589 / 989
第十五章
576 解決編
しおりを挟む
( リーフ )
「 う~ん・・そうだねぇ?
確かグリモアへ試験を受けに初めて行った日から徐々に酷くなっていった気がするよ。
それからはどこに行っても帰りたいって言うし・・
まぁ、大抵の子供は通る道だとは思うんだけどね。
急に交友付き合いが広がって戸惑うような感じかなって。
でもある事件から特に顕著に変わり出してしまったんだ。
まさにトドメを刺された忌まわしき事件が・・・
コレは絶対にレオンに言わないで欲しいんだけど・・ 」
俺は注意深くキョロキョロと周囲を見渡しながら声を極小にしてヒソヒソ喋る。
「 ・・・実はレオンは子供を狙った変質者に拉致されてイタズラされてしまったみたいなんだよ。
それから酷く夜を怖がる様になってしまって・・寝る時はくっついて離れなくなってしまったんだ。
俺自ら鉄槌を!と思っていたんだけど、幸いにもドノバンとユーリスさんがその犯人を検挙してくれてね。
あの時は本当にありがとう。ドノバン。 」
御礼を言われたドノバンはここぞとばかりに「 まぁな!俺、凄いんだぜ! 」と必死にカルパスに自身の凄さをアピールするが、カルパスは目元を揉み込んでて全く聞いてない。
「 ・・そうですか。大体の事情は理解いたしました。
ならば幼児化や記憶喪失は一時的なものだと思われますので特に専門家の治療は必要ないかと・・。 」
「 そっか・・。
でもこんな状態が続くのは不安だよ。
せっかくこれからレオンの輝かしい青春が始まるというのに・・
若者の青春は一瞬さ。
一分一秒でも無駄にさせたくはないんだよ。 」
レオン友達化計画!
俺、魔王!レオン、勇者、そして沢山の仲間達にヒロイン!
そして俺達の冒険は~~~続くっ・・!!
頭の中で始まった壮大なファンタジーストーリーにグっ!と拳を握る。
そしてブツブツ・・とそのストーリーをナレーションしていると、カルパスはふむ・・と軽く考え込んだ後、頷きながら言った。
「 結局のところ幼児化や記憶喪失など不安や寂しさの現れでしょう。
ならば思い切り子供扱いしておやりなさい。
何でしたら赤子扱いでいいでしょう。
リーフ様がそうやって扱っている内に元のレオン君に戻るはずです!
ーーージェーン! 」
カルパスがパンパンッ!と二回手を叩きジェーンを呼ぶと、ササッ!と大きい籠一杯の赤子グッズを持ったジェーンがやってきた。
ガラガラの様なおもちゃにおしゃぶり、そして哺乳瓶に音が出る小さな動物の人形ーーどれも赤子をあやす時には必須アイテムと言えるモノ達ばかりであった。
「 全部リーフ様のお気に入りの玩具だったやつですよ~。
本当に可愛かったですね~。 」
ほんわかしながらニコニコするジェーンに、白いハンカチを取り出し目尻をソッ・・と吹くカルパス。
どうやらこれは俺が赤子の時に使用していたものらしい。
俺も赤ちゃんのあの天使の様な笑顔を思い浮かべてホッコリしながらその玩具達を見下ろすと、そのやり取りを見ていたドノバンが、いやいやいや?!と首を振りながら急にそのほんわか雰囲気に水を差してくる。
「 いや、色々おかしいだろうよ?!
リーフ、あのな?カルパスは色々アレなところがあるからな?! 」
必死な形相で言ってきたが、即、カルパスにペペペペーーン!!とまた連続してお尻を叩かれ黙る。
俺はスッ・・と音が出るネズミのお人形を手に取りプープーと音を出すと、その瞬間ーー心の中に光明が差し込んだ。
確かにカルパスの言う通り。
プーププー♬とリズムをとるように玩具を鳴らしながら俺は確信する。
俺は幼児化したレオンに対し、あくまで本物の幼児に接するように甘やかしたりあやしたり・・時には叱咤したりしてしまったがそれでは駄目だった。
加齢臭を完全に隠すには、くさやの中に飛び込むしかない。
つまり幼児化しているならその上位互換の赤子扱いをすべしと、そういう事か!
俺は、ガシッ!とそのおもちゃたちが入っている籠を掴み上げカルパスに御礼を告げると、直ぐに「 レオ~ン! 」と叫びながら庭の方へと飛んで行った。
「 う~ん・・そうだねぇ?
確かグリモアへ試験を受けに初めて行った日から徐々に酷くなっていった気がするよ。
それからはどこに行っても帰りたいって言うし・・
まぁ、大抵の子供は通る道だとは思うんだけどね。
急に交友付き合いが広がって戸惑うような感じかなって。
でもある事件から特に顕著に変わり出してしまったんだ。
まさにトドメを刺された忌まわしき事件が・・・
コレは絶対にレオンに言わないで欲しいんだけど・・ 」
俺は注意深くキョロキョロと周囲を見渡しながら声を極小にしてヒソヒソ喋る。
「 ・・・実はレオンは子供を狙った変質者に拉致されてイタズラされてしまったみたいなんだよ。
それから酷く夜を怖がる様になってしまって・・寝る時はくっついて離れなくなってしまったんだ。
俺自ら鉄槌を!と思っていたんだけど、幸いにもドノバンとユーリスさんがその犯人を検挙してくれてね。
あの時は本当にありがとう。ドノバン。 」
御礼を言われたドノバンはここぞとばかりに「 まぁな!俺、凄いんだぜ! 」と必死にカルパスに自身の凄さをアピールするが、カルパスは目元を揉み込んでて全く聞いてない。
「 ・・そうですか。大体の事情は理解いたしました。
ならば幼児化や記憶喪失は一時的なものだと思われますので特に専門家の治療は必要ないかと・・。 」
「 そっか・・。
でもこんな状態が続くのは不安だよ。
せっかくこれからレオンの輝かしい青春が始まるというのに・・
若者の青春は一瞬さ。
一分一秒でも無駄にさせたくはないんだよ。 」
レオン友達化計画!
俺、魔王!レオン、勇者、そして沢山の仲間達にヒロイン!
そして俺達の冒険は~~~続くっ・・!!
頭の中で始まった壮大なファンタジーストーリーにグっ!と拳を握る。
そしてブツブツ・・とそのストーリーをナレーションしていると、カルパスはふむ・・と軽く考え込んだ後、頷きながら言った。
「 結局のところ幼児化や記憶喪失など不安や寂しさの現れでしょう。
ならば思い切り子供扱いしておやりなさい。
何でしたら赤子扱いでいいでしょう。
リーフ様がそうやって扱っている内に元のレオン君に戻るはずです!
ーーージェーン! 」
カルパスがパンパンッ!と二回手を叩きジェーンを呼ぶと、ササッ!と大きい籠一杯の赤子グッズを持ったジェーンがやってきた。
ガラガラの様なおもちゃにおしゃぶり、そして哺乳瓶に音が出る小さな動物の人形ーーどれも赤子をあやす時には必須アイテムと言えるモノ達ばかりであった。
「 全部リーフ様のお気に入りの玩具だったやつですよ~。
本当に可愛かったですね~。 」
ほんわかしながらニコニコするジェーンに、白いハンカチを取り出し目尻をソッ・・と吹くカルパス。
どうやらこれは俺が赤子の時に使用していたものらしい。
俺も赤ちゃんのあの天使の様な笑顔を思い浮かべてホッコリしながらその玩具達を見下ろすと、そのやり取りを見ていたドノバンが、いやいやいや?!と首を振りながら急にそのほんわか雰囲気に水を差してくる。
「 いや、色々おかしいだろうよ?!
リーフ、あのな?カルパスは色々アレなところがあるからな?! 」
必死な形相で言ってきたが、即、カルパスにペペペペーーン!!とまた連続してお尻を叩かれ黙る。
俺はスッ・・と音が出るネズミのお人形を手に取りプープーと音を出すと、その瞬間ーー心の中に光明が差し込んだ。
確かにカルパスの言う通り。
プーププー♬とリズムをとるように玩具を鳴らしながら俺は確信する。
俺は幼児化したレオンに対し、あくまで本物の幼児に接するように甘やかしたりあやしたり・・時には叱咤したりしてしまったがそれでは駄目だった。
加齢臭を完全に隠すには、くさやの中に飛び込むしかない。
つまり幼児化しているならその上位互換の赤子扱いをすべしと、そういう事か!
俺は、ガシッ!とそのおもちゃたちが入っている籠を掴み上げカルパスに御礼を告げると、直ぐに「 レオ~ン! 」と叫びながら庭の方へと飛んで行った。
応援ありがとうございます!
23
お気に入りに追加
1,926
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる