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第十三章

496 夜空のお散歩

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( リーフ )


右を見ても星、左を見ても星、満天の星空!


空をグライダーの様に飛び回るあげ玉の背の上でそのキラキラの景色を見ながら、うわぁぁぁ~!!と感嘆の声を上げる。



こんな凄い星空を間近で見ることができるなんて大感激!

前世よりもこの世界の方が空気が綺麗だからか、輝き方が全く違~う。



レオンにも見せてあげたいな~と考えながら、すっかり寂しくなった空の背中をなんとなく振り返る。



いつも背中にへばりついているレオンは現在いない。


ーーというのも、な、な、なんと!



お店周辺にゴロゴロと転がる酒瓶達を見て、レオンがお掃除をしてから帰ると言い出したからだ。


俺は再度前を向き、感動のためツーンと刺激される鼻を押さえながら目を閉じた。




うちの子、いい子過ぎない?



酔っ払い達が投げ捨てた酒瓶を自ら拾って街のお掃除しよう!など、中々できることではない。


つまりレオンは偉い!

凄くいい子!


もう、世界中の人達に見せびらかしたい!




やっぱりホームビデオは必須か・・・

それなりにお高い魔道具なので今は無駄な出費は押さえたいが・・いや、しかし・・



ブツブツとホームビデオ購入について検討を呟いていると、ドスンッ!という音と振動と共に馴染み深すぎる暖かな体温が背中を包み込む。



「 ただいま戻りました。リーフ様。 」



そう言ってレオンは後ろから俺をギュッと抱きしめた。



俺は無事に酒瓶を片付けてきたであろうレオンに「 お帰り~!お疲れ様。 」と返事を返した後、続けて「 片付け大変だった? 」と質問したが流石は片付け大好きレオン。



あっさりと首を横に振って何の負担もなかった事をアピールしてくる。



そうかそうか~と俺は満足気に頷いていると、レオンは怖かった~と言わんばかりに体を密着させてきて、更に頭の匂いをスンスン嗅ぐ。


そんな不安一杯の様子を見せるレオンに俺はスッ・・と表情を落とした。



そうそう、そうなんだよ。

夜、一人だけど大丈夫??って思ったんだよ。

また変態集団に襲われたらって・・




だから一緒に~と言ったのにレオンは一人でと言うもんだから、一旦は引き下がったフリをしてこっそりあげ玉から降りて追いかけようとしたのだがーーー・・


その瞬間、あげ玉に襟元をパクリと咥えられそのまま連れてかれてしまったため追いかけられず。



下ろして~と必死に懇願したが、あげ玉はフルフルと首を横に振るだけ。

しかもブンブンと一定のリズムで俺を振り回し、ポッポ鳥のヒナをあやすような動きまでしてくる!



違うの違うの~!と説明しようとしたら、あの満天の星空!

ドドドーーン!と感動が押し出てしまい、今に至る。



自分のポンコツっぷりに涙が出そう・・


グススンと鼻を鳴らしながら、せめて抱きまくら的なヒーリングアイテムとしてお役にたとう。


それで少しでもレオンが安心するなら好きなだけ俺の体を使っておくれ!


そう決心し、されるがままになっている俺にレオンは嬉しそうにスリスリ、スンスンと好きなだけ匂いを嗅いだ後、そのまま俺達は夜空を堪能しながら家へ帰っていった。



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