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第三十三章
1070 翼を持った者達
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( マリオン )
《 こんな数が一斉に爆発しては街が────!
アリシア、できるだけアレを撃ち落とせ! 》
父様が母様に向かって叫び、自身は各種属性の耐久シールドを空に張り、広範囲攻撃に備える。
《 分かったわ! 》
母様は即座に近くで攻撃をしていた攻撃用飛行魔道具を集め、空に向かって攻撃するが……やはり属性が分からないためイマイチ火力が不足してしまう様だ。
更に種子の周りに妙な風が吹き荒れ、母様の攻撃をふわりふわりと漂いながら避けている様に見えた。
( 第二形態先天スキル )
< 守護の生風 >
自身の攻撃を相手の攻撃から守る風をフィールド内に吹かせるパッシブスキル
相手の攻撃を高確率で避ける事ができるため、攻撃を充てるのは至難の業
「 妙な能力を使いやがって……っ!────くそっ! 」
単体で落としても数が減ったように見えない種子達に、母様は忌々しそうに呟く。
他の遠距離攻撃持ちの者たちも地上から一斉に種子に向かって攻撃し、ポチポチ攻撃は当たるが……全ては無理だと悟り、直ぐに守備モードへ。
全員が守りを固めた。
《 種子の攻撃、来ます!!
全員防御体制で攻撃を防いで下さい! 》
とにかく全ての攻撃を受けきらないと、街が大打撃を受けてしまう!
ルナリー、ニール、フリックの召喚獣は前に出てそれぞれ衝撃に備えて構え、モルトはフラワー・フェアリーを召喚し、ルナリーの防御力を全員に共有する。
そしてロダンとローリンは即座に反撃に出れる様にそれぞれ武器を後ろに引き構え、ゼロは……ぼんやり立っているだけ!
こいつ……。
緊張感を台無しにするところもそっくりだ!!と腹を立てたが、とりあえずそれだけ俺の魔道具はすごいのだと自分に言い聞かせ、落ち始めた種子達を見上げていた、その時────
突然ピュン!と竜巻に近い風が空に発生し、俺たちはバランスを崩しそうになってその場に踏ん張った。
「 何なんだ!この風は……? 」
「 すごい風っす!また敵の新しい攻撃っすか?! 」
モルトとニールが地面にしがみつくようにしゃがみ込んで叫ぶと、《 ────!いや、違う! 》という父様が叫び、ピュン!と空に浮かび上がる。
父様の魔道具を視線で追うと、空になにやら鳥?の様なモノがバサバサと飛んでいる様に見えたのでよく目を凝らす。
あれは……??
「 ……!あれは鳥ではありません。
人間の様です。 」
視力が一番良いロダンがその鳥?の様なモノたちを指さし言うと、その姿形が次第に見えてきた。
確かにその正体は人の様で、その背中には鳥の様な大きな翼がついている様に見えるが────どうやらあれは本当に生えているわけではなく人工的なモノである事が、むき出しになっている歯車などの部品から分かる。
茶色い色がベースのシンプルな翼の形。
それは遠目から見てもよく分かる程、かなり精巧かつ複雑な作りの魔道具である様だ。
《 あんな高性能な魔道具……製作者は一体誰だ? 》
魔道具には厳しい評価しかしない父様も認める程の腕前……どこぞやの貴族の発明品だろうか?
驚きながら見上げる俺たちの前で、翼の魔道具を装着した者たちは、そのまま風を操り回避しようとする種子たちを纏め上げると、そのままお互いの翼をつなぐ光の線の中にその種子たちを捉える。
「 ” 圧縮 ” を開始しろ!! 」
「「「「 了解!! 」」」」
その翼人の集団の中、恐らくリーダーなのか?ゴツイゴーグルをつけた青年が他の翼人達に指示を出すと、突然種子たちが囚われている空間がどんどん小さくなっていき────そのままパンっ!!と消えてしまった。
( 特殊合体スキル )
< 空間圧縮 >
武器指定【 魔道具:ウィンディルズ 】
更に一定以上のステータス値とその魔道具の熟練度を持った者達が20人以上揃う事で発動する合体スキル。
光でできた魔力の線でお互いを繋ぎ、それで囲ったモノを空間で凝圧縮して消し去る空間系攻撃スキル
それを地上で見上げていた仲間たちは、一斉に歓声を上げ翼を持つ謎の人物達に向かって拳を突き出す。
「 凄いっす~!!種子が一瞬で消えちゃったっすよ! 」
「 空に有利属性を持った攻撃か!
空間を ” 圧縮 ” して種子をぺちゃんこにしたんだ! 」
ニールとモルトが手を叩きあってその健闘を称えていると、すっかり腹を立てたらしいダーク・ツリー・フェイスはもう一度あの種子爆弾を空に打ち上げたが……それも華麗に同じ合体スキルで消し去った。
そしてダーク・ツリー・フェイスが次の攻撃を繰り出そうとしたその前に、空から母様と共に一斉攻撃!
流石のSランクモンスターもその攻撃には堪らない様で、魔法で応戦し始めた。
《 こんな強力な合体スキルを可能にする魔道具……
一体どの家のモノか。 》
弾む様な声からウズウズしているのが見て取れる父様に、苦笑いしていると、突然空からリーダーと思わしき先程指示を出していた人物が俺達の前に着地した。
そしてゴツいゴーグルを目元から上に上げて頭に装着すると、その顔を見た俺達はヒュッ!と息を飲む。
《 こんな数が一斉に爆発しては街が────!
アリシア、できるだけアレを撃ち落とせ! 》
父様が母様に向かって叫び、自身は各種属性の耐久シールドを空に張り、広範囲攻撃に備える。
《 分かったわ! 》
母様は即座に近くで攻撃をしていた攻撃用飛行魔道具を集め、空に向かって攻撃するが……やはり属性が分からないためイマイチ火力が不足してしまう様だ。
更に種子の周りに妙な風が吹き荒れ、母様の攻撃をふわりふわりと漂いながら避けている様に見えた。
( 第二形態先天スキル )
< 守護の生風 >
自身の攻撃を相手の攻撃から守る風をフィールド内に吹かせるパッシブスキル
相手の攻撃を高確率で避ける事ができるため、攻撃を充てるのは至難の業
「 妙な能力を使いやがって……っ!────くそっ! 」
単体で落としても数が減ったように見えない種子達に、母様は忌々しそうに呟く。
他の遠距離攻撃持ちの者たちも地上から一斉に種子に向かって攻撃し、ポチポチ攻撃は当たるが……全ては無理だと悟り、直ぐに守備モードへ。
全員が守りを固めた。
《 種子の攻撃、来ます!!
全員防御体制で攻撃を防いで下さい! 》
とにかく全ての攻撃を受けきらないと、街が大打撃を受けてしまう!
ルナリー、ニール、フリックの召喚獣は前に出てそれぞれ衝撃に備えて構え、モルトはフラワー・フェアリーを召喚し、ルナリーの防御力を全員に共有する。
そしてロダンとローリンは即座に反撃に出れる様にそれぞれ武器を後ろに引き構え、ゼロは……ぼんやり立っているだけ!
こいつ……。
緊張感を台無しにするところもそっくりだ!!と腹を立てたが、とりあえずそれだけ俺の魔道具はすごいのだと自分に言い聞かせ、落ち始めた種子達を見上げていた、その時────
突然ピュン!と竜巻に近い風が空に発生し、俺たちはバランスを崩しそうになってその場に踏ん張った。
「 何なんだ!この風は……? 」
「 すごい風っす!また敵の新しい攻撃っすか?! 」
モルトとニールが地面にしがみつくようにしゃがみ込んで叫ぶと、《 ────!いや、違う! 》という父様が叫び、ピュン!と空に浮かび上がる。
父様の魔道具を視線で追うと、空になにやら鳥?の様なモノがバサバサと飛んでいる様に見えたのでよく目を凝らす。
あれは……??
「 ……!あれは鳥ではありません。
人間の様です。 」
視力が一番良いロダンがその鳥?の様なモノたちを指さし言うと、その姿形が次第に見えてきた。
確かにその正体は人の様で、その背中には鳥の様な大きな翼がついている様に見えるが────どうやらあれは本当に生えているわけではなく人工的なモノである事が、むき出しになっている歯車などの部品から分かる。
茶色い色がベースのシンプルな翼の形。
それは遠目から見てもよく分かる程、かなり精巧かつ複雑な作りの魔道具である様だ。
《 あんな高性能な魔道具……製作者は一体誰だ? 》
魔道具には厳しい評価しかしない父様も認める程の腕前……どこぞやの貴族の発明品だろうか?
驚きながら見上げる俺たちの前で、翼の魔道具を装着した者たちは、そのまま風を操り回避しようとする種子たちを纏め上げると、そのままお互いの翼をつなぐ光の線の中にその種子たちを捉える。
「 ” 圧縮 ” を開始しろ!! 」
「「「「 了解!! 」」」」
その翼人の集団の中、恐らくリーダーなのか?ゴツイゴーグルをつけた青年が他の翼人達に指示を出すと、突然種子たちが囚われている空間がどんどん小さくなっていき────そのままパンっ!!と消えてしまった。
( 特殊合体スキル )
< 空間圧縮 >
武器指定【 魔道具:ウィンディルズ 】
更に一定以上のステータス値とその魔道具の熟練度を持った者達が20人以上揃う事で発動する合体スキル。
光でできた魔力の線でお互いを繋ぎ、それで囲ったモノを空間で凝圧縮して消し去る空間系攻撃スキル
それを地上で見上げていた仲間たちは、一斉に歓声を上げ翼を持つ謎の人物達に向かって拳を突き出す。
「 凄いっす~!!種子が一瞬で消えちゃったっすよ! 」
「 空に有利属性を持った攻撃か!
空間を ” 圧縮 ” して種子をぺちゃんこにしたんだ! 」
ニールとモルトが手を叩きあってその健闘を称えていると、すっかり腹を立てたらしいダーク・ツリー・フェイスはもう一度あの種子爆弾を空に打ち上げたが……それも華麗に同じ合体スキルで消し去った。
そしてダーク・ツリー・フェイスが次の攻撃を繰り出そうとしたその前に、空から母様と共に一斉攻撃!
流石のSランクモンスターもその攻撃には堪らない様で、魔法で応戦し始めた。
《 こんな強力な合体スキルを可能にする魔道具……
一体どの家のモノか。 》
弾む様な声からウズウズしているのが見て取れる父様に、苦笑いしていると、突然空からリーダーと思わしき先程指示を出していた人物が俺達の前に着地した。
そしてゴツいゴーグルを目元から上に上げて頭に装着すると、その顔を見た俺達はヒュッ!と息を飲む。
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