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第十四章
549 罪の証
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( リーフ )
「 赤のチュニックにシンプルなズボン……一見するとスタンダードな運動着に見えますよね?
しかし!あいつの胸ポケットをよ~く見て欲しいっす!
そこにあいつの大罪が滲み出てるんすよ! 」
俺とソフィアちゃんがキョトンとしながら顔を見合わせた後、モルトの胸ポケットをジ────ッと見つめると、そこには控えめなフリルが付いていた。
更によくよく見れば、そのフリルが2段重ねになっている。
……それがなんだ~い??
意味が分からず不思議そうにする俺とは対称的に、モルトは汗をツッ────……と垂らし、目線を静かに逸した。
ニールは腕を組みコツコツ……とゆっくり歩きながら、まるで罪人を責め立てる様にモルトの周りを一周する。
そして視線を逸らしたまま俯くモルトの正面に回ると、ピッ!と人差し指を立てる。
「 俺とモルトのこの服は両親達が一括で購入したものなんすよ。
それにもかかわらず、モルトの胸ポケットにはフリルが一段多めに付いていました。
少しでもモテたい……そのためならば友達を裏切り、蹴落とす……。
そんな紛れもない罪の証なんすよ、その2段フリルは!! 」
今度は ” 犯人はお前だ! ” と言わんばかりに指を指してきたニールに対し、モルトはくっ……!と悔しそうな顔をしたが、負けじとモルトもビシッ!!とニールを指差し反撃した。
「 ふ、ふんっ!!こんなもの、貴族の嗜み程度だろう!
何の問題もない!!
それに、そもそも人のことを言うがニール、君はどうなんだ?
俺は知っている!!
君のハンカチには全てフリルがついていることをっ!! 」
モルトの反撃に、今度はニールが汗を掻き、目線を不自然に逸らす。
そんな姿を見てチャンスと思ったらしいモルトは、更に攻撃を仕掛けた。
「 今まで君のハンカチはシンプルな、ただ汗や手を拭くだけのただの布だった……。
しかし!!この学院で使うハンカチは全てフリル仕立てになっている!
これこそが本当の裏切り行為!!
そうだろう!! 」
モルトの言葉にニールは「 うるさい!スケコマシ!! 」と言い返し、プタさんパンチを繰り出す。
「 お前こそ!このミニブタ!! 」
そう叫びながらモルトはそれを避け、魚さんの尾ひれキックを炸裂。
そしてポカポカと喧嘩を始めてしまった2人にソフィアちゃんはオロオロしだしたが、俺が「 いつものこといつものこと~。 」と言えば、一応は納得した様子を見せて見守りモードに突入した。
顎の擦り付けに満足したレオンが、今度はいつも通り俺の頭皮をクンクンしてくるのを好きにさせながら、俺はフッと疑問に思った事をソフィアちゃんに聞いてみる。
「 そういえばさ、そもそもフリルってあるとそんなにモテるの? 」
その質問に対し、ソフィアちゃんはウ~ン……と考える素振りを見せながらそれに答えた。
「 そうですねぇ……。
まぁ、無いよりはあった方がいいでしょう。
平民の身分の方々は基本付けませんので、何となく ” フリル = 高貴 ” というイメージが強いようです。 」
俺はそれにへぇ~と返事を返しながら、確かに平民さんはフリルがついた服をほぼ着ないな~と改めて気づいた。
実用性を求める平民さん達にとってフリルは必要性を感じないもので、貴族にとっては逆に大事なアイテムであると、そういうことらしい。
本当に真逆の価値観~と改めてその溝の深さを感じしみじみしていると、ソフィアちゃんはクスッと笑って更に続けて言った。
「 それに、勿論ファッション的に好まれるというところも大きいですが、フリルは最強の防具でもあるんですよ。
ですので私もここぞという行事ごとでは、沢山のフリルがついた服装で臨みます。
フリル自体がどうかではなく、人の目を引くアイテムとして使うのです。
” まずは外見で相手を圧倒する事で相手より優位に立つ。 ”
そうしなければ同じフィールドに立って頂けない方々が世の中には沢山いらっしゃいますから。
相手と対等に話す、そして時に優位に立って会話を勧めていく。
そういった交渉術には必須と言えるアイテムでしょう。 」
な~るほど!
それには大いに納得してしまった。
要はフリルは、前世で言うスーツ的なやつの様だ。
確かに大事な商談の時に、陽気なアロハシャツみたいなので来たらまともに相手などしてはくれまい。
” こいつはできる……! ”
そう思わせる事で優位に話を進めていくためにスーツは必要不可欠、それといっしょか。
そこで俺は自身の服、そしてレオンの服に視線を走らせスッ……と目を細めた。
フリル満載の服が最強の防具……。
それを考えると俺達は全裸に近いな、これ
そう考えるとレオンの服の裾だけでもフリルをつけるべきか……と悩む。
「 赤のチュニックにシンプルなズボン……一見するとスタンダードな運動着に見えますよね?
しかし!あいつの胸ポケットをよ~く見て欲しいっす!
そこにあいつの大罪が滲み出てるんすよ! 」
俺とソフィアちゃんがキョトンとしながら顔を見合わせた後、モルトの胸ポケットをジ────ッと見つめると、そこには控えめなフリルが付いていた。
更によくよく見れば、そのフリルが2段重ねになっている。
……それがなんだ~い??
意味が分からず不思議そうにする俺とは対称的に、モルトは汗をツッ────……と垂らし、目線を静かに逸した。
ニールは腕を組みコツコツ……とゆっくり歩きながら、まるで罪人を責め立てる様にモルトの周りを一周する。
そして視線を逸らしたまま俯くモルトの正面に回ると、ピッ!と人差し指を立てる。
「 俺とモルトのこの服は両親達が一括で購入したものなんすよ。
それにもかかわらず、モルトの胸ポケットにはフリルが一段多めに付いていました。
少しでもモテたい……そのためならば友達を裏切り、蹴落とす……。
そんな紛れもない罪の証なんすよ、その2段フリルは!! 」
今度は ” 犯人はお前だ! ” と言わんばかりに指を指してきたニールに対し、モルトはくっ……!と悔しそうな顔をしたが、負けじとモルトもビシッ!!とニールを指差し反撃した。
「 ふ、ふんっ!!こんなもの、貴族の嗜み程度だろう!
何の問題もない!!
それに、そもそも人のことを言うがニール、君はどうなんだ?
俺は知っている!!
君のハンカチには全てフリルがついていることをっ!! 」
モルトの反撃に、今度はニールが汗を掻き、目線を不自然に逸らす。
そんな姿を見てチャンスと思ったらしいモルトは、更に攻撃を仕掛けた。
「 今まで君のハンカチはシンプルな、ただ汗や手を拭くだけのただの布だった……。
しかし!!この学院で使うハンカチは全てフリル仕立てになっている!
これこそが本当の裏切り行為!!
そうだろう!! 」
モルトの言葉にニールは「 うるさい!スケコマシ!! 」と言い返し、プタさんパンチを繰り出す。
「 お前こそ!このミニブタ!! 」
そう叫びながらモルトはそれを避け、魚さんの尾ひれキックを炸裂。
そしてポカポカと喧嘩を始めてしまった2人にソフィアちゃんはオロオロしだしたが、俺が「 いつものこといつものこと~。 」と言えば、一応は納得した様子を見せて見守りモードに突入した。
顎の擦り付けに満足したレオンが、今度はいつも通り俺の頭皮をクンクンしてくるのを好きにさせながら、俺はフッと疑問に思った事をソフィアちゃんに聞いてみる。
「 そういえばさ、そもそもフリルってあるとそんなにモテるの? 」
その質問に対し、ソフィアちゃんはウ~ン……と考える素振りを見せながらそれに答えた。
「 そうですねぇ……。
まぁ、無いよりはあった方がいいでしょう。
平民の身分の方々は基本付けませんので、何となく ” フリル = 高貴 ” というイメージが強いようです。 」
俺はそれにへぇ~と返事を返しながら、確かに平民さんはフリルがついた服をほぼ着ないな~と改めて気づいた。
実用性を求める平民さん達にとってフリルは必要性を感じないもので、貴族にとっては逆に大事なアイテムであると、そういうことらしい。
本当に真逆の価値観~と改めてその溝の深さを感じしみじみしていると、ソフィアちゃんはクスッと笑って更に続けて言った。
「 それに、勿論ファッション的に好まれるというところも大きいですが、フリルは最強の防具でもあるんですよ。
ですので私もここぞという行事ごとでは、沢山のフリルがついた服装で臨みます。
フリル自体がどうかではなく、人の目を引くアイテムとして使うのです。
” まずは外見で相手を圧倒する事で相手より優位に立つ。 ”
そうしなければ同じフィールドに立って頂けない方々が世の中には沢山いらっしゃいますから。
相手と対等に話す、そして時に優位に立って会話を勧めていく。
そういった交渉術には必須と言えるアイテムでしょう。 」
な~るほど!
それには大いに納得してしまった。
要はフリルは、前世で言うスーツ的なやつの様だ。
確かに大事な商談の時に、陽気なアロハシャツみたいなので来たらまともに相手などしてはくれまい。
” こいつはできる……! ”
そう思わせる事で優位に話を進めていくためにスーツは必要不可欠、それといっしょか。
そこで俺は自身の服、そしてレオンの服に視線を走らせスッ……と目を細めた。
フリル満載の服が最強の防具……。
それを考えると俺達は全裸に近いな、これ
そう考えるとレオンの服の裾だけでもフリルをつけるべきか……と悩む。
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