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第十三章
485 孤独な王
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( エドワード )
そして────。
「 ゴミ!ゴミ!!!クズ虫めがぁぁぁっ~……!!!
なんで神に選ばれた私の思うように動いてくれない!!?
アレが消えなければ私の世界がっ……!!!
クソクソクソクソクソぉぉぉぉ────!!! 」
────などと、まるで呪詛の様に呟いた後、はぁはぁと荒ぶる呼吸を吐き出しながら、両手でスッ……と顔全体を覆う。
そして呼吸が落ち着いた後、静かにその手を顔から外せば……またしても現れるのはニッコリと女神の様な笑みを貼り付けた、それはそれは美しい顔であった。
カールは乱れてグシャグシャになってしまった髪を、ゆっくりと気だるげに撫でつけ、フフッと笑い声を漏らす。
「 大きなお祭りの前に汚らしいゴミ虫を退治しようと思ったのに……。
本当に本当に本当に……残念だよ。
やはり美しくないモノはしぶといね。
虫と一緒だ。
叩き潰しても、焼き殺しても……どこからか湧いてきて飛び回る。
目の前に、ブーン……ブーン……ってね。 」
俺はその言葉にフッと笑みを漏らした後、ガタガタと震え跪いたままのレイナをギロリッと睨みつけた。
「 さて、そろそろグリモアの方でそろそろ動きがある頃だろう。
現状を説明せよ、レイナ。 」
「 ……っ!はっ!!
グリモアの冒険者ギルドの支部長< ヘンドリク >が【 吸魔石 】の存在に気づいた模様……。
しかしその目的までは知られていません。
・・
ここまでくればアレを見つけ、対処する事は不可能でしょう。
当分は『 モンスター行進 』を防ぐ事で手一杯になるはずですから……。 」
「 ……ほぅ?< 吸魔石 >をもう見つけたか。
予定より早かったな。
流石は元Sランク冒険者といったところか……。
────で、問題はないだろうな? 」
確認をとるようにそう言い放てば、ルノマンドがレイナの横からすかさず答える。
「 勿論、何も問題はございません。
もうすでに土台はできておりますので、後は機が熟すのを待つだけかと……。
< 聖浄結石 >の方も完成間近でございます。 」
ルノマンドは、ふぅふぅ……と息を乱しながら、予想通りの報告をした。
計画通りに進んでいる今の現状に思わず笑いが漏れ出し、耐えきれなくなった俺は大声で笑い出す。
そして笑いがやっと収まった頃、俺は静かな……しかし明確で鋭い殺気を込めてルノマンドとレイナを見下ろした。
「 やっと……やっとだ。
長年の苦労が結ばれる時は近い。
これでアーサー派閥も教会も終わりだ。
俺が王に……この世界の覇者となる。
俺の望む ” 世界 ” にやっと手が届くところまでくることができたのだ。
────失敗は許されない。分かっているな? 」
ゾッとするほどの冷たい空気に包まれた闇の中、呼吸を止めて体を震わせた2人は、「「 はっ!! 」」と直ぐ返事を返し、そのまま闇に溶ける様に消えていった。
それを見届けた後、カールは胸元のポケットから懐中時計を取り出すと、貼り付けた様な笑顔はまたもや崩れ、今度は無邪気に喜ぶ少年の様な表情を浮かべる。
「 あぁ、そろそろ私の愛する妻と子供達との楽しいお茶の時間だ。
エドワード様、私もこれにて失礼致します。
家族団らんの時間は私にとって何より優先しなければならない大切な時間ですので。 」
んん~♬と鼻歌を歌いながら、カールは一歩後ろに下がり、その体は先ほどの二人同様スッと闇の中に消えていった。
残されたのは、光の一切差さぬ闇の中、静かに佇む王座と……そこに座り、これから訪れる今の ” 間違った ” 世界の消滅と、” 正しき ” 世界の誕生に笑みを漏らす、俺の姿であった。
そして────。
「 ゴミ!ゴミ!!!クズ虫めがぁぁぁっ~……!!!
なんで神に選ばれた私の思うように動いてくれない!!?
アレが消えなければ私の世界がっ……!!!
クソクソクソクソクソぉぉぉぉ────!!! 」
────などと、まるで呪詛の様に呟いた後、はぁはぁと荒ぶる呼吸を吐き出しながら、両手でスッ……と顔全体を覆う。
そして呼吸が落ち着いた後、静かにその手を顔から外せば……またしても現れるのはニッコリと女神の様な笑みを貼り付けた、それはそれは美しい顔であった。
カールは乱れてグシャグシャになってしまった髪を、ゆっくりと気だるげに撫でつけ、フフッと笑い声を漏らす。
「 大きなお祭りの前に汚らしいゴミ虫を退治しようと思ったのに……。
本当に本当に本当に……残念だよ。
やはり美しくないモノはしぶといね。
虫と一緒だ。
叩き潰しても、焼き殺しても……どこからか湧いてきて飛び回る。
目の前に、ブーン……ブーン……ってね。 」
俺はその言葉にフッと笑みを漏らした後、ガタガタと震え跪いたままのレイナをギロリッと睨みつけた。
「 さて、そろそろグリモアの方でそろそろ動きがある頃だろう。
現状を説明せよ、レイナ。 」
「 ……っ!はっ!!
グリモアの冒険者ギルドの支部長< ヘンドリク >が【 吸魔石 】の存在に気づいた模様……。
しかしその目的までは知られていません。
・・
ここまでくればアレを見つけ、対処する事は不可能でしょう。
当分は『 モンスター行進 』を防ぐ事で手一杯になるはずですから……。 」
「 ……ほぅ?< 吸魔石 >をもう見つけたか。
予定より早かったな。
流石は元Sランク冒険者といったところか……。
────で、問題はないだろうな? 」
確認をとるようにそう言い放てば、ルノマンドがレイナの横からすかさず答える。
「 勿論、何も問題はございません。
もうすでに土台はできておりますので、後は機が熟すのを待つだけかと……。
< 聖浄結石 >の方も完成間近でございます。 」
ルノマンドは、ふぅふぅ……と息を乱しながら、予想通りの報告をした。
計画通りに進んでいる今の現状に思わず笑いが漏れ出し、耐えきれなくなった俺は大声で笑い出す。
そして笑いがやっと収まった頃、俺は静かな……しかし明確で鋭い殺気を込めてルノマンドとレイナを見下ろした。
「 やっと……やっとだ。
長年の苦労が結ばれる時は近い。
これでアーサー派閥も教会も終わりだ。
俺が王に……この世界の覇者となる。
俺の望む ” 世界 ” にやっと手が届くところまでくることができたのだ。
────失敗は許されない。分かっているな? 」
ゾッとするほどの冷たい空気に包まれた闇の中、呼吸を止めて体を震わせた2人は、「「 はっ!! 」」と直ぐ返事を返し、そのまま闇に溶ける様に消えていった。
それを見届けた後、カールは胸元のポケットから懐中時計を取り出すと、貼り付けた様な笑顔はまたもや崩れ、今度は無邪気に喜ぶ少年の様な表情を浮かべる。
「 あぁ、そろそろ私の愛する妻と子供達との楽しいお茶の時間だ。
エドワード様、私もこれにて失礼致します。
家族団らんの時間は私にとって何より優先しなければならない大切な時間ですので。 」
んん~♬と鼻歌を歌いながら、カールは一歩後ろに下がり、その体は先ほどの二人同様スッと闇の中に消えていった。
残されたのは、光の一切差さぬ闇の中、静かに佇む王座と……そこに座り、これから訪れる今の ” 間違った ” 世界の消滅と、” 正しき ” 世界の誕生に笑みを漏らす、俺の姿であった。
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