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第十二章
467 ビリビリ!
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( リーフ )
おおお???何だ?何だ??
凄い勢いで近づいてくる物騒な音に驚いて音がする方へ視線を向けると、その直線上にある茂みから3人の男たちが慌てた様子で飛び出してきた。
格好からすると恐らく冒険者の様で、まだ年齢は30にはいかないくらいの若者達。
どうしたのか尋ねようとしたのだが、その前に彼らは俺とレオンに視線を走らせると、ニヤァ~と嫌な感じの笑みを見せ、そのまま東門の方へあっという間に走り去ってしまった。
あんなに慌ててどうしたのだろう??と不思議に思いながら、「 お腹ピ~ピ~ちゃんかな? 」とレオンにヒソヒソすると、彼らが走ってきた方向からーーー
ーーーバキバキッ!!ドカッ!!!
そんな木々をなぎ倒す破壊音とともに5mは軽く越えるであろう巨大な影が飛び出してきた。
そいつが沢山のトゲトゲの付いた大きな手を手当たり次第振り回しながら、真っ赤に充血した目を俺達に向けると、牙がびっしり生えた大きな口からは大量のヨダレが飛び散る。
すっかり捕食モードになったご様子の< モーニング・スターベア >であった。
< モーニング・スターベア >
体長5mを越える熊型のCランクモンスター
両手はしゃもじの様な形をしていて沢山の棘がついていることからそう命名された。
攻撃に非常に特化していてその手から繰り出される凄まじい威力の物理攻撃は、一振りだけで辺り一帯が吹き飛び、戦闘職の兵士でも一撃で即死するほど。
性格は人に対し非常に好戦的かつ凶暴で、姿を目にすると直ぐに捕食モードへ移行する。
一度このモードに入ってしまえば獲物を殺して食べない限りは落ち着かないため慎重な対応が必要である。
俺とレオンが視界に入った事で、既に捕食モードの熊さんに獲物としてばっちりロックオン。
グオォォォォーーーー!!!
物凄い咆哮をあげ、トゲトゲの付いた手を俺達に向かって思い切り振り下ろす。
それを俺とレオンがヒョイッと軽く避けてジャンプすると、その手は地面を叩き、そのまま蜘蛛の巣の様に周囲に亀裂が走っていった。
そしてだいたい半径10mくらいの地面がベコッと凹むのを見下ろしながら、お~!とそのパワーに感心していると、
攻撃が当たらなかった事に腹を立てたらしい熊さんは、唸り声を上げながら俺達に連続パンチを繰り出してくる。
それをヒョイッヒョイッと避けながら、俺は隣にいるレオンに言った。
「 これ確か美味しいヤツだったよね?
しゃもじみたいな手の所に栄養が詰まってて珍味扱いされてた様な・・? 」
以前レガーノでアントンがものすごく美味しいお肉のソテーを出してくれた時、そんな事を言っていた事を思い出し確認すると・・
レオンも思い出したのかコクリッと頷いたので、こいつは大ラッキー!!と思わずガッツポーズ。
森の奥に行かなくてもマリンさんに最高のお土産を持っていけるぞ!
それを喜びながら早速熊さんの大振り攻撃を大きくしゃがみ込んで回避すると、腰に差している中剣を1本引き抜き、立ち上がる勢いのまま熊さんの顎から頭の方に掛けて突き刺した。
すると頭を突き刺された熊さんは、グォオオーーー!!!!と大きく叫び、まだ俺を攻撃しようと両腕を大きく上に振ったが、それより早く俺は後ろへ大きく飛びーー
「 レオ~ン!ビリビリお願いしま~す! 」と叫ぶ。
それを聞いたレオンは、人差し指を軽くスイッ・・と下に動かした。
するとその動きと連動する様に一瞬パチッと音がしたかと思うと、熊さんはそのまま後ろの方へと倒れていきーーー・・
ズドーーーン!!!と仰向けに倒れて完全に沈黙。
グテ~と倒れてしまった熊さんの体はビクビクと痙攣しているが、完全に息の根は止まっているようだ。
レオンの攻撃魔法の一つ、その名も『 ビリビリ 』
俺が命名したそれは、レオン曰く静電気を模して作ったとの事だったがーーー
なんと!これをお肉に流してから食べるとものすごくお肉がジューシーで美味しくなることが判明し、それからはこうして食用のお肉を調達する際は必ずレオンに使って貰っている。
これはこれは~マリンさんに最高のお土産が~とニコニコしながら解体をしようとしたのだが・・
確かギルドの方でモンスター討伐もポイントになるって言ってたような?と思い出し、とりあえずモンスターはレオンの多次元ボックスに入るそうなので、そのまま放り込んでおいてもらう事にした。
おおお???何だ?何だ??
凄い勢いで近づいてくる物騒な音に驚いて音がする方へ視線を向けると、その直線上にある茂みから3人の男たちが慌てた様子で飛び出してきた。
格好からすると恐らく冒険者の様で、まだ年齢は30にはいかないくらいの若者達。
どうしたのか尋ねようとしたのだが、その前に彼らは俺とレオンに視線を走らせると、ニヤァ~と嫌な感じの笑みを見せ、そのまま東門の方へあっという間に走り去ってしまった。
あんなに慌ててどうしたのだろう??と不思議に思いながら、「 お腹ピ~ピ~ちゃんかな? 」とレオンにヒソヒソすると、彼らが走ってきた方向からーーー
ーーーバキバキッ!!ドカッ!!!
そんな木々をなぎ倒す破壊音とともに5mは軽く越えるであろう巨大な影が飛び出してきた。
そいつが沢山のトゲトゲの付いた大きな手を手当たり次第振り回しながら、真っ赤に充血した目を俺達に向けると、牙がびっしり生えた大きな口からは大量のヨダレが飛び散る。
すっかり捕食モードになったご様子の< モーニング・スターベア >であった。
< モーニング・スターベア >
体長5mを越える熊型のCランクモンスター
両手はしゃもじの様な形をしていて沢山の棘がついていることからそう命名された。
攻撃に非常に特化していてその手から繰り出される凄まじい威力の物理攻撃は、一振りだけで辺り一帯が吹き飛び、戦闘職の兵士でも一撃で即死するほど。
性格は人に対し非常に好戦的かつ凶暴で、姿を目にすると直ぐに捕食モードへ移行する。
一度このモードに入ってしまえば獲物を殺して食べない限りは落ち着かないため慎重な対応が必要である。
俺とレオンが視界に入った事で、既に捕食モードの熊さんに獲物としてばっちりロックオン。
グオォォォォーーーー!!!
物凄い咆哮をあげ、トゲトゲの付いた手を俺達に向かって思い切り振り下ろす。
それを俺とレオンがヒョイッと軽く避けてジャンプすると、その手は地面を叩き、そのまま蜘蛛の巣の様に周囲に亀裂が走っていった。
そしてだいたい半径10mくらいの地面がベコッと凹むのを見下ろしながら、お~!とそのパワーに感心していると、
攻撃が当たらなかった事に腹を立てたらしい熊さんは、唸り声を上げながら俺達に連続パンチを繰り出してくる。
それをヒョイッヒョイッと避けながら、俺は隣にいるレオンに言った。
「 これ確か美味しいヤツだったよね?
しゃもじみたいな手の所に栄養が詰まってて珍味扱いされてた様な・・? 」
以前レガーノでアントンがものすごく美味しいお肉のソテーを出してくれた時、そんな事を言っていた事を思い出し確認すると・・
レオンも思い出したのかコクリッと頷いたので、こいつは大ラッキー!!と思わずガッツポーズ。
森の奥に行かなくてもマリンさんに最高のお土産を持っていけるぞ!
それを喜びながら早速熊さんの大振り攻撃を大きくしゃがみ込んで回避すると、腰に差している中剣を1本引き抜き、立ち上がる勢いのまま熊さんの顎から頭の方に掛けて突き刺した。
すると頭を突き刺された熊さんは、グォオオーーー!!!!と大きく叫び、まだ俺を攻撃しようと両腕を大きく上に振ったが、それより早く俺は後ろへ大きく飛びーー
「 レオ~ン!ビリビリお願いしま~す! 」と叫ぶ。
それを聞いたレオンは、人差し指を軽くスイッ・・と下に動かした。
するとその動きと連動する様に一瞬パチッと音がしたかと思うと、熊さんはそのまま後ろの方へと倒れていきーーー・・
ズドーーーン!!!と仰向けに倒れて完全に沈黙。
グテ~と倒れてしまった熊さんの体はビクビクと痙攣しているが、完全に息の根は止まっているようだ。
レオンの攻撃魔法の一つ、その名も『 ビリビリ 』
俺が命名したそれは、レオン曰く静電気を模して作ったとの事だったがーーー
なんと!これをお肉に流してから食べるとものすごくお肉がジューシーで美味しくなることが判明し、それからはこうして食用のお肉を調達する際は必ずレオンに使って貰っている。
これはこれは~マリンさんに最高のお土産が~とニコニコしながら解体をしようとしたのだが・・
確かギルドの方でモンスター討伐もポイントになるって言ってたような?と思い出し、とりあえずモンスターはレオンの多次元ボックスに入るそうなので、そのまま放り込んでおいてもらう事にした。
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