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第十三章
505 別れは辛いよ
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( リーフ )
「 えっ?────あ、うんうん。確かに。 」
正に今疑問に思っていた事をズバリ当てられ素直に頷くと、サイモンはトントンと俺の横に移動し、キュルルンッと効果音が出そうなほど光り輝くお目々で俺を見上げた。
「 ” 平民組でひたむきに頑張る主人公! ”
” それを見た特級組にいるキラキラ王子様は何となく気になる! ”
” そして始まる恋の物語~!! ”
────が!王道ですからね~ラブロマンス小説では!
ボクはその主人公ポジ目指しまぁ~す♡
ちなみに王子様は茶色い髪でぇ~緑の瞳のぉ~…………ギャンっ! 」
サイモンが言い終わる前にレオンがスッとサイモンと俺の僅かに隙間に体を入れてきたもんだから、サイモンは水を掛けられた猫の様に遠くに飛んで逃げる。
「 リリアちゃんもそのラブロマンスを目指しているのかい? 」
遠くでこちらの様子を伺うサイモンを見ながらそう尋ねると、リリアちゃんはクスッと笑い、首を軽く横に振った。
「 私はそういうモノはあまり……。
理由は単純に面白そうだったからです。
自分たちの方が上だと思っている人間が下に負けたら……ねぇ?
どういう反応するんでしょうね? 」
そのままクスクスと、まるで純粋少女の様に笑うリリアちゃんだったが、言っている事は結構真っ黒黒助。
さすがはナンバーワン中学院!一筋縄ではいかない子達ばかりだ!
獣人組はドン引きし、モルトとニールは恐怖とオッパイの魅力との間で悩ましげな様子をみせている。
ちなみにソフィアちゃんとアゼリアちゃんは、何故か中々やるではないかとライバル的な立ち位置で視線を向け、レオンは興味一切なしだ。
見事にバラバラ。
チームワークに不安あり。
ニッコリしながら、そんなみんなを見守っていたが、そろそろ教室に向かわないと遅刻する事に気がついた。
「 そろそろ教室に行く時間だね。
後でみんなでお昼食べようよ。 」
「 は~い!さっちゃん喜んで~♡ 」
誰よりも早くサイモンが答え、アゼリアちゃんがギリギリと歯軋りしていたが、とりあえず全員からOKの返事をもらい一旦皆とはお別れに。
ソフィアちゃんとアゼリアちゃんは先に教会での言付けを伝えにフラン学院長に会いに、そしてエルフ組を警戒しながら平民組に向かおうとするメルちゃんをリリアちゃんが捕獲!
おぱーいの狭間にメルちゃんを挟み込み、そのままサイモンと共に平民組の教室へと去っていった。
残った貴族組のモルトとニールは、そのまま普通に向かうかと思いきや────突然俺を見ながらメソメソしだしたのでギョッと目を見開く。
「 ど、どうしたんだい??! 」
「 リーフ様と違うクラスなんて心配です~。 」
「 色々フォローできなくなるっす────! 」
そう言って俺の隣にいるレオンを同時にチラッと見る。
俺は普段は早熟気味のモルトとニールの子供らしい一面を見て、同じく寂しさが込み上げグススンと鼻を啜った。
なんだかんだでずっと一緒だった俺達幼馴染~ズ。
その初めてといえる別れの時。
3人で抱き合いわーんわーんと泣いていると、「 なんだか俺も寂しくなってきたー! 」と言いながらレイドがその輪に入ってくる────が……。
突然ビクーッ!!と体を震わせたレイドは、レオンの方を振り返り、その後直ぐに両脇にモルトとニールを抱え上げる。
「 じゃっ!また後でな! 」
早口でそう言ったレイドは、そのまま脱兎の如く去ってしまった。
「 流石は獣人、動きが早いな~。 」
ね~?と同意を得ようと、レオンを見上げたのだが安定の無表情のお顔が……。
その後はゴシゴシと顔を拭かれ、そのまま教室へ向かう事になった。
◇◇◇◇
【 特級組 】は実力主義に相応しく、一番広くて豪勢な部屋を使って作られた教室で授業をするそうで、それを顕著に表した様にその教室が近づくにつれて景色がどんどん変わっていく。
下はただの床から赤くてふわふわした絨毯の道に、周りの簡素だった壁にはお高そうな絵画が飾られ、廊下の両端にはこれまた高そうな壺や鎧や剣などの展示物がズラリと並ぶ。
もうパッと見るだけでも壊したらヤバい的な雰囲気がプンプンだ。
あげ玉は絶対入れない様にしよう……と心に誓いながら到着した教室の扉の前で、俺はおお────っ……と目を輝かせながら口を大きく開けてそれを見上げた。
魔の前には、つい ” 開け~ゴマ! ” と言いたくなる様な巨大でキンキラキンの黄金の扉。
開く為に手を触れることすら躊躇われるほどゴロゴロとくっついている宝石達、そんなゴテゴテっとした扉なのにも関わらず下品に見えないデザインは匠の技としか言いようがない。
入り口から既にお金の匂いプンプンだぞ~?
とりあえず嗅いでおこう!と扉の匂いをクンクン嗅げば、レオンが真似して俺の頭の匂いをクンクン嗅ぎ始める。
教室の中はどうなっているのだろう?とワクワクしながら扉に手を掛け、ゆっくりと開けていくと、徐々に見えてくる部屋の内装にも更にびっくりおったまげ~させられた。
高級ホテルもびっくりな何処を見ても芸術品の様な作りをしている黄金色の部屋に、お高そうな机やら椅子やらの家具達。
とてもではないが学生の教室には見えず、どこぞやの宮殿にでも入り込んでしまったのかと思うほどであった。
「 えっ?────あ、うんうん。確かに。 」
正に今疑問に思っていた事をズバリ当てられ素直に頷くと、サイモンはトントンと俺の横に移動し、キュルルンッと効果音が出そうなほど光り輝くお目々で俺を見上げた。
「 ” 平民組でひたむきに頑張る主人公! ”
” それを見た特級組にいるキラキラ王子様は何となく気になる! ”
” そして始まる恋の物語~!! ”
────が!王道ですからね~ラブロマンス小説では!
ボクはその主人公ポジ目指しまぁ~す♡
ちなみに王子様は茶色い髪でぇ~緑の瞳のぉ~…………ギャンっ! 」
サイモンが言い終わる前にレオンがスッとサイモンと俺の僅かに隙間に体を入れてきたもんだから、サイモンは水を掛けられた猫の様に遠くに飛んで逃げる。
「 リリアちゃんもそのラブロマンスを目指しているのかい? 」
遠くでこちらの様子を伺うサイモンを見ながらそう尋ねると、リリアちゃんはクスッと笑い、首を軽く横に振った。
「 私はそういうモノはあまり……。
理由は単純に面白そうだったからです。
自分たちの方が上だと思っている人間が下に負けたら……ねぇ?
どういう反応するんでしょうね? 」
そのままクスクスと、まるで純粋少女の様に笑うリリアちゃんだったが、言っている事は結構真っ黒黒助。
さすがはナンバーワン中学院!一筋縄ではいかない子達ばかりだ!
獣人組はドン引きし、モルトとニールは恐怖とオッパイの魅力との間で悩ましげな様子をみせている。
ちなみにソフィアちゃんとアゼリアちゃんは、何故か中々やるではないかとライバル的な立ち位置で視線を向け、レオンは興味一切なしだ。
見事にバラバラ。
チームワークに不安あり。
ニッコリしながら、そんなみんなを見守っていたが、そろそろ教室に向かわないと遅刻する事に気がついた。
「 そろそろ教室に行く時間だね。
後でみんなでお昼食べようよ。 」
「 は~い!さっちゃん喜んで~♡ 」
誰よりも早くサイモンが答え、アゼリアちゃんがギリギリと歯軋りしていたが、とりあえず全員からOKの返事をもらい一旦皆とはお別れに。
ソフィアちゃんとアゼリアちゃんは先に教会での言付けを伝えにフラン学院長に会いに、そしてエルフ組を警戒しながら平民組に向かおうとするメルちゃんをリリアちゃんが捕獲!
おぱーいの狭間にメルちゃんを挟み込み、そのままサイモンと共に平民組の教室へと去っていった。
残った貴族組のモルトとニールは、そのまま普通に向かうかと思いきや────突然俺を見ながらメソメソしだしたのでギョッと目を見開く。
「 ど、どうしたんだい??! 」
「 リーフ様と違うクラスなんて心配です~。 」
「 色々フォローできなくなるっす────! 」
そう言って俺の隣にいるレオンを同時にチラッと見る。
俺は普段は早熟気味のモルトとニールの子供らしい一面を見て、同じく寂しさが込み上げグススンと鼻を啜った。
なんだかんだでずっと一緒だった俺達幼馴染~ズ。
その初めてといえる別れの時。
3人で抱き合いわーんわーんと泣いていると、「 なんだか俺も寂しくなってきたー! 」と言いながらレイドがその輪に入ってくる────が……。
突然ビクーッ!!と体を震わせたレイドは、レオンの方を振り返り、その後直ぐに両脇にモルトとニールを抱え上げる。
「 じゃっ!また後でな! 」
早口でそう言ったレイドは、そのまま脱兎の如く去ってしまった。
「 流石は獣人、動きが早いな~。 」
ね~?と同意を得ようと、レオンを見上げたのだが安定の無表情のお顔が……。
その後はゴシゴシと顔を拭かれ、そのまま教室へ向かう事になった。
◇◇◇◇
【 特級組 】は実力主義に相応しく、一番広くて豪勢な部屋を使って作られた教室で授業をするそうで、それを顕著に表した様にその教室が近づくにつれて景色がどんどん変わっていく。
下はただの床から赤くてふわふわした絨毯の道に、周りの簡素だった壁にはお高そうな絵画が飾られ、廊下の両端にはこれまた高そうな壺や鎧や剣などの展示物がズラリと並ぶ。
もうパッと見るだけでも壊したらヤバい的な雰囲気がプンプンだ。
あげ玉は絶対入れない様にしよう……と心に誓いながら到着した教室の扉の前で、俺はおお────っ……と目を輝かせながら口を大きく開けてそれを見上げた。
魔の前には、つい ” 開け~ゴマ! ” と言いたくなる様な巨大でキンキラキンの黄金の扉。
開く為に手を触れることすら躊躇われるほどゴロゴロとくっついている宝石達、そんなゴテゴテっとした扉なのにも関わらず下品に見えないデザインは匠の技としか言いようがない。
入り口から既にお金の匂いプンプンだぞ~?
とりあえず嗅いでおこう!と扉の匂いをクンクン嗅げば、レオンが真似して俺の頭の匂いをクンクン嗅ぎ始める。
教室の中はどうなっているのだろう?とワクワクしながら扉に手を掛け、ゆっくりと開けていくと、徐々に見えてくる部屋の内装にも更にびっくりおったまげ~させられた。
高級ホテルもびっくりな何処を見ても芸術品の様な作りをしている黄金色の部屋に、お高そうな机やら椅子やらの家具達。
とてもではないが学生の教室には見えず、どこぞやの宮殿にでも入り込んでしまったのかと思うほどであった。
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