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第三十四章
1100 死んじゃうんだ……
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( ルル )
” こいつは今日売れなきゃ破棄処分になる。
放流しちまえば恨みから沢山の人を傷つける存在になるから、確実に処分しないといけないんだ。 ”
” そ……そんな……! ”
リーフさんは握りしめた硬貨を見下ろし、意を決してそれを商人に差し出した。
” これで彼を買える? ”
それは普通の奴隷ならとても買えない様な少ないお金だったが、早々に厄介払いをしたかった商人は喜んでレオンさんをリーフさんに売り渡す。
それが二人の初めての出会いであった。
「 ……そうして二人の生活が始まり、生きる気力を失ったレオンさんは、リーフさんの自分を恐れぬ態度と大きな優しさに包まれ、やがて二人は────…… 」
ブツブツブツブツ…………。
とうとう口からその考えている内容が漏れ出すと、私は慌てて口を塞いだ。
しかし塞いだせいで今度は頭の中にその分沢山の妄想が溢れて目がグルグルと周り始め、近くの椅子によろめきながら座り込む。
これが禁断の愛……。
そして真実の……愛っ!!
────ダンッ!!
テーブルを叩いてこみ上げる衝撃に耐えていると、母がちょうど温かいお茶をいれてくれたらしく、スッ……と私の前にそのお茶を置いた。
「 いや~!あの二人兄弟にしては随分雰囲気が違うなと思っていたら、まさか同じ歳の……しかもコレだとはねぇ!
多分あの感じからしてレオンはもともと傭兵かなんかでもしてて、その時に呪いをもらっちまったんだろう。 」
母は恋人を示す指のジェスチャーをしながら、ニヤ~と下品な笑みを浮かべる。
私はといえば、母が話しかけてきてくれたにもかかわらず、心ここにあらずといった様子でまたブツブツと呟きだしてしまったので、母は私の顔の前で手をヒラヒラ振った。
「 ??お~~い。ルル~?? 」
ル~ル~?何をブツブツ言ってるんだい? 」
怪訝な顔でそう尋ねてくるが、私がやはり反応できないでいると、困った様に頭を掻く。
「 ──あ~……もしかしてビビっちまったのかい?
確かにあの姿はちょっと怖いかもしれないが、特に伝染るもんじゃなきゃ~問題は──── 」
「 お母さんっ!!私、ちょっと急用できたからっ!! 」
的を大きく外れた母の心配をバッサリ切る勢いで叫んだ後、私は目の前のお茶を一気飲みした。
「 ??あ……ああ。 」
ぽかんとしながら私を見つめる母に「 ごちそうさま! 」と言って、そのままダダッ!!と自室へ。
そして一人になった部屋で、私は後ろに仰け反り、頭をゴンッ!!と床にぶつけてその体勢のまま大声で叫んだ。
「 最高かぁぁぁぁぁ────────!!! 」
心の荒ぶるまま、身体はブルブル、ガタガタと震え続ける。
なんて衝撃!!
なんて最高の愛っ!!
そこには私の求めていた全てがあった。
男同士、禁断の恋、周囲からの奇っ怪な目や差別的な目。
山あり谷ありどころではない。
魔素領域へ全裸で飛び込む程の障害へとレベルUPした。
そして男同士という事でなんとも主観的になりにくい状況により、すんなり第三者として作品を楽しむ事ができる!
大好きな恋愛小説の男女を男男に変えただけで、それは劇的な変化を私にもたらした。
もう居ても立ってもいられず、私はシュバッ!と立ち上がると、いつもは読書を楽しむための机に着席する。
そしてその衝動のまま、その妄想を紙に書き出していった。
後日それを、ここグリモアに来てから仲良くしてくれている読書仲間の二人に見せた所、二人は────
「 %*(##@U**)%$##────!!!! 」
「 !@#^89&^$#@────!!!! 」
────と声にならない叫びを上げてブリッチ!
そのままビクビクと震えた後、一人が突然ペンを握り一心不乱に絵を書き始め、もう一人は自身の親が営んでいる【 アオゾラ商会 】が営んでいる出版部門への連絡をし始めた。
そうしてあれよあれよとリーフさんとレオンさんをモデルにした小説が出来上がり、限定小説として売り出されると、これが異例の大ヒット!!
私のペンネーム< るるなる >で売り出したこの本は、平民、貴族関係なく若い女性をメインに売れに売れ、実は今やお店の収入の10年分くらいのお金を軽く稼いでしまった。
更に続編も同様に大ヒットし、売上は未だ右肩上がり。
下手な貴族様よりもお金が入るため、ぜひとも母とリーフさんとレオンさんに恩返しを……と目論んでいるのだが、なにせ作品が作品なだけに下手に行動できない。
絶対にお金の出所を心配されて、言う羽目になるだろうと思われる。
多分母もリーフさんも否定したり怒ったりはしないと思うし、レオンさんは無視するだろうと分かっているが……やっぱりそういう性的な話題というか……恋愛に絡んだ系の話は親や年下の異性にしたくないというか……。
どうしようどうしようと悩んでいる間に、リーフさん達の活躍によって街に活気が戻ってきて、お店の売り上げも元通りになったため、とりあえずタイミングを測る事にした。
しかし気持ち程度は……と、母から頼まれた買い出しや日常品のモノは2ランクくらい良い物を。
リーフさん達に出す食べ物は更に上をいく良いものをこっそり買っている。
やっと自分の叶えたい夢が見つかった。
そう自信を持って言える日がすぐに来ると……そう思っていた。
だが────……
私は真っ暗に染まった空の下、ボンヤリと見ていた手のひらをギュッ!と握りしめる。
私、自分のした事が見つかったよって……母に言えずに死んじゃうんだ。
それにゾッ!!として、私は握った拳を顔に近づけ目を強く瞑った。
” こいつは今日売れなきゃ破棄処分になる。
放流しちまえば恨みから沢山の人を傷つける存在になるから、確実に処分しないといけないんだ。 ”
” そ……そんな……! ”
リーフさんは握りしめた硬貨を見下ろし、意を決してそれを商人に差し出した。
” これで彼を買える? ”
それは普通の奴隷ならとても買えない様な少ないお金だったが、早々に厄介払いをしたかった商人は喜んでレオンさんをリーフさんに売り渡す。
それが二人の初めての出会いであった。
「 ……そうして二人の生活が始まり、生きる気力を失ったレオンさんは、リーフさんの自分を恐れぬ態度と大きな優しさに包まれ、やがて二人は────…… 」
ブツブツブツブツ…………。
とうとう口からその考えている内容が漏れ出すと、私は慌てて口を塞いだ。
しかし塞いだせいで今度は頭の中にその分沢山の妄想が溢れて目がグルグルと周り始め、近くの椅子によろめきながら座り込む。
これが禁断の愛……。
そして真実の……愛っ!!
────ダンッ!!
テーブルを叩いてこみ上げる衝撃に耐えていると、母がちょうど温かいお茶をいれてくれたらしく、スッ……と私の前にそのお茶を置いた。
「 いや~!あの二人兄弟にしては随分雰囲気が違うなと思っていたら、まさか同じ歳の……しかもコレだとはねぇ!
多分あの感じからしてレオンはもともと傭兵かなんかでもしてて、その時に呪いをもらっちまったんだろう。 」
母は恋人を示す指のジェスチャーをしながら、ニヤ~と下品な笑みを浮かべる。
私はといえば、母が話しかけてきてくれたにもかかわらず、心ここにあらずといった様子でまたブツブツと呟きだしてしまったので、母は私の顔の前で手をヒラヒラ振った。
「 ??お~~い。ルル~?? 」
ル~ル~?何をブツブツ言ってるんだい? 」
怪訝な顔でそう尋ねてくるが、私がやはり反応できないでいると、困った様に頭を掻く。
「 ──あ~……もしかしてビビっちまったのかい?
確かにあの姿はちょっと怖いかもしれないが、特に伝染るもんじゃなきゃ~問題は──── 」
「 お母さんっ!!私、ちょっと急用できたからっ!! 」
的を大きく外れた母の心配をバッサリ切る勢いで叫んだ後、私は目の前のお茶を一気飲みした。
「 ??あ……ああ。 」
ぽかんとしながら私を見つめる母に「 ごちそうさま! 」と言って、そのままダダッ!!と自室へ。
そして一人になった部屋で、私は後ろに仰け反り、頭をゴンッ!!と床にぶつけてその体勢のまま大声で叫んだ。
「 最高かぁぁぁぁぁ────────!!! 」
心の荒ぶるまま、身体はブルブル、ガタガタと震え続ける。
なんて衝撃!!
なんて最高の愛っ!!
そこには私の求めていた全てがあった。
男同士、禁断の恋、周囲からの奇っ怪な目や差別的な目。
山あり谷ありどころではない。
魔素領域へ全裸で飛び込む程の障害へとレベルUPした。
そして男同士という事でなんとも主観的になりにくい状況により、すんなり第三者として作品を楽しむ事ができる!
大好きな恋愛小説の男女を男男に変えただけで、それは劇的な変化を私にもたらした。
もう居ても立ってもいられず、私はシュバッ!と立ち上がると、いつもは読書を楽しむための机に着席する。
そしてその衝動のまま、その妄想を紙に書き出していった。
後日それを、ここグリモアに来てから仲良くしてくれている読書仲間の二人に見せた所、二人は────
「 %*(##@U**)%$##────!!!! 」
「 !@#^89&^$#@────!!!! 」
────と声にならない叫びを上げてブリッチ!
そのままビクビクと震えた後、一人が突然ペンを握り一心不乱に絵を書き始め、もう一人は自身の親が営んでいる【 アオゾラ商会 】が営んでいる出版部門への連絡をし始めた。
そうしてあれよあれよとリーフさんとレオンさんをモデルにした小説が出来上がり、限定小説として売り出されると、これが異例の大ヒット!!
私のペンネーム< るるなる >で売り出したこの本は、平民、貴族関係なく若い女性をメインに売れに売れ、実は今やお店の収入の10年分くらいのお金を軽く稼いでしまった。
更に続編も同様に大ヒットし、売上は未だ右肩上がり。
下手な貴族様よりもお金が入るため、ぜひとも母とリーフさんとレオンさんに恩返しを……と目論んでいるのだが、なにせ作品が作品なだけに下手に行動できない。
絶対にお金の出所を心配されて、言う羽目になるだろうと思われる。
多分母もリーフさんも否定したり怒ったりはしないと思うし、レオンさんは無視するだろうと分かっているが……やっぱりそういう性的な話題というか……恋愛に絡んだ系の話は親や年下の異性にしたくないというか……。
どうしようどうしようと悩んでいる間に、リーフさん達の活躍によって街に活気が戻ってきて、お店の売り上げも元通りになったため、とりあえずタイミングを測る事にした。
しかし気持ち程度は……と、母から頼まれた買い出しや日常品のモノは2ランクくらい良い物を。
リーフさん達に出す食べ物は更に上をいく良いものをこっそり買っている。
やっと自分の叶えたい夢が見つかった。
そう自信を持って言える日がすぐに来ると……そう思っていた。
だが────……
私は真っ暗に染まった空の下、ボンヤリと見ていた手のひらをギュッ!と握りしめる。
私、自分のした事が見つかったよって……母に言えずに死んじゃうんだ。
それにゾッ!!として、私は握った拳を顔に近づけ目を強く瞑った。
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