上 下
630 / 1,315
第十七章

615 可愛い子ちゃんこんにちは!

しおりを挟む
( リーフ )



ムッとした表情を浮かべ何か言い返そうとしたマービン君だったが、後ろに控えている2人の少年達が慌てた様子で、ヒソヒソとマービン君に耳打ち。


するとマービン君は直ぐに血相を変え、俺に頭を下げた。



「 ーーーっ!しっ、失礼いたしました!

私は辺境伯ライロンド家の< マービン・ゲーズ・ライロンド >と申します。


今しがた言うことを聞かぬ無礼極まりない平民の女に対し指導をしていたため、こうしてご挨拶が遅れ申し訳ありません。 」



にこやかに笑いながらも、俺の後ろにいる女の子達へギロッと牽制するような目で睨みつけるマービン君と後ろに控えている少年達に、女の子達はビクッ!とまた大きく身体を震わせた。

それを確認しつつ俺はマービン君に落ち着いた声で話しかける。


「 なるほど・・。

君の指導は女性の服を脱がす事なのかい? 」



「 いえいえ、そういうわけではなくてですね。

爵位が低く更に女という性を持つ時点でそれしか誇れるものはないだろうということです。

よって他に役に立たないのなら、せめてそれを使って皆を楽しませるのは当然の義務であると注意したのですよ。


つまり彼女たちにとってこれはチャンスなのです! 」



「 ???チャンス?? 」


俺にはその意味が全く分からず思わずそう聞き返すと、マービン君はニコニコしながらそれが当然であると言わんばかりに話を続けた。


「 唯一誇れる物を周りにアピールできるチャンスですよ!

そんなチャンスをこの私がわざわざ!与えて差し上げたのです。

なんらおかしな事はないと思いませんか?


” 自信があるものを周りに見せて楽しませる ”


それのどこが恥ずかしいのやら・・

やはりドブ臭い知性の足りぬ平民の考えは、高貴なる貴族の私には全く理解できませんね。 」



はぁ~と心底うんざりしているかの様なため息をつき、それに便乗する様に背後にいるとりまき少年達や三年生の特級組の少年少女達も同じ様に息を吐き笑い合う。


まるでマービン君の言うことこそが ” 正しい ” と言わんばかりの雰囲気になってしまい、周りの子たちもそれに圧倒され始めた。


俺ももれなくその空気に乗り、なるほどね~と大きく頷く。



「 そうかそうか。君の言いたい事は分かったよ。

要は、 ” 自信のあるものは皆に見せて楽しむべし ” 


ーーーそういう事かい? 」



「 はいっ!その通りでございます!

リーフ様はそういった常識をきちんと理解して下さる方で良かったです。

王族の中にも貴族の中でも残念な事にそういった "   正しきルール  "   を理解出来ぬ者達が一定数いますので・・このマービンは安心いたしました。

その事こそが国を腐敗させる最大の原因と言えるでしょうね。

本当に嘆かわしい事です。 」



マービン君は片手で目元を隠し、ユルユルと首を横に振るが・・はみ出ている口元が緩く弧を描いている事からあまり真剣ではない様子が見て取れる。


その様子に近くにいるソフィアちゃんは緩く笑みを貼り付けながら睨みつけ、感情を隠す事が苦手なアゼリアちゃんはあからさまにイラッとした雰囲気を出すが口を開く事はできず。


せっかくの初の『 合同演習 』だったのにすっかり空気が悪くなってしまった。


俺の後ろにいる3人の女の子達は、俺が同意したと思い "   もう駄目だ・・  "  と思ったらしく服の裾を握り思い詰めた様な表情をしているので、俺は直ぐにマービン君に向かって話しかけてその行動を止める。


「 そういえば、マービン君も他の特級組の皆も中々良い体格や体幹をしている様だね。

見た所、かなり強いとみた!

君たちは自分の肉体に結構自信があるんじゃないのかな~? 」


ジロジロ~と見定める様に三年生達に目線を走らせると、満更でもないのか全員ニッと笑い肯定を示す。

中でもマービン君はあからさまに機嫌が良くなり胸をグッと張りながら腕を偉そうに組んだ。



「 お褒め頂きありがとうございます。

これでも最終学年の特級組ですので、それなりの実力とそれにふさわしい体格はあると自負しております。

勿論我が組の者達は全員同じ気持ちであり、私達の右に出るものは少なくともこの学院の中にはいないでしょうね! 」



顎をツンッと上げ声高々にそう言ったマービン君と他の三年生達はとても誇らしげなご様子を見せて上機嫌。

それと反比例する様に場の空気は重くなっていく。


「 そうかいそうかい、それは凄いね~。 」


そんなダルダル~な空気の中、俺は言われた言葉に対し肯定と賛辞を述べながらペタペタとマービン君にと近づきーーーーー












そのまま下着ごとズボンを一気にずり下ろした。





ポロロ~ン♬とマービン君の下から出てきた可愛い子ちゃんが皆の目に止まった瞬間、空気は凍りつき、全員が固まった。


それは勿論マービン君も同じで、腕を組んだまま動かない。


俺はそれを良いことに体格と見事に反比例している小さなお象さんを繁々と見上げ「 ふむっ!平均よりは小さいと思うよ! 」と言い放ち、足首辺りで引っかかっているズボンと下着を思い切り引っ張った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

聖女召喚!……って俺、男〜しかも兵士なんだけど?

バナナ男さん
BL
主人公の現在暮らす世界は化け物に蹂躙された地獄の様な世界であった。 嘘か誠かむかしむかしのお話、世界中を黒い雲が覆い赤い雨が降って生物を化け物に変えたのだとか。 そんな世界で兵士として暮らす大樹は突然見知らぬ場所に召喚され「 世界を救って下さい、聖女様 」と言われるが、俺男〜しかも兵士なんだけど?? 異世界の王子様( 最初結構なクズ、後に溺愛、執着 )✕ 強化された平凡兵士( ノンケ、チート ) 途中少々無理やり的な表現ありなので注意して下さいませm(。≧Д≦。)m 名前はどうか気にしないで下さい・・

勇者パーティーハーレム!…の荷物番の俺の話

バナナ男さん
BL
突然異世界に召喚された普通の平凡アラサーおじさん< 山野 石郎 >改め【 イシ 】 世界を救う勇者とそれを支えし美少女戦士達の勇者パーティーの中・・俺の能力、ゼロ!あるのは訳の分からない< 覗く >という能力だけ。 これは、ちょっとしたおじさんイジメを受けながらもマイペースに旅に同行する荷物番のおじさんと、世界最強の力を持った勇者様のお話。 無気力、性格破綻勇者様 ✕ 平凡荷物番のおじさんのBLです。 不憫受けが書きたくて書いてみたのですが、少々意地悪な場面がありますので、どうかそういった表現が苦手なお方はご注意ください_○/|_ 土下座!

【完結】異世界転移パパは不眠症王子の抱き枕と化す~愛する息子のために底辺脱出を望みます!~

北川晶
BL
目つき最悪不眠症王子×息子溺愛パパ医者の、じれキュン異世界BL。本編と、パパの息子である小枝が主役の第二章も完結。姉の子を引き取りパパになった大樹は穴に落ち、息子の小枝が前世で過ごした異世界に転移した。戸惑いながらも、医者の知識と自身の麻酔効果スキル『スリーパー』小枝の清浄化スキル『クリーン』で人助けをするが。ひょんなことから奴隷堕ちしてしまう。医師奴隷として戦場の最前線に送られる大樹と小枝。そこで傷病人を治療しまくっていたが、第二王子ディオンの治療もすることに。だが重度の不眠症だった王子はスリーパーを欲しがり、大樹を所有奴隷にする。大きな身分差の中でふたりは徐々に距離を縮めていくが…。異世界履修済み息子とパパが底辺から抜け出すために頑張ります。大樹は奴隷の身から脱出できるのか? そしてディオンはニコイチ親子を攻略できるのか?

【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。

キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成) エロなし。騎士×妖精 ※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。 気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。 木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。 色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。 ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。 捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。 彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。 少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──? いいねありがとうございます!励みになります。

イケメン王子四兄弟に捕まって、女にされました。

天災
BL
 イケメン王子四兄弟に捕まりました。  僕は、女にされました。

大好きなBLゲームの世界に転生したので、最推しの隣に居座り続けます。 〜名も無き君への献身〜

7ズ
BL
 異世界BLゲーム『救済のマリアージュ』。通称:Qマリには、普通のBLゲームには無い闇堕ちルートと言うものが存在していた。  攻略対象の為に手を汚す事さえ厭わない主人公闇堕ちルートは、闇の腐女子の心を掴み、大ヒットした。  そして、そのゲームにハートを打ち抜かれた光の腐女子の中にも闇堕ちルートに最推しを持つ者が居た。  しかし、大規模なファンコミュニティであっても彼女の推しについて好意的に話す者は居ない。  彼女の推しは、攻略対象の養父。ろくでなしで飲んだくれ。表ルートでは事故で命を落とし、闇堕ちルートで主人公によって殺されてしまう。  どのルートでも死の運命が確約されている名も無きキャラクターへ異常な執着と愛情をたった一人で注いでいる孤独な彼女。  ある日、眠りから目覚めたら、彼女はQマリの世界へ幼い少年の姿で転生してしまった。  異常な執着と愛情を現実へと持ち出した彼女は、最推しである養父の設定に秘められた真実を知る事となった。  果たして彼女は、死の運命から彼を救い出す事が出来るのか──? ーーーーーーーーーーーー 狂気的なまでに一途な男(in腐女子)×名無しの訳あり飲兵衛  

【 完結 】お嫁取りに行ったのにキラキラ幼馴染にお嫁に取られちゃった俺のお話

バナナ男さん
BL
剣や魔法、モンスターが存在する《 女神様の箱庭 》と呼ばれる世界の中、主人公の< チリル >は、最弱と呼べる男だった。  そんな力なき者には厳しいこの世界では【 嫁取り 】という儀式がある。 そこで男たちはお嫁さんを貰う事ができるのだが……その儀式は非常に過酷なモノ。死人だって出ることもある。 しかし、どうしてもお嫁が欲しいチリルは参加を決めるが、同時にキラキラ幼馴染も参加して……?    完全無欠の美形幼馴染 ✕ 最弱主人公   世界観が独特で、男性にかなり厳しい世界、一夫多妻、卵で人類が産まれるなどなどのぶっ飛び設定がありますのでご注意してくださいm(__)m

奴隷商人は紛れ込んだ皇太子に溺愛される。

拍羅
BL
転生したら奴隷商人?!いや、いやそんなことしたらダメでしょ 親の跡を継いで奴隷商人にはなったけど、両親のような残虐な行いはしません!俺は皆んなが行きたい家族の元へと送り出します。 え、新しく来た彼が全く理想の家族像を教えてくれないんだけど…。ちょっと、待ってその貴族の格好した人たち誰でしょうか ※独自の世界線

処理中です...