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第十二章
466 何?何?
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( リーフ )
何々~? ” お手 ” しろって?
ワンワンに ” お手 ” を命じる時の様に差し出された手にノリノリでお手をしようとしたのだが、それより先にレオンのその手のひらに小さな魔法陣が出現し、そこからーーー
スポポポーーーン!!
そんな音を立てて薬草が大量に飛び出してきた!
その光景を見て、俺の目玉もスポーン!と飛び出し、驚きのまま俺はレオンに向かって叫んだ。
「 えええっーーー!!??
そ、それって< 多次元ボックス >じゃないか!?
なんでレオンがそんな凄いスキルを??? 」
< 多次元ボックス >は商人系資質を持つ者が稀に持っているスキルの一種で、その中でもレア中のレア!
それを持っているだけでお店で働く際にはかなりの特別待遇がされるほどの物凄いスキルなのだ。
ただしそのボックスの容量は人によってまちまちで、石一つ分しか入らない人もいれば、家を丸ごと収納できてしまう者もいるため、ピンからキリまでが凄く激しいスキルであることでも有名である。
ーーというのも、残念ながらこの容量は< 鑑定 >の様に本人のレベルが上がれば増えるという事はないので、
生まれながらにこれを持って生まれた時点でその能力は死ぬまで変わらず、ピンはピンのまま、キリはキリのまま・・能力に変動がない事がその大きな理由らしい。
確か今までで最高と言われた容量が ” 家3つ分 ” くらいだったような・・?
頭をひねってその知識を引っ張り出した後、もう一度レオンの手のひらに浮かんで発動している魔法陣をマジマジと見る。
薬草が多少入るほどの大きさだったとしても< 英雄 >という最強戦闘系資質のレオンがそれを持っているなんてありうるのか・・?
当然物語の中のレオンハルトだって持っていなかったはずなのに一体どうして・・
ここで俺は< 英雄 >の資質の本質とも言える特性を思い出す。
” < 英雄 >の資質のスキルは辛い体験が元で発現する ”
あ~・・
俺は大いに納得して大きく頷いた。
俺はレオンと出会ってからなんだかんだで手に何かを持っているという状況は少ないのだが、それはレオンが俺がそれを手に取る前に、サッと取り上げようとしてくるからだ。
貴族はお付きの従者に荷物を持たせるのが普通のため、それこそリーフ邸にあるお弁当を入れるランチボックスだって、それを見越してゴテゴテの装飾品がこれでもかとくっついているため凄く重い。
外見重視!なぜなら、従者が持つからなのです~
ーーと、これが貴族のスタンダードルール。
そしてそれに一切文句を言わずにただひたすら持って付きそうのが、従者のスタンダードルール。
そしてそれに喜びを感じるのがレオンの奴隷スタンダードルール。
ほっとけば歯ブラシすらレオンに取り上げられて磨かれてしまう日常を思い出し、多分これが原因なのでは?と思い始めた。
( 発動条件 )
一定回数以上、重い荷物を代わりに運搬すること
一定以上の責任感、義務感をもって完璧に何かを持つこと
ーーーとか?
多分運搬物の中に俺も入ってるんじゃないかな~?
数えきれないほど麦袋スタイルで運ばれているし・・
考えれば考えるほどそれが正解だなと確信を得ていると、レオンがスラスラと俺の質問に答えた。
「 これですか?
以前街で見た時便利そうだったので創っておきました。
薬草は途中で見かけたものを一応回収しておきましたが、もっと採りますか? 」
「 そ、そうなんだー!
それで足りるからもう大丈夫だよ。ありがとう!
えっと・・じゃあ、それの中に入れるのは薬草くらいなのかな? 」
スキルはそんなちょっと見かけて~で発現するような代物ではないため、たまたまそれが目についた時に発現したと思われる。
更にその容量について考えれば、薬草がモサッ~と出てきた事から少なくともランチバケットくらいの大きさはありそうだと考え、レオンにそれを確認したのだが・・
レオンはう~ん・・と考え込む仕草を見せた。
「 ・・さぁ?どうでしょうか。
・
なにせ端が見えないのでどれくらいの広さがあるのか正直わかりません。
・・あぁ、試しにこの国全てを入れてみますか? 」
急にそんなジョークを言ってきたレオンに一瞬驚いたが、そんな冗談を言えるほど会話スキルが上がった事に感動し、
「 国を入れちゃったら夕食時にまた出すのが面倒だから辞めようね~。 」と冗談で返しておいた。
するとレオンは、「 リーフ様は欲がないですね・・ 」と言って眉を軽く下げ悲しそうだが、どこか嬉しそうにも見える微妙な表情を見せる。
いやいや?俺、結構欲望盛々なんだけど・・?
今はマリンさんとの夕食ヤホ~イだし?
ちょっとチラッとおっぱいの谷間見えたらスーパーラッキー!ウヒョヒョ~イとかキモいエロおじさんの欲望全開だし・・
これは子供には見せたらいかんね~と自身の欲望は必死に押さえて、ススンっ・・と表情を引き締めた後、
とりあえずはレオンの新たに発現した< 多次元ボックス >に思考を戻したが、まぁ、あって困るものではないし、結局俺の出した結論は、
” まっ、いっか~ ”
いつのまにか凄いスキル持っててラッキーラッキー、そのお陰で依頼はおしま~い!レオンありがとう!
早速マリンさんへの手土産狩りにい~こうっと!
俺のトリ頭が最終的な結論を出した、その時ーーーー
森の奥からガサガサガサッ!!!と草の根をかき分ける音、数人の足音に・・更にその後ろからは大きな破壊音まで聞こえてきた。
何々~? ” お手 ” しろって?
ワンワンに ” お手 ” を命じる時の様に差し出された手にノリノリでお手をしようとしたのだが、それより先にレオンのその手のひらに小さな魔法陣が出現し、そこからーーー
スポポポーーーン!!
そんな音を立てて薬草が大量に飛び出してきた!
その光景を見て、俺の目玉もスポーン!と飛び出し、驚きのまま俺はレオンに向かって叫んだ。
「 えええっーーー!!??
そ、それって< 多次元ボックス >じゃないか!?
なんでレオンがそんな凄いスキルを??? 」
< 多次元ボックス >は商人系資質を持つ者が稀に持っているスキルの一種で、その中でもレア中のレア!
それを持っているだけでお店で働く際にはかなりの特別待遇がされるほどの物凄いスキルなのだ。
ただしそのボックスの容量は人によってまちまちで、石一つ分しか入らない人もいれば、家を丸ごと収納できてしまう者もいるため、ピンからキリまでが凄く激しいスキルであることでも有名である。
ーーというのも、残念ながらこの容量は< 鑑定 >の様に本人のレベルが上がれば増えるという事はないので、
生まれながらにこれを持って生まれた時点でその能力は死ぬまで変わらず、ピンはピンのまま、キリはキリのまま・・能力に変動がない事がその大きな理由らしい。
確か今までで最高と言われた容量が ” 家3つ分 ” くらいだったような・・?
頭をひねってその知識を引っ張り出した後、もう一度レオンの手のひらに浮かんで発動している魔法陣をマジマジと見る。
薬草が多少入るほどの大きさだったとしても< 英雄 >という最強戦闘系資質のレオンがそれを持っているなんてありうるのか・・?
当然物語の中のレオンハルトだって持っていなかったはずなのに一体どうして・・
ここで俺は< 英雄 >の資質の本質とも言える特性を思い出す。
” < 英雄 >の資質のスキルは辛い体験が元で発現する ”
あ~・・
俺は大いに納得して大きく頷いた。
俺はレオンと出会ってからなんだかんだで手に何かを持っているという状況は少ないのだが、それはレオンが俺がそれを手に取る前に、サッと取り上げようとしてくるからだ。
貴族はお付きの従者に荷物を持たせるのが普通のため、それこそリーフ邸にあるお弁当を入れるランチボックスだって、それを見越してゴテゴテの装飾品がこれでもかとくっついているため凄く重い。
外見重視!なぜなら、従者が持つからなのです~
ーーと、これが貴族のスタンダードルール。
そしてそれに一切文句を言わずにただひたすら持って付きそうのが、従者のスタンダードルール。
そしてそれに喜びを感じるのがレオンの奴隷スタンダードルール。
ほっとけば歯ブラシすらレオンに取り上げられて磨かれてしまう日常を思い出し、多分これが原因なのでは?と思い始めた。
( 発動条件 )
一定回数以上、重い荷物を代わりに運搬すること
一定以上の責任感、義務感をもって完璧に何かを持つこと
ーーーとか?
多分運搬物の中に俺も入ってるんじゃないかな~?
数えきれないほど麦袋スタイルで運ばれているし・・
考えれば考えるほどそれが正解だなと確信を得ていると、レオンがスラスラと俺の質問に答えた。
「 これですか?
以前街で見た時便利そうだったので創っておきました。
薬草は途中で見かけたものを一応回収しておきましたが、もっと採りますか? 」
「 そ、そうなんだー!
それで足りるからもう大丈夫だよ。ありがとう!
えっと・・じゃあ、それの中に入れるのは薬草くらいなのかな? 」
スキルはそんなちょっと見かけて~で発現するような代物ではないため、たまたまそれが目についた時に発現したと思われる。
更にその容量について考えれば、薬草がモサッ~と出てきた事から少なくともランチバケットくらいの大きさはありそうだと考え、レオンにそれを確認したのだが・・
レオンはう~ん・・と考え込む仕草を見せた。
「 ・・さぁ?どうでしょうか。
・
なにせ端が見えないのでどれくらいの広さがあるのか正直わかりません。
・・あぁ、試しにこの国全てを入れてみますか? 」
急にそんなジョークを言ってきたレオンに一瞬驚いたが、そんな冗談を言えるほど会話スキルが上がった事に感動し、
「 国を入れちゃったら夕食時にまた出すのが面倒だから辞めようね~。 」と冗談で返しておいた。
するとレオンは、「 リーフ様は欲がないですね・・ 」と言って眉を軽く下げ悲しそうだが、どこか嬉しそうにも見える微妙な表情を見せる。
いやいや?俺、結構欲望盛々なんだけど・・?
今はマリンさんとの夕食ヤホ~イだし?
ちょっとチラッとおっぱいの谷間見えたらスーパーラッキー!ウヒョヒョ~イとかキモいエロおじさんの欲望全開だし・・
これは子供には見せたらいかんね~と自身の欲望は必死に押さえて、ススンっ・・と表情を引き締めた後、
とりあえずはレオンの新たに発現した< 多次元ボックス >に思考を戻したが、まぁ、あって困るものではないし、結局俺の出した結論は、
” まっ、いっか~ ”
いつのまにか凄いスキル持っててラッキーラッキー、そのお陰で依頼はおしま~い!レオンありがとう!
早速マリンさんへの手土産狩りにい~こうっと!
俺のトリ頭が最終的な結論を出した、その時ーーーー
森の奥からガサガサガサッ!!!と草の根をかき分ける音、数人の足音に・・更にその後ろからは大きな破壊音まで聞こえてきた。
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