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第三十九章
1273 Sランク登場
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( フラン )
「 魔力反応が8つ……?
……それは、確かに嫌な予感しかしないな。
しかし……これ以上一体何が? 」
「 ……残念ながら、私の能力ではこれ以上の事は分かりません。
しかし、追い詰められた ” 悪 ” の怖さは、それなりに知っていますので……最大限の警戒をした方が良いと思われます。 」
考え込んでいるリリア殿を見て、今まで相手にしてきた ” 悪 ” について、考えた。
たしかに、奴らがこのまま終わるとは思えない。
常人なら呪いの化け物に大量のモンスターが仕掛けられていたモンスターボックス……これだけあれば十分だと思ってしまうが、奴らの一番の目的は ” 完全なる勝利 ” だ。
常人の物差しで考えては駄目だという事か……。
う~む……とその場で考え込んだが、現状それを調べたくとも、迫りくるモンスター相手に余力がないため、時間は無駄に過ぎていく。
碌な対策も取れぬまま、どうするべきかと考えていると、今度は空から大量の戦闘型魔道具が飛んできた。
「 戦闘用魔道具……? 」
身に覚えのないその魔道具達を見上げると、なんとその魔道具達は、街の方や他の各場所へと散っていき、魔法やサポート魔法をバラマキ始めたのだ。
勿論この南門の上空も飛び回り、突然戦いに参加し始めたため、驚きに目を見開く。
「 なんだ??あれ?? 」
「 戦闘型魔道具じゃない?
うわ~初めて見た! 」
「 でも一体誰の……?
しかも数が尋常じゃないよ。 」
ざわつく我々の前で、飛行型魔道具は率先して最前線を飛び回り、モンスターまでも倒し始めてしまった。
魔道具……特に戦闘用といえば、基本は国の大事であるレベルの戦いにしか投入されないはず。
しかもその扱いは非常に難しいため、使える者達も限られてくる。
「 まさか……。 」
私の知る限り、この国でそんな実力を持つ家は一つだけ。
信じられない気持ちでその戦闘用魔道具をジッと見つめると、そこに掘られていたのは……予想した通りスタンティン家の家紋であった。
「 スタンティン家が参戦……?
ちょっと信じられませんが、本当ならエドワード派閥に対して正面切って喧嘩を売っちゃったって事ですよね? 」
レナは、戦闘用魔道具が飛び回る空を見上げながら、嬉しそうに笑う。
それは他の教員達も同じで、皆が貴族生徒達に続き、貴族までもがこの状況をどうにかしようと動き出したという事が嬉しくて仕方がないのだと思われる。
更に────。
「 凄い!最高級品の回復薬からトラップ、戦闘用魔道具にサポート用魔道具!
次々と次元輸送で届いてます! 」
解析班の子たちが、突然後方に届けられた荷物を開けると、テンション高く叫んだ。
大量に届けられる荷物の家紋はバラバラで、他の貴族達までエドワード派閥に正面切って戦いを挑んだ事を知る。
他の貴族達まで!?
王宮の方で一体何があったというのか?!
「 ……本当に……本当に貴族達が、あたい達平民に手を貸そうとしてるのかよ……。
あの貴族達が……? 」
ルーンの信じられないという疑念の感情がグラグラと揺れている気配がする。
無理もない。
ルーンは、この中のだれよりも貴族に対しての猜疑心が強いからだ。
「 …………。 」
私とて信じられない気持ちでいたのだが、ルーンは突然ゴシゴシと目元を擦り、バチンッ!と自身の両頬を叩くと、送られてきた荷物から魔力回復薬を手にとりそのまま一気に飲み干した。
「 これだけ回復薬があれば、魔法を打ち放題だな! 」
そしてルーンはそのまま広範囲の雷魔法を前線の方へ打つと、モンスター達の一角を吹き飛ばす。
「 そうね~。
良い鉱石も入っているから良いモノ沢山作れそう♡ 」
レナも負けじと、荷物に入っている鉱石で長い筒の大砲を創り出すと、そのまま鉱石で作った弾を前線の方へ打ち出す。
そんな二人に触発されて、クルトとセリナも飛び出して……と、続く連鎖に私はクスっと笑ってしまった。
「 全く、仕方のない戦闘狂共め! 」
そう呟きながらも、自分もテンション高く敵を倒していったのだが、突然リリア殿の切羽詰まった声が聞こえて全員動きを止める。
「 何かくるっ!!
変な魔力反応が大きく膨れ始めたから、皆、気をつけて!! 」
嫌な緊張が走った、その瞬間────……。
ドンッ!!ドンッ!!ドドド────ン!!!!
各場所で連続した爆発音がしたかと思えば、ゾッ……とする様な魔力がそこら中から噴出した。
「 ……な……は……?? 」
強すぎる魔力に気分が悪くなり、口元を押さえたが、なんとそのウチの一つがすぐ前方の方から近づいてくる気配がする。
慌てて前方の方へ視線を向けると、何かが宙にふよふよと浮かんでいるのが見えた。
全長20mくらいはありそうな、紐……?
太いしめ縄の様なモノがまるで立っている様に縦に浮いているのだ。
な……なんだ??アレは……??
その異様な姿と、そこから感じる巨大すぎる魔力に、ドッと汗を掻くと、その紐はゆっくり……ゆっくりと解けていく。
すると……ボロンッ!と巨大な人の腕の様なモノがそこから現れ、続けて目、鼻、口らしきモノが、紐状から巨大な白い布地の様に姿を変えた箇所から見えると、その他の余白部分に沢山の臓器の様なグチャグチャの肉片がこびりついているのも見えてきた。
そしてすっかりその捻じれが解けると、その異形な姿の全容が、我々の前に晒される。
パッと見たその姿は、一枚の白くて細長い布地の様なペラペラの体であり、ここに人の顔のパーツらしきモノがランダムについていた。
そして本来は体の内側になくてはいけない臓器類が、余白の部分にこれでもかとむき出しについているのだ。
更に横の方から生えているのは人の腕。
それが昆虫の様に合計6本生えていて、うねうねとバラバラに動いていて、まるで何かを探しているかの様な動きをしていた。
「 え……Sランクモンスター……。
< ナイト・カゲロウ >……! 」
「 魔力反応が8つ……?
……それは、確かに嫌な予感しかしないな。
しかし……これ以上一体何が? 」
「 ……残念ながら、私の能力ではこれ以上の事は分かりません。
しかし、追い詰められた ” 悪 ” の怖さは、それなりに知っていますので……最大限の警戒をした方が良いと思われます。 」
考え込んでいるリリア殿を見て、今まで相手にしてきた ” 悪 ” について、考えた。
たしかに、奴らがこのまま終わるとは思えない。
常人なら呪いの化け物に大量のモンスターが仕掛けられていたモンスターボックス……これだけあれば十分だと思ってしまうが、奴らの一番の目的は ” 完全なる勝利 ” だ。
常人の物差しで考えては駄目だという事か……。
う~む……とその場で考え込んだが、現状それを調べたくとも、迫りくるモンスター相手に余力がないため、時間は無駄に過ぎていく。
碌な対策も取れぬまま、どうするべきかと考えていると、今度は空から大量の戦闘型魔道具が飛んできた。
「 戦闘用魔道具……? 」
身に覚えのないその魔道具達を見上げると、なんとその魔道具達は、街の方や他の各場所へと散っていき、魔法やサポート魔法をバラマキ始めたのだ。
勿論この南門の上空も飛び回り、突然戦いに参加し始めたため、驚きに目を見開く。
「 なんだ??あれ?? 」
「 戦闘型魔道具じゃない?
うわ~初めて見た! 」
「 でも一体誰の……?
しかも数が尋常じゃないよ。 」
ざわつく我々の前で、飛行型魔道具は率先して最前線を飛び回り、モンスターまでも倒し始めてしまった。
魔道具……特に戦闘用といえば、基本は国の大事であるレベルの戦いにしか投入されないはず。
しかもその扱いは非常に難しいため、使える者達も限られてくる。
「 まさか……。 」
私の知る限り、この国でそんな実力を持つ家は一つだけ。
信じられない気持ちでその戦闘用魔道具をジッと見つめると、そこに掘られていたのは……予想した通りスタンティン家の家紋であった。
「 スタンティン家が参戦……?
ちょっと信じられませんが、本当ならエドワード派閥に対して正面切って喧嘩を売っちゃったって事ですよね? 」
レナは、戦闘用魔道具が飛び回る空を見上げながら、嬉しそうに笑う。
それは他の教員達も同じで、皆が貴族生徒達に続き、貴族までもがこの状況をどうにかしようと動き出したという事が嬉しくて仕方がないのだと思われる。
更に────。
「 凄い!最高級品の回復薬からトラップ、戦闘用魔道具にサポート用魔道具!
次々と次元輸送で届いてます! 」
解析班の子たちが、突然後方に届けられた荷物を開けると、テンション高く叫んだ。
大量に届けられる荷物の家紋はバラバラで、他の貴族達までエドワード派閥に正面切って戦いを挑んだ事を知る。
他の貴族達まで!?
王宮の方で一体何があったというのか?!
「 ……本当に……本当に貴族達が、あたい達平民に手を貸そうとしてるのかよ……。
あの貴族達が……? 」
ルーンの信じられないという疑念の感情がグラグラと揺れている気配がする。
無理もない。
ルーンは、この中のだれよりも貴族に対しての猜疑心が強いからだ。
「 …………。 」
私とて信じられない気持ちでいたのだが、ルーンは突然ゴシゴシと目元を擦り、バチンッ!と自身の両頬を叩くと、送られてきた荷物から魔力回復薬を手にとりそのまま一気に飲み干した。
「 これだけ回復薬があれば、魔法を打ち放題だな! 」
そしてルーンはそのまま広範囲の雷魔法を前線の方へ打つと、モンスター達の一角を吹き飛ばす。
「 そうね~。
良い鉱石も入っているから良いモノ沢山作れそう♡ 」
レナも負けじと、荷物に入っている鉱石で長い筒の大砲を創り出すと、そのまま鉱石で作った弾を前線の方へ打ち出す。
そんな二人に触発されて、クルトとセリナも飛び出して……と、続く連鎖に私はクスっと笑ってしまった。
「 全く、仕方のない戦闘狂共め! 」
そう呟きながらも、自分もテンション高く敵を倒していったのだが、突然リリア殿の切羽詰まった声が聞こえて全員動きを止める。
「 何かくるっ!!
変な魔力反応が大きく膨れ始めたから、皆、気をつけて!! 」
嫌な緊張が走った、その瞬間────……。
ドンッ!!ドンッ!!ドドド────ン!!!!
各場所で連続した爆発音がしたかと思えば、ゾッ……とする様な魔力がそこら中から噴出した。
「 ……な……は……?? 」
強すぎる魔力に気分が悪くなり、口元を押さえたが、なんとそのウチの一つがすぐ前方の方から近づいてくる気配がする。
慌てて前方の方へ視線を向けると、何かが宙にふよふよと浮かんでいるのが見えた。
全長20mくらいはありそうな、紐……?
太いしめ縄の様なモノがまるで立っている様に縦に浮いているのだ。
な……なんだ??アレは……??
その異様な姿と、そこから感じる巨大すぎる魔力に、ドッと汗を掻くと、その紐はゆっくり……ゆっくりと解けていく。
すると……ボロンッ!と巨大な人の腕の様なモノがそこから現れ、続けて目、鼻、口らしきモノが、紐状から巨大な白い布地の様に姿を変えた箇所から見えると、その他の余白部分に沢山の臓器の様なグチャグチャの肉片がこびりついているのも見えてきた。
そしてすっかりその捻じれが解けると、その異形な姿の全容が、我々の前に晒される。
パッと見たその姿は、一枚の白くて細長い布地の様なペラペラの体であり、ここに人の顔のパーツらしきモノがランダムについていた。
そして本来は体の内側になくてはいけない臓器類が、余白の部分にこれでもかとむき出しについているのだ。
更に横の方から生えているのは人の腕。
それが昆虫の様に合計6本生えていて、うねうねとバラバラに動いていて、まるで何かを探しているかの様な動きをしていた。
「 え……Sランクモンスター……。
< ナイト・カゲロウ >……! 」
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