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第十四章

532 お仕事か

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( リーフ )


そうして無事にギルドへ帰還後、受付に座っていたエイミさんを見つけて「 お願いしま~す! 」と言いながら依頼書を差し出す。


「 あれ?早かったのね~、やっぱり無理だったでしょ?

凄い数だって皆諦めてーー・・・ 」


俺が差し出した依頼書を見て笑顔で動きを止めるエイミさん。


そんなエイミさんに向かって俺とレオンは凄いのだ!と自慢気に胸を張ると、エイミさんは顔をスッ・・と両手で隠し「 うそ・・うそ・・ありえない・・ 」とブツブツつぶやき出してしまった。


「 ・・・・。 」


それから待てども待てども返答がないので、どうしようかと思っていたら、見兼ねた隣の受付さんがスッ・・と報酬をくれて無事本日通算二回目の依頼は達成!


やほほ~い!と喜びながら手にあるお金を見下ろす。


依頼料は正規のEランク依頼の値段なので微々たるものだったが、それでもお仕事してお金が貰えるのはとても気分がいいものだと嬉しくて思わず笑みが溢れた。


するとレオンもそれに釣られるように嬉しそうに笑っているのを見てほんわかしていると、突然、はっ!と思い出したのはヘッド・ハンマーモグラ達の存在。


流石に500匹全部の買い取りは難しいかな~?と思いながら、レオンを連れて素材引き渡し場所へと向かうと、受付に立っている男性が俺達を見てヒクッ・・と口の端を動かした。



「 熊殺しのルーキー達じゃねぇか。この間はたまげたぞ。

で?今度は何を持ってきたんだ? 」


ジロジロ~と警戒するような様子を見せる素材買い取りの受付さんに慌てて手を振る。



「 今日は熊じゃないよ!

ヘッド・ハンマーモグラなんだけど、その買い取りはしてますか? 」



ヘッド・ハンマーモグラという名を聞き、その男の人の目はキラリと光る。


どうやら買い取りしてくれそうだ。



「 ああ!勿論してるぜ!寧ろ大歓迎だ!

あのモグラは討伐が難しいが丸焼きが最高に美味しいんだよなぁ~。


しかし中々入荷しねぇし、あのクソ冒険者どもがわざと肉を卸さねえしでずっと肉が不足してっからよ。


で、何匹とれた!?1匹でも喜んで買い取るぜ? 」



ニコニコしながら男性がそう言うと、それを聞いていた他の解体スタッフさん一同がワラワラと集まってきて、この間熊を乗せた素材提出用の巨大な台を小さな箒でサッサッと掃いて綺麗に埃を払っていく。


思ったより喜んで貰えそうだとホッとしながら「 レオ~ン!お願いしまーす。 」と声を掛けると、

レオンはコクリと頷きながら台の上にドサドサドサ~とヘッド・ハンマーモグラを出した。


そして台の上に出来たモリッと積み上げられたモンスターの黒い山を前に、解体の受付さん達はポカ~ン。

それを遠目で見ていた他の冒険者さん達もポカ~ン。


解体のスタッフさん達は恐る恐るその一匹に触れ、大きなルーペみたいなもので覗き出した。


「 こっ・・これは何年前から溜め込んでいたやつだ・・?? 」


「 ?溜める???いや、さっき仕留めたから鮮度は抜群さ。 」


ちょっと古いお肉であると誤解されてしまった様だったので、しっかりと鮮度良好であることをアピール!

エッヘン!と胸を張ってそう答えると、目玉をポーーーンしたスタッフさん達は総出でその状態チェックを始めた。


それを見ていた他の冒険者達はざわざわしながら「 えっ?な、なにあれ・・ 」「 ヘッド・ハンマーモグラ??何、あの数?? 」とびっくりおったまげしている様子だ。


分かる分かる~。

俺も流石にこんな団体さん見たことな~い!


基本は多くとも一世帯4~5匹くらいのヘッド・ハンマーモグラしか一度に出現しないので本当にこれには驚かされた。


ウンウンと頷きながらそう考えていると、突然俺たちの目の前に大きな袋が置かれる。


ドスンッ!!という結構な重量がありそうな音と、同時にチャリリーンという馴染みある音が聞こえたので、それがお金であることに気づき今度は俺の目玉がポーーンと飛んでいった。


「 ヘッド・ハンマーモグラが一匹銀貨5枚だから、総額銀貨2500枚・・金貨だと250枚だな。

坊主すげぇじゃねえか!冒険者2日目でこんな大金稼ぐ奴なんざいねぇよ。

しかもランク越えモンスターだしな、コレ! 」



俺の背中をバシバシ叩き喜ぶ解体の受付さん達だったが、俺の意識は金貨の袋に釘付け。




モ、モグラを駆除したら計250万円が手に入りました・・。






・・・・



イヤッホ~!!


俺が飛び上がって喜ぶと、レオンも俺の背中に念入りに洗浄魔法をかけていたが、大好きなお金が手に入って凄く嬉しそう。


そしてそれを持って上機嫌でギルドを後にし、現在に至る。


俺は2つに分けられていた金貨の袋、その一つをレオンに渡しニコニコしていると、レオンはそれを受け取り、パァッ!と良い笑みを浮かべーーーー






即座に俺に返した。



?????


ニッコリ笑顔のまま固まる俺に構うことなく今度はモジモジしだすレオンに俺は、平凡パパもどきへの親孝行は最初の一回で十分だと説明すべく口を開く。



「 これは本当に欲しい物に使っていいお金なんだよ。

だからレオンが使いたいって思うことに使っていいんだ。 」



「 ????はい。一番欲しい物のために使っています。 」


「 ???? 」


「 ・・・・?? 」



お互いハテナで一杯になる頭をコテンと傾け、必死に考える。

すると天才頭脳を持つレオンは直ぐに答えを導き出したらしく、多次元ボックスを発動。


中からキラキラ光るニールに貰ったお皿を取り出すと、お金が入った袋をそれに乗せズイッ・・と俺に差し出してきた!



そこで俺は完全に理解したよね。


あ~これお仕事か・・・・ってね!


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