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第十九章
684 イメージ変わる〜
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( リーフ )
目を見開いて驚くルルちゃんはその後、体を丸めて「 む、無抵抗・・ 」「 無理やりも・・あり~・・ 」と何やらブツブツ・・
とりあえずは嬉しそうな雰囲気だけはプンプンと漂ってきたので大丈夫そうだと、視線をレオンへと移す。
すると、こっちはこっちでオドオドビクビクしていて、どうやら女の子だらけのこの場所の居心地がそうとう悪い様子。
確かにレオンは男ということを差し引いてもここでも非常に目立っているのでその気持ちは分かるが・・
せっかく来たのでその目的を是非達成して欲しいと考えた俺は、意を決してそんなレオンに話しかける。
「 さぁ、レオン。好きなお洋服を見つけて持っておいで。
何でもいいからね。 」
「 えっ?!俺が選んでも・・いいのですか? 」
パァッと電気がつくように明るくなるレオンの雰囲気。
嬉しくて嬉しくても堪らない様子に俺もとても嬉しい気持ちになった。
「 もちろんだよ!
白いドレスでも何でも!好きなのを選んでいいからね。
レオンが選ぶ事に意味があるんだから! 」
「 白いドレス・・俺が選ぶことに意味が・・
~~っ・・・はい・・! 」
レオンはムワンムワンと喜びオーラを滲ませ俺の前髪をちょいちょい摘んでイジイジ弄ぶ。
「 絶対に似合うドレスを・・選びます。 」
意を決した様な表情でそう言い残し、レオンはど真ん中のエリアへと向かって行った。
まるで今から戦場に行くかの様な雰囲気に、やれやれ・・とため息。
真面目なレオンは一切手を抜かずにドレスを選んでくるらしいので、それまでゆっくり待とう~。
妥協は絶対にしないだろうから多分時間かかるだろうし・・
今までの思い出からそう結論を出した俺は、次にキャイキャイとその場でモジモジしながらお店の中を眺めているナッツちゃんとリーンちゃんへ視線を移す。
「 少し時間が掛かりそうだから、俺と一緒に色々見て回ろうか。
どこを回りたい? 」
「 えっ?ーーうん!いいよ! 」
「 やった~!私、今一番流行っている ” お貴族様コーデ ” のエリアが見たい! 」
ハイッ!と手を上げながら嬉しそうにお返事するリーンちゃんとナッツちゃんは、いつの間にか立ち直ったらしいいつも通りのルルちゃんと共に、その流行っているという ” お貴族様コーデ ” エリアへと歩いていった。
そうしてそのエリアに着くと、そのイメージ通りに作られた沢山の洋服達がズラ~と並べられており、更に服だけではなくその服に合わせる感じのアクセサリーや小物なども大量に置いてあるのが目に飛び込んでくる。
それを目にしたリーンちゃんとナッツちゃんは、そのまま目を輝かせてワーー!とアクセサリーが置いてある方へ走っていった。
その様子を微笑ましく見つめながら近くにある洋服をペロンッと広げて見ると、大きなリボンがこれでもかとついた上着だったが、やはりそんな大きなリボンがついているにも関わらず全くごちゃついた感じが見られず、思わず凄いな~と感心してしまう。
「 こんなに主張するデザインなのにシンプルにも見えるから、俺みたいな素人でも凄いなって思うよ。
これは人気なはずだ。 」
「 この ” お貴族様コーデ ” のデザイナーさんの凄い所はまさにそれです。
お手軽に平民が楽しめるをコンセプトにしているので、このデザイナーさんの出す服は他のコーデも出した瞬間、大流行してるんですよ~。
そのため、ファッション界のカリスマと言われています。
そのデザイナーの< フラン >様は。 」
「 えっ!!??フランって学院長の事かい? 」
グリモア学院長< フラン >
( レオンの前以外では )厳格なイメージが強い彼女とこんな可愛い洋服達のイメージが結びつかず思わず叫んでしまったが、ルルちゃんはあっさりとそれを肯定する。
「 そうですよ~。
グリモアの学院長の傍ら副業としてデザイナーもしているそうですから本当に凄い人ですよね。
なんでも可愛いものが昔から大好きなんだそうで服の他にもアクセサリーなども手掛けて全部大ヒットしてます。
ドワーフ族の方は生まれつき ” 器用さ ” が飛び抜けてますからこういったものづくりではピカイチですね。
何でも種族の習性で悩んだ時や疲れた時は物作りすると落ち着くんだとか・・。 」
意外過ぎる一面を知ってしまい、ほほぅ!と驚きの声を上げる。
確かにドワーフ族の ” 器用さ ” は種族内ダントツ一位で、気がつけば何かを作っていると聞いたが・・
俺は再度手に持っている可愛いフリフリ洋服をジ~・・と見つめ、「 フラン学院長か・・。 」と呟きながらキリッとしたイメージのフラン学院長を思い出す。
そしてそんなクールな彼女の姿はあっという間ににゃんにゃ~んと可愛い服を着て魔法のステッキを振る姿へと様変わり!
悪の組織のボスの俺と側近のレオンが愛と正義のステッキアタックで「 ああああ~・・ 」と悲鳴をあげて倒されて・・・
ーーーまで想像して " イメージって凄い!一瞬で世界が変わる! " と恐怖し思わず体はフルっ・・と震えてしまった。
目を見開いて驚くルルちゃんはその後、体を丸めて「 む、無抵抗・・ 」「 無理やりも・・あり~・・ 」と何やらブツブツ・・
とりあえずは嬉しそうな雰囲気だけはプンプンと漂ってきたので大丈夫そうだと、視線をレオンへと移す。
すると、こっちはこっちでオドオドビクビクしていて、どうやら女の子だらけのこの場所の居心地がそうとう悪い様子。
確かにレオンは男ということを差し引いてもここでも非常に目立っているのでその気持ちは分かるが・・
せっかく来たのでその目的を是非達成して欲しいと考えた俺は、意を決してそんなレオンに話しかける。
「 さぁ、レオン。好きなお洋服を見つけて持っておいで。
何でもいいからね。 」
「 えっ?!俺が選んでも・・いいのですか? 」
パァッと電気がつくように明るくなるレオンの雰囲気。
嬉しくて嬉しくても堪らない様子に俺もとても嬉しい気持ちになった。
「 もちろんだよ!
白いドレスでも何でも!好きなのを選んでいいからね。
レオンが選ぶ事に意味があるんだから! 」
「 白いドレス・・俺が選ぶことに意味が・・
~~っ・・・はい・・! 」
レオンはムワンムワンと喜びオーラを滲ませ俺の前髪をちょいちょい摘んでイジイジ弄ぶ。
「 絶対に似合うドレスを・・選びます。 」
意を決した様な表情でそう言い残し、レオンはど真ん中のエリアへと向かって行った。
まるで今から戦場に行くかの様な雰囲気に、やれやれ・・とため息。
真面目なレオンは一切手を抜かずにドレスを選んでくるらしいので、それまでゆっくり待とう~。
妥協は絶対にしないだろうから多分時間かかるだろうし・・
今までの思い出からそう結論を出した俺は、次にキャイキャイとその場でモジモジしながらお店の中を眺めているナッツちゃんとリーンちゃんへ視線を移す。
「 少し時間が掛かりそうだから、俺と一緒に色々見て回ろうか。
どこを回りたい? 」
「 えっ?ーーうん!いいよ! 」
「 やった~!私、今一番流行っている ” お貴族様コーデ ” のエリアが見たい! 」
ハイッ!と手を上げながら嬉しそうにお返事するリーンちゃんとナッツちゃんは、いつの間にか立ち直ったらしいいつも通りのルルちゃんと共に、その流行っているという ” お貴族様コーデ ” エリアへと歩いていった。
そうしてそのエリアに着くと、そのイメージ通りに作られた沢山の洋服達がズラ~と並べられており、更に服だけではなくその服に合わせる感じのアクセサリーや小物なども大量に置いてあるのが目に飛び込んでくる。
それを目にしたリーンちゃんとナッツちゃんは、そのまま目を輝かせてワーー!とアクセサリーが置いてある方へ走っていった。
その様子を微笑ましく見つめながら近くにある洋服をペロンッと広げて見ると、大きなリボンがこれでもかとついた上着だったが、やはりそんな大きなリボンがついているにも関わらず全くごちゃついた感じが見られず、思わず凄いな~と感心してしまう。
「 こんなに主張するデザインなのにシンプルにも見えるから、俺みたいな素人でも凄いなって思うよ。
これは人気なはずだ。 」
「 この ” お貴族様コーデ ” のデザイナーさんの凄い所はまさにそれです。
お手軽に平民が楽しめるをコンセプトにしているので、このデザイナーさんの出す服は他のコーデも出した瞬間、大流行してるんですよ~。
そのため、ファッション界のカリスマと言われています。
そのデザイナーの< フラン >様は。 」
「 えっ!!??フランって学院長の事かい? 」
グリモア学院長< フラン >
( レオンの前以外では )厳格なイメージが強い彼女とこんな可愛い洋服達のイメージが結びつかず思わず叫んでしまったが、ルルちゃんはあっさりとそれを肯定する。
「 そうですよ~。
グリモアの学院長の傍ら副業としてデザイナーもしているそうですから本当に凄い人ですよね。
なんでも可愛いものが昔から大好きなんだそうで服の他にもアクセサリーなども手掛けて全部大ヒットしてます。
ドワーフ族の方は生まれつき ” 器用さ ” が飛び抜けてますからこういったものづくりではピカイチですね。
何でも種族の習性で悩んだ時や疲れた時は物作りすると落ち着くんだとか・・。 」
意外過ぎる一面を知ってしまい、ほほぅ!と驚きの声を上げる。
確かにドワーフ族の ” 器用さ ” は種族内ダントツ一位で、気がつけば何かを作っていると聞いたが・・
俺は再度手に持っている可愛いフリフリ洋服をジ~・・と見つめ、「 フラン学院長か・・。 」と呟きながらキリッとしたイメージのフラン学院長を思い出す。
そしてそんなクールな彼女の姿はあっという間ににゃんにゃ~んと可愛い服を着て魔法のステッキを振る姿へと様変わり!
悪の組織のボスの俺と側近のレオンが愛と正義のステッキアタックで「 ああああ~・・ 」と悲鳴をあげて倒されて・・・
ーーーまで想像して " イメージって凄い!一瞬で世界が変わる! " と恐怖し思わず体はフルっ・・と震えてしまった。
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