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第十八章

638 ” 世界 ” が終わるまで

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( レオン )


ハッハッハ~と楽しそうに大笑いする軽薄な男、そして話を聞いてゴクリっと喉を鳴らし真剣な顔で汗を掻く前の3人と周囲の者達。

これは男同士でも同じ・・?と心臓の鼓動がやや早なりを始めた俺。


全員の緊張を感じ取った軽薄男は首を振りながら悲しそうな顔を見せる。



「 受け身の方は入れるまでが本番。

とにかくそれまでが勝負だと思ってやるべし。

言葉だって大事だし、相手によって良いな~と思う場所は違うから、色々試して相手の反応を見ながら見極めないと駄目だぜ。

それは男相手でも同じだからな~?

受け身の方は基本そこを怠ると次もしたいと思わない。 」



うんうんと頷く軽薄男と必死にメモをしている周囲の者達を見て、俺の脳裏にはフッとある記憶が蘇った。


初めて下半身がおかしくなった時の事ーー


俺は自分の  "   気持ちいい "   にしか頭がなくて・・リーフ様の反応を気にかける余裕がなかった。



だからリーフ様は楽しくなかった。

よって次はしたくないと考えている。



顔から血の気がサーッ・・と引いていくのと同時に頭の中に浮かぶのは、プイッ!と顔を背けるリーフ様の姿。


" レオンは愛し合うの下手くそだから二度としたくない! "


ガガーーーンッ!

ショックを受けた俺はフラッ・・と目眩を起こした。


そうして呆然としている間に、避妊用魔導具やその他の便利な魔導具の説明が終わってしまい、そのまま授業は終わりーー・・かと思いきや軽薄男の話はまだまだ続く。



「 ーーーーーと、以上が正しい男女の性行為ってやつだ!

お次は男同士のやり方も一通りレクチャーするから良く聞けよ~。

こっちの方が難しいからな! 」



ーーーーカチッ!


まるでスイッチを押したかの様にハッキリと目が覚め、俺の全意識は軽薄男の方へ。

しかしそれと反比例するかのように大半の者達は不満顔のまま視線を外した。


その反応を見て予想通りと言わんばかりに、ふぅ~と困ったように息を吐く軽薄男はそんな周囲の者達を諭す様に話し出す。


「 あのな~・・女ともマンネリ解消のため、このやり方で楽しむ事もあるし知ってて損はないからな?

それに貴族に至っては見た目の美し~い同性を愛人にするのはステータスだったりするから絶対知っとかないと困るぞ~。

じゃあ、始めるからよ~く聞いておけよ? 」


そうして軽薄男はパンパンと手を二回叩いた後、男同士の愛し合う方法について説明し始めた。

そしてその話が進むにつれて俺は大きな衝撃を受けまたしても意識が飛びそうになる。



お尻・・・


リーフ様のお尻に・・・俺の・・・・



一瞬でもそれを想像するとブワワワ~!と顔が熱くなるのを感じ、必死に動揺する心を鎮めようと大きく息を吸って深呼吸。


リーフ様のお尻にある穴なら、俺は何度も見たことがあった。



リーフ様は夜中にトイレをするため起きるとほとんど意識はなく、まるで夢遊病の様にフラフラとおぼつかない足取りで歩いていく。

そのため ” 新しいレオンの家 ” に住んでからというもの、少し離れた邸にてリーフ様がトイレに行くときは必ずついていっていたのだが・・なぜかかなり高い確率でトイレに座って排尿するのだ。


起きている時は立ってするのに何故??


そう疑問に思いながらもそれを大人しく見守っていたが、ある日急に不安になった。


排尿時にそれがお尻に飛んでしまいパンツが汚れたら嫌な思いをされるかもしれない。


そう考えた俺は、ある日トイレを終えた後立ち上がろうとするリーフ様の頭を脇にガッチリ抱え、そのままお尻を軽く上に上げてみた。


するとそこにはツルッとした可愛らしいお尻とその奥にはちょこんと付いている可愛らしいピンク色の穴が・・


特に濡れていない事が確認できたが、とりあえず・・と、ティッシュでキレイに拭き、そのままパンツとズボンを履かせてベッドに戻るまで見届けた。


たまにリーフ様が途中で起きて悲鳴を上げることもあるが、結局トイレに行く時はボンヤリしていて何も命令されないので毎回ついていってちゃんとお尻を拭いている。


まさかあんな場所を使うとは夢にも思わなかった・・


今までさして気にせず拭いていたのに、それを知ってしまうとドキドキと心臓の鼓動は早くなる。


しかしーーーそこでフッと浮かんだ疑問・・


あんな小さな場所に入るのか・・?


それぞれの体積を考えて、ううん??と首を傾げると、尚も続く軽薄男の話が耳に入ってきた。



「 相手から寝床に誘って来たらOKって事だな。

” 一緒に寝よう~ ” とか、” 二人きりで休める所に行きたいな~ ” とか、単純にいえばこんな感じの言葉かな~? 」


「 ” 一緒にいこう ” な~んて言われた時はグッ!ときちゃうよな~。

” いっちゃう~ ” もいいんだが、俺的には ” 一緒に ” がツボ。最高! 」



とりあえずその時に聞いた話はどんどんと勝手に俺の頭の中へと入ってくるので、一つ一つリーフ様の常識と照らし合わせていこうと考えていると、突然耳元で声がした。

















「 ーーーーレオン 」










瞬きをした瞬間、辺りは真っ暗な闇の中に・・

今の今まで前にいた軽薄男も赤犬、細い方、太い方も、そして部屋すらも全てが消えてしまった。



その中でただ無表情に立っていると、やがて目の前に人が一人立つ。





愛おしい愛おしいリーフ様の姿であった。






リーフ様はニコッと笑うと、



” レオン ”

” レオン ”


” 大好き ”

” ずっと一緒にいよう ”

” ずっと、ずっと ”




そんな言葉を繰り返しながらリーフ様は以前夢の中で見た時と同じ様にゆっくり・・まるで見せつける様に服を脱ぎ始めた。


スルスル・・・


ーーーパサッ・・


布の擦れる音と服が下に落ちた音だけが音として認識される中、リーフ様はとうとう最後の一枚も全て脱ぎ捨て裸に。


そして俺に手をゆっくりと伸ばしてきた。




” 一つになろう ”



” そしてそのままここでずっと一緒にいよう ”





 ・・
” 世界が終わってもずっと、永遠に。 ”




その手が俺の頬につく直前、俺はフッと笑いーーーーー



















” リーフ様 ” の首を絞めた。



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