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第十九章
677 救世主様
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( リーフ )
俺はというと増々訳が分からず首を傾げると、ケンさんはビシッ!と人差し指を一本立てて俺の目の前に出してきた。
「 ヘッド・ハンマーモグラの討伐。
それにより畑の作物の生産量が爆上がり、かつそれに準ずる畜産業や飲食店への供給が復活。
他にも定期的に高ランクモンスターを駆逐してギルドに卸してくれているだろ?
それによって低ランク冒険者達がモンスター肉の調達ができる様になって肉の流通が回復してきた。
まぁ、これには謎の黄色い綿ホコリみたいな奴と最近では黒豆みたいな謎の物体も関係していてな~。
凄い速さで高ランクモンスターを倒して回っているみたいなんだ。
正体も目的も不明だが、街では ” 神獣様 ” って言われているぜ。 」
ピッピッと指の数を増やしていくケンさん。
黄色い綿ホコリと黒豆・・
俺の脳裏には毎朝 ” 遊びに行ってきま~す♬ ” とウキウキしながら森に遊びにいくあげ玉と黒みつが浮かぶ。
ま、まさかね・・?
俺が首を横に振ってそれを否定していると、ケンさんはまだまだ指の数を増やしていく。
「 後は川に大量に住み着いた< ヘドロ・クモ >も全部討伐してくれたんだって?
そのお陰で飲水も復活したから隣町からクソ高い水を輸入しなくてもよくなった。
あとは~・・・ 」
< ヘドロ・クモ >
体長5cm程の蜘蛛型Fランクモンスター。
川や湖、泉など水辺に好んで住み、その水を吸ってヘドロの様な排泄物を出すため増え過ぎれば公害を起こす公害指定モンスターである。
適度な個体数なら排泄物は土にとって適度な栄養になり特に問題はないが、他の種族が大量発生すると大量に卵を産んで集団化し川底の土と一体化、土地が腐敗してしまう。
< 公害指定モンスター >
個体の強さとしては驚異ではないが、存在することで自然や人の生活に多大な被害を及ぼすモンスターの事。
川の中~下流部の大半を占拠してしまっていた< ヘドロ・クモ >
それが上流部までその支配範囲を広げていたらしいが、ちょうどその上流川付近で休憩していた時の事。
そこがちょっと臭かったため、何か臭~い!とブツブツ文句を言いながら木を切って真ん中をくり抜き巨大ストローを作り出すと、それをドスッ!と川底に突き刺す。
そしてそれに向かって俺は《 ボェェェェ~!!! 》と空気を震わせる声を発した。
< 魔術騎士の資質 > ( ノーマル固有スキル )
< クジラの子守唄 >
特殊な超音波を多重発生させ、自身より一定以上レベルが低い対象に睡眠と麻痺効果を与える事ができる。
そのレベル差が大きければ大きいほどその成功率と睡眠・麻痺時間は長くなり、魔力量が多いほど、その攻撃範囲は大きい。
(発現条件)
一定回数以上の魔力量と状態異常耐性値を持つこと
一定回数以上状態異常攻撃を受けそれに耐える事
するとなんと川底からそれこそ星の数程のヘドロ・クモ達がプカピカ~と浮いてきて川がペンキを塗りたくった様に真っ黒に。
それにゾゾッ!!として固まる俺。
ピクピクと足を痙攣させたクモが所狭しと浮かんだまま次から次へと流れていく姿は、まさに圧巻の光景で、多分虫が嫌いな人が見たら即失神するレベルであった。
そして固まっている俺とは対称的にレオンは平然とその川を見下ろし、直ぐにスイッと指を下に動かすと一瞬で川の表面に火が着く。
何だかおしゃれなレストランなんかでシェフさんが眼の前で直接お肉を焼いてくれるのに似てる・・
そんな事を考えながら川の表面がボッ!と燃え広がっていったのを見ていると、それがまた一瞬で消えた時は、もうクモの姿はどこにもなかった。
川は透き通り、匂いも爽やかな草の匂いに復活したため、そこで思う存分リフレッシュした後はまた修行。
そしてその日の夕方ギルドに行くと、エイミさんが「 ・・ヘドロ・クモに何かした? 」と聞いてきたのであっさりと朝起きた事を伝えると、カウンターの奥からモサッと金貨が入ったお金を渡されたのだった。
そんな思い出を振り返りながら、ケンさんの話を聞いていると話が終わったケンさんは嬉しそうにハハッ!と笑う。
「 これ全部どうしようもできない街の公害問題だったんだぜ。
これに街の連中の心に火が着いてな~。
皆やる気満々で街の活気が戻って・・いや、前以上に盛り上がっちまったってこった。
そんでそんな街の奴らがそれを導いたお前さんの事を< 救世主様 >って言い出して、それが次々と伝染してすっかり定着しちまったって感じだな。 」
「 そうだったのかい。
でも俺は別にそんなたいそれたことしてないよ。
レオンやあげ玉と黒みつと一緒に普通に依頼をこなしているだけなんだけど・・ 」
その依頼だって高ランク依頼!・・っというわけではないし、レオンと、そしてたまにあげ玉、黒みつに手伝ってもらいながら割りと楽しく依頼を受けているだけだったので本当にそんな凄いことはしていない。
それをしっかり伝えたつもりだったが、ケンさんは「 分かってる分かってる~♬ 」とイマイチ分かっていなそうな反応を返してくる・・。
それに思わず無言で返すと、次にケンさんは本当に不思議そうな顔をしながらジロジロと俺を上から下まで余すこと無く見つめてきた。
俺はというと増々訳が分からず首を傾げると、ケンさんはビシッ!と人差し指を一本立てて俺の目の前に出してきた。
「 ヘッド・ハンマーモグラの討伐。
それにより畑の作物の生産量が爆上がり、かつそれに準ずる畜産業や飲食店への供給が復活。
他にも定期的に高ランクモンスターを駆逐してギルドに卸してくれているだろ?
それによって低ランク冒険者達がモンスター肉の調達ができる様になって肉の流通が回復してきた。
まぁ、これには謎の黄色い綿ホコリみたいな奴と最近では黒豆みたいな謎の物体も関係していてな~。
凄い速さで高ランクモンスターを倒して回っているみたいなんだ。
正体も目的も不明だが、街では ” 神獣様 ” って言われているぜ。 」
ピッピッと指の数を増やしていくケンさん。
黄色い綿ホコリと黒豆・・
俺の脳裏には毎朝 ” 遊びに行ってきま~す♬ ” とウキウキしながら森に遊びにいくあげ玉と黒みつが浮かぶ。
ま、まさかね・・?
俺が首を横に振ってそれを否定していると、ケンさんはまだまだ指の数を増やしていく。
「 後は川に大量に住み着いた< ヘドロ・クモ >も全部討伐してくれたんだって?
そのお陰で飲水も復活したから隣町からクソ高い水を輸入しなくてもよくなった。
あとは~・・・ 」
< ヘドロ・クモ >
体長5cm程の蜘蛛型Fランクモンスター。
川や湖、泉など水辺に好んで住み、その水を吸ってヘドロの様な排泄物を出すため増え過ぎれば公害を起こす公害指定モンスターである。
適度な個体数なら排泄物は土にとって適度な栄養になり特に問題はないが、他の種族が大量発生すると大量に卵を産んで集団化し川底の土と一体化、土地が腐敗してしまう。
< 公害指定モンスター >
個体の強さとしては驚異ではないが、存在することで自然や人の生活に多大な被害を及ぼすモンスターの事。
川の中~下流部の大半を占拠してしまっていた< ヘドロ・クモ >
それが上流部までその支配範囲を広げていたらしいが、ちょうどその上流川付近で休憩していた時の事。
そこがちょっと臭かったため、何か臭~い!とブツブツ文句を言いながら木を切って真ん中をくり抜き巨大ストローを作り出すと、それをドスッ!と川底に突き刺す。
そしてそれに向かって俺は《 ボェェェェ~!!! 》と空気を震わせる声を発した。
< 魔術騎士の資質 > ( ノーマル固有スキル )
< クジラの子守唄 >
特殊な超音波を多重発生させ、自身より一定以上レベルが低い対象に睡眠と麻痺効果を与える事ができる。
そのレベル差が大きければ大きいほどその成功率と睡眠・麻痺時間は長くなり、魔力量が多いほど、その攻撃範囲は大きい。
(発現条件)
一定回数以上の魔力量と状態異常耐性値を持つこと
一定回数以上状態異常攻撃を受けそれに耐える事
するとなんと川底からそれこそ星の数程のヘドロ・クモ達がプカピカ~と浮いてきて川がペンキを塗りたくった様に真っ黒に。
それにゾゾッ!!として固まる俺。
ピクピクと足を痙攣させたクモが所狭しと浮かんだまま次から次へと流れていく姿は、まさに圧巻の光景で、多分虫が嫌いな人が見たら即失神するレベルであった。
そして固まっている俺とは対称的にレオンは平然とその川を見下ろし、直ぐにスイッと指を下に動かすと一瞬で川の表面に火が着く。
何だかおしゃれなレストランなんかでシェフさんが眼の前で直接お肉を焼いてくれるのに似てる・・
そんな事を考えながら川の表面がボッ!と燃え広がっていったのを見ていると、それがまた一瞬で消えた時は、もうクモの姿はどこにもなかった。
川は透き通り、匂いも爽やかな草の匂いに復活したため、そこで思う存分リフレッシュした後はまた修行。
そしてその日の夕方ギルドに行くと、エイミさんが「 ・・ヘドロ・クモに何かした? 」と聞いてきたのであっさりと朝起きた事を伝えると、カウンターの奥からモサッと金貨が入ったお金を渡されたのだった。
そんな思い出を振り返りながら、ケンさんの話を聞いていると話が終わったケンさんは嬉しそうにハハッ!と笑う。
「 これ全部どうしようもできない街の公害問題だったんだぜ。
これに街の連中の心に火が着いてな~。
皆やる気満々で街の活気が戻って・・いや、前以上に盛り上がっちまったってこった。
そんでそんな街の奴らがそれを導いたお前さんの事を< 救世主様 >って言い出して、それが次々と伝染してすっかり定着しちまったって感じだな。 」
「 そうだったのかい。
でも俺は別にそんなたいそれたことしてないよ。
レオンやあげ玉と黒みつと一緒に普通に依頼をこなしているだけなんだけど・・ 」
その依頼だって高ランク依頼!・・っというわけではないし、レオンと、そしてたまにあげ玉、黒みつに手伝ってもらいながら割りと楽しく依頼を受けているだけだったので本当にそんな凄いことはしていない。
それをしっかり伝えたつもりだったが、ケンさんは「 分かってる分かってる~♬ 」とイマイチ分かっていなそうな反応を返してくる・・。
それに思わず無言で返すと、次にケンさんは本当に不思議そうな顔をしながらジロジロと俺を上から下まで余すこと無く見つめてきた。
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