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第十四章

550 最強アーマー

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( リーフ )



「 教えてくれてありがとう。フリルの必要性がよく分かったよ!

要はあれは武装アーマーと同類と言う事なんだね?


じゃあ、このクラス一の最強アーマーはジェニファーちゃんに決まりだ。


常に完全武装で全力で挑む!!中々根性のある子なんだねぇ~ジェニファーちゃんって。


なんてったって鎧で言えば常に全身フルフェイスのガッツリ鎧だもんね。

俺、そんなの毎日着れない、絶対脱ぐ。

相当な根性がないと着れないよね、あれ。 」



リーフ邸に飾ってある全身フルフェイスの鎧の置物。


どんなもんかと思ってカルパスにバレない様にレオンと共に外に運び出しこっそり着てみた事がある。


その時の感想は、 ” これは駄目だ~ ” であった。


なんてったって重い!苦しい!暑い!と良いことが一つもない。


直ぐに脱いでしまった。


更にはそんな嫌な思いをした上、こっそり戻そうとした際カルパスに当然の様に見つかり怒られまさに踏んだり蹴ったり。


いい思い出が全くない。


そのためそんなものを毎日着よう!という心意気には尊敬の気持ちしかないと素直に口にしたのだが、ソフィアちゃんは他に何か思うところがあったのか、「 ・・・フルフェイス・・・ 」と呟きながら下を向きプルプルと震えだしてしまった。


そんなソフィアちゃんに声をかけようとしたその時、お互いある程度気が済んだのか、お揃いのたんこぶをこしらえてモルトとニールが戻ってくる。


しかし未だに怒りは治まっていない様で、ニールはブツブツと「 動きやすさを重視すべきで~・・ 」などとまた文句を言い始めたので、俺は彼の背中を叩きながら労る様に言った。


「 まぁまぁ、胸元に少しくらいフリルが増えたくらいじゃ何も影響なんてないさ。

男はフリルより中身で勝負だ!

それに動きやすさを本当に重視するなら下着のみが一番になってしまうよ。

パンツ一枚で授業なんて、自分は全然いいけど他の人が困ってしまうだろう?

やっぱり邪魔とはいえ他の洋服は必要だよね。 」


俺は邪魔だと判断したら即座に全裸になるけどね~。


ハハッ!と某国のネズミさんの様な笑いを漏らすと、モルトとニールは2人揃って「「 下着は絶対嫌で~す。 」」と素直に答えた。



そうそう、破廉恥良くない!普通が一番!

俺が良き良き!と思いながら頷いていた・・その時ーーー





ボフゥゥゥ~~ン!!!




突然基礎運動場のド真ん中で、爆発音と共に大量の白い煙が発生し俺も他の生徒達もその煙に包み込まれた。


視界が真っ白に染まってしまった中、何だ!?何だ!?とざわつく生徒達。


やがて煙が治まってくると、目の前には一人の人物が姿を現す。



魔女のシンボルマークのイメージが強い黒くて大きなとんがり帽子。

その下から見えている丸みのある茶色いコンパクトショートの髪型にクリッとしたお目々。



確か試験時にフラン学院長やクルト先生と共に試験官の一人を努めていた女の人だ!



その場の全員が晴れた視界の中、現れたその女性を目が飛んでいく程の勢いで凝視するが・・・それは派手な出現の仕方や試験官だった事を思い出してそうなっているのではない。



プリリ~ンと揺れるおパイを包むのは白いビキニアーマー。


下に続くおヘソは堂々とこんにちは~していて下を包むのも上同様ビキニパンツ型のアーマーであり、そして申し訳ない程度にむき出しの太ももを隠すのはパンツ型アーマーのサイドについているフリフリの短い布達ーーー


その格好を見てまず思い浮かぶのは、申し訳ないが ” 下着 ”


その破廉恥な格好を見て男子生徒達の目は釘付け、女子生徒達は直ぐに正気を取り戻し、そんな男子生徒達に対し嫌なものを見たと言わんばかりにグシャリと顔を歪めた。


モルトとニールは興味ありませ~んと言わんばかりのツンっとした態度でゆっくり胸ポケットからハンカチを取り出すと、その隙間からチラリッ。


真っ赤な顔で凝視している!


そんな生徒たちのエチチな視線を一気に浴びているのに、その女性からは恥ずかしいなどの感情は一切感じられず、寧ろ見ろ!と言わんばかりに腕を組み、ズイッ!と胸を張って見せてきた。




「 おーーーっす!

あたいは魔法学の担当教員< ルーン >だ!

これからよろしくな!


授業をする前にあたいから魔法を使う上で一番大事な事を伝える!


それはーーーー 」




真剣なその様子にゴクリっと喉を鳴らす生徒達・・

ピリッとする雰囲気の中、ルーン先生は再び口を開く。




「 モチベーションだーーー!!!!


物理構成を覚える暗記力でも、魔法陣を描き出す頭脳でもない!

魔法を操る魔力操作でも発動に必要な魔力量でもない!


ハートだ!

熱いハートが必要なんだよ!魔法ってもんはな!


つま~り!

自分の好きな服を着ようぜ!これ、重要! 」




ドヤっとした顔をしながらカッカッカッ~と笑うルーン先生。

ポカ~~~ンとする生徒達。



そしてルーン先生の笑い声以外の音がしなくなってしまったその場に、いつの間にか沢山の他の教員達がいて、ゴソゴソと何か打ち上げ花火の様なものを周囲にセット。


そして、そのままそれに魔力を流すと、ポポポーーン!と綺麗なお花が沢山上から降ってきた。

どうやらあれは簡易式の花爆弾であった様。


おお~綺麗だな~とパラパラ降ってくる花たちを見ながら思っていると、モルトとニールがハンカチの隙間からジッーーッとルーン先生を見つめながらポツリと言った。


「「 やっぱり、下着でいいと思います。 」」


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