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第十五章
573 そりゃ〜そうだ
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( リーフ )
まずは広い。これは大体予想通り。
この部屋だけで俺の日常生活が全て問題なく送れるくらいのスペース。
そして大きくご立派な< アロマ暖炉 >がドドンと設置されていて、暖炉の装飾品が飛び出たイシュル像とバラの銀細工達なのも扉とペアルックで良き良きと思った。
< アロマ暖炉 >
暖炉の機能にプラスして設定した花の匂いを漂わせる事ができる魔道具。
加湿の効果や空気清浄の効果もあるため貴族の客間などに設置される事が多い。
下に惹かれた絨毯はもはやベッドと同じレベルでふっかふか。
床で寝てしまっても身体は痛くな~いという仕様になっている。
そして部屋の中央には小さめの金ぴかりのテーブルに二人がけの大きなソファー、それにテーブルを囲う様に一人用のソファーが2つ、お話しし易いように設置されていた。
俺は中央に置かれているソファーに近づきそれを触ってみると、手触りはまるでウォーターベッド!
これは絶対お高いやつだ!と確信した。
しかし・・・
俺はその位置からス~・・と周りを囲う壁達へと視線を移し、そのままグルリと見回す。
そんな凄い家具達の存在が一瞬で頭から吹き飛ぶくらいのインパクトある品物達が、壁一面に貼られていた。
まず一番大きく目立つのは暖炉の上にドドーーンと飾られている巨大な額縁とそこに飾られている一枚の絵。
その絵はイシュル神が天からやって来て外界にいる人へ短剣を授ける有名なシーンが書かれているのだがーーーー
なんとその顔が多分リーフパパさんとママさん。
慈愛に満ちたママさんらしき女性の顔がイシュル神の顔にすげ替えられ、短剣を受け取る人の顔はパパさんらしき人が尊いものを見るかの様な表情で受け取っているものに同じく顔だけすげ替えられている。
「 ・・・・・。 」
無言で俺は残りの窓以外の壁に大渋滞で飾られている絵達を見ていくと、全てそれ関連の絵であり、多分ファンだったら狂喜するほどの素晴らしい絵達だと思われるが・・・
全部顔がパパさん、ママさん、それに多分リーフお姉さん、お兄さんの赤ちゃんの時の顔とかなんだよ・・
別にそれに対して文句などは決してないが、どうしても観光地にだいたい置いてある、顔を入れて記念写真をとるやつを思い出してしまい笑いが込み上げてしまう。
いやいや、人がせっかく頑張って作ったものを笑うなど・・!
ーーーと必死で我慢しているのに、沢山の人々が跪いている中でイシュル神様が両手を広げ光り輝く姿の顔が、赤ちゃんのすやすや顔なのを発見してしまった瞬間・・
ブブーーッ!!と吹き出してしまった。
そしてそのままヒーヒーと笑い転げていると、やがて入り口の扉の隙間からジッと俺を見つめるカルパスと目が合いヒュヒュッ!!と息が止まったのだった・・。
そんな思い出を振り返りながら、現在扉の脇に控えて扉を開けようと待機しているカルパスを見てニッコリ、そして続けてお胸がジ~ン・・
結局あの後カルパスにチクチクと怒られ再度頑丈な鎖で扉は封印されようとしたが、俺はすかさず待ったを掛けた。
せっかくの ” 聖地 ” ・・・じゃなくてリーフパパさんとママさんがこだわって作った部屋なのだから使ってみないかと提案したのだ。
広いし< アロマ暖炉 >もあるし・・それに・・
まだ絵を全部見てないし!
べ、別にやましい事はないから!
ちゃんとリーフパパさんとママさんの顔や・・あ、赤ちゃんの顔を覚えるためだから!
さっきの絵が頭に浮かんできてまた吹き出しそうになったが必死で我慢。
プルプルと震える俺を見てカルパスは一瞬痛ましいものを見るかの様に、クッ・・と唇を軽く噛むと「 ・・・リーフ様のお心のままに・・。 」と静かに言った。
わ~い!またゆっくり聖地巡礼!聖地巡礼!
やっほ~い!とウキウキニッコニコしていたのだが、カルパスはパンパンッ!と手を2回叩きジェーンを呼ぶ。
「 は~い!お呼びですか~? 」
それに答えてのほほんとやって来たジェーンに、カルパスはニヤリッ・・と、どちらかといえばダークサイド側の笑みを浮かべて言った。
「 悪いがお掃除を頼みたい。ーーー全力でな? 」
「 イ~エッサーッ!! 」
ビシッ!と敬礼してジェーンが扉を開き中に入ると、ブハッーー!!!と盛大に吹き出す声が聞こえ、俺も俺も!俺も見た~い!!とソワソワしながら掃除が終わるのを待つ。
そしてヒ~ヒ~とジェーンの笑いが収まる頃、やっと掃除が終わった様で俺は一目散に中へと入ったのだが、な、なんと!
部屋の壁が真っ白!!
さっきの絵達はどこにもなかった。
ガガーーン!!とショックを受けながら立ち尽くしていると、カルパスがソワっ・・としながら俺の様子を伺ってくるので、そこでやっと俺は気づいた。
多分俺のためにこの部屋封印してたんだってね!
そうか~・・
そうだよね~
そりゃ~帰ってこない両親の絵がこれでもかと飾られていたら子供が傷つくかもって、大人なら思うか~・・
まずは広い。これは大体予想通り。
この部屋だけで俺の日常生活が全て問題なく送れるくらいのスペース。
そして大きくご立派な< アロマ暖炉 >がドドンと設置されていて、暖炉の装飾品が飛び出たイシュル像とバラの銀細工達なのも扉とペアルックで良き良きと思った。
< アロマ暖炉 >
暖炉の機能にプラスして設定した花の匂いを漂わせる事ができる魔道具。
加湿の効果や空気清浄の効果もあるため貴族の客間などに設置される事が多い。
下に惹かれた絨毯はもはやベッドと同じレベルでふっかふか。
床で寝てしまっても身体は痛くな~いという仕様になっている。
そして部屋の中央には小さめの金ぴかりのテーブルに二人がけの大きなソファー、それにテーブルを囲う様に一人用のソファーが2つ、お話しし易いように設置されていた。
俺は中央に置かれているソファーに近づきそれを触ってみると、手触りはまるでウォーターベッド!
これは絶対お高いやつだ!と確信した。
しかし・・・
俺はその位置からス~・・と周りを囲う壁達へと視線を移し、そのままグルリと見回す。
そんな凄い家具達の存在が一瞬で頭から吹き飛ぶくらいのインパクトある品物達が、壁一面に貼られていた。
まず一番大きく目立つのは暖炉の上にドドーーンと飾られている巨大な額縁とそこに飾られている一枚の絵。
その絵はイシュル神が天からやって来て外界にいる人へ短剣を授ける有名なシーンが書かれているのだがーーーー
なんとその顔が多分リーフパパさんとママさん。
慈愛に満ちたママさんらしき女性の顔がイシュル神の顔にすげ替えられ、短剣を受け取る人の顔はパパさんらしき人が尊いものを見るかの様な表情で受け取っているものに同じく顔だけすげ替えられている。
「 ・・・・・。 」
無言で俺は残りの窓以外の壁に大渋滞で飾られている絵達を見ていくと、全てそれ関連の絵であり、多分ファンだったら狂喜するほどの素晴らしい絵達だと思われるが・・・
全部顔がパパさん、ママさん、それに多分リーフお姉さん、お兄さんの赤ちゃんの時の顔とかなんだよ・・
別にそれに対して文句などは決してないが、どうしても観光地にだいたい置いてある、顔を入れて記念写真をとるやつを思い出してしまい笑いが込み上げてしまう。
いやいや、人がせっかく頑張って作ったものを笑うなど・・!
ーーーと必死で我慢しているのに、沢山の人々が跪いている中でイシュル神様が両手を広げ光り輝く姿の顔が、赤ちゃんのすやすや顔なのを発見してしまった瞬間・・
ブブーーッ!!と吹き出してしまった。
そしてそのままヒーヒーと笑い転げていると、やがて入り口の扉の隙間からジッと俺を見つめるカルパスと目が合いヒュヒュッ!!と息が止まったのだった・・。
そんな思い出を振り返りながら、現在扉の脇に控えて扉を開けようと待機しているカルパスを見てニッコリ、そして続けてお胸がジ~ン・・
結局あの後カルパスにチクチクと怒られ再度頑丈な鎖で扉は封印されようとしたが、俺はすかさず待ったを掛けた。
せっかくの ” 聖地 ” ・・・じゃなくてリーフパパさんとママさんがこだわって作った部屋なのだから使ってみないかと提案したのだ。
広いし< アロマ暖炉 >もあるし・・それに・・
まだ絵を全部見てないし!
べ、別にやましい事はないから!
ちゃんとリーフパパさんとママさんの顔や・・あ、赤ちゃんの顔を覚えるためだから!
さっきの絵が頭に浮かんできてまた吹き出しそうになったが必死で我慢。
プルプルと震える俺を見てカルパスは一瞬痛ましいものを見るかの様に、クッ・・と唇を軽く噛むと「 ・・・リーフ様のお心のままに・・。 」と静かに言った。
わ~い!またゆっくり聖地巡礼!聖地巡礼!
やっほ~い!とウキウキニッコニコしていたのだが、カルパスはパンパンッ!と手を2回叩きジェーンを呼ぶ。
「 は~い!お呼びですか~? 」
それに答えてのほほんとやって来たジェーンに、カルパスはニヤリッ・・と、どちらかといえばダークサイド側の笑みを浮かべて言った。
「 悪いがお掃除を頼みたい。ーーー全力でな? 」
「 イ~エッサーッ!! 」
ビシッ!と敬礼してジェーンが扉を開き中に入ると、ブハッーー!!!と盛大に吹き出す声が聞こえ、俺も俺も!俺も見た~い!!とソワソワしながら掃除が終わるのを待つ。
そしてヒ~ヒ~とジェーンの笑いが収まる頃、やっと掃除が終わった様で俺は一目散に中へと入ったのだが、な、なんと!
部屋の壁が真っ白!!
さっきの絵達はどこにもなかった。
ガガーーン!!とショックを受けながら立ち尽くしていると、カルパスがソワっ・・としながら俺の様子を伺ってくるので、そこでやっと俺は気づいた。
多分俺のためにこの部屋封印してたんだってね!
そうか~・・
そうだよね~
そりゃ~帰ってこない両親の絵がこれでもかと飾られていたら子供が傷つくかもって、大人なら思うか~・・
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