といった所か……。
二人は満面の笑みを浮かべてご機嫌だ。
「 最近やっとお利口さんになった二人には、特別に特攻する権利をあげちゃいます♡
いってらっしゃ~い。 」
クレアはニコニコ笑いながら、二人に向かって手を振ると、二人はルンルン♬と鼻歌を歌いながら、盾を構えて敵の進行を止めている盾班を飛び越え、肉人形達のど真ん中に突っ込んでいった。
「 わ~い♬ 」
「 特攻♬特攻♬うれしいな~! 」
二人は楽しそうに歌いながら、肉人形たちを中々の強さで倒していく。
恐らく傭兵ならCか……Bくらいかな?というくらいの強さは持っている様だ。
────ふむ、強い!
思わず関心していると、そんな二人に続けと言わんばかりに、他のツギハギ人形達も一斉に前へと飛び出していった。
すると肉人形達がばっさばっさと倒され、少しづつ肉人形の集団を押し戻していくのを横目でみながら、俺はクレアにオズオズと話しかける。
「 あの~……貴方は一体……? 」
するとニコニコ笑うその少女が答えるその前に、隣にいるセリナがその正体について話し始めた。
「 身体の欠損や疾病に関してなら右に出る者はいないとされている。学医士の資質を持つ現役医術士だ。
王都で【 愛のカスミ院 】を経営している院長でもあり ” 貧しき善人は誰であろうと助ける ” をモットーに、国民達からは< 慈愛の天使 >などと呼ばれている。 」
「 ほほ~う。 」
クレアを知らぬ、俺やルーン、教員達や生徒達はその内容を ” なるほど! ” と関心しながら聞いていたが、次に続く言葉を聞いてその場が凍りつく。
「 ────────が表の顔だな。
その ” 慈愛 ” が適応されるのは善人だけ。
・・
悪人に対しては容赦ない彼女は、ソレを使い、医術士界の発展に貢献し続けている。
更にそれと並行し、拷問を得意とする拷問士官長も勤める、別名< 狂心の天使 >とも呼ばれている女性だ。 」
そこまで聞いて思い出したのは、ジェノス時代に聞いた事がある話だ。
” 非常に優秀な拷問士が入り、ドロティア帝国やガリウス帝国の捕虜たちから次々と有用な情報が手に入っているらしい。 ”
” 天才的な拷問方法で……プロの拷問担当の奴らが揃って気絶したんだと。 ”
” なんでも見た目はまるで天使の様な顔をした少女なんだそうだ。 ”
まさか……。
ザッ!!と青ざめていく顔色、あふれる汗。
ダラダラと垂れる汗を拭きながら、俺はフゥ……と息を吐く。
その拷問士の少女は、当時第二騎士団と繋がりが強かった様で、第一騎士団の俺は会った事がなかったが……ジェノス辞めて良かった!
ニコニコと笑うクレアを見てゾゾッ!と震え上がり、今は味方である事を心の底から喜ぶ。
同じ事を思ったのか、周りからは同じ様に息を吐く音が所々聞こえる中、フラン様が上機嫌のクレアに話し掛けた。
「 クレア殿、お噂はかねがね……。
しかし、なぜ突然こちらへ?
スタンティン家の魔道具部隊といい、他の貴族達からの援助物資といい、一体王都で何があったのだ? 」
フラン様の質問を聞いたクレアは小さく吹き出し、合わせた手を頬につけコテンと首を横に傾ける。
「 今、全国中が大変な大騒ぎになっていますよ~。
何と言っても呪いをかき消す救世主様の出現に、イシュル教会の聖女にして国の希望であるソフィア王女様。
それだけでもとんでもない事なのに、ニコラ王まで前代未聞の声明を全国に発表しちゃいましたから♡ 」
「「「「 はぁぁぁぁぁぁぁぁ────────!!!?? 」」」」
まるで統率された兵の様に、一糸乱れぬ動きで ” 宣誓 ” とやらをしたツギハギ人形達だったが……言い方がまるで幼い子供を連想させるモノだったので、背筋に悪寒が走った。
な、なんかこの人、変だ……。
クレアを見て、ジェノス時代に培った勘が痛いくらいにビシビシと体を叩く。
当の本人であるクレアは、俺や周りの仲間たちが漂わせている、固い空気など一切気にする事なく、涙を滲ませてツギハギ人形達に惜しみない拍手を贈った。
「 皆がとってもいい子になってくれて、凄く嬉しい!!
凄い凄い凄い凄い!!!
────じゃあ、頑張って働きましょうね♡
そしてあの悪い子たちもいい子にして、救ってあげましょう。
ザイール君、ボブ君、前へ。 」
「「 は~い! 」」
クレアが何者かの名前を口にすると、ツギハギ人形の中から二人の男性体をした人形が前に出てくる。
一人は乱れたパーマ髪に、長めの前髪をしているため目元は見えない、前衛職にしては多少痩せている男。
もう一人は、やたら筋肉質で、人の倍はありそうな男だ。
痩せ型の方は両手にタガーを持っている事からシーフ系などのオールマイティー型、そしてデカい方の男は巨大なハンマーを持っている事からパワー系前衛職といった所か……。
二人は満面の笑みを浮かべてご機嫌だ。
「 最近やっとお利口さんになった二人には、特別に特攻する権利をあげちゃいます♡
いってらっしゃ~い。 」
クレアはニコニコ笑いながら、二人に向かって手を振ると、二人はルンルン♬と鼻歌を歌いながら、盾を構えて敵の進行を止めている盾班を飛び越え、肉人形達のど真ん中に突っ込んでいった。
「 わ~い♬ 」
「 特攻♬特攻♬うれしいな~! 」
二人は楽しそうに歌いながら、肉人形たちを中々の強さで倒していく。
恐らく傭兵ならCか……Bくらいかな?というくらいの強さは持っている様だ。
────ふむ、強い!
思わず関心していると、そんな二人に続けと言わんばかりに、他のツギハギ人形達も一斉に前へと飛び出していった。
すると肉人形達がばっさばっさと倒され、少しづつ肉人形の集団を押し戻していくのを横目でみながら、俺はクレアにオズオズと話しかける。
「 あの~……貴方は一体……? 」
するとニコニコ笑うその少女が答えるその前に、隣にいるセリナがその正体について話し始めた。
「 身体の欠損や疾病に関してなら右に出る者はいないとされている。学医士の資質を持つ現役医術士だ。
王都で【 愛のカスミ院 】を経営している院長でもあり ” 貧しき善人は誰であろうと助ける ” をモットーに、国民達からは< 慈愛の天使 >などと呼ばれている。 」
「 ほほ~う。 」
クレアを知らぬ、俺やルーン、教員達や生徒達はその内容を ” なるほど! ” と関心しながら聞いていたが、次に続く言葉を聞いてその場が凍りつく。
「 ────────が表の顔だな。
その ” 慈愛 ” が適応されるのは善人だけ。
・・
悪人に対しては容赦ない彼女は、ソレを使い、医術士界の発展に貢献し続けている。
更にそれと並行し、拷問を得意とする拷問士官長も勤める、別名< 狂心の天使 >とも呼ばれている女性だ。 」
そこまで聞いて思い出したのは、ジェノス時代に聞いた事がある話だ。
” 非常に優秀な拷問士が入り、ドロティア帝国やガリウス帝国の捕虜たちから次々と有用な情報が手に入っているらしい。 ”
” 天才的な拷問方法で……プロの拷問担当の奴らが揃って気絶したんだと。 ”
” なんでも見た目はまるで天使の様な顔をした少女なんだそうだ。 ”
まさか……。
ザッ!!と青ざめていく顔色、あふれる汗。
ダラダラと垂れる汗を拭きながら、俺はフゥ……と息を吐く。
その拷問士の少女は、当時第二騎士団と繋がりが強かった様で、第一騎士団の俺は会った事がなかったが……ジェノス辞めて良かった!
ニコニコと笑うクレアを見てゾゾッ!と震え上がり、今は味方である事を心の底から喜ぶ。
同じ事を思ったのか、周りからは同じ様に息を吐く音が所々聞こえる中、フラン様が上機嫌のクレアに話し掛けた。
「 クレア殿、お噂はかねがね……。
しかし、なぜ突然こちらへ?
スタンティン家の魔道具部隊といい、他の貴族達からの援助物資といい、一体王都で何があったのだ? 」
フラン様の質問を聞いたクレアは小さく吹き出し、合わせた手を頬につけコテンと首を横に傾ける。
「 今、全国中が大変な大騒ぎになっていますよ~。
何と言っても呪いをかき消す救世主様の出現に、イシュル教会の聖女にして国の希望であるソフィア王女様。
それだけでもとんでもない事なのに、ニコラ王まで前代未聞の声明を全国に発表しちゃいましたから♡ 」
「「「「 はぁぁぁぁぁぁぁぁ────────!!!?? 」」」」
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