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第十八章
631 大渋滞
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( レオン )
スタスタと迷いなく歩くリーフ様の可愛い旋毛を見ながら、首を降って暗くなりそうな思考を散らした。
とりあえず理解できなくてもリーフ様は今のところ、” 俺といつか愛し合っても良いかも ” ・・くらいには想ってくれている様子。
ならばそれがいつきてもいいように、抽象的な感情の問題は置いておいて具体的な知識は完全に理解しておくべきだ。
かつて無いやる気に満ち溢れゴッ!と燃えていると、急にリーフ様がピタリと止まりフォッ~フォッフォッ~と笑い出した。
?
不思議に思いピタリと足を止め見守っているとーー「 小童どものお尻はすべて俺のモノだ。 」・・・と突然理解が難しい事を言った。
「 ・・お尻・・?? 」
思わずそう口に出すと、リーフ様はハッ!とした様子で驚き笑顔で首を振る。
そしてピュピュ~♬と口笛を吹きながら早歩きで歩きだしてしまったため、何となくモヤッとしながらも一応その場では黙っておく事にした。
その後、正門らしき場所に到着するといつもリーフ様に群がってくる奴らが直ぐにやって来て心はモヤモヤイライラ・・
更に先程の謎の発言、そして新たに発した " 突っ込む " という不穏な言葉にもモヤモヤ・・
いっそのことこのモヤモヤごとリーフ様以外の全てを消してやりたい。
不機嫌を隠すことなく周りにいる奴らを全員睨みつけてやると、遠巻きに見ている周りの奴らはササッーー!といなくなったがーーそれが通じない奴らが数人その場に太々しく残る。
バレない様にチッと舌打ちを口から漏らした。
心底忌々しいと思ったがリーフ様は楽しそうなので、俺は引き続き必要以上に近づかないなら良しとするしかない。
ひたすら楽しむリーフ様を見る事に徹する。
笑う、笑う、笑う
俺以外の人間と。リーフ様は毎日。
毎日毎日毎日毎日毎日ーーーー・・・
・・楽しくない。
モヤモヤしながら我慢・・我慢・・と呟いていると、急に幼子の様に離れたくないと泣き出した細い方、太い方。
何を泣いているのか・・鬱陶しい。
そんな事如きで泣くなど・・
ーーーと一瞬思ったが、一緒になってリーフ様まで同様に泣き出してしまったため即座にその考えを消し去った。
お気に入りのおもちゃが手から離れて悲しいーーは普通の事。
細い方、太い方はリーフ様のお気に入りのおもちゃ。
それで泣くリーフ様は可愛い。問題ない。
ふーっ・・と息を小さく吐きながらそれが終わるのを待っていたが、途中から赤犬が便乗して抱きつこうとしていたためスッ・・と目を細める。
そしてゆっくりとレイピアに手を掛けようとしたその時ーーービクビクンッ!!!と大きく震えた赤犬は、即座に細い方、太い方を両脇に抱えてピュピューー!!と走り去ってしまった。
「 ・・・・。 」
小賢しい犬だ・・
レイピアに伸ばしかけた手を下ろし、思わずムッとしたが別に離れたならもういい。
捨てておく。
気持ちを即座に切り替えた俺はキラキラと輝く涙に濡れたリーフ様の顔をハンカチでコシコシと拭いた。
その後はご機嫌に戻ったリーフ様と指定された教室へと向かえば、辿り着いたのはギラギラと光を放つ大きな扉であった。
リーフ様曰くここが今後俺たちの学び場所となるのだそう。
それに対し特別思うことなどないが、急にその扉の匂いをクンクンと嗅ぎだしたリーフ様に釣られる様にそのまま眼の前のリーフ様の可愛い旋毛の匂いを嗅ぐ。
嗅ぎ慣れた匂いであったが、少々 ” 性教育 ” なるもののせいで体は知らずに緊張していたらしく、安心した俺の体から力が急に抜けてしまった。
そのまま大好きな匂いを夢中になって嗅いでいると、リーフ様はごちゃごちゃと話しかけてくる赤いドレスの女と青い男と楽しそうに話し始めてしまったがーーー
すっかりリラックスモードになっていた俺は覆いかぶさる様にもたれ掛かって大人しくそれが終わるのを待つ。
” 家に帰りましょう。 ”
” この匂いに包まれてお昼寝したいです ”
そんな望みを口にしても外で遊ぶのが大好きなリーフ様は叶えてはくれない事は分かっている。
残念だと思う反面、適当にあしらいながらも決して俺を見捨てないリーフ様も俺は好き。
好きが沢山ありすぎて俺の心の中は今日も相変わらず大渋滞。
存分に甘えてそれでも平然と受け止めてくれるリーフ様に安心しながら、そのままリーフ様に目一杯くっつく。
そして俺を見てくれるのをひたすら待っていたのだが、あーだこーだとうるさい周りの連中に対しリーフ様は困った様な顔で頭を抱えてしまったため俺を見てはくれない。
その痛ましい姿に同様に困りながらその原因を考えると、 ” いつの間にかまた群がってきた奴らが煩いせい ” という結論に辿り着いた。
ムッ!とした俺は即座にーー
「 どうでも良いことでリーフ様を困らせるな。立場をわきまえろ。 」
ーーと、教えてやったのに全く言うことを聞こうともしない!
再びムッ!とした俺が全員そのまま吹き飛ばしてやろうと思ったその時ーーリーフ様の言葉が頭を過る。
” 分かり合えたら奇跡。
全然駄目そうな時は一旦離れて冷静になろう。 ”
・・・そうだった。
それを理解してスッ・・・と意識をそいつらから外し、それ以降は一切無視。
リーフ様以外と分かり合う日などこない。
別に分かり合いたくない。
だから離れるべき
スタスタと迷いなく歩くリーフ様の可愛い旋毛を見ながら、首を降って暗くなりそうな思考を散らした。
とりあえず理解できなくてもリーフ様は今のところ、” 俺といつか愛し合っても良いかも ” ・・くらいには想ってくれている様子。
ならばそれがいつきてもいいように、抽象的な感情の問題は置いておいて具体的な知識は完全に理解しておくべきだ。
かつて無いやる気に満ち溢れゴッ!と燃えていると、急にリーフ様がピタリと止まりフォッ~フォッフォッ~と笑い出した。
?
不思議に思いピタリと足を止め見守っているとーー「 小童どものお尻はすべて俺のモノだ。 」・・・と突然理解が難しい事を言った。
「 ・・お尻・・?? 」
思わずそう口に出すと、リーフ様はハッ!とした様子で驚き笑顔で首を振る。
そしてピュピュ~♬と口笛を吹きながら早歩きで歩きだしてしまったため、何となくモヤッとしながらも一応その場では黙っておく事にした。
その後、正門らしき場所に到着するといつもリーフ様に群がってくる奴らが直ぐにやって来て心はモヤモヤイライラ・・
更に先程の謎の発言、そして新たに発した " 突っ込む " という不穏な言葉にもモヤモヤ・・
いっそのことこのモヤモヤごとリーフ様以外の全てを消してやりたい。
不機嫌を隠すことなく周りにいる奴らを全員睨みつけてやると、遠巻きに見ている周りの奴らはササッーー!といなくなったがーーそれが通じない奴らが数人その場に太々しく残る。
バレない様にチッと舌打ちを口から漏らした。
心底忌々しいと思ったがリーフ様は楽しそうなので、俺は引き続き必要以上に近づかないなら良しとするしかない。
ひたすら楽しむリーフ様を見る事に徹する。
笑う、笑う、笑う
俺以外の人間と。リーフ様は毎日。
毎日毎日毎日毎日毎日ーーーー・・・
・・楽しくない。
モヤモヤしながら我慢・・我慢・・と呟いていると、急に幼子の様に離れたくないと泣き出した細い方、太い方。
何を泣いているのか・・鬱陶しい。
そんな事如きで泣くなど・・
ーーーと一瞬思ったが、一緒になってリーフ様まで同様に泣き出してしまったため即座にその考えを消し去った。
お気に入りのおもちゃが手から離れて悲しいーーは普通の事。
細い方、太い方はリーフ様のお気に入りのおもちゃ。
それで泣くリーフ様は可愛い。問題ない。
ふーっ・・と息を小さく吐きながらそれが終わるのを待っていたが、途中から赤犬が便乗して抱きつこうとしていたためスッ・・と目を細める。
そしてゆっくりとレイピアに手を掛けようとしたその時ーーービクビクンッ!!!と大きく震えた赤犬は、即座に細い方、太い方を両脇に抱えてピュピューー!!と走り去ってしまった。
「 ・・・・。 」
小賢しい犬だ・・
レイピアに伸ばしかけた手を下ろし、思わずムッとしたが別に離れたならもういい。
捨てておく。
気持ちを即座に切り替えた俺はキラキラと輝く涙に濡れたリーフ様の顔をハンカチでコシコシと拭いた。
その後はご機嫌に戻ったリーフ様と指定された教室へと向かえば、辿り着いたのはギラギラと光を放つ大きな扉であった。
リーフ様曰くここが今後俺たちの学び場所となるのだそう。
それに対し特別思うことなどないが、急にその扉の匂いをクンクンと嗅ぎだしたリーフ様に釣られる様にそのまま眼の前のリーフ様の可愛い旋毛の匂いを嗅ぐ。
嗅ぎ慣れた匂いであったが、少々 ” 性教育 ” なるもののせいで体は知らずに緊張していたらしく、安心した俺の体から力が急に抜けてしまった。
そのまま大好きな匂いを夢中になって嗅いでいると、リーフ様はごちゃごちゃと話しかけてくる赤いドレスの女と青い男と楽しそうに話し始めてしまったがーーー
すっかりリラックスモードになっていた俺は覆いかぶさる様にもたれ掛かって大人しくそれが終わるのを待つ。
” 家に帰りましょう。 ”
” この匂いに包まれてお昼寝したいです ”
そんな望みを口にしても外で遊ぶのが大好きなリーフ様は叶えてはくれない事は分かっている。
残念だと思う反面、適当にあしらいながらも決して俺を見捨てないリーフ様も俺は好き。
好きが沢山ありすぎて俺の心の中は今日も相変わらず大渋滞。
存分に甘えてそれでも平然と受け止めてくれるリーフ様に安心しながら、そのままリーフ様に目一杯くっつく。
そして俺を見てくれるのをひたすら待っていたのだが、あーだこーだとうるさい周りの連中に対しリーフ様は困った様な顔で頭を抱えてしまったため俺を見てはくれない。
その痛ましい姿に同様に困りながらその原因を考えると、 ” いつの間にかまた群がってきた奴らが煩いせい ” という結論に辿り着いた。
ムッ!とした俺は即座にーー
「 どうでも良いことでリーフ様を困らせるな。立場をわきまえろ。 」
ーーと、教えてやったのに全く言うことを聞こうともしない!
再びムッ!とした俺が全員そのまま吹き飛ばしてやろうと思ったその時ーーリーフ様の言葉が頭を過る。
” 分かり合えたら奇跡。
全然駄目そうな時は一旦離れて冷静になろう。 ”
・・・そうだった。
それを理解してスッ・・・と意識をそいつらから外し、それ以降は一切無視。
リーフ様以外と分かり合う日などこない。
別に分かり合いたくない。
だから離れるべき
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