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第十四章

537 立体仮想ダンジョン

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( リーフ )


午後の授業は13時開始の1コマ90分授業。


それが2コマあるので俺とレオンは


1コマ目に< 戦闘術学 >

2コマ目に< 魔法学 >


ーーをとることにした。



基本的に午後の授業は実技メインになるのでその時その時でそれに適した場所へ移動して行う。



本日が初となる1コマ目< 戦闘術学 >は、剣体術の試験の時に使った闘技場で行われるそうなので、ランチを終えた後、俺、レオン、そしてレイドとメルちゃん、アゼリアちゃん、サイモンは共にそこへと向かった。



指導教員は特級組の担任でもある< クルト >先生と他教員が十数人とかなり多め。

全員が全員実力高き叩き上げタイプだそうなので授業はとても厳しいものであるはず。


気を引き締めなければ!


キリッ!と真剣な顔をしてズンズン歩いているのだが、レオンが上機嫌でペト~とくっついてくるのでイマイチ真剣な雰囲気になれない!



まさか図書館でエッチな本でも見つけてご機嫌になっちゃったんじゃないの~?



ジロジロ~と訝しげに俺の首に顔を乗せてくるレオンを見つめていたら、あっという間に闘技場へ到着。


そこにはもう既に沢山の生徒たちが到着していて腕を回したり足を伸ばしたりと気合十分、準備満タン!といった感じであった。

服装は基本自由だが、戦闘を行うことから結構皆がっつり戦闘服を着込んでいて各々の得意とする武器もしっかりと装備している。


俺とレオンはいつも通りのラフな格好に、レオンはレイピア、俺は中剣2本を装備。


アゼリアちゃんはシンプルな銀の胸当てを装着したスタンダードな戦闘服、レイドとメルちゃんは皮製の軽さ重視の胸当てを普段着につけている感じ。

そして流石は獣人と言わんばかりのレイドは非常に大きな大剣、メルちゃんは巨大な弓を装備。

対してエルフ族のサイモンは、完全なスピード重視型の黒いノースリーブトップスに黒いオペラグローブに短パン、それに小ぶりの短剣を装備している。


皆どんな戦い方をするのかな?とワクワクしながら授業の開始を待っていると、それから直ぐに担当教員のクルト先生が姿を現し、その後にゾロゾロと残りの教員達が続いて闘技場内へ入ってきた。


そして生徒たちの視線が集まる中ズラッと横に一列に並び、その真ん中に立っていたクルト先生が前に大きく一歩踏み出す。



「 これより< 戦闘術学 >の授業を開始する!


初日である本日は実力別に《 Aクラス 》《 Bクラス 》《 Cクラス 》に分ける為のクラス分けテストを行うぞ。

テストにはこの【 立体仮想ダンジョン 】を使うからこれから一人一つ配るので受け取るように! 」




< 立体仮想ダンジョン >

視覚的映像を吸い取り映し出す事ができる【 記憶鏡石 】を利用した映像型魔道具。

実際に存在しているダンジョンを再現しそれを具現化する魔道具。

肉体に直接ダメージは受けなくてもリアルな映像によって脳が錯覚を起こしショック死する事もあるため扱いに注意。




立体仮想ダンジョンはそのあまりのリアルな映像によって、脳は完全にそれを現実だと認識し攻撃されれば痛みも感じてしまう。


ただし同じく痛みを感じる< 仮想幻石 >とは違い、痛みはリアルなものではなくあくまで本人のイメージにともなう痛みなのでその感じ方はそれぞれの様。


そしてその再現度は制作者により異なるが、モンスターの強さやHP、行動パターンなども完全に再現されているため実際に戦うのと全く同じ感覚を味わうことができるという優れもの。



授業で使うなら持って来いの魔道具だ。



「 今回のテストでは学院長の< フラン >様が作って下さった、Fランクモンスターが出現するダンジョンを使う!

制限時間は30分、それで何階層まで行けるかで評価をするぞ。

ちなみに階層は全部で30階層、更に最深部にはその階層のボスモンスターがいるので十分注意するように。

ふざけて油断していると死ぬこともあるから真剣にな。


それでは一人につき一つ、今からその魔道具を配るから受け取れ! 」



後ろにズラリと並んでいた教員達が直ぐに手分けして生徒たちに透明なビー玉にそっくりなそれを配りだし、俺も勿論受け取ったのだが・・何故か手には2個の魔道具が。


「 ? 」

ーーーと疑問に感じたのは一瞬で、ホタホタと生ぬるい顔で笑う教員の顔からこれがレオン用であることを察知。

後ろにいるレオンに即座に渡してあげるとその教員はパァ!と輝く様な笑顔を浮かべて去っていった。


とうとうレオンとの接触を放棄した??


レオンの扱いがなんだか明後日の方向に向かい出した事に不安な気持ちになったが、今は集中集中と気持ちを切り替え配られたビー玉の様なそれをジッと見つめた。


これが< 立体仮想ダンジョン >か・・


確か床に叩きつけて使うんだったっけ?と思い出し下にポイッと落とすと、突然バフッ!!という小さな爆発音と白い煙と共にダンジョンの入り口が地面に出現した。


大きさは畳一枚ほどのぽっかり空いた穴。

中をヒョイッと覗くと下へと続く階段が設置されている。


それに、おおおお~!!と感激しながら目を輝かせていると、他の生徒達も次々と下にそれを落としダンジョンを出現させていく。


それを見守った後クルト先生は説明を続けた。



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