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第十五章

582 謎

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( カルパス )



「 言っておくが、そんな言葉でお前の行った罪は免罪にはならないからな?

まだ成人前の子供に汚らしい妄想話を聞かせた愚か者が。 」



「 ーーんなっ!!

汚らしい妄想ってなんだよ、汚らしいって!

俺は本当にあいつらの事を心配してだなーー・・ 」



「 言い訳するな、獣めっ!

レオン君の事はリーフ様ならなんとかして下さるだろう。


寧ろ下手に手を出すな。汚れた邪神の末裔が。 」



結局どんなにこちらが心配しても、何だかんだでリーフ様があっという間に解決してくれているため今までその心配は全て気鬱で終わっている。


だからとりあえずリーフ様がいる内は大丈夫。

そしてリーフ様に万が一などない事は暗殺事件で嫌というほど証明された。


そのため我々外野はその関係性の終着点を見守るしかないーーーーにも関わらずドノバンは卑猥な言葉を使い過干渉しすぎているのだ。


ギロッ!と思い切り睨みつけてやると、ドノバンはガガーン!!と酷くショックを受けた様な表情をし、そのままごにょにょと言い訳がましい事を言い返してきた。



「 獣って・・邪神の末裔って・・俺、メチャクチャ紳士だからな?


だいたい毎回真実しか言ってねぇしぃ~!

新たな出会い、イチャイチャへの興味~ポヨヨ~ン♬大事大事。

それは知っとくべきじゃん?男なら。

リーフは枯れてるからどうにもならねぇって。


まずは女の良さをだな~・・ 」




「 失礼な事を言うな無礼者!!リーフ様は枯れてなどいない!

ただ少々・・歳が上のレディーに魅力を・・・


・・・




ーーいや、それは別にいい。


とりあえずはそんな即物的な女性の良さなど教えても意味などないだろう。

ならば『 真愛物語 』をレオン君に読ませるべきだ。

リーフ様には然るべき時期に読んで頂いたぞ。 」



キッパリとそう言い切るとドノバンはブハッ!!!と大きく吹き出した。



「 いやいやいや!お前、それ、本ーーーー・・・っ気で言ってる???


” 赤ちゃんは~愛し合う二人が~聖なる木に祈りを捧げてぇ~チュッチュッすると卵が生まれまっす! ”


ーーだぞ??


卵って何だよ、卵って・・。

めちゃくちゃファンタジー作品じゃん、それ。 」



「 何を言う!子供にはあれで十分だ!

イザベルだって今でもそれを読んでいるぞ! 」



「 お前ぇ~・・、イザベルもう20歳だろ?

お前がそんなに甘やかすからイザベル性教育の時気絶したじゃん・・


俺の下の息子のシャルルなんて4歳の時にそれ読んでフッって鼻で笑ってたぞ・・。 」





『 ・・・・・あの~・・・

もしかして僕って君たちの痴話喧嘩もどきを聞かされるために呼ばれちゃった感じぃ・・?


もうそろそろ話しかけてもいいかな~・・? 』




開け放たれた窓からソロ~と覗いてくる白い鳥『 伝電鳥 』


そこから諜報ギルド総長< エルビス >の声が聞こえてきた。




「 あぁ、わざわざ来てくれたのに済まなかった、エルビス。

この様な戯言を耳に入れてしまって・・。 


実は急ぎ伝えたい事があって連絡したのだが、今大丈夫だろうか? 」



『 勿論大丈夫さ~。

カルパスからの情報はいつも有益なものが多いからね!

いくらでも時間は作れるよ。



ーーーーで、一体何があったんだい? 』




戯言・・と呟きながらジト~と見つめてくるドノバンは無視して、スッ・・と真剣になったエルビスの気配を感じながら、私は話を続けた。




「 実はリーフ様がユニーク個体のスライムの始祖を仲間にしたのだが、その出会った場所が問題でな。

比較的森の入り口に近い場所、そいつの縄張り外でだ。 」



伝電鳥からはエルビスの少し考え込む様な気配を感じる。



『 ・・ふ~む。それは妙だね。

森の入り口に行くほど魔素は薄くなっていくから人の捕食とかそういった目的以外で移動することは滅多にないはずなのに・・


そのスライム君は人を捕食する恐れがありそうかい? 』



「 い~や。さっきパンをムシャムシャ食べてたからなさそうだぜ。

リーフいわく、いつも ” 人 ” と同じ食事をとるって言ってたし。 」



ドノバンが頭をポリポリ掻きながらそう言うと、エルビスは人と同じ食事を接種するということに大層驚いた。



『 それは凄い!ユニーク個体の謎は本当に深いねぇ。


ーーってことは、 ” 何かに追われて元の場所に住めなくなった ” っていうのが妥当なところかな?


でもグリモアでユニーク個体を追い出す程のモンスターが出現すればもっと騒ぎにはなりそうだけど・・

スライム戦争の増加くらいしか情報は入ってないね。 』



「 ・・だから妙だと思いそのスライムにリーフ様が尋ねたのだ。

” 家に何かあったのか? ” と。 」



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