605 / 1,001
第十六章
592 意外に多いかも?
しおりを挟む
( リーフ )
「 リーフ君、レオン君こんにちは!今日はテイムモンスターと一緒なの? 」
「 違うよ。テイムじゃなくて俺の家族なんだ。
それより何か用かい? 」
エイミさんはあげ玉を繁々と見上げた後、直ぐにカウンターの下から立派なお野菜がゴロゴロと入った大きな木箱と2リットルくらいの瓶に入った沢山の牛乳に、更に卵がどっさり入った籠を出し、机の上にドドンッと出した。
「 うわぁ~美味しそうな野菜に牛乳に、卵まで。
これどうしたんだい?エイミさん食べるの? 」
「 違う違う。ほらっ、この間二人でヘッド・ハンマーモグラ倒してくれたでしょ?
そのお陰で沢山収穫できたからって依頼者の人達とその関係者達が二人にって届けにきたのよ~。
牛乳はそのお陰で助かったって酪農農家の人達からで、卵は養鶏場の人達から。
多分これからまだまだ持ってくるんじゃないかしら?
流通がストップしていた商売の人達の間でリーフ君、あっという間に噂になっちゃってるみたいだし・・。
何だか街でもリーフ君達の噂だらけですっかり有名になっちゃったわね。
まさかナックルに続きゲイルの件もリーフ君だったとは思わなかったから本当にびっくりしたわ・・・。 」
最後は頭を抱えて唸るエイミさんだったが、俺的にはそんな大した事はしていないぞ~?と頭を傾けてしまう。
ヘッド・ハンマーモグラの討伐なんて、今は農家の人が出してくれたたくあんの味で記憶の全てが塗り替えられているし・・
まぁ、喜んでくれたなら良かった!
つやつやで水々しいお野菜を見て思わず笑顔。
依頼を受けた時、農家の人達は凄く泣いていたからまたお野菜が採れるようになって俺も嬉しい。
「 本当に美味しそうなお野菜だね。これ本当に俺達が貰っていいのかな? 」
「 勿論よ。寧ろ早く持っていってほしいわ。
今日は足が伸ばせなくて困っちゃった。 」
エイミさんはそう言ってパンパンと自身の足を叩く。
カウンターの下に置いていたため足が伸ばせなかった様だ。
「 じゃぁ、遠慮なく貰お~!ありがとうエイミさん。
農家の人達や他の人達にも今度御礼を言いに行ってくるよ。
これでマリンさんのところでまた美味しいの食べれるから俺、凄く楽しみだ。
レオン、悪いんだけどコレ多次元ボックスに入れておいてくれないかい? 」
マリンさんの美味しいご飯を思い出しながらレオンにお願いすると、その瞬間、じゅる・・とヨダレが垂れそうに・・
おっとっ!!と焦って慌てて拭こうとすると、それより早くレオンが口を拭き拭きしてくれて、その後お野菜達を多次元ボックスへ入れてくれた。
レオンにお礼を告げた後、今日の依頼はどうしようかな~?と依頼書が貼られているボードへ早速向かおうとしたのだが・・
その前にエイミさんがあげ玉の首に巻き付いていた黒みつに気づきガタガタッ!と立ち上がったため俺は動きを止める。
「 えっ!ええええーー!??う、う、動いた!
そ、それ、黒いスカーフじゃなかったの?!
・・・・あ!もしかしてこれが報告のあったユニーク個体のスライム君? 」
「 そうそう。黒スライムの< 黒みつ >だよ~。
これからよろしく。 」
黒みつの頭?をグニグニと揉みながらエイミさんに紹介すると、黒みつはにょにょっと2本お触手を出し、手を振るように挨拶。
それにエイミさんはギョッ!と目を剥くが、一応は手を振り返してくれた。
「 なんていうか・・意思疎通ができるなんて・・
ユニーク個体って本当にすごいわ・・。 」
考え込みながら黒みつをジーッと見つめるエイミさん。
それが恥ずかしかったらしく、黒みつは俺の手袋になってシン・・と黙ってしまった。
ユニーク個体は生涯で片手に数える程度しかお目にかかれないなどと言われているほど希少らしく、大体はエイミさんの様な反応をするらしいのだが・・・
俺はチラッと大あくびをしているあげ玉を見上げた。
実はあげ玉もユニーク個体なんだよねぇ~。
ぷぷぷ~と笑いそうになる口を必死に押さえて笑いを噛み殺す。
あげ玉は黒みつと違い、外見的には他のポッポ鳥と何ら変わらないため誰も気づいていないが【 戦慄のポッポ鳥 】というユニーク個体名を持つ正真正銘ユニーク個体。
そう考えると、意外にその数は考えられているよりは多いのかもしれないな。
う~む・・と唸りながら黒みつを優しく剥がし、安定のあげ玉の首にぐるりと巻いてあげていると、エイミさんはそのまま黒みつを見つめながらふっと言った。
「 ・・でも何でユニーク個体がわざわざスライムの家を点々としていたのかしら・・?
敵意があってそれをやったなら分かるんだけど・・ 」
「 あ~、それについは昨日黒みつ本人に聞いてみたんだけど・・
何だかとっても不気味な絵だけ書いて、それ以上は黒みつにも分からないらしいんだよね。 」
考え込んでいるエイミさんに、俺が昨日黒みつが書いた黒く塗りつぶされた丸と周りを囲む沢山の交差針の絵について説明すると、次第にエイミさんの顔は険しいものになっていった。
「 リーフ君、レオン君こんにちは!今日はテイムモンスターと一緒なの? 」
「 違うよ。テイムじゃなくて俺の家族なんだ。
それより何か用かい? 」
エイミさんはあげ玉を繁々と見上げた後、直ぐにカウンターの下から立派なお野菜がゴロゴロと入った大きな木箱と2リットルくらいの瓶に入った沢山の牛乳に、更に卵がどっさり入った籠を出し、机の上にドドンッと出した。
「 うわぁ~美味しそうな野菜に牛乳に、卵まで。
これどうしたんだい?エイミさん食べるの? 」
「 違う違う。ほらっ、この間二人でヘッド・ハンマーモグラ倒してくれたでしょ?
そのお陰で沢山収穫できたからって依頼者の人達とその関係者達が二人にって届けにきたのよ~。
牛乳はそのお陰で助かったって酪農農家の人達からで、卵は養鶏場の人達から。
多分これからまだまだ持ってくるんじゃないかしら?
流通がストップしていた商売の人達の間でリーフ君、あっという間に噂になっちゃってるみたいだし・・。
何だか街でもリーフ君達の噂だらけですっかり有名になっちゃったわね。
まさかナックルに続きゲイルの件もリーフ君だったとは思わなかったから本当にびっくりしたわ・・・。 」
最後は頭を抱えて唸るエイミさんだったが、俺的にはそんな大した事はしていないぞ~?と頭を傾けてしまう。
ヘッド・ハンマーモグラの討伐なんて、今は農家の人が出してくれたたくあんの味で記憶の全てが塗り替えられているし・・
まぁ、喜んでくれたなら良かった!
つやつやで水々しいお野菜を見て思わず笑顔。
依頼を受けた時、農家の人達は凄く泣いていたからまたお野菜が採れるようになって俺も嬉しい。
「 本当に美味しそうなお野菜だね。これ本当に俺達が貰っていいのかな? 」
「 勿論よ。寧ろ早く持っていってほしいわ。
今日は足が伸ばせなくて困っちゃった。 」
エイミさんはそう言ってパンパンと自身の足を叩く。
カウンターの下に置いていたため足が伸ばせなかった様だ。
「 じゃぁ、遠慮なく貰お~!ありがとうエイミさん。
農家の人達や他の人達にも今度御礼を言いに行ってくるよ。
これでマリンさんのところでまた美味しいの食べれるから俺、凄く楽しみだ。
レオン、悪いんだけどコレ多次元ボックスに入れておいてくれないかい? 」
マリンさんの美味しいご飯を思い出しながらレオンにお願いすると、その瞬間、じゅる・・とヨダレが垂れそうに・・
おっとっ!!と焦って慌てて拭こうとすると、それより早くレオンが口を拭き拭きしてくれて、その後お野菜達を多次元ボックスへ入れてくれた。
レオンにお礼を告げた後、今日の依頼はどうしようかな~?と依頼書が貼られているボードへ早速向かおうとしたのだが・・
その前にエイミさんがあげ玉の首に巻き付いていた黒みつに気づきガタガタッ!と立ち上がったため俺は動きを止める。
「 えっ!ええええーー!??う、う、動いた!
そ、それ、黒いスカーフじゃなかったの?!
・・・・あ!もしかしてこれが報告のあったユニーク個体のスライム君? 」
「 そうそう。黒スライムの< 黒みつ >だよ~。
これからよろしく。 」
黒みつの頭?をグニグニと揉みながらエイミさんに紹介すると、黒みつはにょにょっと2本お触手を出し、手を振るように挨拶。
それにエイミさんはギョッ!と目を剥くが、一応は手を振り返してくれた。
「 なんていうか・・意思疎通ができるなんて・・
ユニーク個体って本当にすごいわ・・。 」
考え込みながら黒みつをジーッと見つめるエイミさん。
それが恥ずかしかったらしく、黒みつは俺の手袋になってシン・・と黙ってしまった。
ユニーク個体は生涯で片手に数える程度しかお目にかかれないなどと言われているほど希少らしく、大体はエイミさんの様な反応をするらしいのだが・・・
俺はチラッと大あくびをしているあげ玉を見上げた。
実はあげ玉もユニーク個体なんだよねぇ~。
ぷぷぷ~と笑いそうになる口を必死に押さえて笑いを噛み殺す。
あげ玉は黒みつと違い、外見的には他のポッポ鳥と何ら変わらないため誰も気づいていないが【 戦慄のポッポ鳥 】というユニーク個体名を持つ正真正銘ユニーク個体。
そう考えると、意外にその数は考えられているよりは多いのかもしれないな。
う~む・・と唸りながら黒みつを優しく剥がし、安定のあげ玉の首にぐるりと巻いてあげていると、エイミさんはそのまま黒みつを見つめながらふっと言った。
「 ・・でも何でユニーク個体がわざわざスライムの家を点々としていたのかしら・・?
敵意があってそれをやったなら分かるんだけど・・ 」
「 あ~、それについは昨日黒みつ本人に聞いてみたんだけど・・
何だかとっても不気味な絵だけ書いて、それ以上は黒みつにも分からないらしいんだよね。 」
考え込んでいるエイミさんに、俺が昨日黒みつが書いた黒く塗りつぶされた丸と周りを囲む沢山の交差針の絵について説明すると、次第にエイミさんの顔は険しいものになっていった。
応援ありがとうございます!
22
お気に入りに追加
1,921
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる