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第十八章
637 モール登場
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( レオン )
そのままモヤモヤとした得体のしれない気持ちに翻弄されていると、突然ーーーー
ーーーーバンッ!!
大きな音を立てて部屋の扉が大きく開かれ、その場にいる全員の目は音がした扉の方へ釘付けに。
俺も ” 黒い場所 ” から意識を外し扉の方へと目線を向けると、そこから20代後半くらいの男が中に颯爽と入ってきたのが見えた。
身長は平均より高く、全体的に細く見えるがそれなりに鍛えている体格。
紫の無地のチュニックに腰には細めのベルトとズボンというスタンダードな男の服装であるが、それをダラッと緩く着崩しており一般よりはだいぶ胡散臭い。
明るめの茶色い髪は下の襟足だけ少々長く外に跳ね、全体的に ” 軽い ” イメージを相手に与えるが、おっとりした顔とそれなりに整っている顔立ち、そしてピンッと伸ばされた背筋のせいで不思議と人に好印象を与えてくる様な何ともアンバランスな男であった。
その時点で赤犬と細い方、太い方は眉を潜めてチィッ!と大きな舌打ちをする。
「 なにやら青春謳歌してそうな奴が来たぜ。 」
「 女性は何故ダラシない男に惹かれてしまうのか・・ 」
「 イケメンは全て敵っす。何なんすか、あいつ? 」
むんむんと熱気が漂う視線を入ってきた奴に向けて、ジトーーッと見続ける3人。
そして何となくモアッとした空気を発する周りの者達の視線を一身に受けながらも、その男は鼻歌混じりで教壇に到着しバチンッとウィンクをした。
「 はい、注目~!
性に興味津々な思春期男子達よ。
待ちに待った ” 性教育 ” の時間が始まるぞ~。
担当するのはこのスーパー売れっ子【 現役メンズ 】のーー・・
< モール >様だ!
今日はよろしくな♡ 」
【 現役メンズ 】
女性がお酒を飲む ” クラブ ” と言われる店で働く女性を接待する男性の総称。
お酒を飲みながら話を聞いたり依頼されればご飯を一緒したりなどなど、その行動範囲は広い。
ザワザワとしだす周囲を物ともせず、軽薄そうな男はニコッと笑いながら首を軽く傾けて周囲の者達をもう一度見渡した。
「 俺の資質は【 性技師 】
いわゆる ” 性 ” に特化した資質で、それを生かして女性を相手に働いているわけだが・・俺は基本性別なんざ気にしな~い!
・・・
そっちに興味あるヤツで悩んでいるヤツはいつでもお店に来いよ。
サービスカウンセリングしてやるからさ! 」
チュッ!と投げキッスする軽薄男に対し、全員ザッ!と青ざめ首をフルフルと横に振る。
それを見て、おやおや~?とからかうような笑みを浮かべた軽薄男はそのままカラカラと笑い始めた。
「 ハハっ!まっ、男なら突っ込みたいってヤツの方が多いからな~。
だかそうじゃねぇ奴もいるって事。
それに対して特に平民は偏見も強いと思うが、俺が言いたい事は一つ!
” 気持ちよければ何でも良し! ”
同性だから~?歳の差が~?身分が違うから~?
ーーいや、もう気持ちいいなら何でも良くない?って俺は思っている。
これが俺のポリシー。 」
キリッと表情を引き締めながらスッパリ言い切った軽薄男に対し、赤犬の尻尾や他の獣人の尻尾がピコピコと動き出す。
邪魔
目の前でワクワクピコピコと動くその尻尾にムッとしたが、ここで騒げば授業が中断する恐れがあるため我慢していると、その軽薄男は今度はチッチッチ!と指を振った。
「 ただ~し!ここで絶対に注意してほしい事は、 ” 子供 ” についてだ。
俺はな、どんなに軽い愛だろうが?面倒な愛だろうが?本人達の問題に収まっているならそれでいいと思うぜ。
だが、その結果できる ” 子供 ” は別。
あとはそれをすることで不幸になるやつがいる場合もな。
” 自分の快感に周りを巻き込まない事 ” !
これは人として絶対守るべきマナーだと俺は思っている。
それとまだまだヒヨコレベルの年齢のガキ相手しようとする変態は論外だから見つけ次第 " チョキン " な?♡
さっ!今からそんなルールを守りつつ清く正しく!そして楽し~く!性生活を送る為のレクチャーをしていくからよ~く聞けよ! 」
" チョキン " という言葉に過剰反応した面々は何故か下半身をソッと触りコクコクと頷いた。
そしてその後、全員がキリッ!と表情を引き締めたのを確認した軽薄男は、満足気に頷き一冊の本を前から順に配りだす。
前に座っている細い方と太い方は回ってきたその本を受け取り、自分たちの分を取った後は俺とリーフ様の分を目の前の机の上に置いた。
結構な分厚さにくっきりしたパステルカラー表紙
これに俺の知りたい答えの全てが・・?
即座に置かれた本へ視線を向けると、その本には『 どーなってるの?どーやるの?正しい性教育! 』と書かれていた。
ほほぅ・・?
少々モヤモヤしてしまったが、とりあえず・・とリーフ様が落ちないように気をつけながら、その本を手に取りパラパラパラ~とめくり内容を全て頭に入れる。
男女の体の仕組みや女の思考、男の思考、脳の構造、愛し合う方法などなどが事細やかに載っていたがーーイマイチ俺の知りたい知識ではなかった。
そのため、俺の分の本はそのまま< 多次元ボックス >へとポイっと放り込んでおく。
リーフ様は男、俺も男。
だから男女のこんな知識は必要ない。
そのためリーフ様の手をモミモミと揉み込む事に尽力していたのだが、耳に勝手に入ってくる言葉たちから、どうやら男女の愛し合う方法も決して全て関係ないとは言えない事に気づき俺は大人しくその話に耳を傾けだした。
前方の巨大スクリーンには女の裸。
それを前にいる赤犬は凝視。
細い方、太い方はハンカチを取り出しチラチラと見ている。
俺は無感情。
「 これが女の体だ。それを見ると下半身が固くなるな?
セックスは一言でいえば非常にシンプルで、固くなったもんを入れて出す!それだけ。
だが男はそれで満足できるが、受け入れる方はそんなんじゃ楽しくない。
つまりそれをすれば~ ” 次はない ” ーーーって事だ。 」
そのままモヤモヤとした得体のしれない気持ちに翻弄されていると、突然ーーーー
ーーーーバンッ!!
大きな音を立てて部屋の扉が大きく開かれ、その場にいる全員の目は音がした扉の方へ釘付けに。
俺も ” 黒い場所 ” から意識を外し扉の方へと目線を向けると、そこから20代後半くらいの男が中に颯爽と入ってきたのが見えた。
身長は平均より高く、全体的に細く見えるがそれなりに鍛えている体格。
紫の無地のチュニックに腰には細めのベルトとズボンというスタンダードな男の服装であるが、それをダラッと緩く着崩しており一般よりはだいぶ胡散臭い。
明るめの茶色い髪は下の襟足だけ少々長く外に跳ね、全体的に ” 軽い ” イメージを相手に与えるが、おっとりした顔とそれなりに整っている顔立ち、そしてピンッと伸ばされた背筋のせいで不思議と人に好印象を与えてくる様な何ともアンバランスな男であった。
その時点で赤犬と細い方、太い方は眉を潜めてチィッ!と大きな舌打ちをする。
「 なにやら青春謳歌してそうな奴が来たぜ。 」
「 女性は何故ダラシない男に惹かれてしまうのか・・ 」
「 イケメンは全て敵っす。何なんすか、あいつ? 」
むんむんと熱気が漂う視線を入ってきた奴に向けて、ジトーーッと見続ける3人。
そして何となくモアッとした空気を発する周りの者達の視線を一身に受けながらも、その男は鼻歌混じりで教壇に到着しバチンッとウィンクをした。
「 はい、注目~!
性に興味津々な思春期男子達よ。
待ちに待った ” 性教育 ” の時間が始まるぞ~。
担当するのはこのスーパー売れっ子【 現役メンズ 】のーー・・
< モール >様だ!
今日はよろしくな♡ 」
【 現役メンズ 】
女性がお酒を飲む ” クラブ ” と言われる店で働く女性を接待する男性の総称。
お酒を飲みながら話を聞いたり依頼されればご飯を一緒したりなどなど、その行動範囲は広い。
ザワザワとしだす周囲を物ともせず、軽薄そうな男はニコッと笑いながら首を軽く傾けて周囲の者達をもう一度見渡した。
「 俺の資質は【 性技師 】
いわゆる ” 性 ” に特化した資質で、それを生かして女性を相手に働いているわけだが・・俺は基本性別なんざ気にしな~い!
・・・
そっちに興味あるヤツで悩んでいるヤツはいつでもお店に来いよ。
サービスカウンセリングしてやるからさ! 」
チュッ!と投げキッスする軽薄男に対し、全員ザッ!と青ざめ首をフルフルと横に振る。
それを見て、おやおや~?とからかうような笑みを浮かべた軽薄男はそのままカラカラと笑い始めた。
「 ハハっ!まっ、男なら突っ込みたいってヤツの方が多いからな~。
だかそうじゃねぇ奴もいるって事。
それに対して特に平民は偏見も強いと思うが、俺が言いたい事は一つ!
” 気持ちよければ何でも良し! ”
同性だから~?歳の差が~?身分が違うから~?
ーーいや、もう気持ちいいなら何でも良くない?って俺は思っている。
これが俺のポリシー。 」
キリッと表情を引き締めながらスッパリ言い切った軽薄男に対し、赤犬の尻尾や他の獣人の尻尾がピコピコと動き出す。
邪魔
目の前でワクワクピコピコと動くその尻尾にムッとしたが、ここで騒げば授業が中断する恐れがあるため我慢していると、その軽薄男は今度はチッチッチ!と指を振った。
「 ただ~し!ここで絶対に注意してほしい事は、 ” 子供 ” についてだ。
俺はな、どんなに軽い愛だろうが?面倒な愛だろうが?本人達の問題に収まっているならそれでいいと思うぜ。
だが、その結果できる ” 子供 ” は別。
あとはそれをすることで不幸になるやつがいる場合もな。
” 自分の快感に周りを巻き込まない事 ” !
これは人として絶対守るべきマナーだと俺は思っている。
それとまだまだヒヨコレベルの年齢のガキ相手しようとする変態は論外だから見つけ次第 " チョキン " な?♡
さっ!今からそんなルールを守りつつ清く正しく!そして楽し~く!性生活を送る為のレクチャーをしていくからよ~く聞けよ! 」
" チョキン " という言葉に過剰反応した面々は何故か下半身をソッと触りコクコクと頷いた。
そしてその後、全員がキリッ!と表情を引き締めたのを確認した軽薄男は、満足気に頷き一冊の本を前から順に配りだす。
前に座っている細い方と太い方は回ってきたその本を受け取り、自分たちの分を取った後は俺とリーフ様の分を目の前の机の上に置いた。
結構な分厚さにくっきりしたパステルカラー表紙
これに俺の知りたい答えの全てが・・?
即座に置かれた本へ視線を向けると、その本には『 どーなってるの?どーやるの?正しい性教育! 』と書かれていた。
ほほぅ・・?
少々モヤモヤしてしまったが、とりあえず・・とリーフ様が落ちないように気をつけながら、その本を手に取りパラパラパラ~とめくり内容を全て頭に入れる。
男女の体の仕組みや女の思考、男の思考、脳の構造、愛し合う方法などなどが事細やかに載っていたがーーイマイチ俺の知りたい知識ではなかった。
そのため、俺の分の本はそのまま< 多次元ボックス >へとポイっと放り込んでおく。
リーフ様は男、俺も男。
だから男女のこんな知識は必要ない。
そのためリーフ様の手をモミモミと揉み込む事に尽力していたのだが、耳に勝手に入ってくる言葉たちから、どうやら男女の愛し合う方法も決して全て関係ないとは言えない事に気づき俺は大人しくその話に耳を傾けだした。
前方の巨大スクリーンには女の裸。
それを前にいる赤犬は凝視。
細い方、太い方はハンカチを取り出しチラチラと見ている。
俺は無感情。
「 これが女の体だ。それを見ると下半身が固くなるな?
セックスは一言でいえば非常にシンプルで、固くなったもんを入れて出す!それだけ。
だが男はそれで満足できるが、受け入れる方はそんなんじゃ楽しくない。
つまりそれをすれば~ ” 次はない ” ーーーって事だ。 」
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