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第二十一章
730 無情な現実
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( リーフ )
そこには以前見同様、王族の色とされる金色の髪に透き通る様な青い目を持つ絶世の美少年< リーフ >が優雅に足を組んでソファーに座っている。
そしてその周りを囲う様に沢山の【 中継映像体 】が宙に浮かんでおり、そのPCの画面の様なスクリーンにはそれぞれ別の映像が絶え間なく流れていた。
< 中継映像体 >
親指サイズの球状の魔導具。2対セットで一方は手元用、そして小さな羽が付いているもう一方は飛ばして使う。
飛ばした場所から見える視覚は手元にある方の中継映像体の四角い画面へと絶え間なく送られ、現状を画像として映し出すことができる。
しかし魔導具の制作者のレベルを反映するため、その使用時間や使用可能距離はまちまち、かつ消費魔力量も変わる。
一体何が写っているのか?
フッと疑問に思い、10は越えているそのスクリーン全てに目を走らせると・・
なんとその全てに現在グリモア各所で起こっているであろう惨劇が映し出されていて、俺は顔を歪ませた。
直ぐにそんな残酷な映像を微笑みながら見つめる< リーフ >を睨みつけると、その後ろには以前見た夢と同じ様に薄っすら笑顔を貼り付けたモルトとニールが。
そしてーーーー
無表情で佇むマリオンもいる事に気がついた。
4人は揃ってスクリーンを見ていたが、モルト、ニール、マリオンは無感情でそれを見ているのに対し、リーフだけはまるで鼻歌でも歌い出しそうなくらい上機嫌でそれを見上げている。
それがチグハグで何とも言えない独特の気持ち悪さを漂わせていた。
更にリーフはグリモアで戦う人たちが懸命に戦い命を散らしていく様を見ては、腹を抱えて大笑いしながら拍手まで送っている。
その笑顔は外面だけ見たら非常に美しいモノのはずなのに、俺にはそれが酷く醜いものにしか見えなかった。
そして< リーフ >はやっと笑いが収まってきた頃、目尻に溜まっていた涙を指で拭いながら、後ろにいる3人に話しかける。
「 おい、見てみろよ。あの必死な姿!どうせ誰も助からないのにさぁ。
ほらほら~あの逃げ惑う姿も見てみろよ。
まるで虫そのものじゃないかっ!! 」
スクリーンを指差し、また耐えきれない!と言わんばかりに大笑い。
それを薄っすら笑顔を貼り付けたモルトとニール、そして無表情のマリオンが黙って見守る。
そしてリーフは笑い続け、それを止めると、フッ・・とマリオンに視線を向けた。
「 マリオン。例の魔導具はちゃんと教会に仕掛けたか? 」
マリオンは一瞬肩をピクッ・・と動かした後、依然無表情を保ったまま「 はい・・。 」と淡々と返事を返した。
それを聞いたリーフは首を僅かに傾けながらニコッと笑うと、そのままソファから立ち上がりマリオンの眼の前に立つ。
そして人差し指でトントンッと自身の頬を叩きマリオンの顔を覗き込むと「 やれ。 」と優しく、しかしNOを言わせぬ威圧感を滲ませて命令した。
するとマリオンは今までの無表情を崩し大きく歪ませた後、汗を大量に掻き始め、体を震わせ固まってしまう。
その様子を満足そうに上から下まで眺めながら、< リーフ >は静かにーーー
「 やれ。 」
・・・ともう一度命じた。
するとマリオンはガタガタ震える手でゆっくりと上着のポケットから小さなスイッチの様な物を取り出すと、 " はぁ~・・はぁ~ " ・・・と尋常ではない息を吐きながら、そのスイッチをーーーゆっくりと押した。
するとーーーー
ドンッ!ドンッ!ドンッ!!
断続的な爆発音が宙に浮かぶスクリーンの一つ、教会が映し出されていた映像から聞こえると、一瞬視界が舞い上がった砂ホコリによって見えなくなった後、そこに沢山のモンスター達の姿が現れた。
あれは・・< モンスターボックス >か!!!!
< モンスターボックス >
多次元空間を檻の様に加工しモンスターを閉じ込めておく事のできる空間に仕上げた特殊魔導具。
制作は非常に難しく、更に閉じ込められるモンスターのレベルは制作者のレベルに大きく左右されるためレベルが低ければGランクモンスターすら閉じ込められない。
その閉じ込めておける耐久性も制作者のレベルによる。
また空間系スキルを扱う事のできる資質の者の中では稀にこれを使える者も存在するが、正常に使える者はほんの僅かである。
出てきたモンスターのレベルは良くてFランク。
戦闘職なら大したことない強さであるが、それが多数、しかも教会の中には避難してきた一般人とけが人達、それにリーンちゃんやナッツちゃんを始めとする子供達ーーー
戦闘員など一人もいない!
「 ばっ、ばかやろおぉぉっーーーーー!!!!! 」
俺は< リーフ >を睨みつけ大声で怒鳴りつけたが全く聞こえていない様子で、無情にもスクリーンに映されているモンスターの大群達は教会を襲い始めた。
建物が壊される破壊音と悲鳴でその場は一杯になり、逃げようとしても逃げ切れる事などできずに次々と喰われていく街の人たち。
そのあまりにも酷い光景に俺は目を背け、直ぐに< リーフ >を睨みつけた。
そこには以前見同様、王族の色とされる金色の髪に透き通る様な青い目を持つ絶世の美少年< リーフ >が優雅に足を組んでソファーに座っている。
そしてその周りを囲う様に沢山の【 中継映像体 】が宙に浮かんでおり、そのPCの画面の様なスクリーンにはそれぞれ別の映像が絶え間なく流れていた。
< 中継映像体 >
親指サイズの球状の魔導具。2対セットで一方は手元用、そして小さな羽が付いているもう一方は飛ばして使う。
飛ばした場所から見える視覚は手元にある方の中継映像体の四角い画面へと絶え間なく送られ、現状を画像として映し出すことができる。
しかし魔導具の制作者のレベルを反映するため、その使用時間や使用可能距離はまちまち、かつ消費魔力量も変わる。
一体何が写っているのか?
フッと疑問に思い、10は越えているそのスクリーン全てに目を走らせると・・
なんとその全てに現在グリモア各所で起こっているであろう惨劇が映し出されていて、俺は顔を歪ませた。
直ぐにそんな残酷な映像を微笑みながら見つめる< リーフ >を睨みつけると、その後ろには以前見た夢と同じ様に薄っすら笑顔を貼り付けたモルトとニールが。
そしてーーーー
無表情で佇むマリオンもいる事に気がついた。
4人は揃ってスクリーンを見ていたが、モルト、ニール、マリオンは無感情でそれを見ているのに対し、リーフだけはまるで鼻歌でも歌い出しそうなくらい上機嫌でそれを見上げている。
それがチグハグで何とも言えない独特の気持ち悪さを漂わせていた。
更にリーフはグリモアで戦う人たちが懸命に戦い命を散らしていく様を見ては、腹を抱えて大笑いしながら拍手まで送っている。
その笑顔は外面だけ見たら非常に美しいモノのはずなのに、俺にはそれが酷く醜いものにしか見えなかった。
そして< リーフ >はやっと笑いが収まってきた頃、目尻に溜まっていた涙を指で拭いながら、後ろにいる3人に話しかける。
「 おい、見てみろよ。あの必死な姿!どうせ誰も助からないのにさぁ。
ほらほら~あの逃げ惑う姿も見てみろよ。
まるで虫そのものじゃないかっ!! 」
スクリーンを指差し、また耐えきれない!と言わんばかりに大笑い。
それを薄っすら笑顔を貼り付けたモルトとニール、そして無表情のマリオンが黙って見守る。
そしてリーフは笑い続け、それを止めると、フッ・・とマリオンに視線を向けた。
「 マリオン。例の魔導具はちゃんと教会に仕掛けたか? 」
マリオンは一瞬肩をピクッ・・と動かした後、依然無表情を保ったまま「 はい・・。 」と淡々と返事を返した。
それを聞いたリーフは首を僅かに傾けながらニコッと笑うと、そのままソファから立ち上がりマリオンの眼の前に立つ。
そして人差し指でトントンッと自身の頬を叩きマリオンの顔を覗き込むと「 やれ。 」と優しく、しかしNOを言わせぬ威圧感を滲ませて命令した。
するとマリオンは今までの無表情を崩し大きく歪ませた後、汗を大量に掻き始め、体を震わせ固まってしまう。
その様子を満足そうに上から下まで眺めながら、< リーフ >は静かにーーー
「 やれ。 」
・・・ともう一度命じた。
するとマリオンはガタガタ震える手でゆっくりと上着のポケットから小さなスイッチの様な物を取り出すと、 " はぁ~・・はぁ~ " ・・・と尋常ではない息を吐きながら、そのスイッチをーーーゆっくりと押した。
するとーーーー
ドンッ!ドンッ!ドンッ!!
断続的な爆発音が宙に浮かぶスクリーンの一つ、教会が映し出されていた映像から聞こえると、一瞬視界が舞い上がった砂ホコリによって見えなくなった後、そこに沢山のモンスター達の姿が現れた。
あれは・・< モンスターボックス >か!!!!
< モンスターボックス >
多次元空間を檻の様に加工しモンスターを閉じ込めておく事のできる空間に仕上げた特殊魔導具。
制作は非常に難しく、更に閉じ込められるモンスターのレベルは制作者のレベルに大きく左右されるためレベルが低ければGランクモンスターすら閉じ込められない。
その閉じ込めておける耐久性も制作者のレベルによる。
また空間系スキルを扱う事のできる資質の者の中では稀にこれを使える者も存在するが、正常に使える者はほんの僅かである。
出てきたモンスターのレベルは良くてFランク。
戦闘職なら大したことない強さであるが、それが多数、しかも教会の中には避難してきた一般人とけが人達、それにリーンちゃんやナッツちゃんを始めとする子供達ーーー
戦闘員など一人もいない!
「 ばっ、ばかやろおぉぉっーーーーー!!!!! 」
俺は< リーフ >を睨みつけ大声で怒鳴りつけたが全く聞こえていない様子で、無情にもスクリーンに映されているモンスターの大群達は教会を襲い始めた。
建物が壊される破壊音と悲鳴でその場は一杯になり、逃げようとしても逃げ切れる事などできずに次々と喰われていく街の人たち。
そのあまりにも酷い光景に俺は目を背け、直ぐに< リーフ >を睨みつけた。
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