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第二十章
708 楽しみな事
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( アゼリア )
「 思う事かい?・・そうだねぇ~?
まぁ、一番は感謝だね!
彼らは本当によくしてくれてるよ。
お陰でレオンもこんなに大きくなったし・・
あ、そういえば俺、その人たちに会った事ないんだけどアゼリアちゃんは会った事ある? 」
「 えっ??・・は、はい。何度かお会いした事はあります。 」
「 そっかそっか~。
ーーーで、大丈夫そうな様子だった?
こう・・ちょっと精神的に不味そうな感じとかありそうだったかな?
とりあえず家族仲は良いってジェニファーちゃんが言ってたから安心していたんだけど・・
ほらっ、あらぬ誤解で周りに酷い事言われているんじゃないかってちょっと心配はしているんだ。 」
心配、しんぱ~い!と言わんばかりに困った顔で首を振るリーフ様に目が点に。
逆に心配している・・と会話の主旨を見失いそうになったが頭をフル回転して再度質問を投げかけた。
「 あ、あの!リーフ様は何故そんなに強く心を持っていられるのでしょうか?
・・私は・・ずっと不義の子である自分を責めてきました。
母は私を身ごもったせいで身一つで追い出されて・・そして生活に困り私をレイモンド家に預けました。
その時交わされた契約により、私がレイモンド家に籍を置いている限り二度と母には会えません。
私は家族が欲しかった。
だから今でもどうすれば良かったのかと思ってます。
リーフ様は・・私はどうすれば良かったと思いますか? 」
一度堰を切ったように話だしたら止まらなくなってしまい、怒涛の如く喋ってしまった・・
自分の胸につかえていた事を全て吐き出してしまい我にかえると恥ずかしくて下を向く。
シン・・と静まり帰った教会にドキドキという自分の鼓動の音だけが響いたが、やがてストンっ・・とリーフ様が床に着地した音が聞こえた。
直ぐにソロっ・・と視線を上げるとリーフ様は笑顔で大きく頷いた。
「 よしっ!分かった!!そいつら全員ぶっ飛ばそう!! 」
「 は・・はい??? 」
ポカンとする私、ソフィア様、ヨセフ司教の眼の前でリーフ様は腰に差した剣の状態を念入りにチェック。
そして「 行くぞ!レオン!! 」と行って走り出そうとするので慌てて三人掛かりで羽交い締めにして止める。
「 リ、リーフ様!!落ち着いて下さい!! 」
ズルズルと引きづられながら私が叫ぶと、同じく引きずられているソフィア様とヨセフ司教も同じく叫ぶ。
「 如何に公爵家と言えども大問題になります!どうか落ち着いて下さい!
もっと分かりにくいやり方で復讐してやりましょう! 」
「 そ、そうですよ!!やるならもっとバレない様に!そしてチクチクと追い詰めましょうよ~。
っていうかリーフ君、結構血の気が多いんですね!そういうの好き!! 」
ワーワー騒ぐ私達にムッ!!とした顔で見下ろすレオンが非常に怖かったが、それどころではない私達は頑張った。
そしてその甲斐あってか、リーフ様はやっと止まってくれてそれにホッしたのも束の間ーー
突然クルッと私の方を向くと、ギュッ!と私の両手を強く握ってきた。
「 どんなに欲しくても手に入らないものって結構沢山あるんだ。
悲しいけどそれを手に入れたくて努力する姿って俺はカッコいいと思う!
頑張って頑張ってどうしても駄目だったら・・それまでに手に入れたものを全部持って新しいものを探しにいけばいいさ。
きっと楽しいよ。 」
「 ! 」
” 今までの自分も持ったまま新しいものを探しにいく ”
誰もが今までの自分をいらないものとして未来の話をするというのに、過去の私も連れて行けばいいと言われ、胸に熱いものが宿る。
キラキラと輝き出す瞳をリーフ様に向けると、リーフ様はニヤリと笑いながら続けて言った。
「 それが見つかったら、あとすべきことは見つけたモノを大事にする事と、いかにお父さん達をぶっ飛ばしてやるかだけだね。
やられた分はきっちり返す!
それからそいつらとどう関わっていくのかを決めたらいい。 」
リーフ様がそう言い終わるか否かのタイミングでレオンにベリッ!とリーフ様を奪われしてしまったが、私は握られていた手をジッ・・と見下ろした。
愛情を置いていってくれた母、私を一番に見つけてくれて救ってくれたソフィア様、安否を心配して駆けつけてくれる仲間達。
私はもう手に入れてしまったから、これから考えるべきは皆を大事にすること、そして如何にあのクズ共をぶっ飛ばしてやるか、それだけか・・
離されて寒くなったはずの両手がポカポカと暖かくなってきて、私はその手をグッと握った。
とりあえず今までやられた分を返す。
どう付き合っていくかはそれから決めればいい。
許すか、許さないのかをーーー。
酷く明快で単純な解決方法にワクワクした気持ちになる。
「 その通りでした。
いつかあのクズ共を血祭りに上げてやります。
・・その日が楽しみです。 」
ニヤッと酷く好戦的な笑みを浮かべながらそう言うとソフィア様が困った様な、でも少し嬉しそうな顔を見せる。
リーフ様は、レオンにまた羽交い締めにされながらも「 そうそう!その意気だ!えいえい、おーー!!! 」と言いながら、必死にはみ出た手をくぃくぃ動かしてエールを送ってくれた。
「 思う事かい?・・そうだねぇ~?
まぁ、一番は感謝だね!
彼らは本当によくしてくれてるよ。
お陰でレオンもこんなに大きくなったし・・
あ、そういえば俺、その人たちに会った事ないんだけどアゼリアちゃんは会った事ある? 」
「 えっ??・・は、はい。何度かお会いした事はあります。 」
「 そっかそっか~。
ーーーで、大丈夫そうな様子だった?
こう・・ちょっと精神的に不味そうな感じとかありそうだったかな?
とりあえず家族仲は良いってジェニファーちゃんが言ってたから安心していたんだけど・・
ほらっ、あらぬ誤解で周りに酷い事言われているんじゃないかってちょっと心配はしているんだ。 」
心配、しんぱ~い!と言わんばかりに困った顔で首を振るリーフ様に目が点に。
逆に心配している・・と会話の主旨を見失いそうになったが頭をフル回転して再度質問を投げかけた。
「 あ、あの!リーフ様は何故そんなに強く心を持っていられるのでしょうか?
・・私は・・ずっと不義の子である自分を責めてきました。
母は私を身ごもったせいで身一つで追い出されて・・そして生活に困り私をレイモンド家に預けました。
その時交わされた契約により、私がレイモンド家に籍を置いている限り二度と母には会えません。
私は家族が欲しかった。
だから今でもどうすれば良かったのかと思ってます。
リーフ様は・・私はどうすれば良かったと思いますか? 」
一度堰を切ったように話だしたら止まらなくなってしまい、怒涛の如く喋ってしまった・・
自分の胸につかえていた事を全て吐き出してしまい我にかえると恥ずかしくて下を向く。
シン・・と静まり帰った教会にドキドキという自分の鼓動の音だけが響いたが、やがてストンっ・・とリーフ様が床に着地した音が聞こえた。
直ぐにソロっ・・と視線を上げるとリーフ様は笑顔で大きく頷いた。
「 よしっ!分かった!!そいつら全員ぶっ飛ばそう!! 」
「 は・・はい??? 」
ポカンとする私、ソフィア様、ヨセフ司教の眼の前でリーフ様は腰に差した剣の状態を念入りにチェック。
そして「 行くぞ!レオン!! 」と行って走り出そうとするので慌てて三人掛かりで羽交い締めにして止める。
「 リ、リーフ様!!落ち着いて下さい!! 」
ズルズルと引きづられながら私が叫ぶと、同じく引きずられているソフィア様とヨセフ司教も同じく叫ぶ。
「 如何に公爵家と言えども大問題になります!どうか落ち着いて下さい!
もっと分かりにくいやり方で復讐してやりましょう! 」
「 そ、そうですよ!!やるならもっとバレない様に!そしてチクチクと追い詰めましょうよ~。
っていうかリーフ君、結構血の気が多いんですね!そういうの好き!! 」
ワーワー騒ぐ私達にムッ!!とした顔で見下ろすレオンが非常に怖かったが、それどころではない私達は頑張った。
そしてその甲斐あってか、リーフ様はやっと止まってくれてそれにホッしたのも束の間ーー
突然クルッと私の方を向くと、ギュッ!と私の両手を強く握ってきた。
「 どんなに欲しくても手に入らないものって結構沢山あるんだ。
悲しいけどそれを手に入れたくて努力する姿って俺はカッコいいと思う!
頑張って頑張ってどうしても駄目だったら・・それまでに手に入れたものを全部持って新しいものを探しにいけばいいさ。
きっと楽しいよ。 」
「 ! 」
” 今までの自分も持ったまま新しいものを探しにいく ”
誰もが今までの自分をいらないものとして未来の話をするというのに、過去の私も連れて行けばいいと言われ、胸に熱いものが宿る。
キラキラと輝き出す瞳をリーフ様に向けると、リーフ様はニヤリと笑いながら続けて言った。
「 それが見つかったら、あとすべきことは見つけたモノを大事にする事と、いかにお父さん達をぶっ飛ばしてやるかだけだね。
やられた分はきっちり返す!
それからそいつらとどう関わっていくのかを決めたらいい。 」
リーフ様がそう言い終わるか否かのタイミングでレオンにベリッ!とリーフ様を奪われしてしまったが、私は握られていた手をジッ・・と見下ろした。
愛情を置いていってくれた母、私を一番に見つけてくれて救ってくれたソフィア様、安否を心配して駆けつけてくれる仲間達。
私はもう手に入れてしまったから、これから考えるべきは皆を大事にすること、そして如何にあのクズ共をぶっ飛ばしてやるか、それだけか・・
離されて寒くなったはずの両手がポカポカと暖かくなってきて、私はその手をグッと握った。
とりあえず今までやられた分を返す。
どう付き合っていくかはそれから決めればいい。
許すか、許さないのかをーーー。
酷く明快で単純な解決方法にワクワクした気持ちになる。
「 その通りでした。
いつかあのクズ共を血祭りに上げてやります。
・・その日が楽しみです。 」
ニヤッと酷く好戦的な笑みを浮かべながらそう言うとソフィア様が困った様な、でも少し嬉しそうな顔を見せる。
リーフ様は、レオンにまた羽交い締めにされながらも「 そうそう!その意気だ!えいえい、おーー!!! 」と言いながら、必死にはみ出た手をくぃくぃ動かしてエールを送ってくれた。
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