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第三十八章
1224 傭兵というモノ
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( ベリー )
「 いい子でも集団に馴染めない子って沢山いるのよ?
責任感が強くて、面倒みが良くて……それで頑張り過ぎて疲れちゃうんでしょうね……。
フッと気がつけば、あまり良くない人間関係を作っちゃうの。
人間って楽ができると思えば、悪魔が囁く……なんて事は普通だからねん。 」
今まで守備隊で自分が作ってしまった良くない環境を思い出し、思わず黙っていると……カルロスが嘆かわしいとばかりに首を横に振った。
「 それに流され過ぎずに上手く折り合いをつけながら、” お互い様 ” でやっていくのが仕事ってものよ。
だけどね~……それがどうしてもできない真面目な子もいるのよね。
適度に手を抜けないっていうか……。
それに能力が高いと頑張れちゃうから、どんどん頼まれた事をしていっちゃって、気がつけば一人……みたいな?
結局仕事で一番難しいのは人間関係なのよね~。
人生ってスーパービター! 」
憂いた顔でハァ……とため息をつくカルロスさん。
そんな彼の話を聞いて私は非常に複雑な気持ちになった。
人は……いや、生物全般は ” 楽をしたい ” 生き物である。
それは仕方がない。私だってそういう面はある。
しかし、それを上手くキャッチボールにできない場合、対等で平等な関係性を作る事ができない。
私とキュイちゃんはまさにそれ。
結局この関係性に良いところは一つとして見いだせなかった。
受け取る私達も仕事が増えていって大変なだけだし、押し付けてきた子達だって本来得るはずの人生の経験値を私達に奪われ、後で散々な目にあう。
だったら頼まれても断ればいいと言われても、そのさじ加減ができずに苦しんでしまうのだ。
そしてそれができない自分に対し、否定的な気持ちになってしまい、自分で自分を責める。
自分という存在が今まで平穏だった人間関係をめちゃくちゃに壊してしまったのだという懺悔の気持ちも持っている程で、実はこれが組織というモノに属する事に二の足を踏む本当の理由だ。
私がいなかったら、持ちつ持たれずで上手くやっていけたのではないか?
その思いは踏み出そうとする一歩を頑なに拒む。
「 でも……私みたいな人間はどこに行っても……。 」
ズンズンと急降下していく気持ちの中、それを吹き飛ばしたのはカルロスさんの豪快な笑い声であった。
突然の大笑いにキョトンとしていると、カルロスさんはバシバシ!と私達の肩を叩く。
「 傭兵はスーパー個人主義にコンプリ~ト実力主義なのよん。
基本はソロ。
でも気が合えばパーティーを組んだりしてもいいし、出るも入るもフリーダム!
それに気が向かないなら依頼も受けなくてもいいし、相性が悪そうなら近づかなかきゃいいのよ~。
明確な強制力は一切なし。
・・・
でもおいたをすれば、怖~い死神さんがお迎えに来るから、清く正しく傭兵業を楽しんでね! 」
ムフッ!と笑うカルロスさんを見上げながら、私は改めて傭兵という職業について考えてみた。
ソロなら人に助けて貰えない。
でも誰かの代わりに仕事を引き受けなくてもよい個人主義。
己の実力のみで依頼を達成しないといけない実力ありきの仕事……。
メリット、デメリットを良く理解し、自分の性格や能力に合った場所に身を置く事。
これは自分の居場所を探すために、凄く重要な事かもしれない。
カルロスさんの話を聞く限り、今の私達には傭兵という仕事が凄く魅力的に映ったので、私達は二人同時に叫んだ。
「「 傭兵、やってみたいです! 」」
そうしてそのまま無事だった荷台馬車はそのままグリモアへ向かい、私達は傭兵ギルドへと連れてかれる。
そして書類に名前を書いただけで登録完了。
カルロスさんには「 じゃ~死なないように頑張ってね~♡ 」という有り難い言葉のみを貰い、私達は傭兵になった。
依頼の説明などは……??
それが顔に出ていたのか、カルロスさんはニコニコしながら依頼が貼られたボードを指差す。
「 入りたての傭兵は一律Fランクなの~。
基本はそのランクと同じくらいの依頼を受けて貰うんだけど、それも自信があるなら上のランクでいいわよ。
受ける依頼ランクが高い程、早く出世できるから傭兵はピンキリなのよね☆ 」
「 は……はぁ……。 」
フリーダム過ぎる仕事っぷりに、皆本当に仕事しているのかな?と心配になったが……それは全くの心配無用であった。
なぜなら傭兵達は、仕事に対するプライドが非常に強い人たちだから。
気分が乗らなければ依頼は受けない。
だが、引き受けた仕事は絶対に達成する。
それが傭兵なりのプライドの様で、共通の目的がハッキリしているためチームを組んでの依頼でもチームワークには問題はないし、常に最短距離で仕事が終わる。
こんなに簡単でいいのかな……。
そう思うほどアッサリした仕事に十分すぎる収入、自由なプライベード時間。
そんな伸び伸びとした自分に非常にマッチングした環境のお陰か、私達はあっという間にAランク傭兵になっていた。
「 いい子でも集団に馴染めない子って沢山いるのよ?
責任感が強くて、面倒みが良くて……それで頑張り過ぎて疲れちゃうんでしょうね……。
フッと気がつけば、あまり良くない人間関係を作っちゃうの。
人間って楽ができると思えば、悪魔が囁く……なんて事は普通だからねん。 」
今まで守備隊で自分が作ってしまった良くない環境を思い出し、思わず黙っていると……カルロスが嘆かわしいとばかりに首を横に振った。
「 それに流され過ぎずに上手く折り合いをつけながら、” お互い様 ” でやっていくのが仕事ってものよ。
だけどね~……それがどうしてもできない真面目な子もいるのよね。
適度に手を抜けないっていうか……。
それに能力が高いと頑張れちゃうから、どんどん頼まれた事をしていっちゃって、気がつけば一人……みたいな?
結局仕事で一番難しいのは人間関係なのよね~。
人生ってスーパービター! 」
憂いた顔でハァ……とため息をつくカルロスさん。
そんな彼の話を聞いて私は非常に複雑な気持ちになった。
人は……いや、生物全般は ” 楽をしたい ” 生き物である。
それは仕方がない。私だってそういう面はある。
しかし、それを上手くキャッチボールにできない場合、対等で平等な関係性を作る事ができない。
私とキュイちゃんはまさにそれ。
結局この関係性に良いところは一つとして見いだせなかった。
受け取る私達も仕事が増えていって大変なだけだし、押し付けてきた子達だって本来得るはずの人生の経験値を私達に奪われ、後で散々な目にあう。
だったら頼まれても断ればいいと言われても、そのさじ加減ができずに苦しんでしまうのだ。
そしてそれができない自分に対し、否定的な気持ちになってしまい、自分で自分を責める。
自分という存在が今まで平穏だった人間関係をめちゃくちゃに壊してしまったのだという懺悔の気持ちも持っている程で、実はこれが組織というモノに属する事に二の足を踏む本当の理由だ。
私がいなかったら、持ちつ持たれずで上手くやっていけたのではないか?
その思いは踏み出そうとする一歩を頑なに拒む。
「 でも……私みたいな人間はどこに行っても……。 」
ズンズンと急降下していく気持ちの中、それを吹き飛ばしたのはカルロスさんの豪快な笑い声であった。
突然の大笑いにキョトンとしていると、カルロスさんはバシバシ!と私達の肩を叩く。
「 傭兵はスーパー個人主義にコンプリ~ト実力主義なのよん。
基本はソロ。
でも気が合えばパーティーを組んだりしてもいいし、出るも入るもフリーダム!
それに気が向かないなら依頼も受けなくてもいいし、相性が悪そうなら近づかなかきゃいいのよ~。
明確な強制力は一切なし。
・・・
でもおいたをすれば、怖~い死神さんがお迎えに来るから、清く正しく傭兵業を楽しんでね! 」
ムフッ!と笑うカルロスさんを見上げながら、私は改めて傭兵という職業について考えてみた。
ソロなら人に助けて貰えない。
でも誰かの代わりに仕事を引き受けなくてもよい個人主義。
己の実力のみで依頼を達成しないといけない実力ありきの仕事……。
メリット、デメリットを良く理解し、自分の性格や能力に合った場所に身を置く事。
これは自分の居場所を探すために、凄く重要な事かもしれない。
カルロスさんの話を聞く限り、今の私達には傭兵という仕事が凄く魅力的に映ったので、私達は二人同時に叫んだ。
「「 傭兵、やってみたいです! 」」
そうしてそのまま無事だった荷台馬車はそのままグリモアへ向かい、私達は傭兵ギルドへと連れてかれる。
そして書類に名前を書いただけで登録完了。
カルロスさんには「 じゃ~死なないように頑張ってね~♡ 」という有り難い言葉のみを貰い、私達は傭兵になった。
依頼の説明などは……??
それが顔に出ていたのか、カルロスさんはニコニコしながら依頼が貼られたボードを指差す。
「 入りたての傭兵は一律Fランクなの~。
基本はそのランクと同じくらいの依頼を受けて貰うんだけど、それも自信があるなら上のランクでいいわよ。
受ける依頼ランクが高い程、早く出世できるから傭兵はピンキリなのよね☆ 」
「 は……はぁ……。 」
フリーダム過ぎる仕事っぷりに、皆本当に仕事しているのかな?と心配になったが……それは全くの心配無用であった。
なぜなら傭兵達は、仕事に対するプライドが非常に強い人たちだから。
気分が乗らなければ依頼は受けない。
だが、引き受けた仕事は絶対に達成する。
それが傭兵なりのプライドの様で、共通の目的がハッキリしているためチームを組んでの依頼でもチームワークには問題はないし、常に最短距離で仕事が終わる。
こんなに簡単でいいのかな……。
そう思うほどアッサリした仕事に十分すぎる収入、自由なプライベード時間。
そんな伸び伸びとした自分に非常にマッチングした環境のお陰か、私達はあっという間にAランク傭兵になっていた。
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