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第三十五章
1124 見に行こう
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( マービン )
「 ……なぁ、なんで、自分でこの世界に生み落としたくせに ” 見て ” くれない奴がいんのかな? 」
「 なんでだろうね~?
いろんな人がいるからいろんな理由があると思うよ。
ただ俺が思う事は、 ” 見てくれない ” 人はこの先も根本的には変わらないかもしれないって事。
だからそれに執着するより、これからは自分が周りを ” 見て ” まわるといいよ。
世界って凄く広くて綺麗だからさ。 」
「 ……大人のくせに……どんな理由があったって何で我慢できねぇんだよ。
情けないヤツら。 」
「 君のご両親くらいなんて子供にやっと毛が生えたくらいだからね~。
まだまだ自分の事で精一杯さ。
だから子供と一緒に育っていくんだよ。
子供は最高の先生だから。 」
曝け出してく自分の本心の言葉を、しっかりと受け止めて返してくれる。
俺はこれがずっと欲しかった。
でもこの欲しかったモノを母も父も与えてはくれなかった。
あの二人とこうして話す事は永遠にないのだろうか……?
俺はだいぶ遠くへ行ってしまった元楽園で、金銀財宝を飲み込んでいる母と兄の成れの果てを見つめる。
・・・
あちら側で血まみれの財宝をに見込んでいる姿を見れば、もう交わる事は決してないだろうと思う。
俺はその化け物達から視線を逸らし、穴が空いた胸にソッと手を触れた。
あの化け物達は ” 変わらない ” モノだ。
それに期待し続けても、俺は空っぽのまま同じ化け物になってしまうだろう。
だから俺はもう化け物に執着するのは止めて、空っぽの自分のまま、この広い世界を ” 見に ” 行こう。
自分で中身を探して土台から創り上げてやる。
その大きすぎる自由にドキドキと胸が高鳴る一方……不安と恐怖も同時に湧き上がった。
「 なぁ……もし間違えて入れちゃ駄目なモノを入れちゃったら、俺はどうすればいい? 」
思わずその不安を口に出すと、じいさんは俺をヒョイッと更に高い位置に持ち上げ、まるで高い高いする様に上下に揺らしてくる。
流石にこれは恥ずかしい……思わず恥ずかしさから眉を寄せると、じいさんは全く気にせずニヤッと笑った。
「 大丈夫!その時は俺がどこまでもどこまでも追いかけて怒ってあげるから!
俺のしつこさは普通じゃないからね~?
説教、ゲンコツ、お尻叩きのフルコースだ。
だから安心して自分の好きな様にやってごらん。 」
それを聞いた瞬間、また涙がブワッ!とぶり返し、わんわんと泣いてしまう。
俺はもう大丈夫。
間違えてもこのじいさんが怒ってくれるらしいから。
失敗できる環境、それがあるから俺は安心して世界を見に行ける。
そのまままたボロボロと泣く情けない俺を、じいさんはゆっくりと降ろすと、母と兄がいた元楽園に背を向けさせまっすぐ前を差した。
「 これから先、きっと沢山のモノが君の中に詰まっていって、その中から選択して育てていかないといけない。
ときには捨てないと駄目なモノもあるだろう。
それを判断するには一人では難しいんだ。
どうしても主観的になり過ぎてしまうからね。
だから皆で一緒に探しながら詰めていくといいよ。 」
「 は??……み、皆って……ここには俺とあんただけしか…… 」
視線をゆっくりとじいさんが指し示す方向へ向けていくと、俺とじいさんしかいなかったはずの花畑に、いつの間にか沢山の人達がいる。
本日何回目かのポカンっ……とした顔のままよくよく見れば、中にはグリムやスワン、他にも見知った顔が多くいた。
そいつらは生き生きとそこら辺に生えている花や落ちている木の実や葉、はては草や石なども、語り合いながら次々と胸に空いた穴の中に放り込んでいく。
「 皆ああやって色んなモノを入れて大人になっていくんだよ。
そして大人になるにつれてどんどん中に入らなくなっていって、今度はそれまでに入れたモノを守ってく日々を送る。
人によって入れられるキャパシティーは違うから、どれだけのモノを入れられるかはお楽しみ!
マイペースに入れていくといいよ。
楽しく語り合いながら。 」
そう言ってじいさんはポンッ……と俺の背中を押す。
するとその衝撃で、俺は2~3歩前に進み出てしまい、一番近くにいたグリムとスワンが俺の存在に気が付き視線を向けてきた。
そして二コォ!!とまるで小さい子供の様な満面の笑みを見せると、そのまま手に持つ花を俺に差し出してくる。
「 ……なぁ、なんで、自分でこの世界に生み落としたくせに ” 見て ” くれない奴がいんのかな? 」
「 なんでだろうね~?
いろんな人がいるからいろんな理由があると思うよ。
ただ俺が思う事は、 ” 見てくれない ” 人はこの先も根本的には変わらないかもしれないって事。
だからそれに執着するより、これからは自分が周りを ” 見て ” まわるといいよ。
世界って凄く広くて綺麗だからさ。 」
「 ……大人のくせに……どんな理由があったって何で我慢できねぇんだよ。
情けないヤツら。 」
「 君のご両親くらいなんて子供にやっと毛が生えたくらいだからね~。
まだまだ自分の事で精一杯さ。
だから子供と一緒に育っていくんだよ。
子供は最高の先生だから。 」
曝け出してく自分の本心の言葉を、しっかりと受け止めて返してくれる。
俺はこれがずっと欲しかった。
でもこの欲しかったモノを母も父も与えてはくれなかった。
あの二人とこうして話す事は永遠にないのだろうか……?
俺はだいぶ遠くへ行ってしまった元楽園で、金銀財宝を飲み込んでいる母と兄の成れの果てを見つめる。
・・・
あちら側で血まみれの財宝をに見込んでいる姿を見れば、もう交わる事は決してないだろうと思う。
俺はその化け物達から視線を逸らし、穴が空いた胸にソッと手を触れた。
あの化け物達は ” 変わらない ” モノだ。
それに期待し続けても、俺は空っぽのまま同じ化け物になってしまうだろう。
だから俺はもう化け物に執着するのは止めて、空っぽの自分のまま、この広い世界を ” 見に ” 行こう。
自分で中身を探して土台から創り上げてやる。
その大きすぎる自由にドキドキと胸が高鳴る一方……不安と恐怖も同時に湧き上がった。
「 なぁ……もし間違えて入れちゃ駄目なモノを入れちゃったら、俺はどうすればいい? 」
思わずその不安を口に出すと、じいさんは俺をヒョイッと更に高い位置に持ち上げ、まるで高い高いする様に上下に揺らしてくる。
流石にこれは恥ずかしい……思わず恥ずかしさから眉を寄せると、じいさんは全く気にせずニヤッと笑った。
「 大丈夫!その時は俺がどこまでもどこまでも追いかけて怒ってあげるから!
俺のしつこさは普通じゃないからね~?
説教、ゲンコツ、お尻叩きのフルコースだ。
だから安心して自分の好きな様にやってごらん。 」
それを聞いた瞬間、また涙がブワッ!とぶり返し、わんわんと泣いてしまう。
俺はもう大丈夫。
間違えてもこのじいさんが怒ってくれるらしいから。
失敗できる環境、それがあるから俺は安心して世界を見に行ける。
そのまままたボロボロと泣く情けない俺を、じいさんはゆっくりと降ろすと、母と兄がいた元楽園に背を向けさせまっすぐ前を差した。
「 これから先、きっと沢山のモノが君の中に詰まっていって、その中から選択して育てていかないといけない。
ときには捨てないと駄目なモノもあるだろう。
それを判断するには一人では難しいんだ。
どうしても主観的になり過ぎてしまうからね。
だから皆で一緒に探しながら詰めていくといいよ。 」
「 は??……み、皆って……ここには俺とあんただけしか…… 」
視線をゆっくりとじいさんが指し示す方向へ向けていくと、俺とじいさんしかいなかったはずの花畑に、いつの間にか沢山の人達がいる。
本日何回目かのポカンっ……とした顔のままよくよく見れば、中にはグリムやスワン、他にも見知った顔が多くいた。
そいつらは生き生きとそこら辺に生えている花や落ちている木の実や葉、はては草や石なども、語り合いながら次々と胸に空いた穴の中に放り込んでいく。
「 皆ああやって色んなモノを入れて大人になっていくんだよ。
そして大人になるにつれてどんどん中に入らなくなっていって、今度はそれまでに入れたモノを守ってく日々を送る。
人によって入れられるキャパシティーは違うから、どれだけのモノを入れられるかはお楽しみ!
マイペースに入れていくといいよ。
楽しく語り合いながら。 」
そう言ってじいさんはポンッ……と俺の背中を押す。
するとその衝撃で、俺は2~3歩前に進み出てしまい、一番近くにいたグリムとスワンが俺の存在に気が付き視線を向けてきた。
そして二コォ!!とまるで小さい子供の様な満面の笑みを見せると、そのまま手に持つ花を俺に差し出してくる。
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