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第十一章
449 何処行くの〜?
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( リーフ )
俺は必死にナイナイ尽くしの記憶力をフル活動し、外に出たくないと泣く子供の対応を、懸命に思い出していた。
ギャーギャーと、力の限り泣き喚く幼稚園児達。
ママさんはそれを見て、ニコリと慈愛に満ちた笑顔で子供達をフワッと抱きしめる。
” は~い。〇〇君はず~とママの赤ちゃんですよ。
いい子でちゅね~。 ”
そうやって存分に甘やかしていた映像が浮かんだ。
赤ちゃんの様に振る舞う子供を、満足させる作戦か……。
ブツブツと呟いている俺の目の前で、順番的にソフィアちゃんが、あだ名をつけられる最後の一人となった様だ。
ソフィアちゃんは、ドキドキしながらレオンのあだ名待ちをしていた様だが────……。
「 ……ー=ー==。 」
その言葉が違和感の残るものだったので、それについてソフィアちゃんが聞き返そうとした瞬間、俺はスッとレオンの背中を優しく触り、ゆっくり横倒しにしながら自身も下に座った。
正座をしている俺に仰向けで抱き抱えられる形のまま、背中に手を、そしてもう片方の手はお腹に添える様に乗せられているレオンは、まるで黒い大きなお琴の様。
まだホールに残っていた人たちも含めて、全員の目が俺たちに釘付けになった。
「 レオンは赤ちゃんだよ。 」
「 はい。俺はリーフ様の赤ちゃんです。頑張ります。 」
俺達のやり取りを見て、レイド達は勿論他の人たちまでブハッ!と盛大に吹き出したが、俺は真剣、レオンも真剣そのもので、周りのことなんて気にしない。
その中でソフィアちゃんとアゼリアちゃんだけは、必死に笑いを堪えている様だ。
そんな2人のうちアゼリアちゃんが、好きに笑う面々達に苦言を申し立てるも、レイドに「 いや、笑うだろう!こんなの! 」と返されてしまい一瞬黙った。
しかし、直ぐに貴族たるに相応しい、感情を心の奥に隠したキリッとした表情に変えると、しっかりとした口調で周りを諭すように話し始める。
「 相手は公爵家、この国のナンバー2の身分を持つ高貴なお方だぞ。
それを獣もどきや低位貴族が笑うなど許されぬことだ。
────あっ……あれはっ、我々の理解を越えた何か深い理由がっ……! 」
言っている内にピクピク震えていく口元を必死に閉じながら、そう言ったアゼリアちゃんが、フッと俺とレオンの方へ視線を移した。
するとちょうど、アバババババ~ッと俺が変な顔をしながらレオンをあやしているところだったので、そのまま同じく視線を移していたソフィアちゃんと同時に、ブブ──っ!!と吹き出してしまう。
周りでそれを見ている子たちも思う存分笑う中、レオンは俺の渾身の変顔を見てもボンヤリ見るだけだったので、心配になった俺は優しく語りかけた。
「 レオン、少しは落ち着いたかな~?
難しいかもしれないけど、自己を保つ事はとても大切なんだ。
他に何か忘れてしまった事はあるかい?
何か記憶から抜け落ちてしまったことは……? 」
「 気持ちはドキドキして落ち着きませんが……理性を失う事はないのでご安心してください。
こんな幸せ、忘れることなど絶対にありません。
出会うまでのどうでもいい日々の思い出ですら、俺にとっては幸せな記憶になってますから。 」
どうやらレオンは必死に自分の心と戦っている様だ。
これに関して素人の俺が下手に手を出すと、悪化する事は分かっているので、とにかく現状維持を目指し、今度帰った時にカルパスに相談してみようと思う。
「 そっか~、お幸せにね。 」
とりあえず方針は決まったので、安心して部活動見学へ向かおうとしたのだが、一応参考までに皆は何処に見学に行くのかな?と興味が湧いた。
「 そういえば、皆はこの後どの部活に見学に行くの? 」
「 いや、そのまま普通に会話するのかよwww!! 」
レオンを横抱きにしたまま尋ねると、レイドがヒーヒー笑い出したが、直ぐに涙を拭いて質問に答えてくれる。
「 まぁ~面白いから別にいっか!
俺は【 フリスビー部 】!試験前からずっと気になっていたからな! 」
【 フリスビー部 】
休日に飼い犬と……と想像することなかれ。
実際は平べったい形をしたフリスビーを力技で奪い合い、点を取り合うアメフトを格闘技にスーパー進化させたようなスポーツ。
前衛職の人たちや獣人達に大人気の部活である。
レイドが答えると、やっと笑いがおさまってきたらしいメンバーたちも次々に答える。
「 ……メルは【 弓術部 】 」
【 弓術部 】
弓をメインにした部活。
情熱が高い人たちが揃う知る人ぞ知る的な少数派の部活として有名
「 ボクは【 報道部 】かな~?
リリアは【 化術部 】でしょ? 」
サイモンの言葉に、リリアちゃんはニコッと笑いながらコクリと頷く。
【 報道部 】
主に平民にて構成されている ” 報道 ” に重きを置いた活動をしている部活。
” 広く正しい知識を ” をモットーに、有名生徒のインタビュー記事や熟愛報道、更には平民相手にした貴族の悪事を暴いた記事など、結構過激的で積極性の高い記事を書くことで有名。
【 化術部 】
あらゆる物質を混ぜたりかけ合わせたりと新たな物質の研究、解明を行う部活。
非常に精密かつ、危険も多い部活であるため入部テストの難しさは部活内一番。
ちなみに、モルトとニールはそれぞれ【 園術部 】と【 牧獣部 】。
試験前から嫌というほどその説明を聞いていたので、既に熟知済みである。
【 園術部 】
様々な品種の花を育ててそれを利用した商品開発をしている部活
【 牧獣部 】
人に利益をもたらす牛や鳥などの動物観察や、飼育する際の便利グッズに採れる資源を利用した商品開発をする
そしてアゼリアちゃんはやはりというか剣をメインに研究する【 剣舞術部 】
ソフィアちゃんはこの世界の成り立ちについての謎を研究する部活【 神学研究部 】にはいるそうだ。
【 剣舞術部 】
剣道とダンスを足して二で割った様な部で、様々な流派や新たな剣技を編み出したりしてそれを実際の戦闘に活かせるよう研究していく部活
【 神学研究部 】
世界の成り立ちとイシュル神の神話、伝えられている歴史、過去物や ” ゼロの歴史 ” の謎を研究する部活。
俺は必死にナイナイ尽くしの記憶力をフル活動し、外に出たくないと泣く子供の対応を、懸命に思い出していた。
ギャーギャーと、力の限り泣き喚く幼稚園児達。
ママさんはそれを見て、ニコリと慈愛に満ちた笑顔で子供達をフワッと抱きしめる。
” は~い。〇〇君はず~とママの赤ちゃんですよ。
いい子でちゅね~。 ”
そうやって存分に甘やかしていた映像が浮かんだ。
赤ちゃんの様に振る舞う子供を、満足させる作戦か……。
ブツブツと呟いている俺の目の前で、順番的にソフィアちゃんが、あだ名をつけられる最後の一人となった様だ。
ソフィアちゃんは、ドキドキしながらレオンのあだ名待ちをしていた様だが────……。
「 ……ー=ー==。 」
その言葉が違和感の残るものだったので、それについてソフィアちゃんが聞き返そうとした瞬間、俺はスッとレオンの背中を優しく触り、ゆっくり横倒しにしながら自身も下に座った。
正座をしている俺に仰向けで抱き抱えられる形のまま、背中に手を、そしてもう片方の手はお腹に添える様に乗せられているレオンは、まるで黒い大きなお琴の様。
まだホールに残っていた人たちも含めて、全員の目が俺たちに釘付けになった。
「 レオンは赤ちゃんだよ。 」
「 はい。俺はリーフ様の赤ちゃんです。頑張ります。 」
俺達のやり取りを見て、レイド達は勿論他の人たちまでブハッ!と盛大に吹き出したが、俺は真剣、レオンも真剣そのもので、周りのことなんて気にしない。
その中でソフィアちゃんとアゼリアちゃんだけは、必死に笑いを堪えている様だ。
そんな2人のうちアゼリアちゃんが、好きに笑う面々達に苦言を申し立てるも、レイドに「 いや、笑うだろう!こんなの! 」と返されてしまい一瞬黙った。
しかし、直ぐに貴族たるに相応しい、感情を心の奥に隠したキリッとした表情に変えると、しっかりとした口調で周りを諭すように話し始める。
「 相手は公爵家、この国のナンバー2の身分を持つ高貴なお方だぞ。
それを獣もどきや低位貴族が笑うなど許されぬことだ。
────あっ……あれはっ、我々の理解を越えた何か深い理由がっ……! 」
言っている内にピクピク震えていく口元を必死に閉じながら、そう言ったアゼリアちゃんが、フッと俺とレオンの方へ視線を移した。
するとちょうど、アバババババ~ッと俺が変な顔をしながらレオンをあやしているところだったので、そのまま同じく視線を移していたソフィアちゃんと同時に、ブブ──っ!!と吹き出してしまう。
周りでそれを見ている子たちも思う存分笑う中、レオンは俺の渾身の変顔を見てもボンヤリ見るだけだったので、心配になった俺は優しく語りかけた。
「 レオン、少しは落ち着いたかな~?
難しいかもしれないけど、自己を保つ事はとても大切なんだ。
他に何か忘れてしまった事はあるかい?
何か記憶から抜け落ちてしまったことは……? 」
「 気持ちはドキドキして落ち着きませんが……理性を失う事はないのでご安心してください。
こんな幸せ、忘れることなど絶対にありません。
出会うまでのどうでもいい日々の思い出ですら、俺にとっては幸せな記憶になってますから。 」
どうやらレオンは必死に自分の心と戦っている様だ。
これに関して素人の俺が下手に手を出すと、悪化する事は分かっているので、とにかく現状維持を目指し、今度帰った時にカルパスに相談してみようと思う。
「 そっか~、お幸せにね。 」
とりあえず方針は決まったので、安心して部活動見学へ向かおうとしたのだが、一応参考までに皆は何処に見学に行くのかな?と興味が湧いた。
「 そういえば、皆はこの後どの部活に見学に行くの? 」
「 いや、そのまま普通に会話するのかよwww!! 」
レオンを横抱きにしたまま尋ねると、レイドがヒーヒー笑い出したが、直ぐに涙を拭いて質問に答えてくれる。
「 まぁ~面白いから別にいっか!
俺は【 フリスビー部 】!試験前からずっと気になっていたからな! 」
【 フリスビー部 】
休日に飼い犬と……と想像することなかれ。
実際は平べったい形をしたフリスビーを力技で奪い合い、点を取り合うアメフトを格闘技にスーパー進化させたようなスポーツ。
前衛職の人たちや獣人達に大人気の部活である。
レイドが答えると、やっと笑いがおさまってきたらしいメンバーたちも次々に答える。
「 ……メルは【 弓術部 】 」
【 弓術部 】
弓をメインにした部活。
情熱が高い人たちが揃う知る人ぞ知る的な少数派の部活として有名
「 ボクは【 報道部 】かな~?
リリアは【 化術部 】でしょ? 」
サイモンの言葉に、リリアちゃんはニコッと笑いながらコクリと頷く。
【 報道部 】
主に平民にて構成されている ” 報道 ” に重きを置いた活動をしている部活。
” 広く正しい知識を ” をモットーに、有名生徒のインタビュー記事や熟愛報道、更には平民相手にした貴族の悪事を暴いた記事など、結構過激的で積極性の高い記事を書くことで有名。
【 化術部 】
あらゆる物質を混ぜたりかけ合わせたりと新たな物質の研究、解明を行う部活。
非常に精密かつ、危険も多い部活であるため入部テストの難しさは部活内一番。
ちなみに、モルトとニールはそれぞれ【 園術部 】と【 牧獣部 】。
試験前から嫌というほどその説明を聞いていたので、既に熟知済みである。
【 園術部 】
様々な品種の花を育ててそれを利用した商品開発をしている部活
【 牧獣部 】
人に利益をもたらす牛や鳥などの動物観察や、飼育する際の便利グッズに採れる資源を利用した商品開発をする
そしてアゼリアちゃんはやはりというか剣をメインに研究する【 剣舞術部 】
ソフィアちゃんはこの世界の成り立ちについての謎を研究する部活【 神学研究部 】にはいるそうだ。
【 剣舞術部 】
剣道とダンスを足して二で割った様な部で、様々な流派や新たな剣技を編み出したりしてそれを実際の戦闘に活かせるよう研究していく部活
【 神学研究部 】
世界の成り立ちとイシュル神の神話、伝えられている歴史、過去物や ” ゼロの歴史 ” の謎を研究する部活。
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