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第十六章
591 最初はそんなもん
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( リーフ )
「 黒さんばっかりズルい~。プリリも食べさせて~。 」
「 僕も僕も~。 」
プリリちゃんとベル君はスフレが乗ったお皿をクィクィ俺に向かって突き出しながらおねだり。
ちなみに< 黒さん >は二人がつけたレオンのアダ名で、理由は単純に ” 黒いから ” だそう。
俺は「 いいよ~! 」と承諾後「 今から卵スフレのお届け物でーす。 」と言いながら、二人の口にスフレを入れてあげた。
ニッコニッコ嬉しそうな2人を見て俺も釣られてニッコ二コ!
そして俺も俺も~と訴えてくる末っ子気質レオン君にもポイポイスフレを食べさせていると、ニールがその様子をみながらう~ん・・と唸り声を出す。
「 前から思ってましたけど、リーフ様って子供の扱いに慣れすぎてませんか?
ウチのチビ達が赤ちゃんの頃も普通にパッパッとミルクの世話から下の世話まで・・
街でも子供が生まれる度に見に行って手伝ってたし、手慣れすぎっす。 」
「 俺も思ってました。
そもそも俺達の歳で赤ちゃんなんて急に渡されても何も出来ませんよ、普通は。 」
モルトまでそれに同意し、ね~?とお互い顔を合わせて頷き合う。
まぁ、一応これでもプロだったからねぇ~俺。
しみじみと昔の思い出を振り返り、ホッコリと幸せな気持ちになった。
やっぱりレオンハルトにボコボコにされた後はまた孤児院とか子供が沢山いる所で働かせて貰おうかな~
なんだかんだで生まれてからずっと年下の子達の面倒を見つつずっとボランティアで孤児院の手伝い、そして高校卒業後はそのまま就職。
前世は常に周りに子供がいる人生であった。
せっかくだから子供から少し離れてみるか~と思っていたが、やはりそれが普通で来ているためうるさくないと俺、寂しくて駄目かもしれない。
今はこれでもかと側にいるレオンによってそんな気持ちは全く湧かないが・・
もしレオンがいなくなったら・・?
・・・・・
心の奥を爪楊枝でチクチク突くような妙な感覚を覚えたが、俺はそれを小さく首を振って吹き飛ばす。
「 俺子供凄く好きなんだよ。
だから将来は沢山の子供達に囲まれて過ごすのもいいな~と思ってるんだ。
だからそのための練習練習~。 」
モルトとニールが納得した様子でへぇ~と相槌を売っている姿を見てホッとしたが、そこで何故かグイグイと食いついて来たレオン。
省エネリラックスモードから突然フル活動モードに切り替わり、「 頑張ります!! 」と何かを頑張る事を宣言してきた。
???何を・・・???
ハテナで埋め尽くされた俺と、一切動じないモルトとニール。
二人はレオンの不可解な行動には非常に慣れていて「「 へぇ~。 」」と納得・・いや、どうでもいい風に相槌を打ち、完全に意識は目の前の卵スフレへ。
そんな二人と違っていつも無理やり当事者にされる俺に同じ回避法は使えないので、ギュギュンッ!と頑張って考えてーーー
” 子供が好きだから俺も頑張って練習したい! ”
ーーというレオンの気持ちを完全に理解した。
「 うむ!頑張りたまえ! 」
そうエールを送るとレオンは突然パンをムンズっ!と掴み、ジーッとレオンを不思議な物を見るかの様な目で見上げるプリリちゃんとベル君の前へグイーッと突き出す。
するとレオンの突然の行動に驚いたのか、2人は「「 やっーー! 」」と言いながらプイッ!とそっぽを向き、まるで蜘蛛の子を散らす様にあっという間に離れていってしまった。
「 ・・・・・ 」
無言で差し出したパンを見ているレオン。
それを慰める様によちよちと頭を撫でた後、俺はレオンの口に卵スフレをポイッと突っ込んであげた。
そうしてあっという間の一泊二日のレガーノ帰省は終わりを告げ、皆に挨拶をして回り、行きと同じくあげ玉とあげ玉が呼んでくれた2匹と共にグリモアまで戻ってきた。
やはりポッポ鳥のスピードは凄まじくお昼を食べた後に出たのに到着したのはまだ15時を少し過ぎたくらい。
なので、俺とレオン、あげ玉、黒みつの4人はこのまま冒険者ギルドへ、ヘロヘロ~なモルトとニールはお部屋に戻ってゆっくりお休みする事にし、正門をくぐった場所でバイバーイ!と二人に手を振った後は冒険者ギルドがある東門の方へと4人でそのまま向かった。
そういえばあげ玉と黒みつがギルドへ行くのは初めてだな~
あげ玉は大きいし黒みつは黒いしで目立つかな?と思ったが、モンスターと契約して戦う資質の人達は勿論そのモンスターと共にギルドへ入ってくるので、ポッポ鳥はいないにしてもたいして目立つ事はないだろうと思い直した。
遠足に向かう様にウキウキしているあげ玉と黒みつ、そして省エネモードで大人しくついてくるレオン。
その前を歩く俺の気分は遠足の引率をする先生!
” リーフファミリー御一行~ ” と書かれた旗を持って笛を吹きたいな~!
ピッ!ピッ!ピッ~!♬と口ずさみながらスキップするとノリが良いあげ玉と黒みつは左右に揺れながらトントンとリズミカルに歩き、ムッ!としたレオンが同じくトントンッと軽快なステップを踏み出した。
それを楽しんでいるとあっという間にギルドへ到着。
いつも通り「 こんにちは~! 」と言いながら扉をババンッ!と開いて入るとすぐにカウンター席に座るエイミさんの姿を見つけた。
「 エイミさん、こんにちは! 」
挨拶しながら手を振ると、俺の存在に気づいたエイミさんが直ぐに手招きしてきたので、そのままエイミさんのいるカウンター席へと向かった。
「 黒さんばっかりズルい~。プリリも食べさせて~。 」
「 僕も僕も~。 」
プリリちゃんとベル君はスフレが乗ったお皿をクィクィ俺に向かって突き出しながらおねだり。
ちなみに< 黒さん >は二人がつけたレオンのアダ名で、理由は単純に ” 黒いから ” だそう。
俺は「 いいよ~! 」と承諾後「 今から卵スフレのお届け物でーす。 」と言いながら、二人の口にスフレを入れてあげた。
ニッコニッコ嬉しそうな2人を見て俺も釣られてニッコ二コ!
そして俺も俺も~と訴えてくる末っ子気質レオン君にもポイポイスフレを食べさせていると、ニールがその様子をみながらう~ん・・と唸り声を出す。
「 前から思ってましたけど、リーフ様って子供の扱いに慣れすぎてませんか?
ウチのチビ達が赤ちゃんの頃も普通にパッパッとミルクの世話から下の世話まで・・
街でも子供が生まれる度に見に行って手伝ってたし、手慣れすぎっす。 」
「 俺も思ってました。
そもそも俺達の歳で赤ちゃんなんて急に渡されても何も出来ませんよ、普通は。 」
モルトまでそれに同意し、ね~?とお互い顔を合わせて頷き合う。
まぁ、一応これでもプロだったからねぇ~俺。
しみじみと昔の思い出を振り返り、ホッコリと幸せな気持ちになった。
やっぱりレオンハルトにボコボコにされた後はまた孤児院とか子供が沢山いる所で働かせて貰おうかな~
なんだかんだで生まれてからずっと年下の子達の面倒を見つつずっとボランティアで孤児院の手伝い、そして高校卒業後はそのまま就職。
前世は常に周りに子供がいる人生であった。
せっかくだから子供から少し離れてみるか~と思っていたが、やはりそれが普通で来ているためうるさくないと俺、寂しくて駄目かもしれない。
今はこれでもかと側にいるレオンによってそんな気持ちは全く湧かないが・・
もしレオンがいなくなったら・・?
・・・・・
心の奥を爪楊枝でチクチク突くような妙な感覚を覚えたが、俺はそれを小さく首を振って吹き飛ばす。
「 俺子供凄く好きなんだよ。
だから将来は沢山の子供達に囲まれて過ごすのもいいな~と思ってるんだ。
だからそのための練習練習~。 」
モルトとニールが納得した様子でへぇ~と相槌を売っている姿を見てホッとしたが、そこで何故かグイグイと食いついて来たレオン。
省エネリラックスモードから突然フル活動モードに切り替わり、「 頑張ります!! 」と何かを頑張る事を宣言してきた。
???何を・・・???
ハテナで埋め尽くされた俺と、一切動じないモルトとニール。
二人はレオンの不可解な行動には非常に慣れていて「「 へぇ~。 」」と納得・・いや、どうでもいい風に相槌を打ち、完全に意識は目の前の卵スフレへ。
そんな二人と違っていつも無理やり当事者にされる俺に同じ回避法は使えないので、ギュギュンッ!と頑張って考えてーーー
” 子供が好きだから俺も頑張って練習したい! ”
ーーというレオンの気持ちを完全に理解した。
「 うむ!頑張りたまえ! 」
そうエールを送るとレオンは突然パンをムンズっ!と掴み、ジーッとレオンを不思議な物を見るかの様な目で見上げるプリリちゃんとベル君の前へグイーッと突き出す。
するとレオンの突然の行動に驚いたのか、2人は「「 やっーー! 」」と言いながらプイッ!とそっぽを向き、まるで蜘蛛の子を散らす様にあっという間に離れていってしまった。
「 ・・・・・ 」
無言で差し出したパンを見ているレオン。
それを慰める様によちよちと頭を撫でた後、俺はレオンの口に卵スフレをポイッと突っ込んであげた。
そうしてあっという間の一泊二日のレガーノ帰省は終わりを告げ、皆に挨拶をして回り、行きと同じくあげ玉とあげ玉が呼んでくれた2匹と共にグリモアまで戻ってきた。
やはりポッポ鳥のスピードは凄まじくお昼を食べた後に出たのに到着したのはまだ15時を少し過ぎたくらい。
なので、俺とレオン、あげ玉、黒みつの4人はこのまま冒険者ギルドへ、ヘロヘロ~なモルトとニールはお部屋に戻ってゆっくりお休みする事にし、正門をくぐった場所でバイバーイ!と二人に手を振った後は冒険者ギルドがある東門の方へと4人でそのまま向かった。
そういえばあげ玉と黒みつがギルドへ行くのは初めてだな~
あげ玉は大きいし黒みつは黒いしで目立つかな?と思ったが、モンスターと契約して戦う資質の人達は勿論そのモンスターと共にギルドへ入ってくるので、ポッポ鳥はいないにしてもたいして目立つ事はないだろうと思い直した。
遠足に向かう様にウキウキしているあげ玉と黒みつ、そして省エネモードで大人しくついてくるレオン。
その前を歩く俺の気分は遠足の引率をする先生!
” リーフファミリー御一行~ ” と書かれた旗を持って笛を吹きたいな~!
ピッ!ピッ!ピッ~!♬と口ずさみながらスキップするとノリが良いあげ玉と黒みつは左右に揺れながらトントンとリズミカルに歩き、ムッ!としたレオンが同じくトントンッと軽快なステップを踏み出した。
それを楽しんでいるとあっという間にギルドへ到着。
いつも通り「 こんにちは~! 」と言いながら扉をババンッ!と開いて入るとすぐにカウンター席に座るエイミさんの姿を見つけた。
「 エイミさん、こんにちは! 」
挨拶しながら手を振ると、俺の存在に気づいたエイミさんが直ぐに手招きしてきたので、そのままエイミさんのいるカウンター席へと向かった。
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