575 / 1,551
第十五章
559 おかしいぞ?
しおりを挟む( リーフ )
< スライム >
体長20~30cmほどのゲル状Gランクモンスター。
身体のほとんどが水分で出来ており、生き物の死骸や汚物などを食べるため、街の下水に暮らしている別名《 世界のお掃除屋さん 》と呼ばれている共生モンスターの一つ。
ただし集団化すると性質・形状変化をする【 ランク越えモンスター 】になってしまうため注意が必要。
分裂する事であっという間に増えてしまうため定期的な間引きが各街では義務付けられている。
” 始祖 ” を倒さない限りは無限に湧き出て分裂する。
「 ランクが高い冒険者用の依頼……ということは、集団化したスライムの間引きが依頼なのかい? 」
「 御名答!
正確には森で発生している《 スライム戦争 》を止める事だな。
少し前から森で異変が起きていてモンスターが大発生────は……もしかしてギルドに登録した時に聞いたか?
実はそのせいで色んなところに異変が飛び火はしているんだが……今回のその事件は更に輪を掛けてちょっとおかしいんだぜ。
基本的にスライムは真っ先に喰われちまうから野生の中では《 スライム戦争 》が起きないはずだろ? 」
うう~ん……と考え込むルーン先生を見ながら、俺も同じ疑問がプカプカと浮かぶ。
元々スライムは基本は森、特に川の近くに好んで住む習性を持ち、そこを拠点として数を増やしていく。
そしてその周辺で餌を食べてはその拠点へと戻ってくるためその拠点を────【 スライムの家 】と呼ぶ。
そこでは人の街同様に、ある一定の数の集団が拠点として暮らしているのだ。
この【 スライムの家 】は至るところにあって、お互いの縄張りに干渉せず静かに暮らしている。
その数自体も、野生であることから他のモンスター達にわんさか食べられてしまうため、急激な個体増殖はせず基本問題は起きない。
しかし────稀に何らかの厄災や人が無闇に森を荒らしてしまう事で、スライム達が一気に増えてしまう事があった。
そうなると、当然自身の住む【 スライムの家 】の周辺だけでは餌が足りなくなる。
結果、他の【 スライムの家 】を襲撃し、餌が手に入る縄張りを増やそうと戦い始めてしまうのだ。
この現象を《 スライム戦争 》と呼んでいる。
この《 スライム戦争 》の被害は甚大で、主に強酸による攻撃が主な凶暴化スライム達は、お互いこの強酸マシンガンで戦いあうが、防御力が半端ないため中々勝負がつかない。
────で、結局最大の被害を受けるのは周囲の環境。
つまり森や川。
彼らの戦場になってしまった場所は、草木は勿論土もドロドロ。
森の一部が一切立ち入りできない場所になることもしばしばで、とんでもない環境問題を引きおこしてしまうというわけだ。
「 確かにそれはおかしいね。
普通森にモンスターが大発生した時は、真っ先にスライムは食べられちゃうから逆に減るはずなのに……。 」
「 そう!まさにそこが今回の事件のおかしいところなんだぜ。
少し前からこの《 スライム戦争 》が、規模は小さいが、森の至るところで起き続けているんだ。
森の異変に合わさった一時的なものではないかって思われていたんだが、それが全く止む気配がない。
それであたいの方で色々調べてみたんだが……その全体のスライム達の動きがどうも変なんだ。
ちょっとこれ見てくれよ。 」
ルーン先生はテーブルの近くにゴチャッと積まれた書類達の束をゴソゴソと探り、一枚の大きな紙を取り出すと、それをテーブルの上に置いた。
直ぐにその紙に視線を向けると……どうやらそれはこのグリモアの森の簡易的な地図らしく、簡単に東西南北の方向だけ書いてあるものの様だ。
そしてその地図上には、沢山の赤い点がポチポチと書かれ、更にそれぞれの赤い点の上に小さく番号がふられている。
「 この赤い点達は、スライム戦争が実際に起きた場所で、番号はその発生した順番だ。
おかしな点はこの順番なんだよ。
ほら、まず一番初めに発生したのは一番森の奥に位置するスライムの家。
そしてそこから順番に森の浅い方へと真っ直ぐ広がっていっているだろう? 」
ピッと地図に書かれた赤い点を、ルーン先生は番号順に指さしながら疑問点を口にする。
俺はその動きを目で追いながら、確かにおかしいぞ……と汗を一滴額から垂らした。
もし仮に森の奥、初めにスライム戦争が起きた場所で何かしらの異変が起き餌が不足した場合、スライム達は散り散りに散って戦いを始めるはず。
それが一方向────それも決まって森の浅い場所へ向かっていくという統率された動きを見せるなど、少なくとも俺は聞いた事がない。
そうすると考えられることは────……。
< スライム >
体長20~30cmほどのゲル状Gランクモンスター。
身体のほとんどが水分で出来ており、生き物の死骸や汚物などを食べるため、街の下水に暮らしている別名《 世界のお掃除屋さん 》と呼ばれている共生モンスターの一つ。
ただし集団化すると性質・形状変化をする【 ランク越えモンスター 】になってしまうため注意が必要。
分裂する事であっという間に増えてしまうため定期的な間引きが各街では義務付けられている。
” 始祖 ” を倒さない限りは無限に湧き出て分裂する。
「 ランクが高い冒険者用の依頼……ということは、集団化したスライムの間引きが依頼なのかい? 」
「 御名答!
正確には森で発生している《 スライム戦争 》を止める事だな。
少し前から森で異変が起きていてモンスターが大発生────は……もしかしてギルドに登録した時に聞いたか?
実はそのせいで色んなところに異変が飛び火はしているんだが……今回のその事件は更に輪を掛けてちょっとおかしいんだぜ。
基本的にスライムは真っ先に喰われちまうから野生の中では《 スライム戦争 》が起きないはずだろ? 」
うう~ん……と考え込むルーン先生を見ながら、俺も同じ疑問がプカプカと浮かぶ。
元々スライムは基本は森、特に川の近くに好んで住む習性を持ち、そこを拠点として数を増やしていく。
そしてその周辺で餌を食べてはその拠点へと戻ってくるためその拠点を────【 スライムの家 】と呼ぶ。
そこでは人の街同様に、ある一定の数の集団が拠点として暮らしているのだ。
この【 スライムの家 】は至るところにあって、お互いの縄張りに干渉せず静かに暮らしている。
その数自体も、野生であることから他のモンスター達にわんさか食べられてしまうため、急激な個体増殖はせず基本問題は起きない。
しかし────稀に何らかの厄災や人が無闇に森を荒らしてしまう事で、スライム達が一気に増えてしまう事があった。
そうなると、当然自身の住む【 スライムの家 】の周辺だけでは餌が足りなくなる。
結果、他の【 スライムの家 】を襲撃し、餌が手に入る縄張りを増やそうと戦い始めてしまうのだ。
この現象を《 スライム戦争 》と呼んでいる。
この《 スライム戦争 》の被害は甚大で、主に強酸による攻撃が主な凶暴化スライム達は、お互いこの強酸マシンガンで戦いあうが、防御力が半端ないため中々勝負がつかない。
────で、結局最大の被害を受けるのは周囲の環境。
つまり森や川。
彼らの戦場になってしまった場所は、草木は勿論土もドロドロ。
森の一部が一切立ち入りできない場所になることもしばしばで、とんでもない環境問題を引きおこしてしまうというわけだ。
「 確かにそれはおかしいね。
普通森にモンスターが大発生した時は、真っ先にスライムは食べられちゃうから逆に減るはずなのに……。 」
「 そう!まさにそこが今回の事件のおかしいところなんだぜ。
少し前からこの《 スライム戦争 》が、規模は小さいが、森の至るところで起き続けているんだ。
森の異変に合わさった一時的なものではないかって思われていたんだが、それが全く止む気配がない。
それであたいの方で色々調べてみたんだが……その全体のスライム達の動きがどうも変なんだ。
ちょっとこれ見てくれよ。 」
ルーン先生はテーブルの近くにゴチャッと積まれた書類達の束をゴソゴソと探り、一枚の大きな紙を取り出すと、それをテーブルの上に置いた。
直ぐにその紙に視線を向けると……どうやらそれはこのグリモアの森の簡易的な地図らしく、簡単に東西南北の方向だけ書いてあるものの様だ。
そしてその地図上には、沢山の赤い点がポチポチと書かれ、更にそれぞれの赤い点の上に小さく番号がふられている。
「 この赤い点達は、スライム戦争が実際に起きた場所で、番号はその発生した順番だ。
おかしな点はこの順番なんだよ。
ほら、まず一番初めに発生したのは一番森の奥に位置するスライムの家。
そしてそこから順番に森の浅い方へと真っ直ぐ広がっていっているだろう? 」
ピッと地図に書かれた赤い点を、ルーン先生は番号順に指さしながら疑問点を口にする。
俺はその動きを目で追いながら、確かにおかしいぞ……と汗を一滴額から垂らした。
もし仮に森の奥、初めにスライム戦争が起きた場所で何かしらの異変が起き餌が不足した場合、スライム達は散り散りに散って戦いを始めるはず。
それが一方向────それも決まって森の浅い場所へ向かっていくという統率された動きを見せるなど、少なくとも俺は聞いた事がない。
そうすると考えられることは────……。
72
お気に入りに追加
2,077
あなたにおすすめの小説

監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

その捕虜は牢屋から離れたくない
さいはて旅行社
BL
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。
というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。


なんで俺の周りはイケメン高身長が多いんだ!!!!
柑橘
BL
王道詰め合わせ。
ジャンルをお確かめの上お進み下さい。
7/7以降、サブストーリー(土谷虹の隣は決まってる!!!!)を公開しました!!読んでいただけると嬉しいです!
※目線が度々変わります。
※登場人物の紹介が途中から増えるかもです。
※火曜日20:00
金曜日19:00
日曜日17:00更新

婚約破棄された悪役令息は隣国の王子に持ち帰りされる
kouta
BL
婚約破棄された直後に前世の記憶を思い出したノア。
かつて遊んだことがある乙女ゲームの世界に転生したと察した彼は「あ、そういえば俺この後逆上して主人公に斬りかかった挙句にボコされて処刑されるんだったわ」と自分の運命を思い出す。
そしてメンタルがアラフォーとなった彼には最早婚約者は顔が良いだけの二股クズにしか見えず、あっさりと婚約破棄を快諾する。
「まぁ言うてこの年で婚約破棄されたとなると独身確定か……いっそのこと出家して、転生者らしくギルドなんか登録しちゃって俺TUEEE!でもやってみっか!」とポジティブに自分の身の振り方を考えていたノアだったが、それまでまるで接点のなかったキラキライケメンがグイグイ攻めてきて……「あれ? もしかして俺口説かれてます?」
おまけに婚約破棄したはずの二股男もなんかやたらと絡んでくるんですが……俺の冒険者ライフはいつ始まるんですか??(※始まりません)

神は眷属からの溺愛に気付かない
グランラババー
BL
【ラントの眷属たち×神となる主人公ラント】
「聖女様が降臨されたぞ!!」
から始まる異世界生活。
夢にまでみたファンタジー生活を送れると思いきや、一緒に召喚された母である聖女に不要な存在として捨てられる。
ラントは、せめて聖女の思い通りになることを妨ぐため、必死に生きることに。
彼はもう人と交流するのはこりごりだと思い、聖女に捨てられた山の中で生き残ることにする。
そして、必死に生き残って3年。
人に合わないと生活を送れているものの、流石に度が過ぎる生活は寂しい。
今更ながら、人肌が恋しくなってきた。
よし!眷属を作ろう!!
この物語は、のちに神になるラントが偶然森で出会った青年やラントが助けた子たちも共に世界を巻き込んで、なんやかんやあってラントが愛される物語である。
神になったラントがラントの仲間たちに愛され生活を送ります。
ファンタジー要素にBLを織り込んでいきます。
のんびりとした物語です。
現在二章更新中。
現在三章作成中。(登場人物も増えて、やっとファンタジー小説感がでてきます。)

それ以上近づかないでください。
ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」
地味で冴えない小鳥遊凪は、ずっと憧れていた蓮見馨に勢いで告白してしまう。
するとまさかのOK。夢みたいな日々が始まった……はずだった。
だけど、ある出来事をきっかけに二人の関係はあっけなく終わる。
過去を忘れるために転校した凪は、もう二度と馨と会うことはないと思っていた。
ところが、ひょんなことから再会してしまう。
しかも、久しぶりに会った馨はどこか様子が違っていた。
「今度は、もう離さないから」
「お願いだから、僕にもう近づかないで…」

結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、転生特典(執事)と旅に出たい
オオトリ
BL
とある教会で、今日一組の若い男女が結婚式を挙げようとしていた。
今、まさに新郎新婦が手を取り合おうとしたその時―――
「ちょっと待ったー!」
乱入者の声が響き渡った。
これは、とある事情で異世界転生した主人公が、結婚式当日に「ちょっと待った」されたので、
白米を求めて 俺TUEEEEせずに、執事TUEEEEな旅に出たい
そんなお話
※主人公は当初女性と婚約しています(タイトルの通り)
※主人公ではない部分で、男女の恋愛がお話に絡んでくることがあります
※BLは読むことも初心者の作者の初作品なので、タグ付けなど必要があれば教えてください
※完結しておりますが、今後番外編及び小話、続編をいずれ追加して参りたいと思っています
※小説家になろうさんでも同時公開中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる