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第三十四章
1099 人ではない程……
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( ルル )
” 恋人 ”
それを直接本人達に聞いてしまう母にも驚いたが、またしてもピシャ────ン!!と衝撃を受けてしまった私にはそれを嗜める様な余裕はない。
こっ、恋人っ!!??
男の子同士なのに……っ!!?
” 同性愛 ”
勿論それを良しとしている他種族や、同性の ” 愛人 ” を持つ事がステータスの貴族の常識は噂では知っていても、それに直接触れる機会が今までなかった私には未知の存在だ。
一般的な平民には馴染はなく、寧ろそれを毛嫌いしている人たちもいるため、敢えて考えた事はなかったが……
目の前に広がる今までにない世界に、ドキドキと胸は鼓動を速める。
そんな私の心情など知りもしないリーフさんは少し考える様な素振りを見せた後、レオンさんの深く被ったフードをズリっと取った。
すると────そこから飛び出してきたのは、真っ黒な髪に呪われた様な不気味な左半身!!
極度の怖がりである私は立ち尽くし、そのままガタガタと震えてしまった。
怖い……っ
怖い、怖い、怖い……っ!!
恐怖が全面に出て目を逸らせないでいると、リーフさんが悲しげな顔をしながらオンさんを慈愛に満ちた目で見つめる。
「 実はそうなんだ!
レオンと俺はそういう関係なんだよ。
黙っててごめんね。 」
” 実は俺達恋人です!
愛し合ってま~す!大ちゅき! ”
チュドド────ン!!!!
恐怖など木っ端微塵になる程の衝撃に心は打たれ、ブワッ!!と顔から火が出た!!
直ぐにピュピュ──!!と近くの机に走り隠れると、チラッ!チラッ!!と愛し合っているらしいリーフさん達を見つめる。
その間にも母はリーフさんに ” その呪いは伝染らないのか? ” と確認し、伝染らないと確信したら、あっさりとその存在を認めた。
母は良い意味で人に興味がないというか……それが人にとって危険でないなら何でも個性と捉える人。
つまりこの時点でレオンさんの姿もまたそれに該当すると捉えた様だ。
私はというと、正直周りの年配者達がいうほどは ” 黒 ” に対する恐怖はなく、周りが普通に接しているなら気にならなくなるタイプだと思う。
そのため、そんなレオンさんとお付き合いしているリーフさんや、それをあっさりOK!した母がいる今、それは気にならないモノにあっという間に変化してしまった。
周りにすぐ影響されるこの性格ぅ~……。
自分に少々呆れながらも、改めてレオンさんという人をマジマジと観察してみる。
漆黒の黒髪はつるつるサラサラ。
呪われた様な半身ではない普通の部分の肌は信じられない程白く、まるで陶器の様。
そして顔のパーツはその一つ一つが嘘みたいに綺麗な形で、完璧ともいえる配置で顔にくっついている。
レ、レオンさんって物凄い美形だ……
人じゃないみたい……。
ゴクリっと思わず喉を鳴らしながら、観察対象は身体の方へ。
スラリと高い身長に引き締まった細マッチョ体型。
顔は小さく八頭身……いや、九頭身くらいあるんじゃないかというほどの素晴らしいスタイル。
その全てが合わさってその存在はとんでもない ” 美 ” の集合体となっている!
初めてお目にかかる次元の違う ” 美 ” に圧倒されてしまいながら、そんなレオンさんと恋人であるごくごく普通の少年リーフさん、主人、奴隷……とその関係性まで頭が追いついてくると、物凄い速さでリーフさん達を主人公にした物語が頭の中で出来上がっていった。
多分レオンさんは、あの立派な体格からして幼い頃から無理やり戦わされてきた傭兵……いや!あの美しさから元貴族の子供もありかも!
ある日の事、貴族を恨む怪しい輩に呪いを掛けられ、半身は呪いに蝕まれる。
” なんとおぞましい姿だ! ”
” 化け物め!この家から出ていけ! ”
呪われたレオンさんは、今までチヤホヤと群がっていた者達全員に疎まれ、とうとう奴隷として売られてしまった。
しかし、その強烈な見た目から買い手は見つからず、とうとう明日には破棄される事が決定してしまう。
” 明日、自分は死ぬ ”
それを知っても絶望に塗れたレオンさんには死の恐怖は訪れる事はなく、ただ静かに死を待つのであった。
一方その頃────平民として生まれた普通の子供、リーフさんは毎朝働いている場所での朝の荷物運びを終えて、貰った給金を握りしめ帰路についていた。
” 今日の給料はいつもより少し多かったぞ!
朝ごはんはちょっと贅沢して卵を乗せよう! ”
幼くして両親を失くしたリーフさんは決して裕福とは言えず、毎朝のごはんは小さなパンの欠片と薄いスープのみ。
そのため本日の少しだけ多い給金は非常に嬉しいものだった。
ルンルン♬と上機嫌で歩いていた、その時────レオンさんが売られている姿を目撃し、ピタリと足を止める。
まるで見世物の様に小さな檻に入れられている同じ歳くらいの少年。
どうして奴隷に?という質問はその姿を見れば理解できた。
呪われた半身に真っ黒な髪と瞳……そのせいできっと親に捨てられてしまったのだろう。
それに心を痛めて足を止めたリーフさん。
それを目ざとく見つけた奴隷商人はチャンスとばかりにリーフさんに声を掛ける。
” 恋人 ”
それを直接本人達に聞いてしまう母にも驚いたが、またしてもピシャ────ン!!と衝撃を受けてしまった私にはそれを嗜める様な余裕はない。
こっ、恋人っ!!??
男の子同士なのに……っ!!?
” 同性愛 ”
勿論それを良しとしている他種族や、同性の ” 愛人 ” を持つ事がステータスの貴族の常識は噂では知っていても、それに直接触れる機会が今までなかった私には未知の存在だ。
一般的な平民には馴染はなく、寧ろそれを毛嫌いしている人たちもいるため、敢えて考えた事はなかったが……
目の前に広がる今までにない世界に、ドキドキと胸は鼓動を速める。
そんな私の心情など知りもしないリーフさんは少し考える様な素振りを見せた後、レオンさんの深く被ったフードをズリっと取った。
すると────そこから飛び出してきたのは、真っ黒な髪に呪われた様な不気味な左半身!!
極度の怖がりである私は立ち尽くし、そのままガタガタと震えてしまった。
怖い……っ
怖い、怖い、怖い……っ!!
恐怖が全面に出て目を逸らせないでいると、リーフさんが悲しげな顔をしながらオンさんを慈愛に満ちた目で見つめる。
「 実はそうなんだ!
レオンと俺はそういう関係なんだよ。
黙っててごめんね。 」
” 実は俺達恋人です!
愛し合ってま~す!大ちゅき! ”
チュドド────ン!!!!
恐怖など木っ端微塵になる程の衝撃に心は打たれ、ブワッ!!と顔から火が出た!!
直ぐにピュピュ──!!と近くの机に走り隠れると、チラッ!チラッ!!と愛し合っているらしいリーフさん達を見つめる。
その間にも母はリーフさんに ” その呪いは伝染らないのか? ” と確認し、伝染らないと確信したら、あっさりとその存在を認めた。
母は良い意味で人に興味がないというか……それが人にとって危険でないなら何でも個性と捉える人。
つまりこの時点でレオンさんの姿もまたそれに該当すると捉えた様だ。
私はというと、正直周りの年配者達がいうほどは ” 黒 ” に対する恐怖はなく、周りが普通に接しているなら気にならなくなるタイプだと思う。
そのため、そんなレオンさんとお付き合いしているリーフさんや、それをあっさりOK!した母がいる今、それは気にならないモノにあっという間に変化してしまった。
周りにすぐ影響されるこの性格ぅ~……。
自分に少々呆れながらも、改めてレオンさんという人をマジマジと観察してみる。
漆黒の黒髪はつるつるサラサラ。
呪われた様な半身ではない普通の部分の肌は信じられない程白く、まるで陶器の様。
そして顔のパーツはその一つ一つが嘘みたいに綺麗な形で、完璧ともいえる配置で顔にくっついている。
レ、レオンさんって物凄い美形だ……
人じゃないみたい……。
ゴクリっと思わず喉を鳴らしながら、観察対象は身体の方へ。
スラリと高い身長に引き締まった細マッチョ体型。
顔は小さく八頭身……いや、九頭身くらいあるんじゃないかというほどの素晴らしいスタイル。
その全てが合わさってその存在はとんでもない ” 美 ” の集合体となっている!
初めてお目にかかる次元の違う ” 美 ” に圧倒されてしまいながら、そんなレオンさんと恋人であるごくごく普通の少年リーフさん、主人、奴隷……とその関係性まで頭が追いついてくると、物凄い速さでリーフさん達を主人公にした物語が頭の中で出来上がっていった。
多分レオンさんは、あの立派な体格からして幼い頃から無理やり戦わされてきた傭兵……いや!あの美しさから元貴族の子供もありかも!
ある日の事、貴族を恨む怪しい輩に呪いを掛けられ、半身は呪いに蝕まれる。
” なんとおぞましい姿だ! ”
” 化け物め!この家から出ていけ! ”
呪われたレオンさんは、今までチヤホヤと群がっていた者達全員に疎まれ、とうとう奴隷として売られてしまった。
しかし、その強烈な見た目から買い手は見つからず、とうとう明日には破棄される事が決定してしまう。
” 明日、自分は死ぬ ”
それを知っても絶望に塗れたレオンさんには死の恐怖は訪れる事はなく、ただ静かに死を待つのであった。
一方その頃────平民として生まれた普通の子供、リーフさんは毎朝働いている場所での朝の荷物運びを終えて、貰った給金を握りしめ帰路についていた。
” 今日の給料はいつもより少し多かったぞ!
朝ごはんはちょっと贅沢して卵を乗せよう! ”
幼くして両親を失くしたリーフさんは決して裕福とは言えず、毎朝のごはんは小さなパンの欠片と薄いスープのみ。
そのため本日の少しだけ多い給金は非常に嬉しいものだった。
ルンルン♬と上機嫌で歩いていた、その時────レオンさんが売られている姿を目撃し、ピタリと足を止める。
まるで見世物の様に小さな檻に入れられている同じ歳くらいの少年。
どうして奴隷に?という質問はその姿を見れば理解できた。
呪われた半身に真っ黒な髪と瞳……そのせいできっと親に捨てられてしまったのだろう。
それに心を痛めて足を止めたリーフさん。
それを目ざとく見つけた奴隷商人はチャンスとばかりにリーフさんに声を掛ける。
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