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第三十二章
1046 参戦表明
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( ニコラ )
「 困った事にウチのフリックは非常に優秀でして……まさしく貴族の見本の様な子に育ってしまいました。
だからここには絶対に避難してこないでしょうね。
自身の決めた主人を、守るべき国民達を見殺しにして一人おめおめ逃げてはこないでしょう。 」
「 ウチのロダンだってそうだ。
あいつは主人のマリオンが戦うなら全力でそれを支えるだろうよ。
貴族たるもの利益のため化かし合いは必要だが、己がついていくと決めた主人を裏切っては終わりだ。
それが我が家の家訓なんでね。 」
押さえきれない笑いを漏らしながら、リナウスとドレッドがそう言うと、プレンドとガランドも同じく口元を抑えながら言った。
「 あらら~。お二方に言いたい事を全部言われてしまいました。
ウチのルナリーだってそうです。
あの子はおっとりしていますが、本当に頑固で熱血……一体誰に似たのだか……。 」
「 いや、どう考えてもお前にそっくりだろ。
だが頑固で熱血ならウチのローリンだって負けやしねぇよ。
あいつは主人や友を捨てて一人逃げてくる様な根性なしじゃあねぇ。
多分今頃我先に特攻してると思うぜ。
────全く……。親がどんなに危険な事から守ろうとしたって、当の本人達はそうやって進んでいっちまうんだ。
親になるってぇのは報われないよな。 」
ガランドがしみじみ言うと、他の三方も同様に困った様に頷く。
そしてお互い顔を見合わせた後、私に向かって全員が跪いた。
「 ニコラ王よ、我が子爵家【 レイゼン家 】──── 」
「 【 ドリンズ家 】ーーー 」
「 【 アーゼリン家 】ーーー 」
「 【 ライン家 】もグリモア防衛戦の参戦許可を願います。 」
そこに迷いはなく、私はしっかりとその気持ちを受け止め、頭を下げる四方に向かって答えた。
「 許す。任せたぞ。 」
それに対し、エドワードを始めとするカールやマリナ、ルィーンは大きく顔を歪め、殺気混じり視線で彼らを睨むが、それには気づかぬふりをし、四方は一斉に胸ポケットから< 完全版通信器 >を取り出し宙に放り投げる。
「 がむしゃらに進んでいく子供達を支えるのも親の務め。
真っ直ぐ進んでいく彼らに心を動かされ、私達も全力を尽くしましょう!
【 レイゼン商会 】の全ての倉庫を開けよ!
戦闘用、サポート用商品や戦闘用魔道具をこれより各所に届ける!
運送用< ドンドンとかげ部隊 >は全員出動!並びに緊急用< スターホース部隊 >も全て出動だ! 」
「 【 護衛騎士団 】全部隊戦闘準備!!
グリモアを中心に全国的に被害を受けるであろう場所へ直ちに向かうぞ!!
先鋭部隊はスタンティン家が用意する魔道路を通りグリモアへ直ちに進軍開始。
我が護衛騎士団の力、今こそモンスター達に見せつけてやれ!! 」
リナウスとドレッドの言葉に< 完全版通信器 >の向こうからは、待ってました!とばかりに雄叫びの様な返事が聞こえた。
それに呆れた様な顔でため息をついた二方だが、その顔は非常に嬉しそうだ。
それに笑ったブレンドとガランドも負けじと< 完全版通信器 >に向かって指示を出す。
「 は~い!同じく我が【 アーゼリン家 】も倉庫を全部開放して下さ~い!
他国産の変わった戦闘用アイテムは全て各戦闘機関に配りましょう!
それに< 私兵魔法隊 >と< 回復専門部隊 >は直ちに戦闘準備!
その中の先鋭部隊員達は先にグリモアに向かって下さいね~。 」
「 同じく【 ライン商会 】も全倉庫を開放だ。
全戦闘用大型魔道具、武器、防具の支給に、それに合わせた< 職人部隊 >も向かわせるぞ!
どんなに武器や防具が壊れたって我が家の職人部隊が直してやるから安心して戦ってくれ。 」
「「「「「 ははぁぁぁぁぁ────────っ??!!!!! 」」」」」
ニコニコと何故か< 完全版通信器 >に手を振るブレンドと、ドンッ!と力強く胸を叩くガランド。
そしてそれを聞いた周りの者達は、悲鳴混じりに一斉に叫んだ。
スタンティン家に引き続き、実力高き子爵家4方の全総力を持った参戦に、もはや落ち着いていられるわけがない。
目と口を限界まで開けて驚いているエドワードとカール達を見回し、こっそりとほくそ笑む。
何と言っても元々力を持つスタンティン家とこの四方は、エドワード派閥に入る事をのらりくらりと交わしてきた者達であり、エドワード達は今回の事でどうしても仲間に入れようと考えていたはず。
その計画がこれで完全に潰されてしまった。
これは彼らにとっては大誤算。
今頃はどうやってこの穴を埋めようかと頭を働かせているはずだ。
目を白黒させているエドワードとカール達を見てククッと笑うと、一番初めに動いたのはカールであった。
「 困った事にウチのフリックは非常に優秀でして……まさしく貴族の見本の様な子に育ってしまいました。
だからここには絶対に避難してこないでしょうね。
自身の決めた主人を、守るべき国民達を見殺しにして一人おめおめ逃げてはこないでしょう。 」
「 ウチのロダンだってそうだ。
あいつは主人のマリオンが戦うなら全力でそれを支えるだろうよ。
貴族たるもの利益のため化かし合いは必要だが、己がついていくと決めた主人を裏切っては終わりだ。
それが我が家の家訓なんでね。 」
押さえきれない笑いを漏らしながら、リナウスとドレッドがそう言うと、プレンドとガランドも同じく口元を抑えながら言った。
「 あらら~。お二方に言いたい事を全部言われてしまいました。
ウチのルナリーだってそうです。
あの子はおっとりしていますが、本当に頑固で熱血……一体誰に似たのだか……。 」
「 いや、どう考えてもお前にそっくりだろ。
だが頑固で熱血ならウチのローリンだって負けやしねぇよ。
あいつは主人や友を捨てて一人逃げてくる様な根性なしじゃあねぇ。
多分今頃我先に特攻してると思うぜ。
────全く……。親がどんなに危険な事から守ろうとしたって、当の本人達はそうやって進んでいっちまうんだ。
親になるってぇのは報われないよな。 」
ガランドがしみじみ言うと、他の三方も同様に困った様に頷く。
そしてお互い顔を見合わせた後、私に向かって全員が跪いた。
「 ニコラ王よ、我が子爵家【 レイゼン家 】──── 」
「 【 ドリンズ家 】ーーー 」
「 【 アーゼリン家 】ーーー 」
「 【 ライン家 】もグリモア防衛戦の参戦許可を願います。 」
そこに迷いはなく、私はしっかりとその気持ちを受け止め、頭を下げる四方に向かって答えた。
「 許す。任せたぞ。 」
それに対し、エドワードを始めとするカールやマリナ、ルィーンは大きく顔を歪め、殺気混じり視線で彼らを睨むが、それには気づかぬふりをし、四方は一斉に胸ポケットから< 完全版通信器 >を取り出し宙に放り投げる。
「 がむしゃらに進んでいく子供達を支えるのも親の務め。
真っ直ぐ進んでいく彼らに心を動かされ、私達も全力を尽くしましょう!
【 レイゼン商会 】の全ての倉庫を開けよ!
戦闘用、サポート用商品や戦闘用魔道具をこれより各所に届ける!
運送用< ドンドンとかげ部隊 >は全員出動!並びに緊急用< スターホース部隊 >も全て出動だ! 」
「 【 護衛騎士団 】全部隊戦闘準備!!
グリモアを中心に全国的に被害を受けるであろう場所へ直ちに向かうぞ!!
先鋭部隊はスタンティン家が用意する魔道路を通りグリモアへ直ちに進軍開始。
我が護衛騎士団の力、今こそモンスター達に見せつけてやれ!! 」
リナウスとドレッドの言葉に< 完全版通信器 >の向こうからは、待ってました!とばかりに雄叫びの様な返事が聞こえた。
それに呆れた様な顔でため息をついた二方だが、その顔は非常に嬉しそうだ。
それに笑ったブレンドとガランドも負けじと< 完全版通信器 >に向かって指示を出す。
「 は~い!同じく我が【 アーゼリン家 】も倉庫を全部開放して下さ~い!
他国産の変わった戦闘用アイテムは全て各戦闘機関に配りましょう!
それに< 私兵魔法隊 >と< 回復専門部隊 >は直ちに戦闘準備!
その中の先鋭部隊員達は先にグリモアに向かって下さいね~。 」
「 同じく【 ライン商会 】も全倉庫を開放だ。
全戦闘用大型魔道具、武器、防具の支給に、それに合わせた< 職人部隊 >も向かわせるぞ!
どんなに武器や防具が壊れたって我が家の職人部隊が直してやるから安心して戦ってくれ。 」
「「「「「 ははぁぁぁぁぁ────────っ??!!!!! 」」」」」
ニコニコと何故か< 完全版通信器 >に手を振るブレンドと、ドンッ!と力強く胸を叩くガランド。
そしてそれを聞いた周りの者達は、悲鳴混じりに一斉に叫んだ。
スタンティン家に引き続き、実力高き子爵家4方の全総力を持った参戦に、もはや落ち着いていられるわけがない。
目と口を限界まで開けて驚いているエドワードとカール達を見回し、こっそりとほくそ笑む。
何と言っても元々力を持つスタンティン家とこの四方は、エドワード派閥に入る事をのらりくらりと交わしてきた者達であり、エドワード達は今回の事でどうしても仲間に入れようと考えていたはず。
その計画がこれで完全に潰されてしまった。
これは彼らにとっては大誤算。
今頃はどうやってこの穴を埋めようかと頭を働かせているはずだ。
目を白黒させているエドワードとカール達を見てククッと笑うと、一番初めに動いたのはカールであった。
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