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第十九章

670 知り合い?

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( リーフ )


えっ・・?と思う間もなくそのままその場に崩れ落ちそうになったが、すかさずレオンが俺の腰を掴んで引き寄せてくれたため何とか倒れずにすんだ。


しかし、依然レオンが支えてくれないと自分の足で立つこともできない状態だ。


声だけでこんなになるなんて・・う、嘘だろう?!


ガクガク小さく震えながら、その恐ろしさに更にゾクッと背筋を震わせた後、慌ててマリオンは!?と後ろの方へ視線を向けた。


するとそこには尻もちをついたままガクガク震えてはいるが、意識はしっかりと保てているマリオンにホッと胸を撫で下ろす。


とりあえず、早くこの硬直を直さなければ全滅だ!と浅く呼吸を繰り返し、手をゆるゆると動かし始めたが、その謎の人物は気にする事なくまた喋りだした。





「 あぁ、なるほど・・そういう事か・・。


” 人 ” はやはり変わらぬな。



まで使おうとするか。





・・まぁ、どうでも良いことか。どうせ・・




それより、お前、一体何があった?
      
何故そんなに



世界を ” 見て ” 尚その汚れなき心は・・?? 」








謎の人物が不思議そうな様子で話掛けている相手、それはーーーーー






レオンだ。





何を言っているのか9割以上分からないが、俺とマリオンの存在は完全にそいつの意識に入っていない事が何となく分かった。

そして同時にレオンに対して話しかけているのだという事実にも気づく。



” 変わっている ” ???


” 世界を見る ” ??



もしかして俺と出会う前のレオンを知っているのか、もしくは会った事がある人物なのだろうか?



ぐるぐると思考を巡らせながら、確認するためレオンを見上げると・・・


完璧なる無表情に無感情。

そして無言の三点セットを兼ね備えたレオンの美しい顔が見えた。


これは全く相手に興味がない時のレオンの平常時の態度。


俺は再び目が点になり、またヒソヒソヒソ~!とレオンの耳元に近づいてそんなレオンに話しかける。




「 レオン、あのね・・多分あの人レオンの事知っている人だよ。

レオンは知ってる人?


それにね、もう少し、こう・・目の前の人について思う事ないのかな~?

ほら、怖いとか怖いとか怖いとか・・ 」



そうそう、俺なんてさっきから怖くて怖くて3・2・1でおしっこ漏らしちゃいそうなのに、ここまで関心が持てないなんて逆に凄い!

フルフルと震えながらやっとの思いで言った言葉だったが、レオンには伝わっているのかいないのか・・不思議そうな顔をしながら視線を一瞬だけ謎の人物へと向け直ぐに俺に戻した。



「 知りません。邪魔ですね。 」



とりあえずレオンはそのやばい奴を知らない、そして邪魔だと思っている。


それは理解したが、そうじゃない!と俺とマリオンが青ざめながら心の中でツッコミを入れていると、突然謎の人物がビクッ!!と体を揺らし動揺している?素振りを見せたため直ぐに視線をそいつに向けた。


すると、やはり彼は動揺している様子で一歩後ろに下がり『 ありえない・・ 』『 こ、これは・・?? 』と何やらブツブツと呟いている様だ。


何だ・・??


こちらも混乱し、ただ大人しくその様子を眺めていたが、急にピタリと止まった謎の人物は、大きく息を吐いてから再度口を開いた。




『 ・・・そうか・・

何らかの強力な阻害系スキルでも手にしたのか・・?

その判読不能のスキルの数々はーーーー・・????



・・・まぁ、いい。

いまはまだ ” 見る ” のに時間が足りないだけだろう。



ーーーーーいずれ・・分かる・・。 』




そう言ってそいつはドロドロと溶け始め、立っていた場所を中心に黒い水たまりが出来ると、そのまま地面に溶ける様に消えてしまった。



その瞬間、空はパッ!と元通りのカンカン照りの青空に戻り、俺とマリオンの体も自由に動けるようになったので、「 ーーーーはっ!!! 」と息を思い切り吐き出し、そのままゼイゼイと思う存分空気を吸って吐いてして落ち着きを取り戻す。


「 マッ・・マリオン大丈夫? 」


「 はっ・・はっ・・。

なん・・とかっ・・。大丈夫で・・す。 」


息も絶え絶えな俺たちに対し、レオンは俺がグテっ~と力なく寄りかかっている姿にご満悦な様子で頭に鼻をつけてワシャワシャと髪を乱してくる。



レオンは全然大丈夫。

まぁ、良かった良かった。



もう好きにして~とそのままレオンは放って置いて、俺はマリオンに向かって言った。



「 とにかく直ぐに先生達の所に戻って報告しよう。

さっきの奴、普通じゃなかった。他の皆に何かあったら大変だ。 」



マリオンはコクリと頷いてから直ぐにググッ・・と力を入れて立ち上がる。


俺もレオンにほとんど持ち上げられているため少々浮き上がっている自分の足に力を入れてしっかりと立つと、終わり?と不満気な様子のレオンの手を引き先生たちの元へと急いだ。




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