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第十二章
457 冒険者ギルド出陣
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( リーフ )
グリモアの冒険者ギルドがある場所は、東門を中心とした【 冒険者区域 】と呼ばれる地域のど真ん中にあるらしい。
馬鹿みたいに広い、このグリモアという街は、それぞれの区域まではかなりの距離がある。
そのため、前世で言えばバスのような役目を持つ馬車が、定期的に指定された順路をグルグルと回っているので、移動の際は基本この馬車に乗らなければならない。
しかし俺とレオンの場合は、身体強化を掛けて屋根伝いをひとっ走りできる。
その方が断然早いし、時間帯によっては馬車は満員電車並みに非常に混雑するので、今後も馬車には乗らずに走って移動する予定だ。
レオンと二人でシュタタ~ン♬と屋根から屋根へと軽々飛び移りながら、ご機嫌で下に沢山立っているお店や出店達を見回した。
色んなお店が立ち並ぶ【 商業区域 】とは違い、コチラの区域は武器や防具の修復や研磨、様々な情報屋やトラップなど、戦いに即効性のある商品などなどを扱うお店が多い。
更に依頼を受けた際に恐らく使うであろう商品屋さんや、依頼後に軽~く一杯的な飲み屋さんや休憩場的なお店も並んでいる様だ。
東門よりの【 冒険者区域 】は、まさに冒険者達の街みたいなモノ。
ワクワクしながら先に進み、俺達はやっと目的の建物を発見してその前にシュタッと降り立った。
門からほど近い場所にドドーンと建っているレンガ造りの巨大な建物。
これこそがグリモア支部の『 冒険者ギルド 』である。
「 で、でか~……! 」
ポカーン……としながら、ちょっとしたお城の様な外観を持つその建物を見上げた。
赤茶色のレンガにより全体に落ち着いた雰囲気になっているこの建物は、窓の数からして3階建てだがとにかくデカい!
正面には鉄製の大きく頑丈な扉がついていて、多分予備知識なしでこの建物を見たら、とんでもなく偉い人でも住んでいるの?と勘違いするレベルでご立派だ。
今の時間帯はちょうど午前中に依頼を受注し、帰ってくる冒険者達が多いようで、服の汚れを入り口でパンパンッと払いながら中に入っていく人が多かった。
「 う~ん……とりあえず中に入ってみようか。 」
建物内は果たしてどんな感じなのか?
レオンを手招きしながら扉の前に立つ。
そしてそのままソッと扉を開け、まずはチラ~と中を覗くと、ガヤガヤと結構な数の人たちで賑わっている様子であった。
突然入っても大丈夫そうだ!
そう判断した俺は、レオンと共にスルリと中に入り、そのままキョロキョロと辺りを見回す。
正面にズラーッと並んでいるのは、役所にあるようなカウンターで、10……いや、20近くはある。
そしてその一つ一つに事務職員さんらしき人たちが座っていて、その前に列を作って並んでいるのが冒険者っぽい人たちだ。
恐らくあそこが受付とみた!
そう予想しながら、ジーッとそのカウンターの上を見ると、やはり《 ギルド受付所 》と書かれた立て札が置かれているのを発見した。
「 多分あそこに並べば登録できるんじゃないかな~? 」
ボソボソとレオンの耳に囁き、そのまま列に並ぼうとしたが、そこに並ぶ冒険者さん達の手に何かの紙が握られている事に気づき、一旦止まってキョロキョロともう一度周囲を動かす。
すると、サイドの壁際に壁が見えないほどの巨大ボードが置かれているのを見つけたので、先にそっちに駆け寄ると、そのボードには沢山の白い紙が張られていて、どうやらこれが冒険者さん達が持っていた紙の正体の様だ。
??何だろう?この紙……。
張られている紙をシゲシゲと眺めると、まず目に入るのは【 依頼主の名前と依頼内容 】という文字。
そして他には【 報酬と依頼主からの依頼に当たっての注意事項や要望 】などなどが細かく書かれていて、紙全体に大きくアルファベットの文字のスタンプが押されていた。
冒険者らしき人達はそれをピッ!と剥がしては、先ほどのカウンターへと持って行っている。
「 もしかして、これが依頼書というやつかな?
自分で受けたい依頼を選んで受付に持っていくっていう仕組み?? 」
ポケ~として我関せずなレオンにボソボソと話しかけながら頷いていると────突然背後から男性の声が聞こえた。
「 おい、そこの少年達。もしかして冒険者ギルドは初めてか? 」
ドキーッ!!
突然話しかけられて驚き、慌てて振り返ると……そこには、見知らぬ20代前半~半ばほどの青年が立っていた。
パシっと綺麗な七三分けヘアー。
秀才に見えるアイテムNO・1の丸メガネを掛け、ニッと気さくな笑みを見せてくる。
それだけ言われれば事務職員の人だろうか?と思われるだろうが、ところがどっこい。
背丈はゆうに2m越え!
そしてそれに相応しいムッキリ筋肉が、皮の防具から隠しきれないほどチラッチラと覗いていることから、確実に戦闘系……しかも前衛職であると思われる。
面倒見が良い、近所の優しいお兄さん風な顔と雰囲気……なのに、ムッキムキ。
その凶悪なまでに逞しい身体とほんわかイメージがチグハグで、どうにも印象に残りやすい青年だなと思った。
そのままポカンッと見上げていると、青年は、んん~?と俺をジロジロと見下ろし、突然表情をくしゃりと崩す。
「 坊主……お前、まだ準成人になったばかりくらいじゃないのか?
────ということは、後ろの黒フードのお兄さんは兄貴か。
兄弟で登録は珍しくないが、その歳でってことは親御さんが……。
……そうかそうか!お前たち苦労してるんだな!ほらっ!案内してやるからこっちに来てくれ! 」
青年はグスンっと涙をうっすら浮かべながら、受付の方を指さしたので、多大な誤解をされている事に気づいて慌ててそれを訂正した。
「 心配してくれてありがとう!
でも違うんだよ。
俺とレオン……あ、俺、リーフ!よろしく!
で、俺と後ろにいるのがレオン!
俺達同じ年で、今年ライトノア学院に入学したんだ。
それでお金が必要だから学業の傍ら冒険者をすることにしたんだよ。 」
「 ────へ?そうだったのか!
ならば良かった!
お前たちくらいの歳で登録しにくるのは、大体が親なしだったり貧しい家庭の子供だったりするからな。
しかし、学生の身で稼ごうとは中々大したもんだ。
俺はAランク冒険者の< ザップル >だ。
” 親 ” 認定冒険者だから何でも聞いてくれ。 」
ザップルさんは自身の胸に親指を突き立てると、もう一度ニッと笑った。
グリモアの冒険者ギルドがある場所は、東門を中心とした【 冒険者区域 】と呼ばれる地域のど真ん中にあるらしい。
馬鹿みたいに広い、このグリモアという街は、それぞれの区域まではかなりの距離がある。
そのため、前世で言えばバスのような役目を持つ馬車が、定期的に指定された順路をグルグルと回っているので、移動の際は基本この馬車に乗らなければならない。
しかし俺とレオンの場合は、身体強化を掛けて屋根伝いをひとっ走りできる。
その方が断然早いし、時間帯によっては馬車は満員電車並みに非常に混雑するので、今後も馬車には乗らずに走って移動する予定だ。
レオンと二人でシュタタ~ン♬と屋根から屋根へと軽々飛び移りながら、ご機嫌で下に沢山立っているお店や出店達を見回した。
色んなお店が立ち並ぶ【 商業区域 】とは違い、コチラの区域は武器や防具の修復や研磨、様々な情報屋やトラップなど、戦いに即効性のある商品などなどを扱うお店が多い。
更に依頼を受けた際に恐らく使うであろう商品屋さんや、依頼後に軽~く一杯的な飲み屋さんや休憩場的なお店も並んでいる様だ。
東門よりの【 冒険者区域 】は、まさに冒険者達の街みたいなモノ。
ワクワクしながら先に進み、俺達はやっと目的の建物を発見してその前にシュタッと降り立った。
門からほど近い場所にドドーンと建っているレンガ造りの巨大な建物。
これこそがグリモア支部の『 冒険者ギルド 』である。
「 で、でか~……! 」
ポカーン……としながら、ちょっとしたお城の様な外観を持つその建物を見上げた。
赤茶色のレンガにより全体に落ち着いた雰囲気になっているこの建物は、窓の数からして3階建てだがとにかくデカい!
正面には鉄製の大きく頑丈な扉がついていて、多分予備知識なしでこの建物を見たら、とんでもなく偉い人でも住んでいるの?と勘違いするレベルでご立派だ。
今の時間帯はちょうど午前中に依頼を受注し、帰ってくる冒険者達が多いようで、服の汚れを入り口でパンパンッと払いながら中に入っていく人が多かった。
「 う~ん……とりあえず中に入ってみようか。 」
建物内は果たしてどんな感じなのか?
レオンを手招きしながら扉の前に立つ。
そしてそのままソッと扉を開け、まずはチラ~と中を覗くと、ガヤガヤと結構な数の人たちで賑わっている様子であった。
突然入っても大丈夫そうだ!
そう判断した俺は、レオンと共にスルリと中に入り、そのままキョロキョロと辺りを見回す。
正面にズラーッと並んでいるのは、役所にあるようなカウンターで、10……いや、20近くはある。
そしてその一つ一つに事務職員さんらしき人たちが座っていて、その前に列を作って並んでいるのが冒険者っぽい人たちだ。
恐らくあそこが受付とみた!
そう予想しながら、ジーッとそのカウンターの上を見ると、やはり《 ギルド受付所 》と書かれた立て札が置かれているのを発見した。
「 多分あそこに並べば登録できるんじゃないかな~? 」
ボソボソとレオンの耳に囁き、そのまま列に並ぼうとしたが、そこに並ぶ冒険者さん達の手に何かの紙が握られている事に気づき、一旦止まってキョロキョロともう一度周囲を動かす。
すると、サイドの壁際に壁が見えないほどの巨大ボードが置かれているのを見つけたので、先にそっちに駆け寄ると、そのボードには沢山の白い紙が張られていて、どうやらこれが冒険者さん達が持っていた紙の正体の様だ。
??何だろう?この紙……。
張られている紙をシゲシゲと眺めると、まず目に入るのは【 依頼主の名前と依頼内容 】という文字。
そして他には【 報酬と依頼主からの依頼に当たっての注意事項や要望 】などなどが細かく書かれていて、紙全体に大きくアルファベットの文字のスタンプが押されていた。
冒険者らしき人達はそれをピッ!と剥がしては、先ほどのカウンターへと持って行っている。
「 もしかして、これが依頼書というやつかな?
自分で受けたい依頼を選んで受付に持っていくっていう仕組み?? 」
ポケ~として我関せずなレオンにボソボソと話しかけながら頷いていると────突然背後から男性の声が聞こえた。
「 おい、そこの少年達。もしかして冒険者ギルドは初めてか? 」
ドキーッ!!
突然話しかけられて驚き、慌てて振り返ると……そこには、見知らぬ20代前半~半ばほどの青年が立っていた。
パシっと綺麗な七三分けヘアー。
秀才に見えるアイテムNO・1の丸メガネを掛け、ニッと気さくな笑みを見せてくる。
それだけ言われれば事務職員の人だろうか?と思われるだろうが、ところがどっこい。
背丈はゆうに2m越え!
そしてそれに相応しいムッキリ筋肉が、皮の防具から隠しきれないほどチラッチラと覗いていることから、確実に戦闘系……しかも前衛職であると思われる。
面倒見が良い、近所の優しいお兄さん風な顔と雰囲気……なのに、ムッキムキ。
その凶悪なまでに逞しい身体とほんわかイメージがチグハグで、どうにも印象に残りやすい青年だなと思った。
そのままポカンッと見上げていると、青年は、んん~?と俺をジロジロと見下ろし、突然表情をくしゃりと崩す。
「 坊主……お前、まだ準成人になったばかりくらいじゃないのか?
────ということは、後ろの黒フードのお兄さんは兄貴か。
兄弟で登録は珍しくないが、その歳でってことは親御さんが……。
……そうかそうか!お前たち苦労してるんだな!ほらっ!案内してやるからこっちに来てくれ! 」
青年はグスンっと涙をうっすら浮かべながら、受付の方を指さしたので、多大な誤解をされている事に気づいて慌ててそれを訂正した。
「 心配してくれてありがとう!
でも違うんだよ。
俺とレオン……あ、俺、リーフ!よろしく!
で、俺と後ろにいるのがレオン!
俺達同じ年で、今年ライトノア学院に入学したんだ。
それでお金が必要だから学業の傍ら冒険者をすることにしたんだよ。 」
「 ────へ?そうだったのか!
ならば良かった!
お前たちくらいの歳で登録しにくるのは、大体が親なしだったり貧しい家庭の子供だったりするからな。
しかし、学生の身で稼ごうとは中々大したもんだ。
俺はAランク冒険者の< ザップル >だ。
” 親 ” 認定冒険者だから何でも聞いてくれ。 」
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