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第二十七章
923 女の子登場
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( メル )
ブタの獣人はニール、魚の獣人はモルト。
道中お互い自己紹介をし、その後二人はこの国で生まれ育った者としてメル達に最低限の人族に接するマナーなるものをしっかり教えてくれた。
女の子に触れる際は、優しく繊細に、豆腐を持ち上げる様に。
そうしなければ骨の10本くらいは折れてしまうとの事。
レイドとメルはゴクリ・・とツバを飲み込んだ。
そんなメル達を見て、二人はヤレヤレ・・と呆れた様に首を横に振り、その後も様々なことを教えてくれた。
女の子は歩くのも一苦労であるため、常にエスコートが必要。
水たまりなど、下手をすれば命に関わる事態が起きる場合もある。
故郷では雨が降り水たまりができると、即それを賭けた戦いがスタート。
その結果、大抵は強いカバや象の獣人なんかが見事その戦いを勝ち抜き、ゴロンゴロンと嬉しそうに水たまりの中を転がり回ってるものだが・・人族は死ぬこともあるそうだ。
メル達は直ぐにポケットから取り出したメモ用紙にその情報をメモした。
そうして様々な情報を聞いている内にお店の前に着くと、その全体的にピンク色をしている巨大な建物を見上げ、レイドとメルは、おおおお~・・と驚きを口にする。
壁には沢山のハートや花などのデコレーション
パッと見はおしゃれな喫茶店の様な外見だが、果たして・・?
ドキドキ・・
逸る気持ちを抑えながらレイドがドアノブに手を伸ばしたが、それに待ったを掛けるモルトとニール。
「 急に扉を開けては駄目だ。
女の子達がショック死する恐れがある! 」
「 女の子は大きな音が苦手っす!
だからまずは控えめなノックをして相手の存在を知らせないと駄目なんすよ。 」
ガガーーン!!
無意識にそんな危険な事をしてしまい、メル達がショックを受けて後ろに下がると、モルトとニールはニッコリと微笑みながら、ゆっくりと扉の前へ。
そしてゲホッと軽い咳払いをした後、コンコン・・と軽く扉をノックした、その瞬間ーーーー
ババーーーンッ!!!!
扉が吹っ飛ぶ勢いで開けられて、前にいたモルトとニールはかなり遠くまで飛ばされてしまった。
ゴロゴロと転がっていく二人を見送った後、続けて開け放たれた扉の方へ視線を向ける。
そこに立つのは ” 強者 ” と一瞬で理解する程のオーラを放つ、体格はレイドを超えるムキムキレディ。
茶色い髪は上に纏め、キリッとした眉からしっかりしてそうに見えるが優しそうな雰囲気が漂う、フリフリキラキラの可愛いメイドの様な格好をしている魅力的なレディだ。
ーーズキュンっ!!
まずは全てが大きいのが好みのレイドは、この時点でドキドキ、モジモジし、メルもホワッと漂う柔らかい匂いに同様にドキドキしていた。
「 はい、いらっしゃいませ~!
2名様ですね~。 」
ニッコニッコと眩しい笑顔で話しかけられ、レイドと二人でモジモジ、オドオドしていると、復活したモルトとニールが、すかさずサササーーッ!と近寄り「「 4名です! 」」と訂正する。
そんなモルトとニールを見下ろし、そのレディはもう一度ニッコリ笑うと、そのまま部屋の中にあるファンシーなテーブルの一角へとメル達を案内してくれた。
そうしてドリンクをオーダーすると、レディは一旦店の奥へと消えてしまったので、ふぅ・・と緊張を解き、メルは周りの様子を見渡す。
お客の殆どが獣人。
そして至る所で人族の女の子達と腕相撲やら、真ん中にあるバトルフィールドの様な場所で軽く殴り合ったり踊ったりと、随分楽しく過ごしているようだ。
それを見たメルとレイドは期待に胸を躍らせていたのだが、反対にモルトとニールは汗を掻きながら、必死に何かを探しているようだった。
「 なぁなぁ、モルトとニールはどんなメスが好きなんだ? 」
軽くそう聞いたレイドに、モルトとニールはププンッ!と湯気を頭から出して怒り出す。
「 こらっ!レイド!
女性に ” メス ” などと、面と向かって行っては失礼に当たるぞ!
女性、もしくはレディと呼ぶんだ。 」
「 そうっすよ!
女性の心はガラスよりも繊細なんすからね!
メスなんていったら失神するっす。 」
フーーッ!!と怒りのため息をつくモルトとニールに、ガガーーン!とショックを受けたレイドは「 ・・女性・・レディ・・レディ・・ 」と何度も呟いていた。
メルもレイドと共に「 女性・・レディ・・ 」とブツブツ呟いていると、先程のキリッ!とした眉のレディと、更にもう一人のムキムキレディが巨大な樽を担いでやってくる。
もう一人のレディは、癖の強いカールの茶色い髪を後ろに一つ結んでいて、ホワッと穏やかそうな顔をしているが、やはりオーラは ” 強者 ”
そんな二人は巨大な樽をメル達のテーブルの横にボボンッ!と置く。
そしてそのまま豪快に拳で樽を割って中に波々と入っている果実ジュースをコップに掬うとメル達の前に置こうとしたのだがーーーーその前にモルトとニールが動いた。
ブタの獣人はニール、魚の獣人はモルト。
道中お互い自己紹介をし、その後二人はこの国で生まれ育った者としてメル達に最低限の人族に接するマナーなるものをしっかり教えてくれた。
女の子に触れる際は、優しく繊細に、豆腐を持ち上げる様に。
そうしなければ骨の10本くらいは折れてしまうとの事。
レイドとメルはゴクリ・・とツバを飲み込んだ。
そんなメル達を見て、二人はヤレヤレ・・と呆れた様に首を横に振り、その後も様々なことを教えてくれた。
女の子は歩くのも一苦労であるため、常にエスコートが必要。
水たまりなど、下手をすれば命に関わる事態が起きる場合もある。
故郷では雨が降り水たまりができると、即それを賭けた戦いがスタート。
その結果、大抵は強いカバや象の獣人なんかが見事その戦いを勝ち抜き、ゴロンゴロンと嬉しそうに水たまりの中を転がり回ってるものだが・・人族は死ぬこともあるそうだ。
メル達は直ぐにポケットから取り出したメモ用紙にその情報をメモした。
そうして様々な情報を聞いている内にお店の前に着くと、その全体的にピンク色をしている巨大な建物を見上げ、レイドとメルは、おおおお~・・と驚きを口にする。
壁には沢山のハートや花などのデコレーション
パッと見はおしゃれな喫茶店の様な外見だが、果たして・・?
ドキドキ・・
逸る気持ちを抑えながらレイドがドアノブに手を伸ばしたが、それに待ったを掛けるモルトとニール。
「 急に扉を開けては駄目だ。
女の子達がショック死する恐れがある! 」
「 女の子は大きな音が苦手っす!
だからまずは控えめなノックをして相手の存在を知らせないと駄目なんすよ。 」
ガガーーン!!
無意識にそんな危険な事をしてしまい、メル達がショックを受けて後ろに下がると、モルトとニールはニッコリと微笑みながら、ゆっくりと扉の前へ。
そしてゲホッと軽い咳払いをした後、コンコン・・と軽く扉をノックした、その瞬間ーーーー
ババーーーンッ!!!!
扉が吹っ飛ぶ勢いで開けられて、前にいたモルトとニールはかなり遠くまで飛ばされてしまった。
ゴロゴロと転がっていく二人を見送った後、続けて開け放たれた扉の方へ視線を向ける。
そこに立つのは ” 強者 ” と一瞬で理解する程のオーラを放つ、体格はレイドを超えるムキムキレディ。
茶色い髪は上に纏め、キリッとした眉からしっかりしてそうに見えるが優しそうな雰囲気が漂う、フリフリキラキラの可愛いメイドの様な格好をしている魅力的なレディだ。
ーーズキュンっ!!
まずは全てが大きいのが好みのレイドは、この時点でドキドキ、モジモジし、メルもホワッと漂う柔らかい匂いに同様にドキドキしていた。
「 はい、いらっしゃいませ~!
2名様ですね~。 」
ニッコニッコと眩しい笑顔で話しかけられ、レイドと二人でモジモジ、オドオドしていると、復活したモルトとニールが、すかさずサササーーッ!と近寄り「「 4名です! 」」と訂正する。
そんなモルトとニールを見下ろし、そのレディはもう一度ニッコリ笑うと、そのまま部屋の中にあるファンシーなテーブルの一角へとメル達を案内してくれた。
そうしてドリンクをオーダーすると、レディは一旦店の奥へと消えてしまったので、ふぅ・・と緊張を解き、メルは周りの様子を見渡す。
お客の殆どが獣人。
そして至る所で人族の女の子達と腕相撲やら、真ん中にあるバトルフィールドの様な場所で軽く殴り合ったり踊ったりと、随分楽しく過ごしているようだ。
それを見たメルとレイドは期待に胸を躍らせていたのだが、反対にモルトとニールは汗を掻きながら、必死に何かを探しているようだった。
「 なぁなぁ、モルトとニールはどんなメスが好きなんだ? 」
軽くそう聞いたレイドに、モルトとニールはププンッ!と湯気を頭から出して怒り出す。
「 こらっ!レイド!
女性に ” メス ” などと、面と向かって行っては失礼に当たるぞ!
女性、もしくはレディと呼ぶんだ。 」
「 そうっすよ!
女性の心はガラスよりも繊細なんすからね!
メスなんていったら失神するっす。 」
フーーッ!!と怒りのため息をつくモルトとニールに、ガガーーン!とショックを受けたレイドは「 ・・女性・・レディ・・レディ・・ 」と何度も呟いていた。
メルもレイドと共に「 女性・・レディ・・ 」とブツブツ呟いていると、先程のキリッ!とした眉のレディと、更にもう一人のムキムキレディが巨大な樽を担いでやってくる。
もう一人のレディは、癖の強いカールの茶色い髪を後ろに一つ結んでいて、ホワッと穏やかそうな顔をしているが、やはりオーラは ” 強者 ”
そんな二人は巨大な樽をメル達のテーブルの横にボボンッ!と置く。
そしてそのまま豪快に拳で樽を割って中に波々と入っている果実ジュースをコップに掬うとメル達の前に置こうとしたのだがーーーーその前にモルトとニールが動いた。
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