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第十四章
539 記録更新
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( リーフ )
このモンスターは回避とスピードを駆使し、軽~い攻撃で仕留めないと大量の粘液を出す。
それにより地面はねちゃねちゃ、どんどん動きは制限されて倒しづらいフィールドに変わってしまうためとにかく如何に少ない攻撃で仕留めるかが肝。
トラップもある中でそれをすることが難しいのは言わずもがな、ただ力押しするだけでは駄目で状況判断力や柔軟性も見たいということか。
流石はNO・1中学院のフラン学院長!
容赦ないぞ~?
むんっ!と再度気合を入れ直し、俺はそのまま一気に最下層まで走っていった。
そしてあっという間に到着した最下層には、大きくそびえ立つような鉄製の扉があって俺はその扉の前でピタリと止まる。
ここはいわゆる一番魔素が濃く居心地の良い場所で、この中には他の個体達を蹴散らしここを見事ゲットした一番強いモンスター・・ボスがいるはずだ。
ワクワクしながらその扉をババーーン!と開け放つと、中は大きな開けた空間になっていて、その中央に巨大な何かが立っているのが目に見えた。
そいつは30mはこえるか?というヌメヌメ~とした体を動かし俺の方を向く。
巨大なナメクジ・ミミズに似たモンスター
< ナメクジ・ミミズキング >だ!
< ナメクジ・ミミズキング >
ナメクジ・ミミズが集合し融合することで誕生する融合型Eランクモンスター。
体長は集まったモンスターの数だけ大きくなるためまちまち。
頭についた触覚がトゲトゲしていて王冠の様に見える。
粘液の酸性度は上がり、まともに喰らえば溶かされてしまうため注意が必要。
本体の動きは遅いが、粘液攻撃に加え無数の触手を伸ばし獲物を捉えてから溶かそうとするので捕まってしまえばジ・エンド。
体表の粘液により物理攻撃耐性を持ち生半可な攻撃はツルッと弾かれてしまうが、火の属性攻撃には弱いので魔法攻撃が有効。
ナメクジ・ミミズキングは俺の姿を確認した瞬間「 ブロロロロローーー!!! 」とまるでトランペットの様な咆哮を上げ、無数の触手を身体中から出現させた。
ウニョウニョと蠢くその姿、まさに糸みみずのごとし!
うへぇ~と思わず顔を歪めると、そのナメクジミミズの王様は触手を一斉に俺に向かって伸ばし襲いかかってきたため、それをトントンっと軽く回避しながら自身の剣にスキル< 魔法付与術 >で火の属性を付与。
更に続けてスキル< 風の通り道 >を発動し、足場となる小さな魔法陣を出現させると、それを踏んで瞬時にモンスターの真上へと移動した。
するとモンスターは俺のスピードを目で追いきれず ” 何処だ!? ” と言わんばかりに周囲をキョロキョロと周囲を見渡す様に頭の部分を振る。
このチャンスは逃がさないぞ!
キラッと目を輝かせながら俺は、即座に飛び上がった真上でもう一度足場になる魔法陣を創り出すと、それをグッと踏みしめモンスターへ真っ直ぐ突っ込んでいく。
やっと俺が上にいる事に気づいたナメクジミミズの王様は避けようと体を動かしたが、それより早く火の属性がプラスされた剣は見事真上からそいつの体を真っ二つに叩き切った!
すると真っ二つになった体の中央辺りには瘴核があった様で、それがパリィィィーンと砕け散るとーー
モンスターはひときわ大きな鳴き声を上げてバターンと倒れて完全に沈黙したのだった。
よっしゃっ!とガッツポーズをすると、上から突然ピコんっ!というボタンを押すような音が聞こえ、続いて女性の淡々とした声が聞こえてくる。
『 リーフ・フォン・メルンブルク
Fランクダンジョン、30階層完全制覇。
タイムは5分30秒。最速記録更新。
これにて立体仮想ダンジョン終了いたします。 』
おおおお??
アナウンスらしき声に驚き思わず声が漏れたが、それから直ぐにダンジョンが白く光り始めたため驚いて目をギュッ!と閉じる。
すると急に空気が変わったのに気づき目をソロ~と開けると、そこは先ほどまでいた学院の闘技場の中で、ダンジョンの階段があった場所にはコロンっと< 仮想立体ダンジョン >の魔道具が転がっていた。
「 何だかゲームみたいだったな。 」
ピコピコとドット絵で可愛らしく動いていたゲームを思い出し、ほんわかしながらフッと正面を見ると・・クルト先生や他の教員たちがあんぐりと口を開けてポカ~ンと俺を見ている事に気づいた。
「 ・・あの・・?? 」
とりあえず声を掛けるとクルト先生はハッ!と我に返り、両手の親指をグッ!と立てた。
「 リーフ殿!!歴代最速記録更新ーー!!
うおぉぉぉぉーー!!凄いじゃないか!
5分台なんざ本職のやつだって無理だ。
一体どんな方法で突破したんだ?! 」
興味津々~といった様子のクルト先生と他の教員達はわらわらとコチラに集まってきて「 特殊なスキル? 」「 武器は・・中剣の二刀流か・・? 」などなど矢継ぎ早に質問攻め。
俺はそれに答えながら< 昆虫の予見者 >が発現した原因のレオンに対して心の中で感謝を捧げた。
実は、笑うしかない無敵の強さを持つレオンとひたすら戦い続けた事で発現したこのスキル
戦闘時だけではなくありとあらゆる場面で役に立つので乱用していたのだが、ある日ダンジョンに入った時にトラップ対策にまで使える事に偶然気づいた。
うひょひょ~い!と喜んだ俺は、それからはダンジョンを見つけ次第このスキルを使って攻略をしてきたというわけだ。
そう考えると俺の能力ってレオンによってめちゃくちゃUPしている様な気がする・・
スキルの事を答えながらフッと頭を過ぎった事実にあぁー・・と何とも言えない気持ちになった。
これでは物語のリーフとレオンの立場が逆転しているような気がしないでもない・・?
あれ?これ大丈夫??
俺が意地悪してレオンが強くなるんだよ・・ね??
このモンスターは回避とスピードを駆使し、軽~い攻撃で仕留めないと大量の粘液を出す。
それにより地面はねちゃねちゃ、どんどん動きは制限されて倒しづらいフィールドに変わってしまうためとにかく如何に少ない攻撃で仕留めるかが肝。
トラップもある中でそれをすることが難しいのは言わずもがな、ただ力押しするだけでは駄目で状況判断力や柔軟性も見たいということか。
流石はNO・1中学院のフラン学院長!
容赦ないぞ~?
むんっ!と再度気合を入れ直し、俺はそのまま一気に最下層まで走っていった。
そしてあっという間に到着した最下層には、大きくそびえ立つような鉄製の扉があって俺はその扉の前でピタリと止まる。
ここはいわゆる一番魔素が濃く居心地の良い場所で、この中には他の個体達を蹴散らしここを見事ゲットした一番強いモンスター・・ボスがいるはずだ。
ワクワクしながらその扉をババーーン!と開け放つと、中は大きな開けた空間になっていて、その中央に巨大な何かが立っているのが目に見えた。
そいつは30mはこえるか?というヌメヌメ~とした体を動かし俺の方を向く。
巨大なナメクジ・ミミズに似たモンスター
< ナメクジ・ミミズキング >だ!
< ナメクジ・ミミズキング >
ナメクジ・ミミズが集合し融合することで誕生する融合型Eランクモンスター。
体長は集まったモンスターの数だけ大きくなるためまちまち。
頭についた触覚がトゲトゲしていて王冠の様に見える。
粘液の酸性度は上がり、まともに喰らえば溶かされてしまうため注意が必要。
本体の動きは遅いが、粘液攻撃に加え無数の触手を伸ばし獲物を捉えてから溶かそうとするので捕まってしまえばジ・エンド。
体表の粘液により物理攻撃耐性を持ち生半可な攻撃はツルッと弾かれてしまうが、火の属性攻撃には弱いので魔法攻撃が有効。
ナメクジ・ミミズキングは俺の姿を確認した瞬間「 ブロロロロローーー!!! 」とまるでトランペットの様な咆哮を上げ、無数の触手を身体中から出現させた。
ウニョウニョと蠢くその姿、まさに糸みみずのごとし!
うへぇ~と思わず顔を歪めると、そのナメクジミミズの王様は触手を一斉に俺に向かって伸ばし襲いかかってきたため、それをトントンっと軽く回避しながら自身の剣にスキル< 魔法付与術 >で火の属性を付与。
更に続けてスキル< 風の通り道 >を発動し、足場となる小さな魔法陣を出現させると、それを踏んで瞬時にモンスターの真上へと移動した。
するとモンスターは俺のスピードを目で追いきれず ” 何処だ!? ” と言わんばかりに周囲をキョロキョロと周囲を見渡す様に頭の部分を振る。
このチャンスは逃がさないぞ!
キラッと目を輝かせながら俺は、即座に飛び上がった真上でもう一度足場になる魔法陣を創り出すと、それをグッと踏みしめモンスターへ真っ直ぐ突っ込んでいく。
やっと俺が上にいる事に気づいたナメクジミミズの王様は避けようと体を動かしたが、それより早く火の属性がプラスされた剣は見事真上からそいつの体を真っ二つに叩き切った!
すると真っ二つになった体の中央辺りには瘴核があった様で、それがパリィィィーンと砕け散るとーー
モンスターはひときわ大きな鳴き声を上げてバターンと倒れて完全に沈黙したのだった。
よっしゃっ!とガッツポーズをすると、上から突然ピコんっ!というボタンを押すような音が聞こえ、続いて女性の淡々とした声が聞こえてくる。
『 リーフ・フォン・メルンブルク
Fランクダンジョン、30階層完全制覇。
タイムは5分30秒。最速記録更新。
これにて立体仮想ダンジョン終了いたします。 』
おおおお??
アナウンスらしき声に驚き思わず声が漏れたが、それから直ぐにダンジョンが白く光り始めたため驚いて目をギュッ!と閉じる。
すると急に空気が変わったのに気づき目をソロ~と開けると、そこは先ほどまでいた学院の闘技場の中で、ダンジョンの階段があった場所にはコロンっと< 仮想立体ダンジョン >の魔道具が転がっていた。
「 何だかゲームみたいだったな。 」
ピコピコとドット絵で可愛らしく動いていたゲームを思い出し、ほんわかしながらフッと正面を見ると・・クルト先生や他の教員たちがあんぐりと口を開けてポカ~ンと俺を見ている事に気づいた。
「 ・・あの・・?? 」
とりあえず声を掛けるとクルト先生はハッ!と我に返り、両手の親指をグッ!と立てた。
「 リーフ殿!!歴代最速記録更新ーー!!
うおぉぉぉぉーー!!凄いじゃないか!
5分台なんざ本職のやつだって無理だ。
一体どんな方法で突破したんだ?! 」
興味津々~といった様子のクルト先生と他の教員達はわらわらとコチラに集まってきて「 特殊なスキル? 」「 武器は・・中剣の二刀流か・・? 」などなど矢継ぎ早に質問攻め。
俺はそれに答えながら< 昆虫の予見者 >が発現した原因のレオンに対して心の中で感謝を捧げた。
実は、笑うしかない無敵の強さを持つレオンとひたすら戦い続けた事で発現したこのスキル
戦闘時だけではなくありとあらゆる場面で役に立つので乱用していたのだが、ある日ダンジョンに入った時にトラップ対策にまで使える事に偶然気づいた。
うひょひょ~い!と喜んだ俺は、それからはダンジョンを見つけ次第このスキルを使って攻略をしてきたというわけだ。
そう考えると俺の能力ってレオンによってめちゃくちゃUPしている様な気がする・・
スキルの事を答えながらフッと頭を過ぎった事実にあぁー・・と何とも言えない気持ちになった。
これでは物語のリーフとレオンの立場が逆転しているような気がしないでもない・・?
あれ?これ大丈夫??
俺が意地悪してレオンが強くなるんだよ・・ね??
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