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第二十七章
917 出会い
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( メル )
「 うん。一緒に探そう・・相棒。 」
ーーーキリッ!
表情を引き締めてそう答えると、レイドは自分まで投げられたメルと一緒に上に飛び上がり、そのまま二人で地面に同時に着地する。
そしてまたレイドはカリカリと地面に何かの絵を書きだし「 じゃあまずは・・ 」「 こーして、あーして・・ 」「 でもこれは・・ 」などと、人族のお嫁さんを貰う方法を二人で一生懸命考えた。
そうして相談し合った結果、まず必要なのは ” 力 ” と ” 出会い ” だ!ーーーという事になり、この2つを見事に叶えてくれる人族の中学院を目指す事にしたのだ。
更に目指すのは常にNo.1!
そのため人族の中学院の中でNo.1と名高いライトノア学院に挑戦しようと二人で決めて、それからは毎日の弓の練習に加えてレイドと共に激しい戦闘訓練も開始。
それに加えてレイドは大人の狩りにまた混ざる事にして、その際はメルも当然の様に連れてかれた。
「 メルは強いから大丈夫だぜ! 」
メルを見て明らかにオロオロする大人達だったが、レイドは一切そんな視線は気にせずドンッ!と自身の胸を強く叩く。
それにムズムズ・・とまた心が疼いたが、そんな暇なくメルは一生懸命に皆についていく。
周りが止めようとしてもレイドは不思議そうな顔をするだけで、メルに対して手は抜かない。
当然の様に背中を任せてくる。
メルはその度になんだか心がムズムズ・・カユカユ・・・
そしてその不思議な感覚は、どんなに辛くて苦しくて倒れそうになってもメルを立たせ続けた。
まるで ” この先にある答えを知りたい ” そう訴える様に・・
そうしてそんな血の滲むような日々を過ごしながら迎えたライトノア学院の試験の日ーー
街では見ることの殆どなかった人族が沢山いて、メル達は夢と希望を持ちながら試験会場へと向かった。
「 本当はいい匂いの奴らに片っ端からアタックしたいけど、ここは我慢だ、メル。
なんてったって、試験にまず受からないと意味ないからな! 」
「 ・・・分かった・・! 」
レイドはキリッ!と表情を引き締め、ずんずんと迷いなく歩いていたのだが・・・
廊下で突然ピタリと足を止める。
そして前方を凝視したまま一つも音を逃すまいと犬の耳はピッ!と立ち上がり、更に尻尾ははち切れそうな程ぶんぶん!と揺れ始めた。
???
レイドのその状態を不思議に思い、その視線を追っていくとーーー
その先にいたのは四人の獣人??の男の子達で、何かを話し合っている様だったが、残念ながらメルには会話は聞こえない。
しかしレイドはバッチリ聞こえている様で、レイドは直ぐにその4人の男の子達の元へ飛んでいってしまった。
「 ハイハ~イ!!!
俺はめちゃくちゃ可愛い人族のお嫁さん欲しい!!
俺も絶対試験に受かって青春謳歌してみせるぜ! 」
右手を上げてレイドがその子達の輪に混ざると、レイドはそのままワイワイと喋りだしてしまう。
これはいつもの事だったため、メルは ” 相変わらず素早い・・ ” と思いながら、そこにメルも合流しようと歩を進めようとしたがーーーー
その四人の内の一人に視線を向けた時にピタリと止まった。
何だ・・?これは・・・??
初めて感じる嫌な感覚に震えが走る。
まるでメルの中の獣人の血が ” 近寄っては駄目だ ” と強く警告する様な感覚だった。
全身に鳥肌が立ち、更に肌をピリピリと刺激が体中に纏わりついて離れないため、落ち着こうと深く深呼吸をしながらその原因となった人物をよく観察する。
顔を全て隠す黒いフードにマント。
体格は獣人のレイドに負けず劣らずで、多分かなり強い事が伺えるが・・不思議な事にその強さを測る ” 勘 ” が全く働かず、気配すら探れない。
こんな事は初めてだった。
獣人が持つ種族特性の一つに、相手の強さや気配を鋭く察知できる能力があるのだが、これは戦闘に置いてかなり重宝されるモノで、敵に遭遇した場合はいち早くその敵の強さを察知し、戦うか撤退かの二択を決める事ができる。
更にその気配察知が早ければ、存在の回避や戦闘中なら攻撃のパターンの予測が容易になるのだが、その黒マントのヤツに対してこの特性が全く発動せず、ただ ” 逃げろ ” と伝えてくるのみ。
それが何故かは分からない。
ただーーーー・・
アレに近づいては駄目だという事だけは分かる。
それを理解したメルは急いで靴を片方脱ぐと、レイド目掛けてブンッ!!と思い切り投げつけた。
スコーーン!!
メルの投げた靴は見事レイドにヒットし、そのままレイドはバターーン!!と倒れる。
そのためメルは戻ってきた靴をキャッチしきちんと履くと、そのまま倒れているレイドを引きずってその場を離れた。
「 うん。一緒に探そう・・相棒。 」
ーーーキリッ!
表情を引き締めてそう答えると、レイドは自分まで投げられたメルと一緒に上に飛び上がり、そのまま二人で地面に同時に着地する。
そしてまたレイドはカリカリと地面に何かの絵を書きだし「 じゃあまずは・・ 」「 こーして、あーして・・ 」「 でもこれは・・ 」などと、人族のお嫁さんを貰う方法を二人で一生懸命考えた。
そうして相談し合った結果、まず必要なのは ” 力 ” と ” 出会い ” だ!ーーーという事になり、この2つを見事に叶えてくれる人族の中学院を目指す事にしたのだ。
更に目指すのは常にNo.1!
そのため人族の中学院の中でNo.1と名高いライトノア学院に挑戦しようと二人で決めて、それからは毎日の弓の練習に加えてレイドと共に激しい戦闘訓練も開始。
それに加えてレイドは大人の狩りにまた混ざる事にして、その際はメルも当然の様に連れてかれた。
「 メルは強いから大丈夫だぜ! 」
メルを見て明らかにオロオロする大人達だったが、レイドは一切そんな視線は気にせずドンッ!と自身の胸を強く叩く。
それにムズムズ・・とまた心が疼いたが、そんな暇なくメルは一生懸命に皆についていく。
周りが止めようとしてもレイドは不思議そうな顔をするだけで、メルに対して手は抜かない。
当然の様に背中を任せてくる。
メルはその度になんだか心がムズムズ・・カユカユ・・・
そしてその不思議な感覚は、どんなに辛くて苦しくて倒れそうになってもメルを立たせ続けた。
まるで ” この先にある答えを知りたい ” そう訴える様に・・
そうしてそんな血の滲むような日々を過ごしながら迎えたライトノア学院の試験の日ーー
街では見ることの殆どなかった人族が沢山いて、メル達は夢と希望を持ちながら試験会場へと向かった。
「 本当はいい匂いの奴らに片っ端からアタックしたいけど、ここは我慢だ、メル。
なんてったって、試験にまず受からないと意味ないからな! 」
「 ・・・分かった・・! 」
レイドはキリッ!と表情を引き締め、ずんずんと迷いなく歩いていたのだが・・・
廊下で突然ピタリと足を止める。
そして前方を凝視したまま一つも音を逃すまいと犬の耳はピッ!と立ち上がり、更に尻尾ははち切れそうな程ぶんぶん!と揺れ始めた。
???
レイドのその状態を不思議に思い、その視線を追っていくとーーー
その先にいたのは四人の獣人??の男の子達で、何かを話し合っている様だったが、残念ながらメルには会話は聞こえない。
しかしレイドはバッチリ聞こえている様で、レイドは直ぐにその4人の男の子達の元へ飛んでいってしまった。
「 ハイハ~イ!!!
俺はめちゃくちゃ可愛い人族のお嫁さん欲しい!!
俺も絶対試験に受かって青春謳歌してみせるぜ! 」
右手を上げてレイドがその子達の輪に混ざると、レイドはそのままワイワイと喋りだしてしまう。
これはいつもの事だったため、メルは ” 相変わらず素早い・・ ” と思いながら、そこにメルも合流しようと歩を進めようとしたがーーーー
その四人の内の一人に視線を向けた時にピタリと止まった。
何だ・・?これは・・・??
初めて感じる嫌な感覚に震えが走る。
まるでメルの中の獣人の血が ” 近寄っては駄目だ ” と強く警告する様な感覚だった。
全身に鳥肌が立ち、更に肌をピリピリと刺激が体中に纏わりついて離れないため、落ち着こうと深く深呼吸をしながらその原因となった人物をよく観察する。
顔を全て隠す黒いフードにマント。
体格は獣人のレイドに負けず劣らずで、多分かなり強い事が伺えるが・・不思議な事にその強さを測る ” 勘 ” が全く働かず、気配すら探れない。
こんな事は初めてだった。
獣人が持つ種族特性の一つに、相手の強さや気配を鋭く察知できる能力があるのだが、これは戦闘に置いてかなり重宝されるモノで、敵に遭遇した場合はいち早くその敵の強さを察知し、戦うか撤退かの二択を決める事ができる。
更にその気配察知が早ければ、存在の回避や戦闘中なら攻撃のパターンの予測が容易になるのだが、その黒マントのヤツに対してこの特性が全く発動せず、ただ ” 逃げろ ” と伝えてくるのみ。
それが何故かは分からない。
ただーーーー・・
アレに近づいては駄目だという事だけは分かる。
それを理解したメルは急いで靴を片方脱ぐと、レイド目掛けてブンッ!!と思い切り投げつけた。
スコーーン!!
メルの投げた靴は見事レイドにヒットし、そのままレイドはバターーン!!と倒れる。
そのためメルは戻ってきた靴をキャッチしきちんと履くと、そのまま倒れているレイドを引きずってその場を離れた。
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