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第三十八章
1213 本気です
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( ベリー )
いつもと違い ” 分かりました。 ” と直ぐに言わない私達を見て、守備隊長は更に戯けながら暴言をぶつけてきたが、それでも私達は何も言わない。
彼らは彼らのやり方でこの場所を守り続ければ良いし、私達は私達の居場所をこれから探しに行く。
ただそれだけの話だから、あえて何か言う必要はないからだ。
色々な発言や態度、自分を拒絶する世界を恨んだ事もあったけど、結局ココが ” 悪 ” かどうかは、自分に合うか合わないかで決めなくて良いこと。
ただあえて何が ” 悪 ” なのかと考えると……その場所から去り自分の居場所を探しに行く人を ” 正しくない ” と責める事なんじゃないかと思う。
返事を返さない事で、やっと私達が本気である事に気付いたのか、守備隊長や他の隊員達は全員引きつった顔になり、お互い顔を見合わせた。
「 お、おい……冗談だよな? 」
「 ??本気ですけど……? 」
「 本日で辞めます。 」
もう一度しっかり自分の意見を告げると、守備隊長や周りの隊員達は一瞬狼狽える様子を見せたが、直ぐにプッ!と吹き出し、ゲラゲラと笑いだす。
「 ココを辞めたら、お前らみたいなデカいだけが取り柄の役立たずなんて雇ってくれる所はないんだぞ?
路頭に迷いたいのか? 」
守備隊長が人差し指で頭を指し、クルクルと回すジェスチャーを披露しながら言うと、それに便乗してお気に入り達も一斉に口を出し始めた。
「 なに急にイキってんだよ、うっざっ!ww 」
「 え~?何、何~??
もしかして、” こんな事言える自分達カッコいい~! ” とか思っちゃっている? 」
「 うわぁ~痛たたっ!!
痛いのは外見だけにしろよな~www 」
自分たちの ” 正しい ” に従い、いつもの様に ” 間違っているのは私とキュイちゃん ” という雰囲気を創り出す。
私とキュイちゃんは、ゆっくりと馬鹿にした様に笑い合っている守備隊長とお気に入り達、そして自分たちは関係ないとどこか他人事でありながら、早く大人しく従えよと目で語る周囲の守備隊員達を見回した。
数とは力。
この中で違う意見を持っているのは私とキュイちゃんのみ。
だから ” 間違っている ” 私達を ” 正しく ” するためこうして全員で攻撃して、自分たちを幸せにしてくれる世界を守ろうとしているわけだ。
でも……私はフッと思う。
” 正しい世界 ” って誰かが支えなければ、そんなに直ぐに壊れてしまうものなの?
それって本当に ” 正しい ” のかな??って。
「 世界は広いですから。
うざくてデカい役立たずは、これから役立つ場所を探しに行ってみようと思います。 」
「 今までありがとうございました。さようなら。 」
私達が白けた様子でそう告げると、全員から怒りのオーラの様なモノが滲み出たのを感じた。
” 今まで言う事を大人しく聞いていた私達が逆らった。 ”
それが怒りの琴線に触れてしまった様だ。
その中でもひときわ大激怒したのは守備隊長で、額全てに血管を浮き立たせながら私達を怒鳴りつける。
「 調子に乗るのもいい加減にしろっ!!!今まで面倒を見てやった恩も忘れやがってっ!!!
お前らみたいな恥ずかしい外見じゃ~何処に行ったって雇って貰えねぇんだって言ってんだろっ!!
男に養ってもらう事だって絶対無理だっていうのに、どうやって生きていくつもりだ?
────あ、悪い悪いww
オーガとか、モンスター相手ならイケるかもな。
もしかして寿退職だったのか~?ww 」
最後は誂う様に言った守備隊長の言葉に、周りはドッと笑い出した。
そしてお気に入りの女の子達は、寿退社という言葉に対し、耐えられない!とばかりに大爆笑を始める。
「 ちょっ……つ!!www
オ、オーガって……っwww 」
「 そっ、そこまで言っちゃったら駄目っしょ~www 」
「 でっ、でも……ちょーお似合い!!www 」
更にお気に入りの男たちは、オーガの真似をしファイティングポーズをし始めたので、更に笑い声は大きくなった。
” こうして笑いながら私達を辱め、退職の話を有耶無耶にしよう! ”
そんな魂胆が見え見え過ぎて、私とキュイちゃんは大きなため息をつく。
その様子を見て ” マズいかも ” という事を敏感に察知したのは、守備隊長とお気に入りの子たち以外の周囲の守備隊員達で────。
彼らは笑いを収めチラチラと私達の様子を伺い始めたが、元々直ぐ楽に流される様な人たちだ。
調子に乗り出した守備隊長達を止めようとする者たちはいない。
ジワッ……とした嫌な空気が漂い始めた事に気づかない守備隊長は、お気に入りの子たちの中でも、” 女遊びが趣味です! ” と豪語している見た目が良いだけの男、仇名は< 王子様 >に突然話しを振った。
「 おい!王子様~♬
女なら誰でもイケます!が売りなんだってこの間言ってたよな?
じゃあ、このオーガ姫達もイケるだろう?
この寂し~いお姫様達と付き合ってやれよ! 」
馬鹿にしたような笑いを浮かべながらそう言う守備隊長に続けとばかりに、お気に入りの子たちはヒューヒュー!と囃し立てる。
「 ────よっ!男の鏡! 」
「 ゲテモノ食い~!流石王子様!頑張れ~!! 」
そんな仲間たちを見て、王子様とやらはヤレヤレと肩を大げさに竦めジェスチャーをした後、私達の前に突然跪いた。
いつもと違い ” 分かりました。 ” と直ぐに言わない私達を見て、守備隊長は更に戯けながら暴言をぶつけてきたが、それでも私達は何も言わない。
彼らは彼らのやり方でこの場所を守り続ければ良いし、私達は私達の居場所をこれから探しに行く。
ただそれだけの話だから、あえて何か言う必要はないからだ。
色々な発言や態度、自分を拒絶する世界を恨んだ事もあったけど、結局ココが ” 悪 ” かどうかは、自分に合うか合わないかで決めなくて良いこと。
ただあえて何が ” 悪 ” なのかと考えると……その場所から去り自分の居場所を探しに行く人を ” 正しくない ” と責める事なんじゃないかと思う。
返事を返さない事で、やっと私達が本気である事に気付いたのか、守備隊長や他の隊員達は全員引きつった顔になり、お互い顔を見合わせた。
「 お、おい……冗談だよな? 」
「 ??本気ですけど……? 」
「 本日で辞めます。 」
もう一度しっかり自分の意見を告げると、守備隊長や周りの隊員達は一瞬狼狽える様子を見せたが、直ぐにプッ!と吹き出し、ゲラゲラと笑いだす。
「 ココを辞めたら、お前らみたいなデカいだけが取り柄の役立たずなんて雇ってくれる所はないんだぞ?
路頭に迷いたいのか? 」
守備隊長が人差し指で頭を指し、クルクルと回すジェスチャーを披露しながら言うと、それに便乗してお気に入り達も一斉に口を出し始めた。
「 なに急にイキってんだよ、うっざっ!ww 」
「 え~?何、何~??
もしかして、” こんな事言える自分達カッコいい~! ” とか思っちゃっている? 」
「 うわぁ~痛たたっ!!
痛いのは外見だけにしろよな~www 」
自分たちの ” 正しい ” に従い、いつもの様に ” 間違っているのは私とキュイちゃん ” という雰囲気を創り出す。
私とキュイちゃんは、ゆっくりと馬鹿にした様に笑い合っている守備隊長とお気に入り達、そして自分たちは関係ないとどこか他人事でありながら、早く大人しく従えよと目で語る周囲の守備隊員達を見回した。
数とは力。
この中で違う意見を持っているのは私とキュイちゃんのみ。
だから ” 間違っている ” 私達を ” 正しく ” するためこうして全員で攻撃して、自分たちを幸せにしてくれる世界を守ろうとしているわけだ。
でも……私はフッと思う。
” 正しい世界 ” って誰かが支えなければ、そんなに直ぐに壊れてしまうものなの?
それって本当に ” 正しい ” のかな??って。
「 世界は広いですから。
うざくてデカい役立たずは、これから役立つ場所を探しに行ってみようと思います。 」
「 今までありがとうございました。さようなら。 」
私達が白けた様子でそう告げると、全員から怒りのオーラの様なモノが滲み出たのを感じた。
” 今まで言う事を大人しく聞いていた私達が逆らった。 ”
それが怒りの琴線に触れてしまった様だ。
その中でもひときわ大激怒したのは守備隊長で、額全てに血管を浮き立たせながら私達を怒鳴りつける。
「 調子に乗るのもいい加減にしろっ!!!今まで面倒を見てやった恩も忘れやがってっ!!!
お前らみたいな恥ずかしい外見じゃ~何処に行ったって雇って貰えねぇんだって言ってんだろっ!!
男に養ってもらう事だって絶対無理だっていうのに、どうやって生きていくつもりだ?
────あ、悪い悪いww
オーガとか、モンスター相手ならイケるかもな。
もしかして寿退職だったのか~?ww 」
最後は誂う様に言った守備隊長の言葉に、周りはドッと笑い出した。
そしてお気に入りの女の子達は、寿退社という言葉に対し、耐えられない!とばかりに大爆笑を始める。
「 ちょっ……つ!!www
オ、オーガって……っwww 」
「 そっ、そこまで言っちゃったら駄目っしょ~www 」
「 でっ、でも……ちょーお似合い!!www 」
更にお気に入りの男たちは、オーガの真似をしファイティングポーズをし始めたので、更に笑い声は大きくなった。
” こうして笑いながら私達を辱め、退職の話を有耶無耶にしよう! ”
そんな魂胆が見え見え過ぎて、私とキュイちゃんは大きなため息をつく。
その様子を見て ” マズいかも ” という事を敏感に察知したのは、守備隊長とお気に入りの子たち以外の周囲の守備隊員達で────。
彼らは笑いを収めチラチラと私達の様子を伺い始めたが、元々直ぐ楽に流される様な人たちだ。
調子に乗り出した守備隊長達を止めようとする者たちはいない。
ジワッ……とした嫌な空気が漂い始めた事に気づかない守備隊長は、お気に入りの子たちの中でも、” 女遊びが趣味です! ” と豪語している見た目が良いだけの男、仇名は< 王子様 >に突然話しを振った。
「 おい!王子様~♬
女なら誰でもイケます!が売りなんだってこの間言ってたよな?
じゃあ、このオーガ姫達もイケるだろう?
この寂し~いお姫様達と付き合ってやれよ! 」
馬鹿にしたような笑いを浮かべながらそう言う守備隊長に続けとばかりに、お気に入りの子たちはヒューヒュー!と囃し立てる。
「 ────よっ!男の鏡! 」
「 ゲテモノ食い~!流石王子様!頑張れ~!! 」
そんな仲間たちを見て、王子様とやらはヤレヤレと肩を大げさに竦めジェスチャーをした後、私達の前に突然跪いた。
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