466 / 1,001
第十一章
453 どんどん深まる
しおりを挟む
( リーフ )
「 確かに全員が権力を手放す選択をするなんてありえない・・。
アルバード王国に< 王族 >や< 貴族 >などの身分制度が出来たのは、今から約2500年前・・
つまり『 ゼロの歴史 』から約500年間は王政や身分制度の様なものがなかったことから、当然『 ゼロの歴史 』の期間もそれがないと思われていたけどレイティア王国同様にあった可能性も・・?
・・・でもそうなら余計に謎が・・。 」
ブツブツ呟き考え始めたソフィアちゃんを尻目に、なんかレオンのチョコンと丸まったシルエットがパックのまま落として隅っこに寄っちゃったささみ肉に似てる~と思いつき口元がムズムズ。
伸ばしてから焼く!とむっちりしたささみ肉を伸ばして焼いた日の事を思い出していると、レイドが急に、あっ!と何かを思い出したらしく突然話し始めた。
「 ウチの故郷の国< ジェンス王国 >とドワーフの国< ガンドレイド王国 >が爵位ってやつが出来たのは、
確か< ドロティア帝国 >が他国への侵略行為を始めた頃だから・・1500年前くらいからだっけな?
とりあえず人族よりはだいぶ遅れてできただろう?
しかも未だにこの国みてぇにしっかりとしたザ・貴族!的な明確な法律はねぇから、なんちゃって貴族感がすげぇあるし、名前も平民と変わらず貴族でも1つ名のままなんだ。 」
「 そうそう、ジェンス王国って貴族でも平民でも王様でもファーストネームしかないもんね~。
しかも行動が全員野蛮だから貴族も平民もぜ~んぜん区別できないしぃ~。
まぁ、でも強いヤツに身分をそのまま与えただけだから仕方ないか。
王様も年に一回開かれる大会で決めちゃうくらいだしぃ~動物さん達に品格とか高貴さとか求めても無駄かぁ~。 」
「 ・・長耳族も知力が高い順に評価される・・。
全員嫌味と陰湿さは変わらずめんどくさい奴ら・・。 」
嫌味ったらしく攻撃を繰り出すサイモンにやれやれとため息をつきながらカウンターパンチのメルちゃん。
二人は無言で睨み合い、おでこをくっつけ合ってグイグイと押し合いのミニ相撲みたいな事をし始めた。
そうそう、結局は獣人もエルフの国も実力主義国だから、評価の仕方は第三者的観点からみれば同じ様なもん。
” 力 ” で評価するか ” 知力 ” で評価するかの違いしかない。
そっくりなのに何であんなに仲が悪いんだろう・・とグイグイ押し合ってハァハァ荒い息をしている2人をみて苦笑い。
レイドはメルちゃんにグッと親指を立ててから続きを話しだす。
「 まぁ、爵位が出来た始まりってのも当時の王様が、人族の国の話を聞いて ” 面白そ~!俺達も作ろうぜ! ” って言ったのが始まりだしな。
ちなみに王様が変われば法律も変わるが、現王は人族大好き、楽しいこと大好きだからこのまま爵位は持続させるって宣言しているし、
今までの王様達も楽しそうだから~って言ってそのまま残してきたわけだ。
獣人は基本、興味のあるもの以外は ” 面白そうだからとりあえず残しとくか ” って考え方が普通だろ?
だからもし爵位ってもんが昔あったなら、絶対そのまま存続してると思うんだよ。
そうなると当然『 ゼロの歴史 』の期間は爵位っていう身分分けはなかったって考えられているんだが、
俺の家の近くに住んでいるじいさんが妙な物をもってたんだ。 」
「「 妙な物?? 」」
レイドの話でモルトとニールが、はて?と顔を傾けた。
更に興味津々~と言わんばかりに自分に視線が集まっているのを感じ、レイドはフフ~ンと得意げに胸を張って答える。
「 かなり昔の短剣でさ。
たまたまモンスターになぎ倒された巨木の中に取り込まれる形でめり込んでいたんだってよ。
で、鞘から引き抜いてみたら結構良い切れ味だったから包丁として使ってたらしいんだが、そこに掘られていた名前が3つあったからおかしいなと思って覚えてたんだ。
ちょうど< リーフ・フォン・メルンブルク >みたいに。
ーーーなっ?変だろう? 」
獣人の国ではファーストネームのみなのに確かにそれは妙な話だと、犬の様にスンスン俺のお腹の匂いを嗅いでいるレオンに大人しく嗅がせてあげながら思ったが・・
レイドの話しにハンっ!と鼻で笑って否定するのはアゼリアちゃんであった。
「 そんなもの何処ぞやの人族がジェンス王国で落として、そのご老人が拾っただけであろう。
たいして珍しくも・・ 」
「 いや?その時ドワーフ族の客人が来ていたからついでに見て貰ったら、確実に2000年より前の物だっていってたぜ。
しかも木に取り込まれていた事を考えると、もしかして3000年より前のものかもしれないとも言ってた。
どっちにしろ、獣人が初めて人族と出会ったのはドロティア帝国の侵略時だから1500年前、計算が合わねえだろ? 」
「 それより前に人族が国に侵入していたという可能性は・・? 」
レイドに言い負かされて、アゼリアちゃんは悔しかったのか、グググっ・・唇を噛み締めながら食い下がったが、レイドはあっさりとそれを否定する。
「 確かに全員が権力を手放す選択をするなんてありえない・・。
アルバード王国に< 王族 >や< 貴族 >などの身分制度が出来たのは、今から約2500年前・・
つまり『 ゼロの歴史 』から約500年間は王政や身分制度の様なものがなかったことから、当然『 ゼロの歴史 』の期間もそれがないと思われていたけどレイティア王国同様にあった可能性も・・?
・・・でもそうなら余計に謎が・・。 」
ブツブツ呟き考え始めたソフィアちゃんを尻目に、なんかレオンのチョコンと丸まったシルエットがパックのまま落として隅っこに寄っちゃったささみ肉に似てる~と思いつき口元がムズムズ。
伸ばしてから焼く!とむっちりしたささみ肉を伸ばして焼いた日の事を思い出していると、レイドが急に、あっ!と何かを思い出したらしく突然話し始めた。
「 ウチの故郷の国< ジェンス王国 >とドワーフの国< ガンドレイド王国 >が爵位ってやつが出来たのは、
確か< ドロティア帝国 >が他国への侵略行為を始めた頃だから・・1500年前くらいからだっけな?
とりあえず人族よりはだいぶ遅れてできただろう?
しかも未だにこの国みてぇにしっかりとしたザ・貴族!的な明確な法律はねぇから、なんちゃって貴族感がすげぇあるし、名前も平民と変わらず貴族でも1つ名のままなんだ。 」
「 そうそう、ジェンス王国って貴族でも平民でも王様でもファーストネームしかないもんね~。
しかも行動が全員野蛮だから貴族も平民もぜ~んぜん区別できないしぃ~。
まぁ、でも強いヤツに身分をそのまま与えただけだから仕方ないか。
王様も年に一回開かれる大会で決めちゃうくらいだしぃ~動物さん達に品格とか高貴さとか求めても無駄かぁ~。 」
「 ・・長耳族も知力が高い順に評価される・・。
全員嫌味と陰湿さは変わらずめんどくさい奴ら・・。 」
嫌味ったらしく攻撃を繰り出すサイモンにやれやれとため息をつきながらカウンターパンチのメルちゃん。
二人は無言で睨み合い、おでこをくっつけ合ってグイグイと押し合いのミニ相撲みたいな事をし始めた。
そうそう、結局は獣人もエルフの国も実力主義国だから、評価の仕方は第三者的観点からみれば同じ様なもん。
” 力 ” で評価するか ” 知力 ” で評価するかの違いしかない。
そっくりなのに何であんなに仲が悪いんだろう・・とグイグイ押し合ってハァハァ荒い息をしている2人をみて苦笑い。
レイドはメルちゃんにグッと親指を立ててから続きを話しだす。
「 まぁ、爵位が出来た始まりってのも当時の王様が、人族の国の話を聞いて ” 面白そ~!俺達も作ろうぜ! ” って言ったのが始まりだしな。
ちなみに王様が変われば法律も変わるが、現王は人族大好き、楽しいこと大好きだからこのまま爵位は持続させるって宣言しているし、
今までの王様達も楽しそうだから~って言ってそのまま残してきたわけだ。
獣人は基本、興味のあるもの以外は ” 面白そうだからとりあえず残しとくか ” って考え方が普通だろ?
だからもし爵位ってもんが昔あったなら、絶対そのまま存続してると思うんだよ。
そうなると当然『 ゼロの歴史 』の期間は爵位っていう身分分けはなかったって考えられているんだが、
俺の家の近くに住んでいるじいさんが妙な物をもってたんだ。 」
「「 妙な物?? 」」
レイドの話でモルトとニールが、はて?と顔を傾けた。
更に興味津々~と言わんばかりに自分に視線が集まっているのを感じ、レイドはフフ~ンと得意げに胸を張って答える。
「 かなり昔の短剣でさ。
たまたまモンスターになぎ倒された巨木の中に取り込まれる形でめり込んでいたんだってよ。
で、鞘から引き抜いてみたら結構良い切れ味だったから包丁として使ってたらしいんだが、そこに掘られていた名前が3つあったからおかしいなと思って覚えてたんだ。
ちょうど< リーフ・フォン・メルンブルク >みたいに。
ーーーなっ?変だろう? 」
獣人の国ではファーストネームのみなのに確かにそれは妙な話だと、犬の様にスンスン俺のお腹の匂いを嗅いでいるレオンに大人しく嗅がせてあげながら思ったが・・
レイドの話しにハンっ!と鼻で笑って否定するのはアゼリアちゃんであった。
「 そんなもの何処ぞやの人族がジェンス王国で落として、そのご老人が拾っただけであろう。
たいして珍しくも・・ 」
「 いや?その時ドワーフ族の客人が来ていたからついでに見て貰ったら、確実に2000年より前の物だっていってたぜ。
しかも木に取り込まれていた事を考えると、もしかして3000年より前のものかもしれないとも言ってた。
どっちにしろ、獣人が初めて人族と出会ったのはドロティア帝国の侵略時だから1500年前、計算が合わねえだろ? 」
「 それより前に人族が国に侵入していたという可能性は・・? 」
レイドに言い負かされて、アゼリアちゃんは悔しかったのか、グググっ・・唇を噛み締めながら食い下がったが、レイドはあっさりとそれを否定する。
応援ありがとうございます!
5
お気に入りに追加
1,921
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる