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第十三章
497 卵って・・ねぇ?
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パチーーーン!
お目々を勢いよく開ければいつも通りの日の出前~!
まだまだお外は薄暗い時間帯。
いつも通りの時間にバッチリ目を覚ました俺は、朝の恒例アナコンダ・ホールドされたまま目を覚ます。
本日は正面から巻き付くパターンでレオンのゴツゴツお胸がすぐ目の前。
感触は硬くてあまり良くないのに、もはやこれじゃないと・・と思うようにすらなってきたから本当に不思議~。
俺はクワァァ~とあくびをした後、ぬくぬくとしたレオンの腕の中、本日のライトノア学院のオリエンテーション最終日の予定について振り返った。
実は今日はレオンにとって・・いや、この世界の全準成人を迎えた子供達にとって一番の修羅場が待っている。
この世界の< 成人 >は15歳
前世の日本で暮らしていた俺からすればそんなものまだまだ子供と言っていい年齢だと思ってしまうが、
国が違えど常識も違うのは前世でも多々見られる事であったし、この世界はそういうものなのだと思うようにしている。
そしてその前段階、いわば前菜的なものが今現在俺達がドンピシャで当てはまっている< 準成人 >
そんな卵からヒヨコ程度の段階の子供達が必須で参加させられる、かなり特殊性が高い重要なイベントがーーーー
ずばり!< 性教育 >なのだ!
その楽しそうなイベントにテンションが上がり、レオンの腕の中で思わずモゾモゾモゾ~と細かく揺れ動く。
なんとこの世界、それまでの子供達に性的な知識を与えることが一切禁じられていて、ありとあらゆる情報が遮断されているのだ。
そのためかつてドキドキしながらこっそり買った思い出一杯のエチチな本もこの世界では売られていない。
もう全てを知っているおじさんの俺からすればへぇ~くらいの話でも、そんな事を全く知らない子供達からすれば今までの価値観が全てひっくり返される一大イベント!
人生史上最強のドキドキの一時を提供される羽目になる。
男の子は『 精通 』女の子なら『 初潮 』
そんな謎の現象を経験済みの子達もチラホラいるが、今の時点で詳しい説明はされておらず、詳しく教えてはいけない大人達はそれを隠すのに一苦労だった様だ。
ちなみに我が家ではではカルパスが俺に対し何かしらの危惧をしたのか知らないが、ある日部屋のベッドの上に一冊の本が置かれていた。
何だろう??
疑問を感じながらそれをペラっと開くと・・
” ある所にキラキラ愛し合うそれはそれは素晴らしき男女がいました~。
そしてその清らかなる愛を持って天に祈りを捧げることでぇ~
やがて卵が産まれて赤ちゃんが産まれます~ ”
ーー的なお話が書かれてあった。
「 ・・・・・。 」
多分前世でいうコウノトリやキャベツの中から赤ちゃんが~的なやつだと思われる。
その時俺は、なんとも言えない表情を浮かべたまま静かに本を閉じ、う~ん・・と考えた。
いや、卵って・・
そもそもの繁殖方法からして違う・・?
そんなツッコミしかできない内容だったので、" とりあえずレオンに質問された時はそう答えればいいのか明日カルパスに聞いてみよ~ " と軽く考えながら就寝したのだが・・
次の日のカルパスとジェーンのよそよそしい態度に聞くことができなかった。
あれは子供用エチチ本の一種だったのか・・?と今では思っているが、とにかくそんなあやふやなファンタジーちっくなお話ではなく、キチンとした性教育というイベントがこの準成人になって初めて迎える4月にあるのだ。
全国で一斉に行われるこの性教育は< 資質鑑定 >とは違い任意ではなく強制参加となっていて、更にそれを受けないと罰金刑があるくらい絶対に受けなければならないイベントとなっている。
その講義を受ける場所は、進学組はそれぞれの進学先である中学院、そして就職組は最寄りの教会で受けることが決まっていて、まさに今日がその日!
全員が生まれて初めて聞く話となるためかなり衝撃を受ける子もいるらしく、泡を拭いて倒れてしまった子もそれなりにいるそう。
多分卵が駄目なんじゃないかと俺は思う。
愛しあう2人~そして神に祈り~愛の結晶である卵が~・・というキラキラしたものしかない美し~い話からーーー
まさかのぐっちょんぐっちょんのおニャンニャン!
そして愛の証は苦しみもがくママンの絶叫轟く中、下半身から死ぬ気で捻り出す!!
ーーーが現実と知った時の子供達の心境よ。
まぁ、繊細な子なら気絶してもおかしくはない。
モゾモゾと動き続け収まりが良いベストポジションを見つけると、動きを止めてまたレオンんの腕の中でぬくぬくをありがたく味わう。
ウチの子レオンも気絶しちゃったりして~
軽く考えたつもりが、意外と笑えない内容であったため思わず真顔に・・
そもそももう少し段階を踏んだらどうかね?と言いたくなってしまうほど、この世界の人達は子供と大人の境界線がきっちりしていて、その中でも貴族はそれが顕著。
まだまだ人の見に馴染むとされる成人後まではおニャンニャンは禁止ではあるが、この初の性教育が終わり次第、より詳しい性知識や性技の座学講義、果ては閨の見学授業までするご家庭もあるらしいから童貞おじさんはびっくりおったまげ!
特に戦闘職の資質持ちのお家の男の子はそれがかなり積極的に行われるそうで、理由としては ” 性に振り回される事で戦いに支障をきたさないため ” なのだそうだ。
言葉は悪いがモンスター以外の敵ならば性を武器にし色仕掛けをしてくる者達も多々いて、その誘惑に負けてしまう者もそれなりにいるらしい。
俺も若かりし頃はそれなりに性欲と戦ってきたので誘惑されちゃうと負けちゃう気持ちはよ~く分かるが、負けちゃった~ではこの世界は決して許されない。
最悪それで味方は全滅。
物言わぬ仲間達と守るべき領地の民達を呆然と見下ろす結果となってしまう。
貴族のきらびやかな面ばかりに目がいってしまうが、裏ではこんな多大な苦労もしているんだなと思い、改めてしみじみ~。
レオンのお胸辺りの良い匂いをスンスン嗅ぎながら、男と性欲のお付き合いの仕方は本当に難しいんだよ・・と言い訳のように呟いた。
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