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第十四章

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( リーフ )



「 ・・・と、いうわけなんだ。 」


めしょめしょと泣きながら今朝の出来事をいつものメンバーに相談する。


結局レオンの上にドスンッと座ったまま午前中の授業を終えた俺は、そのまま昨日も食べた場所で皆と一緒にお昼を食べている真っ最中。


ちなみに俺が今座っているのはレオンではない久しぶりのちゃんとした ” 椅子 ” 。

何故かというと、なんと!レオンが一人で図書館に向かったからなのである!


ーーーヒェッ!


突然の自主的行動に驚き思わず短い悲鳴をあげた。



先程お昼ご飯を食べようと現在いる場所に集合した時の事。

さぁ座ろ~♬とレオンに持ち上げられるのを素直に手を広げて待っていたのだが、レオンは予想だにしない行動に出る。


” 今から少し本を読んできます。 ”


そう言ってシュンッ!と一瞬で消えてしまったのだ!


突然のソロデビュー!?


俺は驚きながらも、とりあえず広げていた手は上に・・

そしてそのまま上・前・上・前と交互に動かしながらファイッ・オーファイ・オー!と応援しながら見送った。


そうしてポツンと残された俺。


仕方無しに普通の椅子に座り込んだが、何だかお尻と背中が冷たくて落ち着かない。


フリフリ~とお尻を振って椅子の上で収まりのいいところを探しても見つからず、無難な位置でピタリと止まった後、せっかくなのでこれを機に皆にレオンについての相談をしてみようと思いついた。


もしかして色々な意見を聞けば現状を変えるきっかけになるかもしれないし・・


そんな期待を持ちながらレオンとの今までの思い出を話し始めると、大きくとても素直で優しい子に育ってくれたレオンにボロロンと涙が溢れて止まらなくなる。


頑張っているレオン、社畜なレオン、お仕事できてご機嫌レオン、ムッとしているレオン・・


数々の試練を乗り越えてきたうちの子レオンについて泣きながら語っていると、結構聞くにヘビー過ぎる内容だったのかモルトとニール以外の皆はピクピクと体を震わせ机に突っ伏してしまった。


そして最後に朝にあった事を説明して話は一旦終了。


俺は久しぶりに自らの手でハンカチを取り出すとズピピィーと鼻を噛み、今度はココ最近の悩みを語りだす。



「 俺、ずっとレオンの事を虐めてきたんだ。

だからそのせいでレオンの心は・・


皆はそれについて何か気づいた事ある? 」


俺には分からなくても他から見れば何かレオンなりの兆候があるのかもしれない。

真剣な表情でそう尋ねるとモルトとニールは「「 ??? 」」と不思議そうに揃って頭を傾けているため多分俺同様いまいち気づいていない様子。


その中で最初に動いたのはサイモンで、彼は両手で口元を押さえながら顔をゆっくり上げた。


「 た・・確かにぃ~察知するまでもなくだいぶぶっ壊れてるよねぇ。レオンって・・。 」


その瞬間突っ伏している全員がぶっ!!と吹き出しピクピクと先ほどより大きく体を震わした。


俺は、やっぱり・・と他から見てもレオンは結構不味いところまできているらしい事にショックを受け、まためしょめしょしながら目元をハンカチで拭う。



「 最近特に情緒不安定みたいで、急に幼児化したり不安になって機嫌がコロコロ変わったり、奇行に走ったり・・

元々辛い事も多い人生を頑張ってきた子だから仕方ないんだけど、日に日に悪化してきた気がするんだ。

俺はどうしたら・・ 」



「 あっ!!そういや、昨日もなんか変なこと言ったよな!

あれも奇行じゃね?

な?!モルト、ニール。 」


レイドはバッ!!と顔を勢いよく上げて叫び、その後モルトとニールの方を見た。


その視線を受けた二人はOK!と頷くと、突然ニールがバターンッ!!と大きな音をたてて椅子から落下、地面に横向きに倒れる。


「 レオンっ!? 」


モルトはそう言いながらタタっ!と倒れているニールに駆け寄りその体をユサユサと優しく揺すってあげると、ニールはゆっくり・・ゆっくりとモルトの顔の方を向き・・



「 本物のリーフ様・・ですか? 」



ーーと消えそうな声で言った。



その瞬間全員が凄い勢いでブブーーーッ!!!と吹き出しテーブルにおでこを叩きつける勢いでまた顔を下げると、お腹を押さえてまるでバタ足するかのように足をバタバタと動かす。


俺はハンカチでゴシゴシと顔を拭くと真剣な顔を皆に向けて言った。


「 とにかく今は少しでも興味のあるものを見つけて貰おうと思っているんだけど、どうも俺とレオンは対極にいるような性格をしているからどうしたらいいのか迷っちゃうんだ。

レオンの心の安定のために皆の意見も教えてくれないだろうか? 」



机に伏せていた面々は一度深呼吸してから顔を上げる。


そしてその中で一番最初に口を開いたのはリリアちゃんであった。

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