521 / 1,370
第十三章
506 いつの間にかいない人
しおりを挟む
( リーフ )
「 おおおお~ー……。 」
まだ俺の頭の匂いを嗅ぎ続けているレオンを後ろにくっつけたまま、眩しさに目を細め、教室の前の方へ視線を向ける。
するとまず目に飛び込んでくるのは、部屋に見合う金ピカデザインの教壇とその後ろに設置されている巨大スクリーンだった。
そして教壇に向かい合う形で、生徒たちが座る用の机と椅子がズラリと並んでいるのだが、机の形がかなり横長の形状をしている事から多分2人席タイプであることが分かる。
今度はその長い机を目で追っていくと、徐々に視線は上の方へ。
2列に分かれて並んでいるその机は、後ろへ向かっていくにつれて、ちょうどひな壇の様に後ろが徐々に高くなって設置されていた。
ドラマなどでよく見る、大学の講義の時に使う教室みたいだ。
「 凄いな、ここが今日から教室になるのか。 」
隠しきれない喜びは、フンフンッ!という荒い鼻息によって現れ、まだまだ俺の匂いを嗅ぎ続けるレオンを伴って、意気揚々と中に一歩入った。
すると既に集まっていた生徒たちがザッ!と移動してしまい安定の離れ小島になる。
「 …………。 」
最初の一歩を踏み出したまま止まり、自分とレオンの立ち位置を思い出した。
……まぁ、人間関係は長期戦、長期戦。
焦らない焦らない。
近くに誰もいないのに視線だけは一身に集めるという、この奇っ怪な状態にため息をつきながら席に向かおうとしたその時────。
「 おはようございます。リーフ様。 」
聞き覚えのある女の子の声が遠く離れた集団から聞こえてきたので、直ぐに振り返る。
すると声がした方向から、優雅な仕草で前に進み出てきたのは────なんとジェニファーちゃんであった。
赤!赤!赤!と運動会を連想させるクッキリした赤色で統一されたドレスに、沢山のフリルがつく事でゴージャスさが増し増し。
手にはそんなドレスに見劣りしない、大きなルビーがゴロッとついた金ピカキラキラ扇子を持っている。
戦闘で例えるなら、超攻撃力特化型の前衛攻撃班。
相手を圧倒するほどの輝きを放つジェニファーちゃんだが、ドレスのデザインは毎回違えど少なくとも俺が見た限りは全て【 赤 】。
もしかして赤色が大好きなのかもしれない。
車に轢かれにくい目立つ色~♬
子供に着せるのには最高の色で俺も大好き!
「 おはよう!ジェニファーちゃん。 」
勝手に仲間意識を持ちながら挨拶を返せば、後ろからはその専属聖兵士のクラーク君も同時に姿を現す。
「 おはようございます。リーフ様。 」
「 クラーク君もおはよう。 」
クラーク君は、これまたお手本の様な礼をして朝の挨拶。
流石は高貴な生まれの二人。
挨拶の一つでも粗がない。
二人はそんな完璧な朝の挨拶の後、俺とレオンを交互に見ながら鋭い視線を送ってくる。
もしや何かマナー違反でもやらかしてしまったか?と思ったが、ジェニファーちゃんは開いたセンスをスッ……と口元に持ってきて、何事もない様に普通の世間話を始めた。
「 まぁ、私だけではなく専属聖兵士のクラークの事までご存知だとは思いませんでしたわ。
流石試験で300点越えの偉業を達成した方は違いますわね。
余裕を感じますわ。 」
「 友達になった子にクラーク君の名前を教えて貰ったんだ。
褒めてくれてありがとう。
2人と同じクラスになれて嬉しいよ。これからよろしくね。 」
「 フフッ、私も嬉しいですわ。
……それにしても、リーフ様はとても親しみやすい方でしたのね。
なんだか予想していた方とはだいぶかけ離れていて……当分戸惑うかもしれません。 」
そう言ってジェニファーちゃんはクラーク君と目をチラッと合わせ、軽く笑い合う。
" 外見が周囲に溶け込みすぎて背景と一体化。 "
" 親しみやすさは空気と同列。 "
────と言われ続けてきた俺にとって、そう思われていなかったなど予想外の出来事だ。
これは通行人の役から完全脱却。
苦労……はしてないけど、悪役宣言したかいがあったというもの。
思わずニンマリと笑みが溢れる。
「 そう!?俺的にこんな感じで今後はいくつもりだから!
────いやいや、志は高く持とう!更に高みを目指すよ、俺は。 」
「 ???えっ……???
?????
────そ、そうですか……。高みを目指すことは良いことだと思いますけど……?? 」
少々口ごもりながら答えたジェニファーちゃんは、直ぐにキリッ!と目に力を入れて、話題を変えた。
「 ……わ、わたくし、実はメルンブルク家のシャルロッテ様とはよくお茶会でご一緒する仲でして……。
リーフ様はあまりシャルロッテ様と似ておりませんね。内面的なものも含めて。
シャルロッテ様はご家族の方とそっくりですし、メルンブルク家の方々は全員とても ” 似ている ” 事で有名ですから少々戸惑いがありますの。 」
ジェニファーちゃんはセンスの上からチラチラッと俺の顔から体まで見つめ、ふぅ……と小さくため息を溢す。
シャルロッテ……シャルロッテ…………。
聞き覚えのない名前を呟きながら、記憶を懸命にほじくっていると、ボンヤリ記憶に引っかかる人物を思い出し、ポンっ!と手を叩いた。
< シャルロッテ >は、メルンブルク家の長女、つまりリーフの2歳上の姉に当たる人物だ。
何故こんなに俺の記憶が朧げなのかというと、実はシャルロッテは物語の中でも出てくるのだが、出番がほぼないから。
基本レオンハルトを虐めるのはリーフ。
そして、その姉のシャルロッテの唯一の登場シーンは、レオンハルトを虐めるリーフの後ろ、そこでちょうど今のジェニファーちゃんの様にセンスで口元を隠し笑っている場面のみ。
更にリーフと共に家が没落した後は、一切出てきてない事から、” いつの間にか消えていた女の子 ” というのが俺の中のシャルロッテの記憶の全てだ。
正直名前を覚えていただけで奇跡レベルなんだよね~。
またぼやっとしていくイメージを必死に食い止め、ドンっ!と主張するリーフの挿絵のその後ろに小さく小さ~く写っているシャルロッテの姿を思い出す。
確か、キンキラキンの金髪に青い目……?
メルンブルク家は美形で有名なお家なので、多分彼女も相当の美人……?
ブツブツと必死に記憶のカケラをかき集めていると、俺の頭の匂いを嗅ぎすぎて酸欠を起こしたのか、レオンがグテ~と俺の背にもたれかかってきた。
それをヨイショッと後手に体を支え転倒を防止しつつ、最近はついつい忘れてしまっていたメルンブルク家についても頑張って思い出す。
そうそう、俺の外見から様々な誤解を受けてしまっている可哀想なメルンブルク家の人達……。
それなのにお金を沢山送ってくれて親の責任を果たそうとするなんて……本当にありがとう!
ワッ!と感動してしまい、更に今まですっかり忘れていた罪悪感もあってブルブルと震えてしまった。
ありがとう。ありがとう。
ご迷惑をおかけしております。
そしてこれからもう少しお世話になります&今まで忘れててごめんなさい。
感謝と謝罪する事しかできない!
「 おおおお~ー……。 」
まだ俺の頭の匂いを嗅ぎ続けているレオンを後ろにくっつけたまま、眩しさに目を細め、教室の前の方へ視線を向ける。
するとまず目に飛び込んでくるのは、部屋に見合う金ピカデザインの教壇とその後ろに設置されている巨大スクリーンだった。
そして教壇に向かい合う形で、生徒たちが座る用の机と椅子がズラリと並んでいるのだが、机の形がかなり横長の形状をしている事から多分2人席タイプであることが分かる。
今度はその長い机を目で追っていくと、徐々に視線は上の方へ。
2列に分かれて並んでいるその机は、後ろへ向かっていくにつれて、ちょうどひな壇の様に後ろが徐々に高くなって設置されていた。
ドラマなどでよく見る、大学の講義の時に使う教室みたいだ。
「 凄いな、ここが今日から教室になるのか。 」
隠しきれない喜びは、フンフンッ!という荒い鼻息によって現れ、まだまだ俺の匂いを嗅ぎ続けるレオンを伴って、意気揚々と中に一歩入った。
すると既に集まっていた生徒たちがザッ!と移動してしまい安定の離れ小島になる。
「 …………。 」
最初の一歩を踏み出したまま止まり、自分とレオンの立ち位置を思い出した。
……まぁ、人間関係は長期戦、長期戦。
焦らない焦らない。
近くに誰もいないのに視線だけは一身に集めるという、この奇っ怪な状態にため息をつきながら席に向かおうとしたその時────。
「 おはようございます。リーフ様。 」
聞き覚えのある女の子の声が遠く離れた集団から聞こえてきたので、直ぐに振り返る。
すると声がした方向から、優雅な仕草で前に進み出てきたのは────なんとジェニファーちゃんであった。
赤!赤!赤!と運動会を連想させるクッキリした赤色で統一されたドレスに、沢山のフリルがつく事でゴージャスさが増し増し。
手にはそんなドレスに見劣りしない、大きなルビーがゴロッとついた金ピカキラキラ扇子を持っている。
戦闘で例えるなら、超攻撃力特化型の前衛攻撃班。
相手を圧倒するほどの輝きを放つジェニファーちゃんだが、ドレスのデザインは毎回違えど少なくとも俺が見た限りは全て【 赤 】。
もしかして赤色が大好きなのかもしれない。
車に轢かれにくい目立つ色~♬
子供に着せるのには最高の色で俺も大好き!
「 おはよう!ジェニファーちゃん。 」
勝手に仲間意識を持ちながら挨拶を返せば、後ろからはその専属聖兵士のクラーク君も同時に姿を現す。
「 おはようございます。リーフ様。 」
「 クラーク君もおはよう。 」
クラーク君は、これまたお手本の様な礼をして朝の挨拶。
流石は高貴な生まれの二人。
挨拶の一つでも粗がない。
二人はそんな完璧な朝の挨拶の後、俺とレオンを交互に見ながら鋭い視線を送ってくる。
もしや何かマナー違反でもやらかしてしまったか?と思ったが、ジェニファーちゃんは開いたセンスをスッ……と口元に持ってきて、何事もない様に普通の世間話を始めた。
「 まぁ、私だけではなく専属聖兵士のクラークの事までご存知だとは思いませんでしたわ。
流石試験で300点越えの偉業を達成した方は違いますわね。
余裕を感じますわ。 」
「 友達になった子にクラーク君の名前を教えて貰ったんだ。
褒めてくれてありがとう。
2人と同じクラスになれて嬉しいよ。これからよろしくね。 」
「 フフッ、私も嬉しいですわ。
……それにしても、リーフ様はとても親しみやすい方でしたのね。
なんだか予想していた方とはだいぶかけ離れていて……当分戸惑うかもしれません。 」
そう言ってジェニファーちゃんはクラーク君と目をチラッと合わせ、軽く笑い合う。
" 外見が周囲に溶け込みすぎて背景と一体化。 "
" 親しみやすさは空気と同列。 "
────と言われ続けてきた俺にとって、そう思われていなかったなど予想外の出来事だ。
これは通行人の役から完全脱却。
苦労……はしてないけど、悪役宣言したかいがあったというもの。
思わずニンマリと笑みが溢れる。
「 そう!?俺的にこんな感じで今後はいくつもりだから!
────いやいや、志は高く持とう!更に高みを目指すよ、俺は。 」
「 ???えっ……???
?????
────そ、そうですか……。高みを目指すことは良いことだと思いますけど……?? 」
少々口ごもりながら答えたジェニファーちゃんは、直ぐにキリッ!と目に力を入れて、話題を変えた。
「 ……わ、わたくし、実はメルンブルク家のシャルロッテ様とはよくお茶会でご一緒する仲でして……。
リーフ様はあまりシャルロッテ様と似ておりませんね。内面的なものも含めて。
シャルロッテ様はご家族の方とそっくりですし、メルンブルク家の方々は全員とても ” 似ている ” 事で有名ですから少々戸惑いがありますの。 」
ジェニファーちゃんはセンスの上からチラチラッと俺の顔から体まで見つめ、ふぅ……と小さくため息を溢す。
シャルロッテ……シャルロッテ…………。
聞き覚えのない名前を呟きながら、記憶を懸命にほじくっていると、ボンヤリ記憶に引っかかる人物を思い出し、ポンっ!と手を叩いた。
< シャルロッテ >は、メルンブルク家の長女、つまりリーフの2歳上の姉に当たる人物だ。
何故こんなに俺の記憶が朧げなのかというと、実はシャルロッテは物語の中でも出てくるのだが、出番がほぼないから。
基本レオンハルトを虐めるのはリーフ。
そして、その姉のシャルロッテの唯一の登場シーンは、レオンハルトを虐めるリーフの後ろ、そこでちょうど今のジェニファーちゃんの様にセンスで口元を隠し笑っている場面のみ。
更にリーフと共に家が没落した後は、一切出てきてない事から、” いつの間にか消えていた女の子 ” というのが俺の中のシャルロッテの記憶の全てだ。
正直名前を覚えていただけで奇跡レベルなんだよね~。
またぼやっとしていくイメージを必死に食い止め、ドンっ!と主張するリーフの挿絵のその後ろに小さく小さ~く写っているシャルロッテの姿を思い出す。
確か、キンキラキンの金髪に青い目……?
メルンブルク家は美形で有名なお家なので、多分彼女も相当の美人……?
ブツブツと必死に記憶のカケラをかき集めていると、俺の頭の匂いを嗅ぎすぎて酸欠を起こしたのか、レオンがグテ~と俺の背にもたれかかってきた。
それをヨイショッと後手に体を支え転倒を防止しつつ、最近はついつい忘れてしまっていたメルンブルク家についても頑張って思い出す。
そうそう、俺の外見から様々な誤解を受けてしまっている可哀想なメルンブルク家の人達……。
それなのにお金を沢山送ってくれて親の責任を果たそうとするなんて……本当にありがとう!
ワッ!と感動してしまい、更に今まですっかり忘れていた罪悪感もあってブルブルと震えてしまった。
ありがとう。ありがとう。
ご迷惑をおかけしております。
そしてこれからもう少しお世話になります&今まで忘れててごめんなさい。
感謝と謝罪する事しかできない!
39
お気に入りに追加
2,014
あなたにおすすめの小説
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。
【完結】竜を愛する悪役令嬢と、転生従者の謀りゴト
しゃもじ
BL
貴族の間で婚約破棄が流行し、歪みに歪んだサンドレア王国。
悪役令嬢のもとに従者として転生した主人公・グレイの目的は、前世で成し遂げられなかったゲームクリア=大陸統治をし、敬愛するメルロロッティ嬢の幸せを成就すること。
前世の記憶『予知』のもと、目的達成するためにグレイは奔走するが、メルロロッティ嬢の婚約破棄後少しずつ歴史は歪曲し、グレイの予知からズレはじめる…
婚約破棄に悪役令嬢、股が緩めの転生主人公、やんわりBがLしてる。
そんな物語です。
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
お決まりの悪役令息は物語から消えることにします?
麻山おもと
BL
愛読していたblファンタジーものの漫画に転生した主人公は、最推しの悪役令息に転生する。今までとは打って変わって、誰にも興味を示さない主人公に周りが関心を向け始め、執着していく話を書くつもりです。
悪役令息の死ぬ前に
やぬい
BL
「あんたら全員最高の馬鹿だ」
ある日、高貴な血筋に生まれた公爵令息であるラインハルト・ニーチェ・デ・サヴォイアが突如として婚約者によって破棄されるという衝撃的な出来事が起こった。
彼が愛し、心から信じていた相手の裏切りに、しかもその新たな相手が自分の義弟だということに彼の心は深く傷ついた。
さらに冤罪をかけられたラインハルトは公爵家の自室に幽閉され、数日後、シーツで作った縄で首を吊っているのを発見された。
青年たちは、ラインハルトの遺体を抱きしめる男からその話を聞いた。その青年たちこそ、マークの元婚約者と義弟とその友人である。
「真実も分からないクセに分かった風になっているガキがいたからラインは死んだんだ」
男によって過去に戻された青年たちは「真実」を見つけられるのか。
そばかす糸目はのんびりしたい
楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。
母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。
ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。
ユージンは、のんびりするのが好きだった。
いつでも、のんびりしたいと思っている。
でも何故か忙しい。
ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。
いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。
果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。
懐かれ体質が好きな方向けです。今のところ主人公は、のんびり重視の恋愛未満です。
全17話、約6万文字。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる