614 / 1,315
第十六章
599 おじさん感激
しおりを挟む
( リーフ )
それがたった一日、しかも数時間で稼げてしまった事に恐怖し、それを受け取る手がガタガタと震えてしまう。
瘴核は傷が無くても勿論使えるが、傷が無い方がエネルギーが外に漏れないため純度が高い魔導具作成ができる。
そのため勿論それを目指して討伐はするのだが、どうしても戦闘になれば傷はついてしまうので、ここまで綺麗な瘴核だと貴族がこぞって買いにくるだろうとの事であった。
その説明と「 また、頼むぜ~♬ 」という言葉に、うん、うん、と赤べこ人形の様に頷いた後、フラフラ~とお外に出て俺は頭を抱える。
そして後ろで無表情のレオン、そして暴れてスッキリ~のあげ玉と黒みつを順番に見てから、俺はちょっと脇道の人が少ない所まで全員を誘導しちょっと座ってもらった。
「 あのね、あげ玉と黒みつが沢山モンスターを倒したでしょ?
だからね~お金が沢山貰えたんだよ。
お金を知っている人~。 」
俺の唐突な質問にもしっかり対応してくるレオンは、いち早くピッ!と自信満々で手を上げる。
そして案の定あげ玉と黒みつは「 ? 」といった様子で知りませ~んと言わんばかりの態度であった。
予想通りの答えに俺はうん・・と頷き、お金を知らないあげ玉と黒みつに対し " 勝った・・っ! " という大人気ない笑みを浮かべるレオンの頭を撫で撫でして落ち着かせながら、どうしようかと考える。
考えて考えて~・・
・・・
まぁ、とりあえずは伝える努力が大事だよね。ーーーという答えを出した俺はキレイに二等分したお金をまずはあげ玉と黒みつの前に、そして依頼料の方はレオンの前に置く。
「 このお金はすごいものでね、欲しい物を買う時に使うものなんだよ。
ーーで、そんなすごいお金を稼いだのはあげ玉と黒みつで、これは君たちのもの。
レオンは色々運んでくれたから今日の依頼料は全部あげるね。
分かったかな~? 」
それを伝えるとあげ玉と黒みつより大分少ないお金の小山にガガーン!とショックを受けている様子のレオン。
前にこんもり置かれた金貨の山をくちばしで突いてジロジロと睨みつけるあげ玉に、触手でツンツンと突いている黒みつ。
そんな三者三様の反応を見つつ、その後ヘロ・・と力が抜けて倒れそうになるレオンをキャッチ。
仕方ないからヨチヨチしてあげる。
その間お金を前にしたあげ玉と黒みつは、" どうやらこれは良いものである " という事は理解した様で、あげ玉はレオンの方へズッズッ!と金貨を押し出して献上し、黒みつはサササッ!と前に置かれたお金を三等分してあげ玉、レオン、俺の前に置く。
そしてあげ玉の前に置かれたお金はまたレオンの前へ。
そうしてモリッと大きな山になったお金を見てレオンは復活し、上機嫌でそれをズズズーっと押し出し俺の前に・・
つまり回り回ってお金は全て俺の前に戻ってきたということだ。
多分あげ玉は何か悲しそうな様子の弟レオンに ” ほら、コレやるから元気だせよ ” と言って元気づける為にお金をあげて、黒みつは ” 皆で半分こ~ ” を実行。
そしてレオンは、” 僕はお金欲しいけどお金ないな~いのリーフおじさんにあげるね ” と、各々の優しさから俺の元にお金が集結した。
これにはおじさん大感動!
思わず座り込んでいる皆をギュムッと抱きしめお胸がジーン・・
こうなったら俺がお金の管理をするしかあるまいと決心し、あげ玉、黒みつには現物支給。
レオンにはいつかのためにレオン貯金をしておこうと考え、ありがとうありがとう!とグススンしながら金貨を全て袋に詰めると、そのままあげ玉の多次元バックにきちんと入れておいた。
そしてその後は、すっかり依頼後の日課となっているペタペタ、モミモミと体中を触ってくるレオンは好きにさせといて、「 じゅあー皆!今日もマリンさんの所で美味しいの食べさせてもらおう! 」と言うと、あげ玉と黒みつはそれに大興奮。
俺もうひょひょ~い!と同じく大興奮しながら皆でマリンさんのお店へと歩き出した。
結局ペタ~とくっついたままのレオンが邪魔だったので半分背負って足を引きずりながらお店に到着すると、見知った顔が見えてくる。
「 リーフさ~ん! 」
真っ赤なリボンがチャームポイント!
りんごの隠れ家のリーンちゃんがお店の前で手を振ってくれたため俺も直ぐに手を振り返す。
どうやらまたパンを届けに来てくれた様だ。
「 こんばんは~!リーンちゃん。
いつもパンを届けてくれてありがとう! 」
「 どういたしまして!こちらこそ美味しいお肉をいつもありがと~!
今日もパンは完売したよ。 」
パンが入った紙袋を上に持ち上げ嬉しそうに報告してくるリーンちゃんに「 良かったね。 」と言いながらパンを受け取り、そのまま一緒に中へ。
俺達が入った瞬間にマリンさんとルルちゃんが挨拶してきてくれて俺も挨拶を返し、次にレオンに先程貰った籠一杯のキノコとギルドで貰った野菜や卵、牛乳を出してもらう。
それを見たマリンさん達はギョッ!と目を見開き驚いた表情をみせて固まった。
「 これ、今日の依頼で貰ったんだ。
良かったら使って欲しいな!皆で美味しいの食べよう。 」
「 使ってって・・これは・・。 」
マリンさんが震える手でソッ~と味好みキノコをペタペタと触り、更に野菜や卵も同様に触った後、ほぅ・・と感嘆のため息をついた。
それがたった一日、しかも数時間で稼げてしまった事に恐怖し、それを受け取る手がガタガタと震えてしまう。
瘴核は傷が無くても勿論使えるが、傷が無い方がエネルギーが外に漏れないため純度が高い魔導具作成ができる。
そのため勿論それを目指して討伐はするのだが、どうしても戦闘になれば傷はついてしまうので、ここまで綺麗な瘴核だと貴族がこぞって買いにくるだろうとの事であった。
その説明と「 また、頼むぜ~♬ 」という言葉に、うん、うん、と赤べこ人形の様に頷いた後、フラフラ~とお外に出て俺は頭を抱える。
そして後ろで無表情のレオン、そして暴れてスッキリ~のあげ玉と黒みつを順番に見てから、俺はちょっと脇道の人が少ない所まで全員を誘導しちょっと座ってもらった。
「 あのね、あげ玉と黒みつが沢山モンスターを倒したでしょ?
だからね~お金が沢山貰えたんだよ。
お金を知っている人~。 」
俺の唐突な質問にもしっかり対応してくるレオンは、いち早くピッ!と自信満々で手を上げる。
そして案の定あげ玉と黒みつは「 ? 」といった様子で知りませ~んと言わんばかりの態度であった。
予想通りの答えに俺はうん・・と頷き、お金を知らないあげ玉と黒みつに対し " 勝った・・っ! " という大人気ない笑みを浮かべるレオンの頭を撫で撫でして落ち着かせながら、どうしようかと考える。
考えて考えて~・・
・・・
まぁ、とりあえずは伝える努力が大事だよね。ーーーという答えを出した俺はキレイに二等分したお金をまずはあげ玉と黒みつの前に、そして依頼料の方はレオンの前に置く。
「 このお金はすごいものでね、欲しい物を買う時に使うものなんだよ。
ーーで、そんなすごいお金を稼いだのはあげ玉と黒みつで、これは君たちのもの。
レオンは色々運んでくれたから今日の依頼料は全部あげるね。
分かったかな~? 」
それを伝えるとあげ玉と黒みつより大分少ないお金の小山にガガーン!とショックを受けている様子のレオン。
前にこんもり置かれた金貨の山をくちばしで突いてジロジロと睨みつけるあげ玉に、触手でツンツンと突いている黒みつ。
そんな三者三様の反応を見つつ、その後ヘロ・・と力が抜けて倒れそうになるレオンをキャッチ。
仕方ないからヨチヨチしてあげる。
その間お金を前にしたあげ玉と黒みつは、" どうやらこれは良いものである " という事は理解した様で、あげ玉はレオンの方へズッズッ!と金貨を押し出して献上し、黒みつはサササッ!と前に置かれたお金を三等分してあげ玉、レオン、俺の前に置く。
そしてあげ玉の前に置かれたお金はまたレオンの前へ。
そうしてモリッと大きな山になったお金を見てレオンは復活し、上機嫌でそれをズズズーっと押し出し俺の前に・・
つまり回り回ってお金は全て俺の前に戻ってきたということだ。
多分あげ玉は何か悲しそうな様子の弟レオンに ” ほら、コレやるから元気だせよ ” と言って元気づける為にお金をあげて、黒みつは ” 皆で半分こ~ ” を実行。
そしてレオンは、” 僕はお金欲しいけどお金ないな~いのリーフおじさんにあげるね ” と、各々の優しさから俺の元にお金が集結した。
これにはおじさん大感動!
思わず座り込んでいる皆をギュムッと抱きしめお胸がジーン・・
こうなったら俺がお金の管理をするしかあるまいと決心し、あげ玉、黒みつには現物支給。
レオンにはいつかのためにレオン貯金をしておこうと考え、ありがとうありがとう!とグススンしながら金貨を全て袋に詰めると、そのままあげ玉の多次元バックにきちんと入れておいた。
そしてその後は、すっかり依頼後の日課となっているペタペタ、モミモミと体中を触ってくるレオンは好きにさせといて、「 じゅあー皆!今日もマリンさんの所で美味しいの食べさせてもらおう! 」と言うと、あげ玉と黒みつはそれに大興奮。
俺もうひょひょ~い!と同じく大興奮しながら皆でマリンさんのお店へと歩き出した。
結局ペタ~とくっついたままのレオンが邪魔だったので半分背負って足を引きずりながらお店に到着すると、見知った顔が見えてくる。
「 リーフさ~ん! 」
真っ赤なリボンがチャームポイント!
りんごの隠れ家のリーンちゃんがお店の前で手を振ってくれたため俺も直ぐに手を振り返す。
どうやらまたパンを届けに来てくれた様だ。
「 こんばんは~!リーンちゃん。
いつもパンを届けてくれてありがとう! 」
「 どういたしまして!こちらこそ美味しいお肉をいつもありがと~!
今日もパンは完売したよ。 」
パンが入った紙袋を上に持ち上げ嬉しそうに報告してくるリーンちゃんに「 良かったね。 」と言いながらパンを受け取り、そのまま一緒に中へ。
俺達が入った瞬間にマリンさんとルルちゃんが挨拶してきてくれて俺も挨拶を返し、次にレオンに先程貰った籠一杯のキノコとギルドで貰った野菜や卵、牛乳を出してもらう。
それを見たマリンさん達はギョッ!と目を見開き驚いた表情をみせて固まった。
「 これ、今日の依頼で貰ったんだ。
良かったら使って欲しいな!皆で美味しいの食べよう。 」
「 使ってって・・これは・・。 」
マリンさんが震える手でソッ~と味好みキノコをペタペタと触り、更に野菜や卵も同様に触った後、ほぅ・・と感嘆のため息をついた。
51
お気に入りに追加
1,993
あなたにおすすめの小説
聖女召喚!……って俺、男〜しかも兵士なんだけど?
バナナ男さん
BL
主人公の現在暮らす世界は化け物に蹂躙された地獄の様な世界であった。
嘘か誠かむかしむかしのお話、世界中を黒い雲が覆い赤い雨が降って生物を化け物に変えたのだとか。
そんな世界で兵士として暮らす大樹は突然見知らぬ場所に召喚され「 世界を救って下さい、聖女様 」と言われるが、俺男〜しかも兵士なんだけど??
異世界の王子様( 最初結構なクズ、後に溺愛、執着 )✕ 強化された平凡兵士( ノンケ、チート )
途中少々無理やり的な表現ありなので注意して下さいませm(。≧Д≦。)m
名前はどうか気にしないで下さい・・
勇者パーティーハーレム!…の荷物番の俺の話
バナナ男さん
BL
突然異世界に召喚された普通の平凡アラサーおじさん< 山野 石郎 >改め【 イシ 】
世界を救う勇者とそれを支えし美少女戦士達の勇者パーティーの中・・俺の能力、ゼロ!あるのは訳の分からない< 覗く >という能力だけ。
これは、ちょっとしたおじさんイジメを受けながらもマイペースに旅に同行する荷物番のおじさんと、世界最強の力を持った勇者様のお話。
無気力、性格破綻勇者様 ✕ 平凡荷物番のおじさんのBLです。
不憫受けが書きたくて書いてみたのですが、少々意地悪な場面がありますので、どうかそういった表現が苦手なお方はご注意ください_○/|_ 土下座!
【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成)
エロなし。騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
いいねありがとうございます!励みになります。
大好きなBLゲームの世界に転生したので、最推しの隣に居座り続けます。 〜名も無き君への献身〜
7ズ
BL
異世界BLゲーム『救済のマリアージュ』。通称:Qマリには、普通のBLゲームには無い闇堕ちルートと言うものが存在していた。
攻略対象の為に手を汚す事さえ厭わない主人公闇堕ちルートは、闇の腐女子の心を掴み、大ヒットした。
そして、そのゲームにハートを打ち抜かれた光の腐女子の中にも闇堕ちルートに最推しを持つ者が居た。
しかし、大規模なファンコミュニティであっても彼女の推しについて好意的に話す者は居ない。
彼女の推しは、攻略対象の養父。ろくでなしで飲んだくれ。表ルートでは事故で命を落とし、闇堕ちルートで主人公によって殺されてしまう。
どのルートでも死の運命が確約されている名も無きキャラクターへ異常な執着と愛情をたった一人で注いでいる孤独な彼女。
ある日、眠りから目覚めたら、彼女はQマリの世界へ幼い少年の姿で転生してしまった。
異常な執着と愛情を現実へと持ち出した彼女は、最推しである養父の設定に秘められた真実を知る事となった。
果たして彼女は、死の運命から彼を救い出す事が出来るのか──?
ーーーーーーーーーーーー
狂気的なまでに一途な男(in腐女子)×名無しの訳あり飲兵衛
【 完結 】お嫁取りに行ったのにキラキラ幼馴染にお嫁に取られちゃった俺のお話
バナナ男さん
BL
剣や魔法、モンスターが存在する《 女神様の箱庭 》と呼ばれる世界の中、主人公の< チリル >は、最弱と呼べる男だった。 そんな力なき者には厳しいこの世界では【 嫁取り 】という儀式がある。 そこで男たちはお嫁さんを貰う事ができるのだが……その儀式は非常に過酷なモノ。死人だって出ることもある。 しかし、どうしてもお嫁が欲しいチリルは参加を決めるが、同時にキラキラ幼馴染も参加して……? 完全無欠の美形幼馴染 ✕ 最弱主人公 世界観が独特で、男性にかなり厳しい世界、一夫多妻、卵で人類が産まれるなどなどのぶっ飛び設定がありますのでご注意してくださいm(__)m
奴隷商人は紛れ込んだ皇太子に溺愛される。
拍羅
BL
転生したら奴隷商人?!いや、いやそんなことしたらダメでしょ
親の跡を継いで奴隷商人にはなったけど、両親のような残虐な行いはしません!俺は皆んなが行きたい家族の元へと送り出します。
え、新しく来た彼が全く理想の家族像を教えてくれないんだけど…。ちょっと、待ってその貴族の格好した人たち誰でしょうか
※独自の世界線
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる