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第十七章
611 苦労する人達
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( リーフ )
リリアちゃんは俺の姿を見つけると、驚いたのか僅かに目を見開く。
「 リーフ様?何故こちらに? 」
そう質問してきたので「 時間に余裕があったから遠回りしてみたんだ。 」と答えると納得した様子を見せた。
リリアちゃんはレナ先生が顧問する【 化術部 】の部員であるため、朝の水撒きを手伝いをしていたのだそう。
レナ先生がリリアちゃんに向かい「 お疲れ様~リリアさん。毎朝ありがとうね~。 」とお礼を告げると、リリアちゃんはニコッと微笑む。
そしてレナ先生はリリアちゃんの方へと近づき、その肩をポンポンと叩いて嬉しそうに笑った。
「 もう、本当にリリアさんは優秀な部員でね!
新種の薬草もまだ一年生なのにバンバン開発しちゃってるのよ~。
凄いでしょ!
しかも薬草の管理までこうしてお手伝いしてくれて、凄く助かっちゃう。 」
まるで我が子自慢の様にペラペラと語りだすレナ先生に、リリアちゃんは少し恥ずかしそうだが嬉しそうにしている。
リリアちゃんの資質は< 錬合師 >
まさにこの【 化術部 】はその能力を生かす絶好の場であると言えよう。
それに加えてリリアちゃんは努力を惜しまずできる子で、時間を無駄にせず日々図書館に通ってはあらゆる知識を吸収し続けている。
「 それは凄いね!
その資質は生かすのが難しいのにリリアちゃんは見事に開花させてて本当に凄いと思うよ、俺は。 」
うんうんと頷きながら尊敬の念を伝えると、リリアちゃんは更に照れながらも「 ありがとうございます。 」とお礼を言った。
まさに努力する天才!それがこのリリアちゃんだ。
おじさんになると頑張る若者が可愛くて仕方がな~い!などと思いながら上機嫌でニコニコしていると、レナ先生が突然、あっ!と小さく叫んだ。
「 そうそう!ずっと言おうと思ってたんだけど、兄が大変お世話になったみたいで・・
私ってば基本研究室から出ないし噂に疎いから最近やっと知ってね。
遅くなってゴメンナサイ。
あの人、本当に変わってたでしょ?
もう妹としては恥ずかしくて恥ずかしくて・・何か迷惑掛けなかった? 」
「 ???へっ?兄って? 」
さっぱり何の事だか分からず聞き返すとレナ先生はフフッと笑って「 あのキノコマニアの変態よ。 」と結構辛辣な言葉で言ったが、悲しい事にそれでバッチリ伝わってしまった。
「 えっ!もしかしてライキーさんのこと!? 」
ライキーさんはよく拉致されてくるため話す機会が多々あるのだが、基本会話の10割がキノコの話なので全然知らなかった。
なんと言っても黙っていると延々とキノコの話を語りだし、キノコの形の美しさ、生い立ち、その素晴らしい効能~などなど、最終的には ” キノコこそが世界の中心である ” まで行くので、聞いている俺は常に苦笑い。
熱が入ると止まらないのは一度話して理解したので、俺はイエス、イエ~スと全て頷きながら聞いているのだが、適度な所で、煩い!とばかりにあげ玉が口の中の唾をぺっ!!と吐き出し、ライキーさんの頭にクリーンヒット。
上手いこと気絶させてくれるので、別にそこまで困った事はなく良い関係を築いていると思っている。
そのため俺が首をブンブンと横に振ると、レナ先生はホッとした様子を見せた。
「 迷惑掛けてないなら良かったわ~。
あの人、本当にキノコの事しか頭にない人で色んな所で騒動を起こすのよ。
その度に私が後始末をしないといけないわけ!
困った兄を持つと妹は大変だわ~。 」
はぁ~・・と大きなため息をつくレナ先生に続き、隣にいるリリアちゃんも分かります!と言わんばかりに同じため息をつく。
そして俺も今までの学院生活を思い出し、目をスッと細めた。
リリアちゃんの双子の兄、サイモンもライキーさんとは方向性が違うやんちゃ型の困ったさんな所が多々あって、結構なトラブルメーカー。
ただ、その破天荒っぷりなりにきちんとした正義感を持って行動しているし、空気を読むのに特化した守護霊でもいるの?と聞きたくなるくらい立ち回りが上手いため、基本恨みも買わない。
それでいて可愛い顔をしているサイモンは男の子という点を差し置いてもとても魅力的らしく、なんといつの間にやらファンクラブなるものまで出来上がっていた。
よってそんな目立ちまくるサイモンと一緒に行動する事の多いリリアちゃんもその分表舞台に引き釣り出される機会が増えてしまい、それに日々ため息をついている。
そして漏れなく俺もほぼ100%の確率でその騒ぎに巻きこまれているため、やれやれ・・とため息を漏らした。
シン・・と黙ってしまった俺とリリアちゃん。
それに一切構わず、レナ先生はマイペースにポケットから懐中時計を取り出しそれを見下ろすと、俺達に「 そろそろ授業の時間ね~。じゃあ、三人ともそろそろ教室へ向かいなさいな。じゃあね! 」と言い残しその場を去っていった。
リリアちゃんは俺の姿を見つけると、驚いたのか僅かに目を見開く。
「 リーフ様?何故こちらに? 」
そう質問してきたので「 時間に余裕があったから遠回りしてみたんだ。 」と答えると納得した様子を見せた。
リリアちゃんはレナ先生が顧問する【 化術部 】の部員であるため、朝の水撒きを手伝いをしていたのだそう。
レナ先生がリリアちゃんに向かい「 お疲れ様~リリアさん。毎朝ありがとうね~。 」とお礼を告げると、リリアちゃんはニコッと微笑む。
そしてレナ先生はリリアちゃんの方へと近づき、その肩をポンポンと叩いて嬉しそうに笑った。
「 もう、本当にリリアさんは優秀な部員でね!
新種の薬草もまだ一年生なのにバンバン開発しちゃってるのよ~。
凄いでしょ!
しかも薬草の管理までこうしてお手伝いしてくれて、凄く助かっちゃう。 」
まるで我が子自慢の様にペラペラと語りだすレナ先生に、リリアちゃんは少し恥ずかしそうだが嬉しそうにしている。
リリアちゃんの資質は< 錬合師 >
まさにこの【 化術部 】はその能力を生かす絶好の場であると言えよう。
それに加えてリリアちゃんは努力を惜しまずできる子で、時間を無駄にせず日々図書館に通ってはあらゆる知識を吸収し続けている。
「 それは凄いね!
その資質は生かすのが難しいのにリリアちゃんは見事に開花させてて本当に凄いと思うよ、俺は。 」
うんうんと頷きながら尊敬の念を伝えると、リリアちゃんは更に照れながらも「 ありがとうございます。 」とお礼を言った。
まさに努力する天才!それがこのリリアちゃんだ。
おじさんになると頑張る若者が可愛くて仕方がな~い!などと思いながら上機嫌でニコニコしていると、レナ先生が突然、あっ!と小さく叫んだ。
「 そうそう!ずっと言おうと思ってたんだけど、兄が大変お世話になったみたいで・・
私ってば基本研究室から出ないし噂に疎いから最近やっと知ってね。
遅くなってゴメンナサイ。
あの人、本当に変わってたでしょ?
もう妹としては恥ずかしくて恥ずかしくて・・何か迷惑掛けなかった? 」
「 ???へっ?兄って? 」
さっぱり何の事だか分からず聞き返すとレナ先生はフフッと笑って「 あのキノコマニアの変態よ。 」と結構辛辣な言葉で言ったが、悲しい事にそれでバッチリ伝わってしまった。
「 えっ!もしかしてライキーさんのこと!? 」
ライキーさんはよく拉致されてくるため話す機会が多々あるのだが、基本会話の10割がキノコの話なので全然知らなかった。
なんと言っても黙っていると延々とキノコの話を語りだし、キノコの形の美しさ、生い立ち、その素晴らしい効能~などなど、最終的には ” キノコこそが世界の中心である ” まで行くので、聞いている俺は常に苦笑い。
熱が入ると止まらないのは一度話して理解したので、俺はイエス、イエ~スと全て頷きながら聞いているのだが、適度な所で、煩い!とばかりにあげ玉が口の中の唾をぺっ!!と吐き出し、ライキーさんの頭にクリーンヒット。
上手いこと気絶させてくれるので、別にそこまで困った事はなく良い関係を築いていると思っている。
そのため俺が首をブンブンと横に振ると、レナ先生はホッとした様子を見せた。
「 迷惑掛けてないなら良かったわ~。
あの人、本当にキノコの事しか頭にない人で色んな所で騒動を起こすのよ。
その度に私が後始末をしないといけないわけ!
困った兄を持つと妹は大変だわ~。 」
はぁ~・・と大きなため息をつくレナ先生に続き、隣にいるリリアちゃんも分かります!と言わんばかりに同じため息をつく。
そして俺も今までの学院生活を思い出し、目をスッと細めた。
リリアちゃんの双子の兄、サイモンもライキーさんとは方向性が違うやんちゃ型の困ったさんな所が多々あって、結構なトラブルメーカー。
ただ、その破天荒っぷりなりにきちんとした正義感を持って行動しているし、空気を読むのに特化した守護霊でもいるの?と聞きたくなるくらい立ち回りが上手いため、基本恨みも買わない。
それでいて可愛い顔をしているサイモンは男の子という点を差し置いてもとても魅力的らしく、なんといつの間にやらファンクラブなるものまで出来上がっていた。
よってそんな目立ちまくるサイモンと一緒に行動する事の多いリリアちゃんもその分表舞台に引き釣り出される機会が増えてしまい、それに日々ため息をついている。
そして漏れなく俺もほぼ100%の確率でその騒ぎに巻きこまれているため、やれやれ・・とため息を漏らした。
シン・・と黙ってしまった俺とリリアちゃん。
それに一切構わず、レナ先生はマイペースにポケットから懐中時計を取り出しそれを見下ろすと、俺達に「 そろそろ授業の時間ね~。じゃあ、三人ともそろそろ教室へ向かいなさいな。じゃあね! 」と言い残しその場を去っていった。
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