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第十四章

527 冒険者の日常??

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( リーフ )


チャリーン、チャリリ~ン♬


歩く度に両手に抱えた2つの麻袋から、硬貨が擦り合う音が聞こえてニマニマ~と笑みを溢す。

俺が抱えているのは、本日の依頼達成の際に貰った報酬だ。


そしてそして~!


クルッと後ろを振り向けば、スタスタ歩くレオンの両手には、リボンでグルグル巻きにされているモンスターのお肉の塊がある。


マリンさんへのお土産もバッチリだ!


ふふ~ん♬ふふ~ん♬

俺は鼻歌を歌いながら、依頼を貰いにギルドに行った時の事を思い出す。


記念すべき2回目の冒険者依頼受注だ~と気合満々で入っていった冒険者ギルド。

挨拶しながら扉をババーン!と開けて入っていったのだが、そこで突然ハゲ掛かっている男の人に殴りかかられる。


酔っ払いの類??


そう思いパンチを避けて蹴り飛ばしてやったが、そのせいで壁に穴が開いてしまったので ” 弁償!! ” の二文字が頭を過ぎり、直ぐにエイミさんに謝りに行った。


しかしどうやら先に殴りかかった方が悪いというのは、冒険者の世界の常識なんだそうで……。


「 正当防衛ですので賠償金はゲイルさんのクラスに付けときまーす! 」


「 そ、そっか~。 」


賠償金は先に殴りかかってきたハゲもどきさんでいいと言われ、ホッと胸を撫で下ろしたが、善良な冒険者達の日常生活が心配になった。


そんな急に殴ってくるような人が普通にギルド内にいるなんて、皆安心して過ごせないじゃないか?


チラチラっと周りにいる冒険者さん達を見回していると、、空いてしまった穴と俺を交互に見ながらオロオロしている何処かで見たようなお兄さん達が目に入る。


カシャカシャ!!!


頭をフル稼働させ、先ほどのハゲもどきさんと、以前街で出会ったスキンヘッドもどきの髪型が完全に一致する事を思い出し、同一人物だ!とやっと気づく。

そして、芋づる式にそのお兄さん達の事も思い出し、クワっ!と目と口を開けて鬼の形相を作り出した。


悪い子いねがぁぁ~!!!


恐怖に慄く大人坊や達は必死に逃げようとしたが、俺からは逃げられない!

即座に彼らの逃げる方向へと先回りし、そのまま ” 金色玉・絶命拳 ” を食らわしてやった。


「「 ヒィィィィィィィ!!!!!! 」」


悲鳴をあげながら気絶してしまった坊や達を見下ろし、ヤレヤレと大きな肩をすくめる。


悪さする子供は喉元を過ぎるとすぐ忘れる! 

しかし今回はきっちりお仕置きしてやったので、もう大丈夫だろう。


気持ちを切り替え、レオンに洗浄魔法を掛けてもらいながらスタスタと依頼書が貼ってある方へ向かおうとしたのだが……。


────ギュンギュン!!


????


変な音が頭上から聞こえて上を見上げると、天井が見えないほど枝分かれした不思議剣が見えて目が点に。


??????


はてなマークがピュンピュン頭から飛び出た直後────そこから切り離された剣の欠片達が雨の様に降り注ぐ。


それをヒョイヒョイと避けながら、その剣の元を目線で辿っていくと、そこにはキンキラキンのアクセサリーの方が本体?の様な男がいた。


これはこれは……光り物大好きなレオンは大丈夫??

もぎ取らない??


心配してバッ!とレオンの方を見れば、スーパー省エネモード。

どうやら大振りのギランギランダイヤはお気に召さなかったようだ。


基準がわからな~い!


首を大きく傾げながら、そのキンキラリンの男の前に着地すると、その男はヘラヘラと笑いだした。


” 無抵抗の人間は殴らねぇよな? ”


そう言ってきたが…………俺は殴る。

寧ろ絶好のチャンスだと思っている。


その信念に従い、ニヤけた顔に思い切り右ストレートを食らわしてやった。

すると、先ほどのスキンヘッドもどきさんが飛んでった穴の横に、もう一つ新しい穴を開けながら遠くへ。


そしてキランキランの男が飛んでいった事で一緒に来ていた様子のお仲間さん達は、ソロ~と逃げようとしていたが、俺はその前に彼らの前へ飛ぶ。


「 連帯責任!!! 」


そう言ってしっかり ” 金色玉・絶命拳 ” を食らわしておいた。


あんな危険なスキルをこんな場所で使うなど言語道断!

下手をすれば死んでしまう者もいるほどであったため、これはイタズラでは済まされない。


そのためキツめの連帯責任を下してやったわけだが、それにしても暴力的な人間が多くて驚いた。


レオンにまた洗浄魔法を掛けて貰いながら思ったのは、多分冒険者はちょっと血気盛んな人が多いのかもしれないということ。


なんてったって歩いているだけで殴りかかられたり、そんな事が目の前で起きているのに周りはスポーツ観戦の様に大騒ぎ。

ザップルさんなどタンバリンを持ったサルのおもちゃの様に手を叩いて笑っている!

それに見たことないおじいちゃんみたいな人が俺に向かって拝んでくるし……??


「 ?????? 」


ナムム~と拝んでくるお爺ちゃんを見下ろし汗を一筋掻いた。

こんな治安の悪さでは、俺はいいとして、ちょっと口で言い返されたからってショックで倒れてしまったレオンの事を考えると、心配で仕方がない。
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