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第二十章
688 卵の危機
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( リーフ )
「 あたしにプレゼントだって?
おやまぁ、嬉しいことしてくれるじゃないか!ありがとよ。 」
【 森の恵み 】に着いた俺は早速マリンさんにリーンちゃんとナッツちゃんが選んでくれた貝殻の形のキーホルダーを渡した。
「 いえいえ~いつもの美味しいご飯のお礼に~。 」
俺はモジモジしながらデロロ~ンと表情を崩す。
喜んで貰えて良かった~
それに・・
ーーちらっ・・
いつも鉄壁のディフェンスをしてくるレオンの方に視線を送ると、レオンはドレスが包まれた紙袋をうっとりと眺めているため邪魔してこない。
レオン凄く嬉しそ~。
何だかんだでお出かけして楽しかった様だ。
ホクホクしながら時計をフッと見ると、まだ三時を過ぎた所。
とりあえずこれから冒険者ギルドで依頼を受けようかな?と考え、レオンに伝えてみると当然の如く行く気満々でドレスを多次元ボックスに入れる。
そしてマリンさんに「 夕方また来ま~す! 」と伝えると、マリンさんはニカッ!と笑いながら籠一杯の卵を見せてきた。
「 フッフッフ~!
今日は新鮮で美味しい卵が沢山手に入ったから、今日の夕飯は卵オムレツにするからね!
これもどっかの誰かさんが< カメレオン・ヘビ >を討伐してくれたお陰さね。 」
そう言いながらマリンさんは俺とレオンに向かってバチンッとウィンクをしてきた。
< カメレオン・ヘビ >
体長1mほどのヘビの身体に目はカメレオンのヘビ型Gランクモンスター。
擬態を得意とし背景に溶け込んでしまうため目視での発見は不可能かつ動きが非常に素早いスピード特化のため討伐は非常に困難である。
卵が大好物で養鶏場の鶏の卵を食べてしまう事から養鶏場にとっては天敵といえるモンスターである。
カメレオン・ヘビは群れを作らずソロで襲ってくるのが基本だが、ここグリモアではそれがモンスター増加により集団化、そのせいで養鶏場は大打撃を受け困っている様子であった。
とにかくスピードが早く背景に溶け込んでしまうこのモンスターは、討伐ともなればおそらくはDランク相当。
更にそれが集団化となれば中々対処する事ができずにやはり長らく放置されていた依頼としてギルドのボードに張ってあった。
そのため少し前に俺とレオンでその依頼を受ける事にしたのだ。
そうして早速その依頼を受け養鶏場に着いた俺達は、まず養鶏場の人たちによるお祈りによってお出迎えされる。
ナムム~と拝まれた後、ポカンとする俺に養鶏場の人たちは更にお供え?の様にキラキラの器に入ったふわふわ卵の小麦焼きを差し出してきたため、とりあえず俺はそれをパクリッと食べてうまうま~!した。
そして後ろのレオンにもそれを食べさせてあげていると、さめざめと養鶏場の人たちは語りだす。
「 今までは何とか定期的な依頼を出したり、魔導具を駆使して追い払ったりしてきたんです。
でも、このモンスターの異常発生からそんなものではどうしようもなくなってしまって・・
やつらは卵だけでは足りずに鶏も食べていくのでほとんどがいなくなりました。
もうウチの養鶏場はお終いです~!! 」
うおおおん!と男泣きする男の後ろには、食べられてしまった鶏の遺品??か、鶏の羽をモジャっと持った人たちと何だか悲しそうな顔に見えなくもない鶏とヒヨコ数羽がウロウロしている!
ぴよぴよヨチヨチとあるき回るヒヨコに、これは大変だ!と危機感を抱くと共に、養鶏場の皆さんの涙ぐましい努力にブワッ!と涙が・・
しかも畑の野菜復活でやっと経営が立て直せる!と思った矢先の出来事だったため、随分必死に頑張った様だ。
それは全員の身体には何処かしら包帯が巻かれ全身小さな傷に痣だらけなのが証明している。
それを見て更に感動した俺は、よ~し!と気合を入れて胸をドンッ!と叩いた。
「 前に貰った卵美味しかったよ!本当にありがとう!
そんな美味しい卵が無くなったら大変だ。
モンスター倒して鶏さん達の敵を討つぞーー!! 」
最後は、おーー!と手を上にあげて叫ぶと、養鶏場の人たちはウルッと目を潤ませ、おおーー!と叫び、その後すぐにダダッ!と散り散りに走っていく。
そして何処からか持ってきたらしい木の棒や箒、包丁や肉たたき棒などなどを装備してスタンバイ。
鶏とヒヨコはい草の様なものを咥えて戻ってきて ” 食べる~? ” と言わんばかりに俺に差し出してくるので「 ありがとう! 」と言ってとりあえずムシャムシャと食べておいた。
そうして俺は巨大な養鶏場を見渡し魔力反応を探り始めたのだが・・
確かに凄い数のモンスターの存在を感じるが魔力反応も消えては出て、消えては出てで非常に居場所が掴みにくい。
カメレオン・ヘビの一番厄介な所はここで、多分阻害系スキルに近い性質を持っているためか、魔力反応すら消す事もできる。
そうなると手当たりしだい攻撃し、一瞬感じた魔力反応に向かって攻撃するのがセオリーなのだが・・
なんと俺、これに非常に適したスキルを持っているのだ。
俺はフッフッフ~と不敵に笑いながらスキルを発動した。
「 あたしにプレゼントだって?
おやまぁ、嬉しいことしてくれるじゃないか!ありがとよ。 」
【 森の恵み 】に着いた俺は早速マリンさんにリーンちゃんとナッツちゃんが選んでくれた貝殻の形のキーホルダーを渡した。
「 いえいえ~いつもの美味しいご飯のお礼に~。 」
俺はモジモジしながらデロロ~ンと表情を崩す。
喜んで貰えて良かった~
それに・・
ーーちらっ・・
いつも鉄壁のディフェンスをしてくるレオンの方に視線を送ると、レオンはドレスが包まれた紙袋をうっとりと眺めているため邪魔してこない。
レオン凄く嬉しそ~。
何だかんだでお出かけして楽しかった様だ。
ホクホクしながら時計をフッと見ると、まだ三時を過ぎた所。
とりあえずこれから冒険者ギルドで依頼を受けようかな?と考え、レオンに伝えてみると当然の如く行く気満々でドレスを多次元ボックスに入れる。
そしてマリンさんに「 夕方また来ま~す! 」と伝えると、マリンさんはニカッ!と笑いながら籠一杯の卵を見せてきた。
「 フッフッフ~!
今日は新鮮で美味しい卵が沢山手に入ったから、今日の夕飯は卵オムレツにするからね!
これもどっかの誰かさんが< カメレオン・ヘビ >を討伐してくれたお陰さね。 」
そう言いながらマリンさんは俺とレオンに向かってバチンッとウィンクをしてきた。
< カメレオン・ヘビ >
体長1mほどのヘビの身体に目はカメレオンのヘビ型Gランクモンスター。
擬態を得意とし背景に溶け込んでしまうため目視での発見は不可能かつ動きが非常に素早いスピード特化のため討伐は非常に困難である。
卵が大好物で養鶏場の鶏の卵を食べてしまう事から養鶏場にとっては天敵といえるモンスターである。
カメレオン・ヘビは群れを作らずソロで襲ってくるのが基本だが、ここグリモアではそれがモンスター増加により集団化、そのせいで養鶏場は大打撃を受け困っている様子であった。
とにかくスピードが早く背景に溶け込んでしまうこのモンスターは、討伐ともなればおそらくはDランク相当。
更にそれが集団化となれば中々対処する事ができずにやはり長らく放置されていた依頼としてギルドのボードに張ってあった。
そのため少し前に俺とレオンでその依頼を受ける事にしたのだ。
そうして早速その依頼を受け養鶏場に着いた俺達は、まず養鶏場の人たちによるお祈りによってお出迎えされる。
ナムム~と拝まれた後、ポカンとする俺に養鶏場の人たちは更にお供え?の様にキラキラの器に入ったふわふわ卵の小麦焼きを差し出してきたため、とりあえず俺はそれをパクリッと食べてうまうま~!した。
そして後ろのレオンにもそれを食べさせてあげていると、さめざめと養鶏場の人たちは語りだす。
「 今までは何とか定期的な依頼を出したり、魔導具を駆使して追い払ったりしてきたんです。
でも、このモンスターの異常発生からそんなものではどうしようもなくなってしまって・・
やつらは卵だけでは足りずに鶏も食べていくのでほとんどがいなくなりました。
もうウチの養鶏場はお終いです~!! 」
うおおおん!と男泣きする男の後ろには、食べられてしまった鶏の遺品??か、鶏の羽をモジャっと持った人たちと何だか悲しそうな顔に見えなくもない鶏とヒヨコ数羽がウロウロしている!
ぴよぴよヨチヨチとあるき回るヒヨコに、これは大変だ!と危機感を抱くと共に、養鶏場の皆さんの涙ぐましい努力にブワッ!と涙が・・
しかも畑の野菜復活でやっと経営が立て直せる!と思った矢先の出来事だったため、随分必死に頑張った様だ。
それは全員の身体には何処かしら包帯が巻かれ全身小さな傷に痣だらけなのが証明している。
それを見て更に感動した俺は、よ~し!と気合を入れて胸をドンッ!と叩いた。
「 前に貰った卵美味しかったよ!本当にありがとう!
そんな美味しい卵が無くなったら大変だ。
モンスター倒して鶏さん達の敵を討つぞーー!! 」
最後は、おーー!と手を上にあげて叫ぶと、養鶏場の人たちはウルッと目を潤ませ、おおーー!と叫び、その後すぐにダダッ!と散り散りに走っていく。
そして何処からか持ってきたらしい木の棒や箒、包丁や肉たたき棒などなどを装備してスタンバイ。
鶏とヒヨコはい草の様なものを咥えて戻ってきて ” 食べる~? ” と言わんばかりに俺に差し出してくるので「 ありがとう! 」と言ってとりあえずムシャムシャと食べておいた。
そうして俺は巨大な養鶏場を見渡し魔力反応を探り始めたのだが・・
確かに凄い数のモンスターの存在を感じるが魔力反応も消えては出て、消えては出てで非常に居場所が掴みにくい。
カメレオン・ヘビの一番厄介な所はここで、多分阻害系スキルに近い性質を持っているためか、魔力反応すら消す事もできる。
そうなると手当たりしだい攻撃し、一瞬感じた魔力反応に向かって攻撃するのがセオリーなのだが・・
なんと俺、これに非常に適したスキルを持っているのだ。
俺はフッフッフ~と不敵に笑いながらスキルを発動した。
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