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第三十九章
1267 自分の最後
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( フラン )
私はエルビスが去っていった空を見て、” 死 ” というモノについて、気まぐれに考える。
” 死 ” は自分の存在をこの世界から消し去るモノだ。
自分が消えると分かった時、人は何を想い、何を成そうとするのだろう?
手中にある財をパーッ!と使う?
今まで諦めてきた事に挑戦してみる?
秘めたる想いを口にする?
私はそのどれもに首を振り、自分の答えを出した。
きっと私は死を迎えるその瞬間まで、今のまま変わらない。
精一杯に生き、最後まで戦い死ぬ。
それがこのフランの最後。
未来の礎となってこの地から消えよう。
そう決意をし、セリナの方を見れば、私と全く同じ答えを出したのか随分晴れやかな顔で「 最後までお供いたします。 」と告げ、笑みを浮かべる。
私は同じく笑みを浮かべながら、そのまま学院長室を出て戦いの場へ向かった。
──────なのに……。
” 俺に呪いは効かないぞ!お前は俺がぶっ飛ばす!!
だから皆!!自分の ” 未来 ” を諦めるな!! ”
ドコドコと心臓が痛いくらいに高鳴り、空を舞う伝電鳥から聞こえる声が私の決意を思い切り打ち砕く。
” 足掻いて足掻いて足掻いて────全員でハッピーエンド、目指そうっ!!! ”
そして叩いてくる声は、とうとう私の ” 死 ” への決意を木っ端微塵に打ち砕き、心を討った。
何かを捨てねば何かを得られないこの世界で……本当にそれを望んでいいのか?
そんな事……そんな事……。
────最高ではないかっ!!
グツグツと血がマグマの様に沸騰し、全身に巡っていくと、私は堪らず心臓を強く叩いた。
生徒達を無事に逃がし、未来の礎になって死ぬこと。
そんな小さな夢では終われぬと強く思った。
そして……そう思ったのは、私だけではなかったらしい。
「 一年生、前衛盾班到着いたしました!! 」
「 二年生前衛攻撃班、到着しました! 」
「 三年生サポート後衛班、到着しました! 」
各々の得意な武器と防具を完全装備したライトノア学院生達が、突然やってきて、直ぐに戦闘配置につく。
そして────……。
「「「「 只今より、俺達( 私達 )もリーフ様と共にグリモア防衛戦に参加しま────す!! 」」」」
敬礼と共に戦う決意を表明したのだ。
その時の感動は、今まで生きてきた中で間違いなくNo.1だと断言できる。
そうしてライトノア学院生たちも交えた我々のチームは、現在南門を襲い来るモンスター達と交戦中であるが、今の所は非常にいいリズムでその進行を退けている。
ただ、油断は禁物だ。
「 前方にAランクモンスター< アイアン・ブロッキン >3体確認!!
間もなくこちらへ到着します!! 」
< アイアン・ブロッキン >
体長10m超えの岩石型Aランクモンスター
四角い岩石がいくつも積み重なった様な外見をしていて、高い物理、魔法耐性を持っているため攻撃は困難を極めるが、唯一刺突属性の攻撃が弱点
攻撃力も非常に高く、特にパンチをまともに受ければ、獣人族でも即死する
なかなかの強敵に、怯える者達がいるかと思いきや誰一人としていない。
「 なるほど、これは非常に強力なスキルだな。
セラ殿の< 連結する心糸 >は……。 」
感情を繋ぎ、ステータスをUPする強力なスキル。
これにより、仲間たちの現在の心境までお互いに伝わり、それに勇気づけられ更にパワーUPし……と、とんでもない相乗効果になっている。
「 味方の闘志が折れてない限り、永遠にステータスUPしていく恐ろしい力だ。
これは私も負けてられんな。 」
ボソッと呟き、気合を入れて攻撃しようとした、その時────。
「 うおおおお────────っ!!! 」
前衛班率いるクルトがガッツポーズをしたまま空に向かって雄叫びを上げた。
何をはしゃいでいるのか……。
子供か。
セリナと二人で呆れながら視線を向けると、クルトはピッ!とピースサインを掲げ大声で叫ぶ。
「 新スキル発現したぞ────っ!!! 」
「 なんだとっ!! 」
私が驚きに叫ぶと、クルトからは得意げな感情が伝わってきた。
スキルはそもそも、こんなにほいほい発現するようなものではないのだが……。
ざわつく周囲を他所に、クルトはスキルを発現した様で、前衛を中心にブワッ!と魔力気配が濃厚になった。
< 剣力士の資質 > ( ユニーク固有スキル )
< 根性のぶつかり魂 >
自身の装備の防御力が低ければ低い程、自身の防御力がUPし、更にその分と同等の値が攻撃力にも加算される
また熱血、根性、努力、勇敢の感情値の分、攻撃力と防御力は更にUPする
(発現条件)
一定以上の体力、防御力、熱血、根性、努力、勇敢を持つこと
一定回数以上自身の感情ゲージがある一定を越え、更に仲間と認定した者達とそれを共有する事
クルトはそのスキルが発動した瞬間、おもむろに上半身につけていた防具とシャツを脱ぎ捨て、上は素っ裸になる。
その酷い行為のせいか、クルトの周りの前衛生徒達は下を向き、プルプルと震えている様だ。
「 何をやっておるのか……。 」
いかに強力だからといって、周りの迷惑になるわけにはいかない。
私はこめかみをモミモミと揉みほぐしながら、スキル解除を命じようと口を開きかけた────のだが……?
私はエルビスが去っていった空を見て、” 死 ” というモノについて、気まぐれに考える。
” 死 ” は自分の存在をこの世界から消し去るモノだ。
自分が消えると分かった時、人は何を想い、何を成そうとするのだろう?
手中にある財をパーッ!と使う?
今まで諦めてきた事に挑戦してみる?
秘めたる想いを口にする?
私はそのどれもに首を振り、自分の答えを出した。
きっと私は死を迎えるその瞬間まで、今のまま変わらない。
精一杯に生き、最後まで戦い死ぬ。
それがこのフランの最後。
未来の礎となってこの地から消えよう。
そう決意をし、セリナの方を見れば、私と全く同じ答えを出したのか随分晴れやかな顔で「 最後までお供いたします。 」と告げ、笑みを浮かべる。
私は同じく笑みを浮かべながら、そのまま学院長室を出て戦いの場へ向かった。
──────なのに……。
” 俺に呪いは効かないぞ!お前は俺がぶっ飛ばす!!
だから皆!!自分の ” 未来 ” を諦めるな!! ”
ドコドコと心臓が痛いくらいに高鳴り、空を舞う伝電鳥から聞こえる声が私の決意を思い切り打ち砕く。
” 足掻いて足掻いて足掻いて────全員でハッピーエンド、目指そうっ!!! ”
そして叩いてくる声は、とうとう私の ” 死 ” への決意を木っ端微塵に打ち砕き、心を討った。
何かを捨てねば何かを得られないこの世界で……本当にそれを望んでいいのか?
そんな事……そんな事……。
────最高ではないかっ!!
グツグツと血がマグマの様に沸騰し、全身に巡っていくと、私は堪らず心臓を強く叩いた。
生徒達を無事に逃がし、未来の礎になって死ぬこと。
そんな小さな夢では終われぬと強く思った。
そして……そう思ったのは、私だけではなかったらしい。
「 一年生、前衛盾班到着いたしました!! 」
「 二年生前衛攻撃班、到着しました! 」
「 三年生サポート後衛班、到着しました! 」
各々の得意な武器と防具を完全装備したライトノア学院生達が、突然やってきて、直ぐに戦闘配置につく。
そして────……。
「「「「 只今より、俺達( 私達 )もリーフ様と共にグリモア防衛戦に参加しま────す!! 」」」」
敬礼と共に戦う決意を表明したのだ。
その時の感動は、今まで生きてきた中で間違いなくNo.1だと断言できる。
そうしてライトノア学院生たちも交えた我々のチームは、現在南門を襲い来るモンスター達と交戦中であるが、今の所は非常にいいリズムでその進行を退けている。
ただ、油断は禁物だ。
「 前方にAランクモンスター< アイアン・ブロッキン >3体確認!!
間もなくこちらへ到着します!! 」
< アイアン・ブロッキン >
体長10m超えの岩石型Aランクモンスター
四角い岩石がいくつも積み重なった様な外見をしていて、高い物理、魔法耐性を持っているため攻撃は困難を極めるが、唯一刺突属性の攻撃が弱点
攻撃力も非常に高く、特にパンチをまともに受ければ、獣人族でも即死する
なかなかの強敵に、怯える者達がいるかと思いきや誰一人としていない。
「 なるほど、これは非常に強力なスキルだな。
セラ殿の< 連結する心糸 >は……。 」
感情を繋ぎ、ステータスをUPする強力なスキル。
これにより、仲間たちの現在の心境までお互いに伝わり、それに勇気づけられ更にパワーUPし……と、とんでもない相乗効果になっている。
「 味方の闘志が折れてない限り、永遠にステータスUPしていく恐ろしい力だ。
これは私も負けてられんな。 」
ボソッと呟き、気合を入れて攻撃しようとした、その時────。
「 うおおおお────────っ!!! 」
前衛班率いるクルトがガッツポーズをしたまま空に向かって雄叫びを上げた。
何をはしゃいでいるのか……。
子供か。
セリナと二人で呆れながら視線を向けると、クルトはピッ!とピースサインを掲げ大声で叫ぶ。
「 新スキル発現したぞ────っ!!! 」
「 なんだとっ!! 」
私が驚きに叫ぶと、クルトからは得意げな感情が伝わってきた。
スキルはそもそも、こんなにほいほい発現するようなものではないのだが……。
ざわつく周囲を他所に、クルトはスキルを発現した様で、前衛を中心にブワッ!と魔力気配が濃厚になった。
< 剣力士の資質 > ( ユニーク固有スキル )
< 根性のぶつかり魂 >
自身の装備の防御力が低ければ低い程、自身の防御力がUPし、更にその分と同等の値が攻撃力にも加算される
また熱血、根性、努力、勇敢の感情値の分、攻撃力と防御力は更にUPする
(発現条件)
一定以上の体力、防御力、熱血、根性、努力、勇敢を持つこと
一定回数以上自身の感情ゲージがある一定を越え、更に仲間と認定した者達とそれを共有する事
クルトはそのスキルが発動した瞬間、おもむろに上半身につけていた防具とシャツを脱ぎ捨て、上は素っ裸になる。
その酷い行為のせいか、クルトの周りの前衛生徒達は下を向き、プルプルと震えている様だ。
「 何をやっておるのか……。 」
いかに強力だからといって、周りの迷惑になるわけにはいかない。
私はこめかみをモミモミと揉みほぐしながら、スキル解除を命じようと口を開きかけた────のだが……?
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