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第二十八章
949 正しい世界で生きるため
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( ジュワン )
「 随分と楽しい学院生活を送っているようだな。ジュワン。 」
感情の篭もっていないその目が怖くて、震えながら下を向いていると、突然エドワード様の横から音もなくスッ……とカール様が現れた。
カール様は酷く憔悴しており、美しさは変わらずとも以前のように明るく周りを照らす太陽の様な雰囲気は微塵もなくなっている。
顔を上げることを許されたため、恐る恐る顔をあげるとそんなカール様の姿が目の前に飛び込んできてギョッと目を剥いた。
「 …………。 」
言葉もなく押し黙る私にカール様は突然ニタリッと口角を上げると、そのままアハハハハハ────!!!と大声で笑う。
その突然の行動にビクッ!!身体を震わせたが、カール様は気にせず笑い続け、やがてフゥ~……と大きく息を吐いた。
「 あぁ……ようやく……ようやくだ!
全てを消し去る神様が生まれる時が来る!!
全く……こんなに時間がかかるとは思いませんでしたよ。
それもこれもアレのせいでね~?
アレは本当に邪神の子だ。
早く存在自体が大罪であるアレを神の名の下に滅ぼさなければなりません。 」
フワッ!と花が咲く様な笑みを浮かべて、上を見上げたカール様はそのまま大きく両手を広げる。
「 『 さぁ、神の描く物語はとうとう大詰めです。
神の祝福を受けし我々正義の遣いが、悪しき邪神を見事討ち滅ぼします。
そうして国は救われ、全ての者達が ” 正しくなった世界 ” で幸せに幸せに暮らしました。
めでたしめでたし~。 』
……やはり物語はハッピーエンドでなければつまらないですからね。
これでやっとハッピーエンドを迎えられそうです。 」
ニッコリ笑顔でパチパチと拍手するカール様。
そしてその後拍手が止むと、笑顔のままスッ……と目を開け私を見た。
「 ジュワン、あなたに任務を与えましょう。
汚名挽回のチャンスです。
これから合図があったら一定時間< 聖浄結石 >をグリモアで守り抜きなさい。
それを見事に果たすことができたら、今までの事は不問にして差し上げましょう。
良いですね? 」
汚名挽回のチャンスと聞き、必死な形相を浮かべた私にカール様は優しく今回の計画についての説明をし始める。
” 呪災の卵 ” の存在。
【 聖令浄化 】を強制的に発動するため< 聖浄結石 >をその時まで守る者が必要な事。
そしてその発動前に予め渡す< 移転リング >で脱出する事。
それを聞き終えた私の答えは当然決まっていた。
これがラストチャンス。
私はこの私を優しく受け入れてくれる ” 正しい ” 世界で生き続けるために、絶対に依頼を成功させてみせる!
そう誓い、私はエドワード様達に向かって口を開いた。
「 どうもこんにちは~。
下等生物の犬の獣人とメスゴリラで~す。
確か入学院式以来だったっけかな?
────ジュワン先生。 」
ヘラッと下品な笑いを浮かべながらそう言った汚らしい獣のガキの声で、私の意識は正面に立つ下層種達へと移る。
「 気安く私の名を呼ぶな、汚らわしい。 」
非常に不愉快であったためそれを隠さず言い捨ててやると、獣のガキは ” うへぇ~…… ” と心底嫌そうに顔を顰めた。
そして背中に背負っていた守護大剣を構えると、横にいる崇高なるレイモンド家の不義の子、アゼリアも刀を静かに構える。
「 入学院式以来、姿を見かけないと思ったが……どうやら長い休暇を楽しんでいたようだな。
てっきり奴隷のレオンに叩きのめされて重症かと思っていたとばかり思っていたが、お元気そうで何よりだ。 」
ハッと鼻で笑いながら、生意気にも挑発してくるアゼリアに、ブチィィッ!!とこめかみの血管が切れた。
「 図に乗るなよっ?汚らしい混じり物の分際でっ!!
貴様ら如き、高貴な存在たるこの私に話しかける事自体大罪!!
さっさと消え去れっ!邪神の遣いどもめぇぇぇ────!!! 」
私は剣を即座に抜き、スキルを発動した。
<剣才士の資質> (ノーマル固有スキル)
< 正義のペナルティー >
空中にいくつもの剣の残像を出現させ、罪深き罪人の身を四方八方から切り裂く。
その威力は攻撃力、剣の残像の数は体力値とスピードによって決定する。
(発現条件)
一定以上の攻撃力、スピードを持つ事
一定回数以上剣のみの勝負をして勝つこと
空中に出現した剣の残像は獣のガキとアゼリアに全て直撃し、周りには衝撃により舞い上がった煙が舞う。
” 他愛もない ”
そう思い、フンッと鼻で笑ってやったが、目の前にカッ!と光り輝く巨大な盾が見えたため、チッ!!と大きな舌打ちをした。
<重工戦士の資質> (ノーマル固有スキル)
< 不落の巨城( 改 ) >
攻撃力、体力、スピード、運分のステータスを全て防御力に変換する防御系スキル
その適応範囲は超広範囲に対応しているため、敵の数が多い時は非常に適している
ただし、ある一定以上の攻撃力と防御力、体力値やスピード、運がなければ発動できないため注意が必要
持続時間は全ステータスの合計値によって決定する
(発現条件)
スキル< 不落の巨城 >を発現している事
一定以上の体力、攻撃力、防御力、運を持つ事
一定回数以上盾で攻撃を受け止め、更に味方が攻撃された際にそれを身代わりに受け止める事
「 随分と楽しい学院生活を送っているようだな。ジュワン。 」
感情の篭もっていないその目が怖くて、震えながら下を向いていると、突然エドワード様の横から音もなくスッ……とカール様が現れた。
カール様は酷く憔悴しており、美しさは変わらずとも以前のように明るく周りを照らす太陽の様な雰囲気は微塵もなくなっている。
顔を上げることを許されたため、恐る恐る顔をあげるとそんなカール様の姿が目の前に飛び込んできてギョッと目を剥いた。
「 …………。 」
言葉もなく押し黙る私にカール様は突然ニタリッと口角を上げると、そのままアハハハハハ────!!!と大声で笑う。
その突然の行動にビクッ!!身体を震わせたが、カール様は気にせず笑い続け、やがてフゥ~……と大きく息を吐いた。
「 あぁ……ようやく……ようやくだ!
全てを消し去る神様が生まれる時が来る!!
全く……こんなに時間がかかるとは思いませんでしたよ。
それもこれもアレのせいでね~?
アレは本当に邪神の子だ。
早く存在自体が大罪であるアレを神の名の下に滅ぼさなければなりません。 」
フワッ!と花が咲く様な笑みを浮かべて、上を見上げたカール様はそのまま大きく両手を広げる。
「 『 さぁ、神の描く物語はとうとう大詰めです。
神の祝福を受けし我々正義の遣いが、悪しき邪神を見事討ち滅ぼします。
そうして国は救われ、全ての者達が ” 正しくなった世界 ” で幸せに幸せに暮らしました。
めでたしめでたし~。 』
……やはり物語はハッピーエンドでなければつまらないですからね。
これでやっとハッピーエンドを迎えられそうです。 」
ニッコリ笑顔でパチパチと拍手するカール様。
そしてその後拍手が止むと、笑顔のままスッ……と目を開け私を見た。
「 ジュワン、あなたに任務を与えましょう。
汚名挽回のチャンスです。
これから合図があったら一定時間< 聖浄結石 >をグリモアで守り抜きなさい。
それを見事に果たすことができたら、今までの事は不問にして差し上げましょう。
良いですね? 」
汚名挽回のチャンスと聞き、必死な形相を浮かべた私にカール様は優しく今回の計画についての説明をし始める。
” 呪災の卵 ” の存在。
【 聖令浄化 】を強制的に発動するため< 聖浄結石 >をその時まで守る者が必要な事。
そしてその発動前に予め渡す< 移転リング >で脱出する事。
それを聞き終えた私の答えは当然決まっていた。
これがラストチャンス。
私はこの私を優しく受け入れてくれる ” 正しい ” 世界で生き続けるために、絶対に依頼を成功させてみせる!
そう誓い、私はエドワード様達に向かって口を開いた。
「 どうもこんにちは~。
下等生物の犬の獣人とメスゴリラで~す。
確か入学院式以来だったっけかな?
────ジュワン先生。 」
ヘラッと下品な笑いを浮かべながらそう言った汚らしい獣のガキの声で、私の意識は正面に立つ下層種達へと移る。
「 気安く私の名を呼ぶな、汚らわしい。 」
非常に不愉快であったためそれを隠さず言い捨ててやると、獣のガキは ” うへぇ~…… ” と心底嫌そうに顔を顰めた。
そして背中に背負っていた守護大剣を構えると、横にいる崇高なるレイモンド家の不義の子、アゼリアも刀を静かに構える。
「 入学院式以来、姿を見かけないと思ったが……どうやら長い休暇を楽しんでいたようだな。
てっきり奴隷のレオンに叩きのめされて重症かと思っていたとばかり思っていたが、お元気そうで何よりだ。 」
ハッと鼻で笑いながら、生意気にも挑発してくるアゼリアに、ブチィィッ!!とこめかみの血管が切れた。
「 図に乗るなよっ?汚らしい混じり物の分際でっ!!
貴様ら如き、高貴な存在たるこの私に話しかける事自体大罪!!
さっさと消え去れっ!邪神の遣いどもめぇぇぇ────!!! 」
私は剣を即座に抜き、スキルを発動した。
<剣才士の資質> (ノーマル固有スキル)
< 正義のペナルティー >
空中にいくつもの剣の残像を出現させ、罪深き罪人の身を四方八方から切り裂く。
その威力は攻撃力、剣の残像の数は体力値とスピードによって決定する。
(発現条件)
一定以上の攻撃力、スピードを持つ事
一定回数以上剣のみの勝負をして勝つこと
空中に出現した剣の残像は獣のガキとアゼリアに全て直撃し、周りには衝撃により舞い上がった煙が舞う。
” 他愛もない ”
そう思い、フンッと鼻で笑ってやったが、目の前にカッ!と光り輝く巨大な盾が見えたため、チッ!!と大きな舌打ちをした。
<重工戦士の資質> (ノーマル固有スキル)
< 不落の巨城( 改 ) >
攻撃力、体力、スピード、運分のステータスを全て防御力に変換する防御系スキル
その適応範囲は超広範囲に対応しているため、敵の数が多い時は非常に適している
ただし、ある一定以上の攻撃力と防御力、体力値やスピード、運がなければ発動できないため注意が必要
持続時間は全ステータスの合計値によって決定する
(発現条件)
スキル< 不落の巨城 >を発現している事
一定以上の体力、攻撃力、防御力、運を持つ事
一定回数以上盾で攻撃を受け止め、更に味方が攻撃された際にそれを身代わりに受け止める事
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