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第二十六章

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( サイモン )


「 ーーーっ!!兄さん!! 」


リリアが直ぐに僕とナックルの間にスライム結晶を何重にも作り出したが、その全ては打ち破られ、僕の体はそのまま後ろにふっ飛ばされてしまった。


「 ーーーくっ・・!!こんの、クソ野郎! 」

僕は吹き飛ばされながらも宙でバランスを即座に取り、衝撃を逃がしながら後ろへトントンと軽く着地。

途中に地面に落ちていたダガーを拾い、両手に構えるとナックルを睨みつける。


「 クックック~。

どうだぁぁぁ??お前たちに勝ち目はもうねぇだろぉ?

今なら泣いて土下座すれば許してやらんこともないかもなぁ~。

お前たちは一生俺の為に宝石を作りだし、飽きるまでペットとして可愛く啼いていろよ。

ほら、俺の気が変わらないうちに早くしろ。 」


リリアと僕を交互に差しながら酷くご機嫌にそう言い放ったが、僕はおかしくておかしくてプッ!と吹き出した。

それを見て怪訝そうな様子のナックルを見下す様な目で見ながら、ニヤッと笑ってやる。


「 あいにく僕には最高にカッコいいリーフ様っていう御主人様がいるのでぇ~。

リーフ様の足元どころか地中にすらいないゴミ男のペットになんかなるわけないでしょ?

冗談はその気色悪い顔とファッションだけにして? 」


そう言い放った瞬間、ブチィィィィーーー!!!と額に走る血管のいくつかが切れる音がした。


「 こんのぉぉっーーー!!!クソ猫がぁぁぁーー!!! 」


大声で怒鳴り散らしたナックルはサーベルを勢いよく地面に突き刺す。



<曲剣士の資質>(ノーマル固有スキル)


< 剣山道中( 強 ) >

剣を刺した場所を中心に地面から剣を出現させて敵を串刺しにする広範囲攻撃スキル。

攻撃威力は攻撃力、魔力量、攻撃範囲は体力、操作性は魔力操作に左右される

( ◆◆◆の効果により一時的に威力が極大UP )


(発現条件) 

一定以上の攻撃力、体力、魔力、魔力操作を持つ事

一定回数以上剣での戦闘経験と勝利経験を持つ事( パーティーも可 )

更に剣による突き攻撃で相手の命を奪う事( パーティーも可 )



地面から突き出てきた剣は、あっという間に僕とリリアを襲う。

剣は僕たちの体を次々と貫通し体中に穴が開いてしまうと、血がぶしゃッーーーと勢いよく吹き出した。

そして剣に串刺しになったままピクピクと痙攣する僕たちを見て、ナックルは大笑いする。


「 あ~ーはっはっはっーーー!!!!穴だらけになっちまったなぁぁ?

処女貫通おめでとさぁぁ~ん♡

ぶっといのが奥まで刺さって気持ちよくて逝っちまったかぁぁ~? 」


ご機嫌で掛けられる言葉に答える声はなく、シーーン・・としてしまったその場で、ナックルは真っ黒に染まった空を見上げた。


「 俺の勝ちぃぃぃぃーーーーー!!!!

やった、やった、やったーーー!!!

これから俺に逆らう奴は皆殺しぃぃぃ~♬

このすげぇ力と報酬で、俺は誰よりも上へ上へ!!のし上がって見せるぜぇーーー!! 」


ナックルはヒィヒィと荒い息を吐き出しながら、両手を真っ黒い空に掲げ何かを掴みとろうとする仕草を見せる。


「 この黒い空は、俺を祝福する証拠っ!!

全てを覆い尽くし、奪い尽くせという神様からの啓示なりぃぃぃ~。

俺は神に愛された男!!特別な人間になったんだぁぁぁーーー!!!

金ぇぇ~名誉ぉぉ~地位!宝石ぃぃぃ~力ぁ~女ぁぁ~~!

全部全部俺のモンだーーー!!!

俺はこれからも誰もが羨む幸せの中、生きていってやーーーーーー 」


「 ・・・きっもっ。 」


半分以上トリップしちゃっているナックルの後ろにしゃがみ込んでいた僕は、耐えきれずボソッと呟く。

すると、ナックルは驚いた様子で体を震わせ、慌てて後ろを振り向こうとしたが、それより早く、僕のタガーの柄がナックルのお尻目掛けて一直線。


ズブーーーーッ!!


気色悪い音と感触と共にタガーの柄はナックルの中へ深く ” お邪魔します ” すると、ナックルはーーー

「 い”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁーーーーっ!!!!! 」

今までで一番と言える絶叫をあげた。


そしてそのまま前にズダーーン!!と倒れ込むと、タガーが刺さっているお尻部分の服がジワジワ~と鮮血で汚れていく。

それを見下ろしながら、その気持ち悪さに、うわ~・・と顔を顰めた。

目の前にはお尻にタガーを刺したまま土下座するように倒れピクピクしているナックル。

その姿はまるで一輪の花を挿した花瓶の様であった。


「 はい、処女貫通おめでとぉ~。

貴重な処女を貰っちゃってごっめぇぇ~ん。( 棒読み )

貰った感想は ” 気持ち悪かった ” かな~?

リリア~アレ、もう汚くて使えないから、新しいタガー作ってぇぇ~。 」


「 ・・兄さん・・。 」


ナックルのお尻に刺さっているタガーを指差しそう言うと、リリアは心底呆れた様な顔を見せたが、渋々作ってくれた。

作って貰ったタガーをパシッと手に取って構えると、やっと衝撃から立ち直ったらしいナックルがヨロヨロと立ち上がり、お尻に刺さっていたタガーを乱暴に引き抜いて投げ捨てる。


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