天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します

バナナ男さん

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第十五章

559 おかしいぞ?

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( リーフ )

< スライム >

体長20~30cmほどのゲル状Gランクモンスター。

身体のほとんどが水分で出来ており、生き物の死骸や汚物などを食べるため、街の下水に暮らしている別名《 世界のお掃除屋さん 》と呼ばれている共生モンスターの一つ。

ただし集団化すると性質・形状変化をする【 ランク越えモンスター 】になってしまうため注意が必要。

分裂する事であっという間に増えてしまうため定期的な間引きが各街では義務付けられている。

” 始祖 ” を倒さない限りは無限に湧き出て分裂する。



「 ランクが高い冒険者用の依頼……ということは、集団化したスライムの間引きが依頼なのかい? 」


「 御名答!

正確には森で発生している《 スライム戦争 》を止める事だな。

少し前から森で異変が起きていてモンスターが大発生────は……もしかしてギルドに登録した時に聞いたか?

実はそのせいで色んなところに異変が飛び火はしているんだが……今回のその事件は更に輪を掛けてちょっとおかしいんだぜ。

基本的にスライムは真っ先に喰われちまうから野生の中では《 スライム戦争 》が起きないはずだろ? 」


うう~ん……と考え込むルーン先生を見ながら、俺も同じ疑問がプカプカと浮かぶ。


元々スライムは基本は森、特に川の近くに好んで住む習性を持ち、そこを拠点として数を増やしていく。


そしてその周辺で餌を食べてはその拠点へと戻ってくるためその拠点を────【 スライムの家 】と呼ぶ。


そこでは人の街同様に、ある一定の数の集団が拠点として暮らしているのだ。


この【 スライムの家 】は至るところにあって、お互いの縄張りに干渉せず静かに暮らしている。

その数自体も、野生であることから他のモンスター達にわんさか食べられてしまうため、急激な個体増殖はせず基本問題は起きない。


しかし────稀に何らかの厄災や人が無闇に森を荒らしてしまう事で、スライム達が一気に増えてしまう事があった。


そうなると、当然自身の住む【 スライムの家 】の周辺だけでは餌が足りなくなる。


結果、他の【 スライムの家 】を襲撃し、餌が手に入る縄張りを増やそうと戦い始めてしまうのだ。


この現象を《 スライム戦争 》と呼んでいる。


この《 スライム戦争 》の被害は甚大で、主に強酸による攻撃が主な凶暴化スライム達は、お互いこの強酸マシンガンで戦いあうが、防御力が半端ないため中々勝負がつかない。


────で、結局最大の被害を受けるのは周囲の環境。

つまり森や川。


彼らの戦場になってしまった場所は、草木は勿論土もドロドロ。

森の一部が一切立ち入りできない場所になることもしばしばで、とんでもない環境問題を引きおこしてしまうというわけだ。


「 確かにそれはおかしいね。

普通森にモンスターが大発生した時は、真っ先にスライムは食べられちゃうから逆に減るはずなのに……。 」


「 そう!まさにそこが今回の事件のおかしいところなんだぜ。

少し前からこの《 スライム戦争 》が、規模は小さいが、森の至るところで起き続けているんだ。

森の異変に合わさった一時的なものではないかって思われていたんだが、それが全く止む気配がない。

それであたいの方で色々調べてみたんだが……その全体のスライム達の動きがどうも変なんだ。

ちょっとこれ見てくれよ。 」


ルーン先生はテーブルの近くにゴチャッと積まれた書類達の束をゴソゴソと探り、一枚の大きな紙を取り出すと、それをテーブルの上に置いた。


直ぐにその紙に視線を向けると……どうやらそれはこのグリモアの森の簡易的な地図らしく、簡単に東西南北の方向だけ書いてあるものの様だ。

そしてその地図上には、沢山の赤い点がポチポチと書かれ、更にそれぞれの赤い点の上に小さく番号がふられている。


「 この赤い点達は、スライム戦争が実際に起きた場所で、番号はその発生した順番だ。

おかしな点はこの順番なんだよ。

ほら、まず一番初めに発生したのは一番森の奥に位置するスライムの家。

そしてそこから順番に森の浅い方へと真っ直ぐ広がっていっているだろう? 」


ピッと地図に書かれた赤い点を、ルーン先生は番号順に指さしながら疑問点を口にする。

俺はその動きを目で追いながら、確かにおかしいぞ……と汗を一滴額から垂らした。


もし仮に森の奥、初めにスライム戦争が起きた場所で何かしらの異変が起き餌が不足した場合、スライム達は散り散りに散って戦いを始めるはず。


それが一方向────それも決まって森の浅い場所へ向かっていくという統率された動きを見せるなど、少なくとも俺は聞いた事がない。


そうすると考えられることは────……。

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